其の135『正宗の兄弟』 |
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時代 |
武家の記憶 |
地域 |
鎌倉(元弘の乱) |
刀剣 |
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京極正宗 |
ふふ、石田のお兄さまは難しい顔もお似合いね |
石田正宗 |
京極…… |
石田正宗 |
表に出てこない事がお前の在り方だった。私たちは、お前を引きずり出してしまった |
京極正宗 |
何のことかしら? |
石田正宗 |
無銘の私が言えたことではないが……、顕現にあたって何らかの負荷を背負わされていないかと |
京極正宗 |
想像力のたくましいこと。でも、よく見てお兄さま。どこにわたくしを縛る鎖があるというのです? |
京極正宗 |
それに、だからこそ、正宗の実力を示すためにわたくしは必要なはず |
京極正宗 |
なんてこと言ったら、日向には後ろから刺されそうだけれど |
石田正宗 |
兄弟相手でも容赦がないね |
京極正宗 |
それはお互いさま。でもそうね、以前のあるじさまの事は置いておきましょう。ここにはわたくしたちを余光で照らす者はいない。危なくなっても身一つで逃げ出すことは許されない |
京極正宗 |
それに、寂しいなら、素直にそう言えばいいだけ。神は縋る者にこそ祝福を与えるのです |
石田正宗 |
あまり虐めないでやっておくれ |
京極正宗 |
意地悪なお兄さま。日向に甘くしたいのもわかるけれど |
京極正宗 |
でも、わたくしたちは強くあらねば。でないと、正宗は虚構に呑みこまれてしまうかもしれない |
石田正宗 |
……ああ |
京極正宗 |
だとしても、わたくしたちは進みます。人により作られた物から、人が蘇ることもある。我らを創られた方のように |
石田正宗 |
私たちはここに在る。もう、誰にも否定はさせない |
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