其の139『咆哮、遠く』 |
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時代 |
指定なし |
地域 |
指定なし |
刀剣 |
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条件 |
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孫六兼元 |
戦場で見るとよりいい刀だな、あんた |
肥前忠広 |
……あ? |
孫六兼元 |
天誅の天才、岡田以蔵といえば、人斬りの中では格別だ。その刀が大業物、肥前忠広 |
肥前忠広 |
最上大業物で人斬りの先輩様が、何の用だよ |
孫六兼元 |
用? 用かあ……、あるにはあるが、知っての通り、私闘は上から厳しく取り締まられている |
肥前忠広 |
……ちっ |
孫六兼元 |
ふむ。敵を倒せとほっぽり出されたはいいが、あんなものをいくら斬ったところで満たされることはない。……俺も、あんたも、そうだろう? |
肥前忠広 |
ごちゃごちゃうるせえ |
孫六兼元 |
いいねえ、いいねえ。自分に求められていることを理解している目だ。憐憫で泣いてしまうな |
肥前忠広 |
……なんだって? |
孫六兼元 |
飼い慣らされた犬の刀を折ったところで、全く面白くもない |
肥前忠広 |
……はあ? |
孫六兼元 |
殺気が足らないんだよ、殺気がさあ、なあ。範疇から外れればいいのか、なあ。ああ、それなら孫六兼元にはこんな話がある。慶応三年、冬の京都だ。土佐藩脱落、坂本龍馬の…… |
肥前忠広 |
……! |
肥前忠広 |
首輪してんのはどっちだ、ええ!? |
孫六兼元 |
ははっ! いいじゃないか、そうだ、その目だ |
肥前忠広 |
てめえ、わざとか……! |
孫六兼元 |
……無心、決まっただろう? |
肥前忠広 |
……狂犬が |
孫六兼元 |
どうとでも。ここで紡がれる物語は、それなりに楽しみたいからな |
孫六兼元 |
だから、さっさと敵を倒して、俺に付き合え |
肥前忠広 |
……ああ? なんの義理で |
孫六兼元 |
巡り合ってしまった義理、かな。ははっ |
肥前忠広 |
おい! …………、……ちっ |
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