バトルロイヤルゲームを人気ジャンルに押し上げるうえで大きな役割を果たした「PUBG」。
「PUBG MOBILE」としてスマホ版も展開していますが、お隣の中国では複雑な事情を抱えているようです。
中国におけるPUBG MOBILE
出典: play.google.com
※画像は日本版
中国国内における「PUBG MOBILE」は、2018年3月から大手企業「テンセント」のもとでテスト配信がスタートしました。
しかしそこに立ちはだかったのが、中国政府が設けている規制です。暴力的な表現が問題視されたとも言われ、政府の認可が得られない状態が続いていました。
配信自体は続いていたものの、ゲーム内課金が許可されていなかったため、1日平均7千万人というアクティビティユーザー(数値はロイター通信の記事から)を抱えながらも、テンセントはそれを収益につなげることができていませんでした。
そうした状況を打破すべく、テンセントは「PUBG MOBILE」のテスト配信を終了させ、新たなアプリ「ゲーム・フォー・ピース」をリリースしたのです。
ゲーム・フォー・ピースとPUBGの違いは?
出典: youtu.be
「ゲーム・フォー・ピース」は、簡単に言ってしまえば「平和的なPUBG」です。
基本的なルールはPUBGとほとんど同じなのですが、プレイヤーがやられた時の演出に大きな違いがあります。
通常のPUBGでは、撃破されたプレイヤーはその場に倒れて息絶えます。しかし「ゲーム・フォー・ピース」では、その場に座って手を振りながら消えていくのです。
そのほかにも出血表現がないなど、暴力性に対する政府の懸念に配慮したものと言えるでしょう。
ゲームのコンセプトを中国空軍を称賛するものにするといった変更も、見逃すことはできません。
中国市場の難しさが浮き彫りに
海外版のゲームが日本に入ってくる際に、主に暴力的な表現が修正された状態で販売されることは、多くのゲーマーが理解していることかと思います。
また日本では特に問題なく発売されている内容でも、国によっては表現内容が問題視され修正されることも、よくある話です。
そうした事例と比較しても、中国政府の規制は厳しいものとなっていることがよく分かります。
近年はゲームの世界でも、中国企業の影響力は拡大しています。その一方で、こうした中国ならではの事情に対応しなければならないこともあり、外国企業が中国市場に参戦することは簡単ではありません。
今回のケースは、中国市場の特殊性を改めて見せつける形となりました。
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