PlayStationシリーズの次世代機である「PlayStation5(PS5)」(仮称)。開発元であるSIEはその存在を公にしており、一部スペックが明らかにされています。
本記事では、現時点で公式に発表されている情報と、未確認のリーク情報とされるものを分けて整理します。
なお、PS5という名称はSIEが公式に発表したものではありません。
※画像はPS4
目次
2019年4月にSIEが公式情報を提供
SIEがPS5の存在を公にしたのは、2019年4月17日のことです。アメリカのメディア「WIRED」のインタビューに、PS4の制作に深く関わったマーク・サーニー氏が答える形で明らかにされました。
そのインタビューで明らかになった情報は以下の通りです。
発売時期
最も注目される発売時期ですが、2019年内に店頭に並ぶことはないとのことです。
一方ですでに多くのゲームスタジオに開発キットを渡しており、それほど遠い未来になることはなさそうです。
パワフルなCPU・GPUを搭載
CPUやGPUは、マシンの性能を左右する重要なパーツです。これらがパワフルであればあるほど、高度なグラフィックや処理の高速化が期待できます。
チップにはAMD製のチップを採用し、CPUは第3世代のRyzenがベースとなります。チップは8コア、7nmプロセスの「ZEN2」マイクロアーキテクチャに基づきます。
GPUやAMD Naviのカスタム版を採用しています。3D環境において光の相互作用をより忠実に再現できるレイトトレーシングの技法に対応します。これはゲーム機では初めてのことです。
サウンド面では、外部のハードウェアを搭載することなく、音が前後左右から立体的に聞こえてくる感覚を味わえるとのことです。
SSD採用で処理を高速化
ディスクドライブとしてSSDを採用します。PCを使う人ならイメージしやすいかと思いますが、従来のHDDと比べるとかなり速い処理が可能であり、ロード時間などの短縮が期待できます。
インタビューでは実演も行われたようで、PS4Proで「Marvel’s Spider-Man」を起動し、「ファストトラベル」(ある地点からある地点まで瞬時に移動するゲームシステム。)に15秒かかったところが、PS5ならわずか0.8秒で済んだとのことです。
SDD採用のメリットはそれだけではなく、ゲーム内の描写速度の向上も期待できます。
PS4と後方互換性あり
PS5では、PS4のゲームディスクを起動することができます。また物理メディアを搭載しており、ダウンロード専用のマシンにはなりません。
対応ソフト
ソフトについて、メタルギアシリーズで知られる小島秀夫さんの新作「DEATH STRANDING」についても尋ねられています。
同作はPS4で発売予定であるとされましたが、サーニー氏は意味ありげな笑いを浮かべたとのことです。
ゲームストリーミングへの対応
GoogleがゲームストリーミングサービスのSTADIAを発表したことを受け、そのことについても質問が及んでいます。
サーニー氏は「我々はこの分野のパイオニアであり、今後のビジョンは発売が近づけば明らかになる。」と答え、言葉を濁しています。
ストリーミング分野でマイクロソフトと提携
出典: www.sony.co.jp
2019年5月17日には、ソニーとマイクロソフトがストリーミングサービス分野などでの提携を発表しています。
この中にはゲームストリーミングも含まれており、マイクロソフトのクラウドサービスであるMicrosoft Azureの利用を、ソニーが検討していくとしています。
またプレスリリースの中には「サービスの共同開発を検討」という一文が含まれていることから、それぞれのゲームストリーミングサービスを統合するのではないかとの観測もあります。
後述する経営説明会では、PS5ではストリーミングサービスにも力を入れるとの方針が示されています。
経営説明会で性能を示す映像を披露
2019年5月21日に開催されたソニーの経営説明会では、さらに新しい情報が公開されました。
PS4Proとの性能差
PS4Proとの性能差を示す映像の披露がありました。
使用されたソフトは今回も「Marvel’s Spider-Man」です。PS4Proでは8.1秒かかったシーンの読み込みが、PS5では0.8秒ほどで可能になるとアピールしています。
そのほかPS5では、描画処理能力の向上により、スパイダーマンがより高速で移動しても問題ないレベルになっているとのことです。
映像は公式には公開されていませんが、説明会に参加した記者のTwitterから確認することができます。
Sony's official video comparing performance of PS4 Pro vs next-gen PlayStation pic.twitter.com/2eUROxKFLq
— Takashi Mochizuki (@6d6f636869) May 21, 2019
公表済み情報を整理
出典: www.sony.co.jp
経営説明会で使用されたスライド(ネットでも閲覧可)には、PS5に関してこれまでに公式に発表したこと、そうでないことを一覧で示すものがありました。リークと称する情報対策でしょうか。
これ以外の情報は、現時点で推測に過ぎないことを頭に入れておきましょう。
自称リーク情報まとめ
ここから下は、リークと称する情報や噂話となります。公式に発表されたものではありませんので、十分に注意してください。
さまざまなリーク情報が出回る中で、それなりの信ぴょう性があるとみられているのが、PASTEBINに投稿された情報です。
この人物は自身のことを、「ヨーロッパにあるサードパーティの小さな開発会社で8か月間働いた。そこではよく知られた会社のAAAタイトル(大作)の手伝いをしていた。」と紹介しています。
この投稿は2018年の12月のものですが、2019年4月に公式発表されたPS5の仕様と共通する部分があり、注目を集めています。内容を整理します。
PS5について
- E3 2019の付近に公式情報が発表される。2019年第2四半期と予想している。
- リリースは2020年3月か、2020年11月。まだ完成はしていない。
- パッケージとダウンロード両方で提供される。
- PSPlusのほか、PSPlus premium(プレミアムベータ版への早期アクセス、プライベータの作成)が用意される。
- CPUは7nmのryzen 8コア16スレッドを採用。速度は不明。GPUは7nmのNaviアーキテクチャで約14TF。とてもパワフルで省電力。
- ソニーはNaviでAMDと協力している。レイトレーシングも使用されているが、そこまでフォーカスはされていない。4KやVRをより重視しており、全体的な帯域は向上している。
- メモリは24GB GDDR6 + 4GB DDR4 for OS、開発キットは32GB。
- 2TBのハードディスク。NANDフラッシュメモリの一種。
- 8Kアップスケーリング。
- デュアルショック5は、VR用のカメラを備えている。fpsゲーム用にアナログの精度を向上させる、STEAMのアナログトラックパッドに似ている。
- 価格は499ドル。当初は1台当たり100ドルの損失が出る。
ソフトについて
PS5独占タイトル
原文では「PS4」となっていますが、PS5の間違いと思われます。
- グランツーリスモ7(VR)
- PUBG 4Kリマスター
- ラストオブアス 2 リマスター
- Ghost of Tsushima リマスター
- 2~3のAAAタイトル、PSVR2用のゲーム
PS5非独占で2020年に発売されるタイトル
- バトルフィールド バッドカンパニー 3
- ハリーポッター
- GTA6(おそらく2020年のホリデーシーズン。PS4では販売されず、PS5の1か月独占タイトルを大金で獲得。マイアミとニューヨークが舞台との噂。)
- アサシンクリード
- Horizon Zero Dawn2は2021年
以上の通り、かなり具体性のある内容です。性能面に関しては公式発表と共通する部分が多く、実際にPS5タイトルの開発に携わっていた可能性はあるでしょう。
とはいえあくまで一人物の投稿であり、公式発表ではない点は留意しておく必要があります。
【最後に】最新情報に期待
PS5に関して出ている公式情報、およびリークと称する情報について紹介しました。
いずれにしろ、かなりのハイスペックを誇るゲーム機になることは変わりありません。さらなる情報の公開が待たれます。
記事の間違いやご意見・ご要望はこちらへお願いします。