其の133『仇も巡れば他生の縁』 |
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時代 |
織豊の記憶 |
地域 |
本能寺 |
刀剣 |
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宗三左文字 |
……実休? ……貴方が来たということは、いよいよ主は覇道を行くのでしょうね |
実休光忠 |
どうかな。三好、織田、豊臣、徳川、みな天下人にはなったけれど。僕は本能寺と大阪城で焼け、終いには再刃もされずこの有様だ。いまさら天恵を与えられるだろうか |
宗三左文字 |
貴方はその傷で三好実休を、そして……魔王を最後まで守ったのでしょう? |
実休光忠 |
だと良いのだけれど。僕の記憶は、ぼんやりしているから |
宗三左文字 |
そうですか……。貴方とは随分と長く縁がありましたよ。それも、織田の前から |
実休光忠 |
ああ、宗三……三好政長の名はどことなく |
宗三左文字 |
そう……、政長は三好実休の父を殺し、そしてその兄に殺された |
宗三左文字 |
仇も、因縁も。巡れば縁……、ですか |
実休光忠 |
そう言ってもらえて嬉しいよ、なんだか |
宗三左文字 |
はぁ……。それこそ、いまさら貴方と張り合っても仕方が無いようです |
宗三左文字 |
ひとりの人に選ばれるか、ひとつの天に選ばれるか。その違いなど、ここではつまらぬ昔話……なのかもしれません |
実休光忠 |
ごめんね。お詫びと言ってはなんだけれど、君をお茶に誘ってもいいかな |
宗三左文字 |
……はあ |
実休光忠 |
どうかな? 冠する三好の名がそうさせている気がするのだけれど |
宗三左文字 |
そんなことを聞かれても困りますね…… |
宗三左文字 |
ただ……、良い茶菓子くらいは用意しますよ |
実休光忠 |
ああ、特急の薬草茶で持て成すよ |
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