其の152『新々刀の秘め事』 |
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時代 |
武家の記憶 |
地域 |
鎌倉(元弘の乱) |
刀剣 |
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大慶直胤 |
朝尊って、自制心、強い方? |
南海太郎朝尊 |
おや、どうしてかな? |
大慶直胤 |
さっきから俺、刀工大慶直胤の血が騒いで仕方ない。この時代の戦場には、彼らが喉から手が出るほど欲しかった鋼がごろごろ転がってるんだから |
南海太郎朝尊 |
刀工の血が騒ぐとは、面白い例えだね |
大慶直胤 |
だって、見てみなよー! この刀剣は実に良き鋼を使ってる。この色、鍛え、十中八九、相州伝! こっちは備前伝! 俺たちが打たれた時代ではこういった良き刀はあんまり見る機会なかった |
南海太郎朝尊 |
ああ、ここで失われることがもったいないほどだ |
南海太郎朝尊 |
だがこれは、歴史上ではすでに死を迎えている。この後に語られることはなく、人知れず朽ち果てていくだけの。在るが無い。君が今、踏みつけている石ころと変わりないものだよ |
大慶直胤 |
なら、どのようにしてもいいよねー? |
南海太郎朝尊 |
ここは特命調査の地ではないからね。慎重に行かなくては |
大慶直胤 |
やっぱり、朝尊はわかってるんだ。俺たちに大切なもの。 |
南海太郎朝尊 |
刀剣男士は刀剣そのものから離れることでしか、強くなれないのかもしれない。と答えておこうか |
大慶直胤 |
そっかー |
大慶直胤 |
……なら、細かいことはいいや。同じ師を仰ぐ友伴、仲良くやってこー! |
南海太郎朝尊 |
実際に弟子だった刀工、大慶直胤の血が騒がないかい? |
大慶直胤 |
騒がしたほうがいいなら騒がすけど。いつかの誰かが吹かした業は、既に俺たちの血肉になっている。ここにある石と、同じこーと? |
大慶直胤 |
水心子先生は……、ちょっとわからないけどさー。刀剣男士水心子正秀は、そんな細かい事を気にするような奴じゃないから |
南海太郎朝尊 |
それはそれで、心配なのだけれどね |
大慶直胤 |
確かにー! |
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