勇者が魔王を倒した後の世界で長命種のエルフの主人公、フリーレンが仲間の死別をきっかけに「人を知る旅に出る」話題の作品「葬送のフリーレン」
人との関りについて関心が薄いフリーレンの心を動かすほどの影響力をもたらし、物語のきっかけにもなった勇者ヒンメル。
作中では既に死亡したヒンメルですが、そんな彼がどのような人物だったのか、今後生まれ変わりとなる人物が登場するのかについて考察できるエピソードを紹介していきます。
本記事には 漫画11~12巻までのネタバレが含まれます。問題ない方のみご覧ください。
目次
作品情報
出版 |
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作者 |
原作:山田鐘人さん 作画:アベツカサさん |
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連載 |
にて連載中 |
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最新刊 |
13巻 2024年4月17日発売 |
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公式サイト |
(アニメ公式HP) |
出典: frieren-anime.jp
『葬送のフリーレン』は、週刊少年サンデーで連載中の漫画で、2023年にアニメ化され注目をあびています。魔王を討伐した勇者一行パーティーの一人、エルフで魔法使いのフリーレンが魔王討伐後の世界を旅するお話です。
ヒンメルの生まれ変わりが噂された背景
過去のヒンメルとの再会
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原作11巻の107話「女神の石碑」にて女神の像に触れたフリーレンが勇者ヒンメルの死の53年前、魔王討伐の旅の7年目の時代にタイムスリップしかつての仲間たちと再会します。
第118話において元の時代に帰還を果たしたフリーレンですが、本作の旅の目標となる勇者ヒンメルの死後の魂と対話できるとされる「魂の眠る地(オレオール)」に辿り着くのとは別の形でヒンメルとの再会を果たしています。
このエピソードから今後の物語でもフリーレンとヒンメルは再会するのではないか?という考察や展開を望む声が上がり始め、その一つとしてヒンメルの生まれ変わりが登場するかもしれないという説がささやかれる様になりました。
ヒンメルの生まれ変わりは登場するのか?
自身と旅をしたヒンメルを知りたいというフリーレンの目的に対して、ヒンメルの生まれ変わりはミスマッチな存在であると言えます。
ヒンメルの生まれ変わりが今後登場する事については、魂の眠る地(オレオール)を物語の目標地にしている限り登場する可能性は非常に低いでしょう。
同一性を証明するのが難しい
仮にヒンメルの生まれ変わりが存在していたとしても、生まれ変わりであると明確に証明できる設定や描写が確認されていません。
勇者であることを証明する勇者の剣についても、彼は選ばれなかったので確かめる手段にはなり得ません。
恐らく前世の記憶を完全に保持でもしてでもいない限り、フリーレン側から見ても「ヒンメルとよく似た人」としてしか認識されないでしょう。
死後の世界とヒンメルの魂
出典: frieren-anime.jp
旅の目的地である魂の眠る地でヒンメルの魂と対話すためにはそこにヒンメルの魂がある事が必要不可欠です。
もし生まれ変わりとなる存在が登場するば「現在のヒンメルの魂はどこ?」という疑問が生まれ、その前提が大きく揺らいでしまいます。
せっかくの舞台である魂の眠る地の存在自体が無意味になってしまう恐れもあるため、こういった展開になる可能性は低いと考えられます。
ハイターの語る死後の世界
僧侶ハイターは死後の魂の行先について「精一杯生きた人は天国で報われるべきだ」という考えを旅の最中で述べています。
ヒンメル・ハイターの死後においても、アイゼンが「天国はある、その方が都合がいいだろう。」と、かつてのハイターの言葉を借り、魂の眠る地ついて懐疑的なフリーレンを送り出しています。
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元々アイゼンは死後について「死んだ生き物は無に帰る」とドワーフ族に信じられている考えを持っていました。
この発言についてはハイターとの長い交友関係を通じ、アイゼン自身の考えが変わったのではないかと推測できます。
ハイターと幼馴染であった事や比較的楽観的な人物であるため、ヒンメルも同じように信じている可能性が高いでしょう。
勇者ヒンメルについて
勇者ヒンメルの偉業と人物像
ヒンメルは戦士アイゼン、僧侶ハイター、魔法使いフリーレンと共に10年の歳月を費やして当時の魔王を討伐するという偉業を成し遂げています。
天寿を全うした際も、生前愛用していた剣と共に盛大な葬式が執り行われている事、各地に建てた銅像の存在から世界中の人々に広く「勇者」として認識されています。
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ヒンメルの”勇者”としての在り方
ヒンメルは子供時代に勇者の剣のレプリカを持っている所を見た幼馴染のハイターに「偽物の剣しか持っていないから、偽物の勇者にしかなれない」と揶揄われたことをきっかけに、勇者になる事を目指したと語っています。
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いち早く魔王を討ち倒す事よりも「目の前の困った人を助ける」という事を優先している事や、魔王討伐の旅を重い使命を背負ったようなものではなく楽しい思い出にしたいと語っています。
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ヒンメルはヒンメルなりの勇者としての在り方を持ってはいましたが、「世界を救ってほしい」と切に願う当時の人々が理想とする勇者とはズレた人物でもあると言えます。
ヒンメルの実力
勇者の剣こそ抜けなかったヒンメルですが、魔王討伐の旅では強大な魔法使いであるフリーレンをもって化物と言わしめる僧侶ハイター、戦士アイゼンと肩を並べて戦っています。
女神の石碑で過去に戻ったエピソードではグラオザームらとの戦闘では、幻影に捕らわれながらも見事退けるなど剣の腕は本物です。
逆にフリーレンやハイターのように魔法を使う描写はなく、純粋な身体能力がずば抜けて高い人物だったと推測されます。
本人は”勇者”の素質がなかった?
『葬送のフリーレン』第25話:剣の里では、ヒンメルが選ばれた勇者にしか抜けない勇者の剣を抜く事ができなかったことが明らかになります。
少なくとも魔王討伐の最中において彼は、「勇者」としての素質は持ち合わせていない青年であったということでしょう。
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勇者の剣を抜けなかったことに残念そうな表情を浮かべましたが、すぐに「いいじゃないか偽物の勇者で。」と前向きに開き直ります。
その上で魔王討伐の旅を諦めることなく続け、結果としてそれを成し遂げる事ができました。
実現を可能とした実力や精神力はもちろんですが、パーティを率い続けたリーダーシップも優れた人物というのは疑いようがありません。
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魔王を倒し、名実ともに「勇者」となったヒンメルであれば勇者の剣に選ばれていたかもしれません。
ですが現に剣は残っていますし、ヒンメルが旅を終えて勇者の剣に執着する理由はなくなったためそれを確かめる術はもうありません。
ヒンメルは特別な人物ではない
葬送のフリーレンに登場する勇者の剣のような選定の剣はしばしば創作の世界に登場し、選定の条件も作品によって様々です。
その特徴から剣を抜ける人物が特別な存在である事を強調する役割を果たす事が多いです。
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まとめ
作品のテーマと生まれ変わりについて
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「生きているというのことは誰かに知ってもらって覚えていてもらうことだ」というヒンメルの言葉のように、本作では人生における生と死をテーマにした台詞や表現が印象的なものとなっています。
この事からも、やはり生まれ変わりについてはほぼ無いのではないかと考えられます。
ですが、そういった話題が上がる事からヒンメルは多くの読者の心を掴み愛されているキャラクターであることが伺い知れます。
そして魂の眠る地にてフリーレンはヒンメルが再会する時、そしてどんな言葉を交わすのか楽しみですね。
最新話と1~3話に関してはサンデーうぇぶりで読むことができるので最新話を追いかけたい方や序盤のストーリーをおさらいしたい方はこちらもご確認ください。
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