
其の89『いくさのあと』 |
|||
時代 |
武家の記憶 |
地域 |
鎌倉(元弘の乱) |
刀剣 |
|||
会話内容を見る
地蔵行平 |
………… |
古今伝授の太刀 |
憂きことを 思ひつらねて雁がねの 鳴きこそわたれ秋の夜な夜な |
地蔵行平 |
……古今 |
古今伝授の太刀 |
里は荒れて 人はふりにし宿なれや 庭もまがきも秋の野らなる |
地蔵行平 |
……どうしていくさは起こるのか |
古今伝授の太刀 |
……いくさのあと、そこに残るは荒野ばかり |
地蔵行平 |
それを人の業と片付けるのは簡単ではあるが…… |
古今伝授の太刀 |
……風雅を愛するのもまた人 |
地蔵行平 |
人のこころとはいかなるものか…… |
地蔵行平 |
……いや、やめておこう。もう二度とそなたを裏切りたくはない |
古今伝授の太刀 |
すべては表裏一体。優しさも、弱さも。そして…… |
地蔵行平 |
過去世……、吾…… |
古今伝授の太刀 |
……そして、この太刀とも |
地蔵行平 |
その揺らぎがあればこそ、救えるものがある |
古今伝授の太刀 |
歌に織り込まれし人のこころの機微に、感じるのです…… |
地蔵行平 |
………… |
地蔵行平 |
……ああ、そなたも人を愛しているのだな |
回想一覧はこちら




記事の間違いやご意見・ご要望はこちらへお願いします。