iPhoneスマホに熱がこもって不具合を起こす状態を熱暴走と言います。熱い状態になってしまうと、アプリや電源が落ちやすくなり、バッテリーの劣化によって電池の減りが早くなってしまうリスクがあります。iPhoneスマホが熱くなる原因や症状・対策を知って、長くiPhoneを使えるようにしましょう。
iPhoneスマホが熱くなる原因
CPUに負担をかけている
iPhoneのCPUに負担がかかっていることで本体が熱くなる場合があります。CPUはiPhoneの中枢ともいえる部分で、データ処理やアプリを動かすのに必要な部品です。CPUは熱を発しやすいため、PCに入っているCPUの場合はファンが付いています。しかし、iPhoneは構造的にCPUを冷やすためのファンは付けられていません。そのため、熱を持ちやすくなってしまいます。
特にCPUが熱を持ちやすくなるのは、以下の状況の場合です。
- 複数のアプリを同時に開く
- 使用するデータ量が多い
- 充電をしながら操作する
- ライブ配信をする
アプリの中でもGPSやオンラインゲームアプリ(特にグラフィックにこだわっているもの)はCPUに負担をかけやすくなるため、使用する場合は注意しましょう。
ストレージ容量がいっぱい
画像や動画・アプリが複数入っていてストレージ容量がいっぱいになっている状態だと、使用するデータ量が多くなってしまい、熱くなることがあります。ストレージ容量を圧迫していないかどうか、データやアプリの量を確認してみましょう。
充電しながら操作している
iPhoneを充電しながら使用している場合は、熱くなる原因になることがあります。これは、iPhoneでゲームや動画再生といった負荷が大きいアプリを使用したことで、CPUやGPUの処理もより早くなったことによるものです。バッテリーを充電する時の熱とCPU・GPUの動作による熱が合わさって本体が高温になってしまい、熱を上手く逃がせなくなります。iPhone本体が熱を持つことにつながってしまいます。また、バッテリーに負荷がかかることでバッテリーの劣化にもつながってしまうため、ゲームや動画再生を充電しながら操作するのはできるだけ避けるようにしましょう。
バッテリーが劣化している
バッテリーが劣化している状態の場合は、CPUに負担があまりかかっていない状態であってもiPhoneが熱くなることがあります。
バッテリーが劣化する原因
バッテリーが劣化する原因は下記のようなものがあります。
- 頻繁に充電する
- 充電しながら使用する
- 夏場の屋外をはじめとした高温多湿な状況での使用
- 長時間バッテリーの残量0%になっている
- iPhoneが経年劣化している
気温が高い場合は金属が素材に使用されているため、熱を吸収してしまい、バッテリーの劣化にもつながってしまいます。また、湿度は熱を逃がす上では邪魔になってしまう事もあるので、極力避けるようにしましょう。
バッテリーの状態を確認する方法
バッテリーが劣化していないかどうかは、バッテリーの状態を確認することで確認できます。
「設定>バッテリー>バッテリーの状態」の順番でタップし、「最大容量」や「バッテリーに関する重要なメッセージ」が出ていないかを確認しましょう。
最大容量が80%以下になっている場合は劣化が進んでいると考えられます。また、「バッテリーに関する重要なメッセージ」が出ている場合はバッテリーの劣化の可能性が高いと考えられます。バッテリー交換を検討しましょう。
最大容量とは、バッテリーが貯められる電力を”%”で表示している数値。iPhoneが新品の状態だと最大容量は100%です。これが89~80%になっている場合は、劣化が始まっていることがわかります。一般的なバッテリーの交換目安は80%~85%です。
設定>バッテリー
バッテリー>バッテリーの状態
バッテリーの状態を確認
iPhone本体の劣化
iPhone本体のパーツの劣化やストレージ容量がいっぱいになっている状態だと、iPhoneへの負担が大きくなってしまいます。その状態で動かそうとすることで、本体が熱くなるという状態につながってしまいます。
この場合は、iPhone本体がそろそろ買い替えを考える時期ともいえるので、機種変更を検討しましょう。
純正品以外の充電ケーブルを使っている
使用しているケーブルがAppleの純正品以外の場合、本体が熱くなる原因になる場合があります。特に、充電ケーブルの質があまり良くない場合は、バッテリーにも負荷がかかってしまいますし、安全に使用できない場合もあります。
充電していて熱くなることが多い場合は、純正品の購入も検討しましょう。
使用環境の問題
気温や室温が高い場所や直射日光が当たる場所で使用しているとiPhoneが高温になってしまう場合があります。”0° ~ 35℃”を動作温度として設定しているため、これを上回る温度で使用は避けましょう。ポケットの中に入れっぱなしにしたり真夏の車内を置いてしままにしてしまうと、熱が逃げにくくなってしまって、高温になりやすくなります。また、日光に当たることで外装が痛む場合もあるので注意が必要です。
iPhoneをはじめとしたiOS/iPadOS デバイスには、極端な低温も使用環境としては良くありません。この動作温度(0° ~ 35℃)を下回るような極端に低温な環境では、バッテリーの消耗が一時的に早まったり、本体の電源が落ちてしまったりします。こういった場所での仕様は避け、もしもそういった環境に持って行って不具合が起きた場合は温度の高い場所にiPhoneを動かしましょう。これによってバッテリーの稼働時間も通常の状態に戻っていきます。
iOSをアップデートした
iPhoneに入っているiOSを最新にしたことによって、iPhoneが熱くなることがあります。iOSはiPhoneのオペレーティングシステムで、人間でいうと頭脳のような部分。定期的に新しいバージョンにアップデートしており、基本的には最新のものに更新する方が良いです。しかし、機種が古い場合には、iOSのアップデートに本体が対応できないことがあります。これによってCPUやバッテリーにかかる負荷がかかってしまい、本体が熱くなるという結果につながってしまいます。
ケースが放熱を妨げている
iPhoneケースが本体の熱を放出することを妨げてしまい、熱くなる原因になることがあります。ブック型やレザー素材を使用したケースは熱が本体にこもってしまいがちなので、メッシュや金属製(グラフェンやアルミニウム合金など)の放熱性の高いケースに変えてみましょう。もしくは、夏のような気温が高い時期だけケースを外しておくのもおすすめです。
ウイルスに感染している可能性
基本的にはiPhoneがウイルス感染する可能性は低いです。これは主に下記の2点が理由です。
- Appleの厳しい審査を通過したアプリのみが「Appストア」に存在している
- それぞれに隔離された領域:サンドボックスでアプリを動かしている
しかし、特殊なツールを使って改造(脱獄)して、Appleに承認されていないアプリをインストールしている場合はウイルス感染をする可能性もあります。
ウイルスに感染している場合
ウイルスに感染している場合は、見覚えのないアプリが無いかを確認しましょう。iPhoneを初期化して、データをすべて消しましょう。バックアップをとっておくのを忘れずに行うことが大切です。
iPhoneスマホが熱くなることで起こる症状
電池の減りが早くなること、寿命が短くなることにも言及してください
バッテリーの寿命が早まる
発熱によるダメージでバッテリーがより早く劣化してしまい、寿命に近づけてしまいます。バッテリーが劣化すると、充電の際の最大容量が減り、充電しても電池がいつもよりも早く減ってしまうようになります。こうなってしまうと、iPhoneを使いたいタイミングで使えない可能性もあります。バッテリーは消耗品なので、使い続けるうちに自然と劣化していってしまいがちです。熱いまま使用することを避けて、iPhoneの充電を長持ちさせるようにしましょう。
本体の電源が落ちる
iPhoneが高温になった場合は、内部の基盤が壊れたり、バッテリーが劣化したり、システムが安定しないことで写真や動画などのデータが壊れたりして故障してしまうリスクがあります。こういったリスクを防ぐために、本体の電源が落ちることがあります。もしくは、電源を入れた時にリンゴマークが表示されてから画面が切り替わらない状態「リンゴループ」になることもあります。
アプリが落ちやすくなる
iPhoneが熱を持っている時は、アプリが急に落ちてしまいやすくなっています。これによって保存する前に落ちたことでセーブデータが消えてしまったり、オンラインゲームで回線から切断されることがあります。
また、アプリが急に落ちたことで、データが壊れてしまうこともあるので注意が必要です。
発火・爆発
劣化が進行すると、バッテリーが膨張し、最悪の場合は発火や爆発をしてしまう可能性もあります。これは火事をはじめとしたトラブルや命にもかかわる危険性があります。特にiPhoneの充電ケーブルが純正品でない場合や充電ケーブルが劣化している場合は注意が必要です。
iPhoneスマホの熱対策
電源を切る
iPhoneが熱くなった場合は、iPhone本体を冷ましましょう。まずは電源を切り、風通しのいい場所に置くことが大切です。充電によって熱を持つこともあるため、冷ましている間の充電は避けましょう。
電源を切れない時の対処法
電源を切って冷ませるほうが良いですが、仕事中や定期的に連絡が必要な場面では着信に対応する必要があって、電源を切るのが難しいと思います。
この場合は、バックグラウンドでアプリが動いていることで、本体が高温になっている可能性もあります。そのため、一旦再起動して涼しい場所に置いて冷やすようにしましょう。
アプリの自動更新をオフに設定
iPhoneを操作していなくても本体が熱い場合は、バックグラウンドでアプリの自動更新が行われているかもしれません。アプリの自動更新をオフにする手順は、「設定>App Store」で進み、自動ダウンロードの部分にある「Appのアップデート」をオフにしましょう。
オフにすることで、動作による熱は止まることが期待できます。しかし、手動でのアップデートが必要になるため、こまめに確認するようにしましょう。
ケースを外す
iPhoneのケースによって熱がこもってしまう場合があり、こうなるとなかなか本体が冷えない状態になってしまいます。ケースを外して、風通しのいい場所で冷ますようにしましょう。
また、ケースが樹脂製の場合にはiPhoneが高熱になることで変形や劣化してしまう事もあるので、できるだけ本体が高温にならないように注意しましょう。
データ量を減らす
画像や動画・ゲームアプリなどのiPhone内部のデータ量が多い状態だと、CPUに負担をかけてしまいます。「設定>一般>iPhoneストレージ」で操作して、iPhoneのストレージ容量を確認しましょう。ストレージがすでにいっぱいになっている場合は、使わないアプリのアンインストールや写真を消去したりしてデータ量を減らすようにしましょう。
冷却シート・冷却ファンを使う
Phone専用の冷却シートや冷却ファンを使って本体を冷やす方法があります。これを使うと、一気に冷えずにゆっくりと本体に負担をかけずに冷やせます。
iPhoneが熱くなっても、冷凍庫に入れたり、氷水の入った袋に付けたり、保冷剤を当てたりして極端な低温で冷やすのは止めましょう。急激に冷やしてしまうと、iPhoneの基板上で結露による水滴が生じてしまいます。これによって水没状態になり、内部パーツがサビて動作不良になったり、iPhoneが故障してしまう可能性もあります。
iPhoneを急激に下げるのは、取り返しのつかないことになるリスクもあるので避けるようにしましょう。
修理に出す
iPhoneを長期間使い続けている場合は、経年劣化によるバッテリーの寿命を迎えている可能性があります。特に、動かすとすぐに熱くなってしまう場合や少しのアプリの操作で熱くなってしまう場合は、寿命を迎えてしまっている可能性が高いです。修理に出すと、故障の有無の確認やバッテリー交換もできるので、相談してみましょう。データも壊さずに修理をしてもらうことができるため、不具合がなかなか治らない場合も相談してみましょう
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