ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は2020年3月19日、2020年末の発売を予定している最新ゲーム機「PlayStation5」(PS5)のハードウェア技術仕様に関する追加情報を公開しました。
新型コロナウイルスの影響で中止になったゲーム開発者向けイベント「Game Developers Conference」(GDC)で予定していたセッションを収録した映像を公開したもので、PS5に関するより詳細なハード情報が明らかになっています。
なお今回の発表は、主に技術者を対象としたものであり、専門的な内容が多く含まれます。分かりづらいと感じた場合は、後に行われるであろうユーザー向けの発表を待ちましょう。
ロード時間の短縮
すでに発表されている通り、PS5はロード時間を極限まで短くし、快適にプレイできることを重要なテーマのひとつにしています。
そのために採用されているのが、超高速SSDと統合されたカスタムI/Oです。
ゲームにアセットデータをとてつもない速度で送り出すことができ、ゲーム体験はシームレス、かつダイナミックになりました。
広大なゲームの世界でも、ほぼ瞬時に移動することができます。(ファストトラベルの待ち時間減少)
開発者はさらに豊かで広大な世界の創造が可能になり、ユーザーは待つことよりもゲームを遊ぶことに多くの時間を費やすことができるようになります。
※SSD:データを記憶する装置。従来のHDDに比べ高速での読み書きが可能。
※I/O:入出力
レイトレーシングでさらに向上するグラフィック
PS5に搭載されるカスタムGPUは、大変パワフルなものとなっています。
より高解像度の表現を可能にするのはもちろんのこと、レイトレーシングを目玉の新機能として楽しむことができます。
レイトレーシングとは、現実世界でどのように光が動き、物体表面でどのように反射するかを再現する手法のこと。
この機能を用いることにより、物体をより正確かつリアルに描写することができるようになります。
水やガラス、光の屈折、キャラクターの髪の毛など、現実とみまがうほどの表現を味わうことができます。
※GPU:画像処理を担当するパーツの総称
3Dでより豊かなサウンドを
PS5では、3Dオーディオを通じてゲーム上でより深い没入感を味わうことができます。
ハイエンドオーディオを持っているユーザーだけではなく、すべてのユーザーに素晴らしいオーディオ体験を届けることを目標としています。
そのため、パワフルさと効率性を兼ね備え、オーディオレンダリングに最適化した3Dオーディオ用カスタムエンジンを設計・搭載します。
ゲーム内のサウンドからこれまで以上の実在感と定位感を感じられ、雨粒がさまざまな異なる表面に当たる音や、敵がどの方向に潜んでいるかなども聞き分けることができるようになります。
PS4との後方互換
PS5は、現行世代機であるPS4と互換性をもたせることがすでに明らかになっています。つまり、PS4のゲームディスクやダウンロードデータを、PS5でもそのまま使うことができます。
今回の発表によると、PS4でプレイ時間が長い上位100タイトルの互換性を調査したところ、ほぼすべてのタイトルが発売時にPS5上でスムーズに動作するであろうことが確認されているとのこと。
今後も検証テストを継続し、互換性の対応を進めていくとのことです。
基本スペック
CPU |
x86-64-AMD Ryzen™ “Zen 2”
8コア / 16 スレッド |
GPU |
AMD Radeon™ RDNA 2-based graphics engine
レイトレーシング アクセラレーション |
システムメモリ |
GDDR6 16GB バンド幅:448GB/s |
SSD |
825GB 読み込み速度:5.5GB/s(Raw) |
ゲームディスク |
Ultra HD Blu-ray™(100GBまで) |
映像出力 |
4K 120Hz TV、 8K TV、VRR 対応(HDMI2.1規格による) |
オーディオ |
“Tempest” 3Dオーディオ技術 |
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