フォートナイト(Fortnite)では8月13日(現地時間)、米エピックゲームズ社が米アップル社を起訴し、アップルストアからはフォートナイトが削除されるなどで大きな波紋を呼んでいます。
Twitterトレンドではフォートナイト関連のキーワードで埋め尽くすほどとなっておりました。
※8月14日のTwitterトレンドページ。上位のうち4項目がフォートナイト関連のキーワードでピックアップされている
筆者もこの記事を執筆するにあたってアプリの状態を確認しようとしましたが、既にストア上から削除されているため、アプリ自体のアップデートも不可となっていました。
今回どのようなことが起きているのか、関連する情報を以下にまとめましたのでご覧ください。
事の発端となったのは
Fortniteメガプライスダウンが今日からスタート! 一部支払い方法を使ってV-Bucksで最大20%の割引をご利用ください。これは短期的なセールではありません。当社の新価格です。
お住まいの国の通貨でのご利用可能性と仕組みについては、当社のブログを参照してください。https://t.co/wHDlT2VwYK
— フォートナイト (@FortniteJP) August 13, 2020
今回、事の発端となっているのはフォートナイト(Fortnite)が展開したこちらの新しい割引サービス。
メガプライスダウンと打ったこちらの新しいサービス、内容としては一見、課金額の20%割引と受け取れるが期間限定ではなく恒久的な新価格としての提供、そして大きな問題となっているポイントはその支払い方法にあるようです。
アプリ版における新しい支払方法
上記で問題提起として挙げたアプリ版における新しい支払方法、
iOS(Apple Store)、Android(Google Play)での課金の支払い方法としてEpicディレクトペイメントと呼ばれるものが登場しています。
この支払方法がどういうものなのか、ここでフォートナイト(Fortnite)公式からリリースされたニュースを参照してみます。
モバイルでのEPIディレクトペイメント
本日さらに、私たちはiOSとAndroidでの新しい支払い方法、Epic ディレクトペイメントを発表します。Epic ディレクトペイメントの使用を選択すると、Epicが支払い処理の値下げ分をお客様に還元するため、最大20%の割引となります。
現在AppleとGoogleの支払いオプションを使用すると、AppleとGoogleは30%の手数料を徴収するので、最大20%のプライスダウンは適用されません。AppleまたはGoogleが将来支払いにかかる手数料を引き下げた場合、Epicはその引き下げ分をお客様に還元します。
例えば、アプリ版でフォートナイトを遊んでいるユーザーが課金をするとなった場合、
今まで同様アップルストア側が提供してきた既存の支払い方法ではなく、今回エピックゲームズが新しく導入したEpicディレクトペイメントを利用することで20%オフの割引サービスが適用される、ということになります。
これがどういうことを意味するのかというと、このEpicディレクトペイメントはアップルが用意した既存の支払いシステムを通さずに課金ができる方法となっており、クレジットカードやPaypalを利用して直接エピックゲームズ側に支払いができるということ。
つまり、アップルがストアで課金をする際に定めている30%という手数料を回避することになります。
本来、ゲームを含めた様々なモバイル版アプリケーションを世の中へ提供するとなった場合、世間的に大きく認知されているストア(プラットフォーム)であるアップルストアやグーグルプレイなどを採用するのが一般的とされていますが、こうしたプラットフォームでアプリを提供する場合、それと同時に使用料が取られてしまうのが普通です。
今回このプラットフォーム使用料を回避してしまうエピックゲームズ独自の支払いサービスがストアの定めるガイドラインに大きく違反している、というのが今回の事の発端であり、結果的にストアからのアプリ削除へ繋がった、となっているようです。
#FREEFORTNITE
アップルストアだけでなく…
アップルストアだけでなくグーグルプレイからもフォートナイトの削除が確認されています。
これと同時に、フォートナイト(Fortnite)公式アカウントは以下のようなツイートを行いました。
Epic GamesはApp Storeの独占に異議を唱えました。報復として、Appleは10億のデバイスでFortniteをブロックしています。https://t.co/VwLAHlzLap へアクセスし、2020年を「1984」にしないための闘いに参加してください。 pic.twitter.com/LSKyXiXQVA
— フォートナイト (@FortniteJP) August 13, 2020
「#FREEFORTNITE」とタイトル付けされたこちらの記事は、主にフォートナイトをアプリ版で楽しむユーザーに向けたQ&Aを公開しています。
※こちらの記事は日本語ローカライズされてないためオリジナル言語(英語)でのみの閲覧になります
各種ストアからのアプリ削除ということは、何らかの事情でフォートナイトを別のプラットフォーム(PCやSwitchなど)で遊ぶことのできないモバイル版のみのユーザーにとってはどうすることも出来ない状態です。事実、筆者はこの記事を執筆するにあたってアプリの状態を確認したかったのですが、既にストアから削除されているためアプリケーションの更新すら不可能でした。
この記事ではそういったプレイヤーが当然抱くであろう疑問に対し以下のように、アプリ版のユーザーは声を上げて欲しい、一緒に戦おうという意志が感じられる回答がなされています。
Q. iOSデバイスでのみプレイしています。iOSデバイスでしかプレイできない場合、フォートナイトへのアクセスを取り戻すにはどうすればよいですか?
A. アプリの定める税問題との戦いに向けて、あなたの声をあげて下さい!SNS上で「#FREEFORTNITE」を打ち@AppStoreへ抗議メッセージを送ってください。
(略)
ただし、Android版を利用するユーザーに関してはエピックゲームズ公式サイトよりグーグルプレイストアを通さずゲームをダウンロードすることが可能とのことです。
Android版をグーグルプレイへリリースした今年4月頃のリリースは記憶に新しいかと思いますが、筆者の調べではエピックゲームズはAndroid版フォートナイトのリリース当初から、今回の問題同様、プラットフォーム使用料30%が不服としてグーグルプレイへのアプリ登録をしてこなかったという背景があったそうです。
フォートナイトが2017年7月にリリースされ世界中で3億人以上が愛するほどに成長したフォートナイト。
プラットフォーム使用料を巡る問題に関して不服を持っていたのはエピックゲームズだけではないはずです。アップルやグーグルの持つアプリ配信システムがモバイル市場を独占的にコントロールしているとして今回訴えを起こしたのはエピックゲームズですが、当然、様々なアプリ開発企業だけでなく個人開発者の中にも不服を持つ方は多くいたことでしょう。
今回エピックゲームズが上げた声明をキッカケに、今まで普通のこととされていたモバイル市場におけるこの問題は大きく世間の関心を高めたのではないでしょうか。
コメント一覧(1)
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何か「iOSでも入れられる。」
という噂があるのですが、本当でしょうか?
フォートナイト裏技バグチャンネルでやっていたのですが……
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