其の141『無頼の桜梅』 |
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時代 |
織豊の記憶 |
地域 |
関ヶ原 |
刀剣 |
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山姥切長義 |
備前の刀が来たと思えば、なるほど、兼光の刀か |
後家兼光 |
キミは……、長義の。さすが、華やかで……うん、強き良き刀だ |
山姥切長義 |
長船の主流派であるあなたに、そのように面と向かって言われてしまうとね |
後家兼光 |
急にごめんね。備前長船の中で同じく相州伝の流行りを取り込んだ刀に声を掛けられたから、ついはしゃいでしまった。おつうにも、一言多いってよく言われるけど |
山姥切長義 |
いや、こちらの言い方も悪かったね |
後家兼光 |
そんなことないよ。兼光が相伝備前の始まりのように扱われることも、刀工の系譜も、それに正宗十哲の括りだって、後世の人による憶測や分類の結果でしかない、とも言える |
後家兼光 |
ただ、ボクが今感じたことは、それそのまま本当だなって |
山姥切長義 |
刀工として後に出てきた長義も、相州伝に美を見出した先達にそのように言われたら喜ぶだろう |
後家兼光 |
よかった。ボクは後家兼光。どうぞよろしく |
山姥切長義 |
山姥切長義だ。そうか、上杉……いや、直江兼続の刀か。それはまた難儀だな |
後家兼光 |
……え? |
山姥切長義 |
すまない、俺も一言多かったようだ |
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