劇場版名探偵コナン25作目「ハロウィンの花嫁」(2022年4月15日公開)において、あらすじやストーリーの解説や考察をまとめています。
ハロウィンの花嫁の多大なるネタバレを含んでいますので、閲覧は自己責任でお願いいたします。
「ハロウィンの花嫁」のネタバレあらすじ
首輪に爆弾
ついにあの高木刑事と佐藤刑事が結婚…?
二人の結婚式に呼ばれたコナン一行は、これまでの二人に思いを馳せる。
しかしその結婚式は、かつて警視庁に勤めていた村中努警視正の結婚式に届いた脅迫状に対する警備体制を確認するために行われた偽物の結婚式だった。
一方で公安に届いた匿名のタレコミから、かつて警察学校時代の同期であった松田陣平と萩原研二を爆殺した犯人が脱獄したことを知った安室透(降谷零)は、部下の風見裕也とともに脱獄した犯人の動向を追っていた。
そんな二人の前に、脱獄した男が現れる。
風見が声をかけると、どういうわけか男が助けを求めてきた。
不審に思った安室は、男の首元に巻き付けられている爆弾に気がつくもその直後に爆弾が爆発してしまう。
爆風で吹っ飛ばされる風見を助ける安室だが、その瞬間を待ち構えていた何者かによって安室の首にも同様の爆弾を付けられてしまう…。
外国人爆破事件発生
翌日、訓練の件で警視庁を訪れた小五郎と蘭、そして一緒に昼ご飯を食べるつもりでついてきた少年探偵団。
コナンたちは警視庁へ入ろうとする直前でタブレット端末を持った男とすれ違った。
その男が持っていたメモを落としたことに気が付いた灰原が、その男にメモを渡すと、直後にタブレット端末が爆発。
爆風によって道路まで飛ばされた灰原を助けるために道路に飛び出た小五郎が車にはねられてしまう。
直後に行われた現場検証中、爆死した男の手荷物から、かつて捜査一課に勤めていた松田陣平の名刺が出てきた。
その名刺によって爆死した被害者が、かつて松田が捜査一課に所属していた頃に、何らかの形で関わっていた可能性が高いという結論になる。
松田が捜査一課にいたころに組んでいた縁から、彼のかつての行動を思い出すよう指示された佐藤刑事とそんな彼女の後をついたいくコナン。
コナンと話をする中で、佐藤は11月6日の夕方のみ、松田がどこかに出かけていたことを思い出した。
そしてその時、松田が数珠を所持していたこと、そして彼の親友である萩原研二の命日が11月7日であることから、彼の墓参りに出向いていたのではないかという推測が導き出された。
手がかりは「フルヤレイ」
佐藤が萩原の眠る墓がある寺に向かうと、実際その頃松田が現れていたようで、松田とともに同期4人で墓参りに訪れていたということが判明した。
更に最初は4人できていた墓参りのも徐々に減っていき、一番最近では「フルヤレイ」一人のみになっていたことが分かった。
「フルヤレイ」について警察学校の卒業者名簿で調べようとするも、検索には一切引っかからなかった。
そんな男が本当に存在しているのか疑わしく思われたとき、今回発生した警視庁前で発生した爆破事件の捜査権が公安に移ったため、これ以上の捜査をしないようにと公安警察官の風見裕也に命じられてしまう。
一方、灰原をかばったことで頭に大けがを負った小五郎を見舞うために、病院を訪れていた蘭とコナン。
そんな二人の元へ、脅迫状を受け取った村中努元警視正と婚約者のクリスティーヌが現れる。
村中とクリスティーヌは結婚式でスピーチを依頼していた小五郎を見舞うために病院へ訪れたのだった。
三年前の11月6日
村中とクリスティーヌが帰った後、小五郎を心配する蘭に今日は付き添うように言うコナン。蘭も了承し、病院へ戻ったのを見届けて、コナンは自分を見張っていたと思われる人物らに声をかけた。
男たちは公安の人間だった。彼らに連れられて、コナンが公安の所有する地下シェルターに向かうと、そこには特殊強化ガラスで隔離された安室透が待ち構えていた。
安室の口から、松田が出かけていたと思われる11月6日の夕方にあった爆弾に関係する事件について語られた。
その時の事件で松田たちによって助け出されたロシア人の男性こそ、警視庁前で爆死した男性だったのである。
被害者の男性が捜査一課に属していた松田の名刺を所持していたのはそのためだった。
雑居ビル爆破事件発生
コナンは安室からその時の事件で使用された爆弾の写真や、安室と彼の同期4人が映った写真、風見の連絡先を受け取った。
翌日、村中とクリスティーヌの結婚式場の見学に少年探偵団らとともに訪れたコナンと蘭。
その時クリスティーヌ宛への連絡が入る。結婚式の打ち合わせがあるため、現地へ行けない彼女の代わりにプレゼントを受け取ることになった少年探偵団。
しかしいざ指定された場所へ向かと、そこは人気のない雑居ビルだった。
その場所に不審さを抱きながらも少年探偵団はビルの中に入っていく。指定された6階へ到着すると、そこには誰もおらず、代わりに大きな布に包まれた何かがあった。
中身を確認するため、コナンのみが中に入ってその布の中身を確認すると、そこには安室から渡された写真と同じ構造の爆弾が置かれていた。
残された数分の間に爆弾に関する手がかりを回収したコナンは、少年探偵団の手を借りながら、間一髪のところでビルから脱出することに成功する。
そして事件発生を聞いて現場に現れた風見に入手した手がかりを渡すのでした。
千葉刑事拉致、そして
一方、事件の聞き込みを行っていた千葉刑事が何者かにって拉致される事件が発生。
千葉刑事を拉致した犯人は、佐藤刑事の電話を通じて、千葉刑事の無事と引き換えで松田刑事を自分たちの元へ寄越すように要求を出してきた。
連れていきたくとも、殉職していてこの世にもういない松田刑事を連れていくことはできない。
そこで思いついたのは、目元以外が似ている高木刑事を変装させて、相手の根城に向かわせることだった。
プラーミャとナーダ・ウニチトージティ
公安との情報交換を行う中で、一連の爆弾事件を起こしているのは「プラーミャ」と呼ばれる国籍、性別、年齢などの情報が一切不明の液体火薬を使用するテロリストである可能性が高いことが分かった。
千葉刑事を拉致したのは、ロシアからヨーロッパにかけてのネットワークを持つ民間組織「ナーダ・ウニチトージティ」のメンバーだった。
「ナーダ・ウニチトージティ」の面々は、皆プラーミャによって家族や大切な人を殺された経験を持っており、プラーミャに報復することだけを目的として活動していた。
そのため、プラーミャの爆弾を唯一解体した松田の身を熱望していたのである。
ただ、民間の組織であるがゆえに、松田刑事が殉職したという情報を掴めずにいたため、今回の拉致事件を引き起こしたのだった。
しかし結局、松田の殉職を彼らに知られてしまうことになった上に、逃げられてしまう。
メモの中の手がかり
そんな中、結局予定通り開催されることになった村中夫妻の結婚式。
ただし安全を考慮して、警察の警護の元、新郎新婦二人でのみで執り行われることになった。
その結婚式について蘭とコナンが話していると、コナンは蘭が書いたメモを見つける。
そのメモには、今回の一件の真相を解くヒントと思われる内容が書かれていた。コナンはその内容に書かれた内容から、渋谷一帯を爆発しようとしている可能性に気が付く。
更に、少年探偵団が巻き込まれた爆破事件も本当は村中夫妻を狙って起こったものではなく、メモの内容を見た可能性のある子どもを抹殺するために起こされたものだったのである。
メモの内容から、一連の事件の犯人の正体に勘づいたコナンはある場所へ向かった。
プラーミャの正体
いよいよ始まった結婚式。
何事もなく進む結婚式。いよいよ指輪の交換が行われようかとするまさにその時、新郎新婦を警護していた目暮警部の元に手配中の一味が子供を人質に取って式場に乗り込んできたという連絡が入ってきた。
会場に乗り込んできたのは「ナーダ・ウニチトージティ」。そして彼が人質に取っていたのはコナンだった。
「ナーダ・ウニチトージティ」はプラーミャの正体が分かったという。そして、「ナーダ・ウニチトージティ」の証言からプラーミャの正体が、花嫁のクリスティーヌ・リシャールであったことが明かされた。
正体が発覚したプラーミャは本性を現し、ひそかに持ち込んでいたショットガンのような武器で式場を乱射する。
コナンはいち早く、プラーミャが屋上に逃げる可能性を察知して屋上へ向かった。
そこへまんまと現れたプラーミャはコナンと対峙し、ついに今回の事件の真相が明らかになる。
一連の事件の真相
プラーミャが東京で今回の計画を起こしたのには2つの理由があった。
1つは、かつてプラーミャとしての経歴に傷をつけた安室透(降谷零)を含む同期の警察官4人を抹殺すること。
これまでプラーミャはプラーミャとして活動する中で、プラーミャの真相に近づいたもの、その正体に勘づいたものを全員問答無用で抹殺してきた。
しかし3年前の11月6日発生した渋谷の爆弾事件を、安室透(降谷零)を含む同期の警察官4人によって未然に防がれてしまい、失敗してしまったことから、プラーミャは彼ら4人に復讐することを目論んでいた。
しかしその調査の段階で、松田と伊達がすでに死亡していることを知ったプラーミャは、安室、諸伏の残りの二人にターゲットを絞り、かつて松田が殉職するきっかけとなった爆弾犯を脱走させることで、残りの二人をおびき出そうとしていたのである。
物語序盤で安室に首輪型の爆弾をはめられたのはこうした経緯からだった。
しかしこうまでしても諸伏は姿を見せなかったことから、すでに諸伏も死亡しているとプラーミャの中で結論付けられた。
もう1つは、プラーミャを追いかけて世界中のどこにでも現れる「ナーダ・ウニチトージティ」を一か所に集めて、まとめて抹殺してしまうこと。
そのために東京・渋谷が選ばれたというわけである。
コナンは渋谷のどこに爆弾を仕掛けたのか、プラーミャに詰問するが、プラーミャは意味深に笑い「ハロウィンを盛り上げる飾り程度」と口走る。
爆弾を止めるために
このことからおびただしい数の空中に張り巡らされたランタンに液体爆弾の液体が仕込まれていることが発覚。
あくまでもプラーミャは自分の姿を見たものは決して生かしておかないつもりなのである。
これから起こるであろう惨劇に不敵に笑い、ヘリコプターに乗り込んで逃げようとするプラーミャ。
しかしプラーミャはパイロットに扮していた安室によって殴り飛ばされた。
またそのタイミングでプラーミャの後を追ってきていた高木、佐藤刑事も合流し、観念したのかプラーミャは降参のポーズをとった…かに見えたが、まだ諦めていないようで、アップにした髪の毛の中に隠していた手りゅう弾を投げて無差別に人を巻き込もうとする。
その手りゅう弾はコナンによって爆発を阻止され事なきを得たが、プラーミャは逃げるためにその隙を狙って再びヘリコプターに乗ってその場から逃げ出す。
更に安室の首につけた爆弾を爆発させるために起爆装置をオンにするが、爆発したのはなんとヘリコプターだった。
現在安室の首に巻かれているのはダミーで、プラーミャによって巻かれた爆弾はヘリコプターに乗せていたのである。
一部が爆発したことで、操縦ができなくなったヘリコプターだったが、それでもそれに乗り込みその場を離れようとするプラーミャ。
それを逃がすまいと後を追う安室。なんとかヘリコプターに乗り込み、プラーミャを止めようとする安室だったが、一進一退の攻防が繰り広げられ、最終的に渋谷の街に墜落してしまう。
墜落の衝撃で起爆装置となるはずのスマホを破壊することに成功はしたが、代わりに安室も重傷を負う。
そんな安室にとどめを刺そうとするプラーミャだったが、その寸前でプラーミャはその場にやってきた村中によって気絶させられてしまう。
結末
プラーミャは捕まえた。しかし、ランタンに仕込まれた液体爆弾は渋谷の街の中からスクランブル交差点に向けて流れ下る。
爆発を阻止するために、コナンは伸縮自在の花火ボールを使って栓のようにし、液体爆弾の流れをせき止めた。
こうして、渋谷の街の無事もなんとか守られたのでした。
その後、その様子をとあるビルの様子から見ていた安室の元に向かったコナン。
さすがの手腕だとコナンを称える安室に、コナンはかつてヒントになった出来事があったことを話した。
そして、そのヒントをくれた人が萩原研二に似ていると聞いた安室は何か思うところがあるように微笑んだ。
世界観やラストシーンの考察
「ハロウィンの花嫁」の映画を見る前に…
「ハロウィンの花嫁」は、名探偵コナンの人気キャラクターの一人である、安室透と彼の警察学校時代の同期4人(松田陣平、萩原研二、諸伏景光、伊達航)の関係性、そして、警視庁所属の警察官、佐藤刑事と高木刑事の恋模様を知っておくと、映画をより楽しむことができます。
「警察学校編 Wild Police Story」
特に、安室透と警察学校時代の同期に関するストーリーは、番外編「警察学校編 Wild Police Story」としてアニメで放送、および原作として「名探偵コナン」とは別に刊行されていますので、気になる方はそちらもチェックしてみましょう。
アニメ304話「揺れる警視庁 1200万人の人質」
また、この映画の冒頭でプラーミャによって爆殺されてしまった爆弾犯が登場する事件はアニメ304話「揺れる警視庁 1200万人の人質」で描かれています。
高木刑事と佐藤刑事の仲が急速に縮まった回でもありますので、この話だけでも見ておくと良いでしょう。
エレニカたちのその後は
「ナーダ・ウニチトージティ」のリーダーであるエレニカたちは一連の事件解決後、どうなったのでしょうか?
ストーリー終盤で、プラーミャが捕縛された後、報復するために拳銃をプラーミャに向けたエレニカですが、コナンの説得によって報復することを断念した様子が描かれています。
その後、渋谷を守るためにコナンや少年探偵団と協力して奮闘しますが、解決した後は、何も言わずにコナン達の目の前から姿を消しています。
そしてエンディングムービーの中で、プラーミャが逮捕されたという速報ニュースを仲間らとともにどこかのビルの屋上から見つめている様子が描かれていました。
その後の描写は一切ないことから、正確なところエレニカたちがどうなったのかは分かりません。
しかし、家族の仇とも呼べるプラーミャが逮捕されたことで法の下で裁かれることが決定したことから、「ナーダ・ウニチトージティ」の組織の存在意義がなくなったため、母国に戻り組織を解体させていたとしてもおかしくはないでしょう。
また、コナンに説得されるシーンの中で「悪事もたくさん働いた」というセリフがあったことから、「ナーダ・ウニチトージティ」の活動の中で、法に抵触する行為も何度か行ったと考えられます。
プラーミャを捕まえるためとはいえ、自らの起こした行動を反省し、自首した可能性も考えられそうです。
エレニカの担当声優は
エレニカの担当声優は、本作品のゲスト声優として白石麻衣さんが務めています。
「ハロウィンの花嫁」とは
「ハロウィンの花嫁」とは
「ハロウィンの花嫁」とは劇場版名探偵コナンの第25番目にあたる作品で、本作品の監督は、アニメ「ハイキュー!!」の監督を務めている満仲勧さんが担当されています。
またこの作品から、これまで音楽を担当されていた大野克夫さんから菅野祐悟さんに交代しています。
名探偵コナンの中でも人気キャラクターである安室透と彼の同期4人である警察学校組と佐藤刑事、高木刑事の恋模様にもスポットが当てられた作品となっています。
安室透が主役級になるのは第22作「ゼロの執行人」以来3作品ぶり、佐藤刑事、高木刑事が主役級になるのは本作品が初めてになります。
上映時間は?
「ハロウィンの花嫁」の上映時間は111分です。
興行収入は?
「ハロウィンの花嫁」の興行収入は94.8億円です。※こちらを参考にしています。
主題歌はBUMP OF CHICKEN「クロノスタシス」
今回の「ハロウィンの花嫁」の主題歌を担当しているのは、BUMP OF CHICKEN。曲名は「クロノスタシス」。
これまでのアニメ、劇場版を通してもBUMP OF CHICKENが名探偵コナンの主題歌を担当するのは初めてになります。
「ハロウィンの花嫁」が配信されているのは?
「ハロウィンの花嫁」は、2024年5月29日現在、Hulu、ネットフリックス、AmazonPrimeで配信されています。
予告映像
予告①
予告②
特報①
ハロウィンの花嫁の後日談が公開?
2024年9月に開催されたイベント「サンデー文化祭2024」内で、原作者・青山剛昌先生が「ハロウィンの花嫁」の後日談である、警察学校組と幼少期の新一と蘭の物語を現在作成中であるということを明かしました。
詳しくは以下を参考にしてください。
※こちらの記事で使用している画像は名探偵コナン公式トレーラーから使用しています。
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