ファイナルファンタジーシリーズで最高の売上を記録し、今なおファンの多い「ファイナルファンタジー7(FF7)」。
リメイクも予定されているFF7の魅力をお話しようと思います。
リメイク版の最新情報はこちらにまとめています。
FF7ができるまで
日本を代表するRPGとなったFF
ファイナルファンタジーは、スクウェア(当時)の坂口博信氏によって生み出されたRPG作品です。のちに同じ会社となるエニックス(当時)の「ドラゴンクエスト」とともに、日本におけるRPG作品の代表作として君臨してきました。売上で見ると、国内の支持はドラゴンクエストが優勢であるものの、ファイナルファンタジーは海外でより支持されるという特徴があります。
もっとも、どちらも並ぶものがない名作であり、それぞれに切磋琢磨して現在のポジションを築いてきました。
グラフィック重視路線へかじを切った最初のFF
ファイナルファンタジーシリーズは長く任天堂ハード(ファミコン、フーパーファミコン)で発売されてきましたが、FF7では当時まだゲーム業界では新参であったソニーのPlayStationで発売されました。
これは、当時開発が進んでいた任天堂の新ハード「NINTENDO64」と比べ、PlayStationの発売が早かったこと。そして、FF7が目標とするグラフィックを達成するには、PlayStationがより適切であったことなどが挙げられます。
このハード転換が功を奏したのか、同作はファイナルファンタジーシリーズとしては全世界最高の売上を記録し、現在も破られていません。また、任天堂ハードに対するPlayStationの優勢を決定的にする役割を果たしたとも言われています。
FF7インターナショナルも発売
FF7発売の約半年後には、アメリカ版において追加された要素を取り入れた「ファイナルファンタジー7インターナショナル」を発売しています。オリジナル版とインターナショナル版の主な違いは以下のとおりです。
- 追加ムービー、追加イベントを収録
- マテリア、アイテム、武器などを追加
- ダイヤウェポン、ルビーウェポン、アルテマウェポンと戦闘可能に
- フィールド上の街などの出入り口に矢印を表示
ストーリー・世界観
ストーリー
「魔晄エネルギー」と呼ばれる新たな資源が、人々の生活にとって不可欠となっている時代。その魔晄エネルギーを管理する「神羅カンパニー」は、世界の覇権を握るほどの大企業へと成長していました。一方で、魔晄エネルギーを使うことに対して懸念を抱く者もいました。なぜなら、魔晄エネルギーとは星の生命そのものだからです。
星の生命をすり減らしてまで魔晄エネルギーを使うことに危機感を持った一部の人々は反神羅組織を結成します。神羅カンパニーの中心都市の一つ「ミッドガル」を中心に、反神羅組織「アバランチ」は激しい抵抗活動を繰り広げます。
そんなアバランチに雇われていたのが、凄腕の傭兵クラウド。本作の主人公です。過去の記憶の大部分を失っていたクラウドは、アバランチに雇われ神羅カンパニーと戦いながらも、星の行方には関心がありません。ただし、星と対話することができる古代種の生き残り、エアリスと出会ったことをきっかけに、自らの考え方を変えていくのです。
星を救うため、そして自らの故郷を奪った復讐を果たすため、セフィロスと戦う決意をしたクラウド。激しく、そして悲しい過去と向き合うことになる戦いが幕を開けます。
世界観
RPGと言えば、中世ヨーロッパ風のファンタジー世界。それがこれまでのファイナルファンタジーシリーズや、もうひとつの代表的RPGであるドラゴンクエストシリーズが人々に植え付けてきたイメージでした。ファンタジー世界において機械らしいものが登場することはほとんどなく、登場したとしてもそれはメインではありません。剣や魔法で多くが解決する世界。それがRPGでは普通でした。
前作のFF6では機械文明の発展がかなり進んできた様子が見られましたが、中世ファンタジー的な要素がなくなったのはFF7が最初と言えるでしょう。中世ファンタジーから現代ファンタジーへ。FFシリーズがそう転換した作品こそ、FF7なのです。
本作のキーになっているテーマの一つが「魔晄エネルギー」です。魔晄エネルギーは人々の生活を格段に向上させたものの、使い続けることは星の生命を削ることになります。魔晄エネルギーを安定的に供給するために必要なのは「魔晄炉」ですが、ひとたび事故を起こしてしまえばその周辺は壊滅的な状況に陥ります。
そしてそんな状況に懸念を抱いた「アバランチ」と呼ばれる集団が、ときには犠牲もいとわない手段を用いて魔晄エネルギー」供給を止めようとする。中世ファンタジー世界では描ききれない、現代的なメッセージが込められているように感じます。
主な登場キャラクター
クラウド
本作の主人公です。とある実験の被験者となり、その記憶の大部分を失ってしまいます。神羅カンパニーの元ソルジャーと名乗るクラウドは、のちに反神羅組織であるアバランチに傭兵として参戦。星の行方など興味のなかった彼ですが、さまざまな出会いとともにその考え方を変えていきます。
バレット
アバランチのリーダー。神羅カンパニーによって故郷と家族を奪われた過去をもち、神羅カンパニーへの恨みから過激な活動を展開します。仲間の死をきっかけに、他人の犠牲もいとわなかったこれまでの活動を改め、娘マリンを守るために戦い続けます。
ティファ
本作のヒロインの1人。アバランチの一員であり、クラウドの幼馴染でもあります。記憶が不鮮明なクラウドをやさしく支えます。人前では極めて活発に振る舞いますが、実は内向的で、自分の弱さをさとられないように無理をしているのだとか。
エアリス
本作のもう1人のヒロイン。ミッドガル下層部の伍番街スラムに住む、花売りの女性。実は彼女こそ、星と対話する能力をもつ「古代種」の生き残りなのです。古代種のみが知る「約束の地」の秘密を抱えるため、神羅カンパニーに追われています。自らの運命と向き合い、たくましく生きますが・・・
セフィロス
かつて英雄として名を馳せた、伝説のソルジャー。自身が人工的に生み出された存在であると知り、神羅カンパニーを、そして人類を恨むようになります。クラウドとは何かと因縁のあるセフィロス。ことあるごとにクラウド達の前に立ちはだかります。
システム
グラフィックの向上
プラットフォームがPlayStationに移ったことにより、特にグラフィックの面においては大きな進歩を遂げました。3Dで表現されたキャラクターやムービー、マップなどには驚かされたものです。一方で、戦闘時のコマンド入力画面やメニュー、音楽など、旧作の流れを引き継いだ部分も多く、従来からのファンとしては安心できる部分でもありました。
マテリアシステム
武器や防具に「マテリア」を装備することで、「アビリティ」として使用できるという仕組みが取り入れられました。マテリアは戦闘での勝利時に得られるAPをためることでレベルが上がっていき、利用できるアビリティが増えたり、マテリアの効果が上がったりする仕組みでした。魔法の習得にマテリアが必要になった点、召喚マテリアさえ装備すれば誰でも召喚魔法が使えるというのも驚きの一つでした。
リミットブレイクで爽快感アップ
バトルではこれまで通り「ATB(アクティブタイムバトル)」で進行しましたが、本作では「リミットブレイク」という仕組みが取り入れられました。敵のダメージを受けるとリミットゲージが溜まり、いっぱいになるとリミットブレイクとなり、各キャラクター固有の技を出すことができました。敵をたくさん倒したり、リミット技をたくさん使ったりしているうちに、新たなリミット技を使えるようになりました。
ATB(アクティブタイムバトル)とは
1ターンの間に全員が行動するという「ターン制」ではなく、ゲージがたまった順に行動するのが「ATB」です。ゲージが溜まる速度はステータスによって異なり、「ヘイスト」「スロウ」などの魔法によってその速度を変えることもできます。キャラクターを特徴づける一つの要素となり、FF4で初めて導入されて以降、FFにおけるバトルシステムの代名詞となっています。
ミニゲームも話題に
本編ストーリーのほかに、多数のミニゲームが用意されているのもFF7の特徴です。代表的なのは「Gバイク」。バイクを運転しながら敵を攻撃し、最終的なHPの残り具合で競うこのゲームは、後にスマートフォン向けアプリとしてリリースされました(すでにサービスは終了しています)。
ほかにも、「チョコボレース」や「スノーボード」、「アームレスリング」など、ミニゲーム集だけでもソフト1本できるのではないかというボリュームでプレイヤーを楽しませてくれました。
ファイナルファンタジー7で遊ぶには
FF7はPlayStation用ソフトとして発売されましたが、今プレイしようと思ったとき、PlayStationをわざわざ引っ張り出す必要はありません。FF7は以下の方法で楽しむことができます。いずれもダウンロード購入となります。
PlayStation Store(PS4のみ)
スマートフォン(iOS/Android)
どちらも単純な移植というわけではなく、「エンカウント(敵と遭遇)のオン・オフ」「パラメーターMAX」「早送り」などの機能を備えています。RPGらしくレベル上げをしながら遊びたい方も、ストーリーだけを味わいたい方も楽しめるような作りになっています。
リメイク
出典: twitter.com
2015年に開催されたゲームイベント「E3」にて、FF7のリメイクが発表されました。のちに正式決定となったタイトルは「FF7リメイク」です。これまでにも発売された外伝的なリメイクとは違い、本編のリメイクであることを強く打ち出したタイトルとなっています。
FF7発売から20年。プラットフォームがPlayStation4へと進化し、それに合わせてグラフィックにも大幅な向上が見られます。ただし、単純にグラフィックをきれいにしただけのリメイクにはならないと表明されています。具体的には、FF7では描かれなかったストーリーの追加、ATB(アクティブタイムバトル)とは違うバトルへの変更、一部にカバーアクションの要素を取り入れるなどの変更がなされているとのこと。
なお、発売時期は未定。ボリュームが膨らんだこともあり、分作方式での発売が予定されています。オリジナル版とはどんな違いがあるのか。あの名場面はちゃんと再現されているのか。楽しみでもあり、不安な部分もあるのがファン心理というものでしょう。
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派生作品
ファイナルファンタジーシリーズ随一の人気作であるFF7からは、多くの派生作品が生まれています。その作品群は「COMPILATION of FINAL FANTASY VII」と称され、本編では語られなかった設定や、物語の続きなどが描かれて話題となりました。
ビフォアクライシス-ファイナルファンタジーⅦ-
携帯電話向けアクションRPGゲーム。本編の6年前を舞台に、神羅カンパニーの部隊「タークス」の一員となり、ミッションを攻略していきます。
ファイナルファンタジーⅦ アベンドチルドレン
本編の2年後を描いた映像作品です。謎の病気に感染したことをきっかけに、仲間たちとは離れて暮らすクラウド。そんな彼のもとに現れた三人組との出会いをきっかけに、かつての仲間たちも巻き込んだ新たな戦いが始まるのです。
ダージュ オブ ケルベロス -ファイナルファンタジーⅦ-
PlayStation2向けに、ガンアクションRPGとして発売されました。本編の3年後を描いた、ヴィンセントを中心とした物語です。最大32人までとの同時プレイが可能だった「マルチプレイヤーモード」も搭載されていました。
クライシス コア -ファイナルファンタジーⅦ-
PlayStation Portable向けに、アクションRPGとして発売されました。本編の7年前の物語を描いた作品で、主人公はクラウドの親友ザックスです。本編時にはすでに死亡していたため、ザックスの人となりが分かる貴重な作品となっています。
20年経っても色褪せないFF7の存在感
FF7は、ファイナルファンタジーシリーズにおいて明確な転換点となった作品です。20年も前の作品ではありますが、その存在が色あせることはありません。懐かしい思い出に浸りながら、あるいは新鮮な気持ちで、FF7をプレイしてみてはいかがでしょうか。
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