2019年7月26日に発売されるNintendo Switch用ソフト「ファイアーエムブレム風花雪月」。
シリーズとしては4年ぶりの完全新作となる本作は、これまでのシリーズを受け継いでいる部分もあれば、本作ならではの挑戦を試みている部分もあります。
この記事では、本作のシステムやキャラクター、および事前にプレイした海外メディアの評価などを紹介します。
目次
ストーリー・世界観
3つの勢力が統治する大地「フォドラ」
本作の舞台となるのは、はるか太古より在りし地である「フォドラ」です。天上より女神が見守ると言われるその大地は、3つの勢力によって統治されています。
- 千年以上の歴史を持ち、大陸の南半分を支配する「アドラステア帝国」
- 王と騎士たちが治める「ファーガス神聖王国」
- 大陸の東側で、王を戴かず有力貴族による共同体を成す「レスター諸侯同盟」
かつては戦乱の嵐が吹き荒れたフォドラも、今はこの三国の均衡により、平穏が保たれています。
人々の生活に根付く「セイロス教」
フォドラでは多くの人々が、女神を信仰する「セイロス教」の教えの下に暮らしています。人々にとって、セイロス教と女神は特別な存在なのです。
「ガルグ=マク大修道院」は、3つの大国の中央に位置するセイロス教の総本山です。宗教施設であると同時に精強な騎士団を擁し、フォドラの秩序の要として機能しています。
主人公は士官学校の教師
大修道院は、フォドラの未来を担う若者たちを育成する士官学校としての側面も持ち合わせています。士官学校には、各国の出身者別に編成された3つの学級が存在します。
主人公は、3つの学級の中から担任する学級を1つ選び、教師として生徒たちを導きながら、船上では彼らの指揮官として采配を振るうことになります。
ゲームシステム
学校での生活は、ひと月(節)単位で進行します。月末には実践を伴う課題に挑みます。課題に備え、限られた時間で生徒たちの成長を図ります。
休日には、息抜きとして修道院で人々と交流したり、実践に赴いたり、勉学に励んだりして時間を過ごしましょう。
課題出撃までの準備時間をどのように過ごすかは、プレイヤーに委ねられています。
教育
教育での大きな目的は、生徒たちを多種多様な兵種の「資格試験」に合格させ、より強力な兵種にクラスチェンジできるようにすることです。
多くのキャラクターが属している「平民」「貴族」の初期兵種から、「勇者」「パラディン」などの上級職を目指します。
習得させたい兵種によって、剣術や馬術など必要となる技能はさまざまです。教師である主人公は、生徒一人一人の個性や才能を見極めながら、彼らの成長を後押しします。技能の習得具合に応じて、資格試験の合格率は変動します。
生徒たちは設定した課題に応じて自習を進めます。特に技能を伸ばしたい生徒に対しては、個別指導を行ったり、グループ課題に取り組ませたりすることもできます。
一度合格した兵種なら、出撃前に変更することができます。兵種が変わっても、レベルや習得した技能は変わりません。
戦闘
戦闘の流れ
戦闘はすべてターン制で進行します。自軍のターンで仲間ユニットを移動させ、敵を攻撃したり、仲間を回復したりするなどの行動を選びます。
マップはマス目状に区切られています。移動可能な範囲はユニットによって異なります。敵の全滅、リーダーの撃破など、設定された条件を満たせば勝利となります。
騎士団
本作では、各ユニットに騎士団を配備することで、ユニット単独ではなく、ユニットが騎士団を率いて戦うこともできます。
騎士団は、「騎士団ギルド」で雇用します。騎士団を配備することで、ユニットの能力が上昇します。騎士団はユニットに配備して戦闘をすることでレベルが上がり、より力を発揮してくれるようになります。
騎士団にも、ユニット同様に種類があります。魔法主体のものであったり、弓主体のものであったり、それによって上昇する能力も変わります。
ユニットがダメージを受けると、騎士団の戦力が失われていきます。戦力が0になるとサポート効果も消えてしまいますが、騎士団ギルドで補充することができます。
騎士団とユニットは、「計略」を発動することができます。例えば「帝国騎士団」の「火計」は、攻撃に加えて、範囲内の地形を炎上状態にし、待機するとHPを減少させる効果をもたらします。
絆の力
戦場の内外で同じ時間を過ごすうちに、味方ユニット同士に友好関係が育まれます。味方同士の絆は、先頭にも良い影響をもたらします。
対象の敵を攻撃できる範囲に味方ユニットがいる場合、「連携」が発動し命中率や回避率が一時的に上昇します。味方ユニットの配置を工夫して連携を活用し、戦闘を有利に進めましょう。
有効度の高さを表す「支援レベル」が上昇することで、連携時により高い効果を発揮することができます。
戦技・スキル
各ユニットは、武器による通常攻撃のほか、技能を高めることで「戦技」と呼ばれる特別な技を使えるようになります。戦技は教育などで各武器の「技能レベル」を上げることで習得できます。
戦技は強力な反面、武器の耐久値を大きく消費します。耐久値が0になると武器は壊れ、戦闘力が大きく低下してしまいますので、戦技の使いどころはよく見極める必要があるでしょう。
そのほか、スキルもユニットの強さに大きく影響します。スキルの種類には、以下の3つがあります。
- 技能スキル:技能レベルが向上することで習得するスキル
- 個人スキル:キャラクターごとに覚えるスキル
- 兵種スキル:兵種によって使用できるスキル
魔獣
本作で敵となるのは、人間だけではありません。人とは比べ物にならない力をもった「魔獣」が、主人公の前に立ちはだかることもあります。
1体でマップの複数のマスを占める魔獣は、HPや攻撃力も高く、一撃の範囲が広いなどの特徴があります。通常の敵とはかなり異なる戦いが求められることでしょう。
難易度
本作では、2段階の難易度、2段階のモードから、ゲームの難しさを選ぶことができます。難易度は途中で下げることも可能です。
そのほか、「天刻の拍動」使うと、戦闘時の行動を一手単位で巻き戻すことができます。負けてしまったとき、ほかの攻め方を試したいときなどに活用しましょう。
自由行動
大修道院には、さまざまな設備が用意されています。それらを自由に活用して、生徒と交流を図ります。主人公自身の技能を伸ばすこともできます。
自由行動の時間は限られています。教師としての指導力を鍛えることで、より多くの行動を取れるようになります。
スカウト
主人公は1つの学級を指導することになります。学級には同じ出身国の生徒が集まりますが、他学級の生徒であっても、彼らが求める条件を彼らが満たしている場合は、スカウトして自分の学級に引き入れることができます。
生徒によって要求する内容はさまざまです。主人公自身も、別の教員などから指導を受けて技能を向上させ、教員としての魅力を高めましょう。
交流
休日の大修道院では、人々が思い思いに時間を過ごしています。落とし物を持ち主に返したり、プレゼントをしたり、お茶会をしたり。
相手との絆が深まると特別な会話が発生し、「支援レベル」が上昇します。
インターネットに接続してプレイすると、世界中のプレイヤーが送り出した「留学生」がやってきます。留学生に話しかけると、アイテムの売買などを行うことができます。
そのほか、クエストが発生することもあります。
出撃
ストーリーの流れの中でこなす月末の課題出撃のほかにも、休日に戦場に赴いて自由に実践経験を積むことができます。
戦場によっては、本編から派生した「外伝」として、特定のキャラクターに焦点を当てた戦場も存在します。
恋愛要素について
本作におけるキャラクター同士の恋愛要素については、公式情報として出てきているものはありません。ただし任天堂は、一部メディアの取材に対して公式見解を述べています。
この件を報じたAUTOMATONの記事によると、同性愛の要素があるものの、詳しくは説明できないとの見解が示されたとのことです。
同性愛要素があるということはつまり、恋愛要素自体の存在を認めたことにもなるでしょう。詳細は不明ですので、実際に作品をプレイする中で確かめることになりそうです。
主要キャラクター
主人公
CV:小林裕介、伊藤静
父・ジェラルトの率いる傭兵団に所属していましたが、盗賊に襲われた士官学校の生徒たちを救ったことから、その才能を見出され教師として招かれることになりました。
ソティス
CV:黒沢ともよ
主人公の夢に現れた不思議な存在。時を巻き戻す力で主人公を救いました。主人公のほかにはその存在に気付く者はいなく、彼女自身も自分が何者であるかの記憶はありません。
エーデルガルト
CV:加隈亜衣
アドラステア帝国の皇女であり次期皇帝です。黒鷲の学級の級長として学級をまとめています。凛とした気高さと威厳を漂わせており、周囲の状況や他者を冷静に見定めて行動します。
ディミトリ
CV:石川界人
ファーガス神聖王国の次期国王です。青獅子の学級の級長です。騎士道を体現するような誠実な青年ながら、明るさの中にかすかな陰りのようなものを感じさせることもあります。
クロード
CV:豊永利行
レスター諸侯同盟の盟主である名家リーガン家の嫡子です。金鹿の学級の級長を務めます。人好きしそうな笑顔と飄々とした態度が印象的な一方、自らを「猜疑心の塊」と評するなど、油断ならない一面もあります。
レア
CV:井上喜久子
セイロス聖教会の最高指導者である大司教です。ジェラルトが騎士団に勤めていた頃から、同じ地位についていました。主人公を評価し士官学校に迎え入れました。慈母のように穏やかですが、教会に刃向かうものには容赦なく裁きを下します。
ジェラルト
CV:大塚明夫
主人公の父。かつてセイロス騎士団で団長を務め、歴代最強の騎士とうたわれました。騎士団を離れてからは、傭兵団を率いて旅を続けていました。盗賊から生徒を救ったことをきっかけに、再び騎士団に身を置くことになります。
炎帝
大修道院の周囲で暗躍する謎の人物。教会に対して友好的でないことは明白ですが、主人公に警戒しつつも興味を抱いています。
タレス
「闇に蠢く者」の中心的な存在。ある計画を遂行するために、ソロン、クロニエを引き連れて暗躍します。その正体は謎に包まれています。
海外メディアでは高評価を獲得
ゲーム業界では、発売前のゲームをメディアにプレイしてもらう取り組みをすることがよくあります。執筆時点において国内メディアのレビューは確認することができませんが、一部海外メディアのレビュー記事は公開されています。
海外メディアはときに厳しい評価を下すこともありますが、本作はかなり高い評価を獲得しています。いくつか紹介しましょう。
「engadget」では、「学校という設定がファイアーエムブレムを進化させた。」と評価しています。
「Daily Star」では、「覚醒(シリーズ前作)以来最高の作品になるだろう。」と評価しています。
あくまで事前の評価であるため、すべての内容が公開されているわけではありませんが、期待感を持たせてくれる内容となっています。
▼発売後のレビュー評価はこちら
【最後に】意欲的な新システムに期待
「ファイアーエムブレム風花雪月」は、シリーズの完全新作として高い注目を集めています。
明らかになっていない部分もありますが、従来の良さを受け継ぎつつ、新しい要素も取り入れた作品になっていることが分かります。
学校という要素がファイアーエムブレムの世界観とどう融合しているのか、高く評価しているメディアもありますが、プレイヤー自身が実際にプレイして確かめたいところです。
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