『進撃の巨人』はTVアニメシリーズが終了し、現在「劇場版進撃の巨人完結編 THE LAST ATTACK」が公開中の大人気漫画です。
出典: shingeki.tv
この考察記事では、原作やアニメを一度最後まで見たものの細かい設定や意味などいまいち理解できていない部分がある方々のために、物語のストーリーをわかりやすくまとめています。
※最終回までのネタバレを含みますのでご注意ください。
※内容には筆者の考察を含んでいます。
目次
- 1 100年守られた壁の崩壊
- 2 5年後、超大型巨人が再来
- 3 内部に潜んでいた巨人
- 4 知性を持つ巨人の正体はアニ
- 5 少しずつ明らかになる壁の秘密
- 6 ライナーとベルトルトの正体
- 7 エレンに「座標」が移る
- 8 エルヴィンの王政打倒計画
- 9 レイス家の地下〜ヒストリア女王の誕生
- 10 ウォールマリアの奪還〜地下室へ
- 11 グリシャの生い立ち
- 12 エレン奪還失敗から4年後のマーレ
- 13 タイバー家の演劇とジークの捕獲
- 14 反マーレ派義勇兵
- 15 ジークと義勇兵への不信
- 16 国民の兵団への不振とイェーガー派
- 17 ジークの逃走
- 18 連合軍によるパラディ島襲撃
- 19 父グリシャの記憶の旅
- 20 地鳴らしの発動
- 21 スラトア要塞での最終決戦
- 22 ジークの気持ちを変化させたアルミン
- 23 ミカサの選択がもたらす結果
- 24 エピローグ
100年守られた壁の崩壊
物語の始まりは作中の暦で845年。
主人公エレン・イェーガーとその幼馴染であり親友であるミカサ・アッカーマン、アルミン・アルレルトの3人がいるのは、100年前に人類の大半が巨人によって食い尽くされ、生き残った人類が高さ50mある強固な壁に囲われた土地(※)のみで暮らす、壁の外の人類は絶滅したとされる世界です。
壁がいつどのように造られたかなどの謎は後にわかりますが、中央を取り囲むように3重の巨大の壁が存在し、内側からウォールシーナ、ウォールローゼ、ウォールマリアと呼びます。
▼3枚の壁のイメージ図
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▼壁と巨人のサイズ感はこちら
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出典: alu.jp |
※壁の説明は簡略化されたイラストで描かれているため狭いと思っている人も多いのですが、壁の中の広さはアニメの設定によると一番外側の壁ウォールマリア内に北海道がすっぽり入ってしまうほどの大きさのようです。
壁の外には人間を食い殺すことにしか興味を示さない無垢の巨人がたくさんうろついているため、壁の中の人類は兵団を組織し、自治と探求に勤めています。
【兵団は3種類ある】
※カッコ内は開始時の彼らの状況。
憲兵団 |
王の元で民を統制し秩序を守る。(一番内側の壁ウォールシーナの中の地区で偉そうにしている) |
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駐屯兵団 |
壁の強化に努め各街を守る。(酒ばかり飲んでサボっている) |
調査兵団 |
犠牲を覚悟して壁外の巨人領域に挑む。(死者ばかり出し何の成果も得られていない) |
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しかし平和な暮らしは終わりを迎えます。
突如出現した高さ50mの壁から顔を出せるほどの超大型巨人と、その後出現する鎧のような硬さで身を守られた鎧の巨人によりウォールマリアから突び出した場所にあるエレンの住む街シガンシナ区の壁と、さらにその内側にある壁ウォールマリアに穴を開けられ街は崩壊。
▼有名な冒頭のシーン
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その災害時にまだ子どもだったエレンは母親を目の前で巨人に食べられ、父親は行方不明となります。そして自分は調査兵団に入ることを決意するのでした。
この災害で人類はウォールマリアを放棄し、領土の3分の1を失いました。
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5年後、超大型巨人が再来
ウォールマリアに穴が開けられてから5年後の作内歴850年、訓練兵となったエレンたちの前に再び超大型巨人が出現し、今度は3つの巨大な壁のうち2枚目となる壁ウォールローゼから突び出した場所にある最前線の街、トロスト区の壁に穴を開けます。
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エレン、ミカサ、アルミンとともにこの災害に遭遇するのがここから訓練兵104期生の同期として物語に大きく関わる仲間たちであるジャン、ライナー、ベルトルト、アニ、コニー、サシャ、クリスタ(ヒストリア)、ユミル、マルコなどです。
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訓練中の不意の出来事であったのと、調査兵団の主力が壁外へ調査へ行っていたこともあり、エレンたち訓練兵と先輩兵士達は穴から入ってきた無垢の巨人達により大ダメージを受けます。主人公であるエレンも、巨人に食べられそうになっているアルミンを助けるために代わりに巨人に食べられてしまうのでした。
怖気づいた訓練兵の籠城もあり、もう全員だめかと思われた時突如現れたのが、巨人を殺す巨人です。
▼巨人を殺す巨人の登場
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大暴れする巨人を殺す巨人の出現と、それをうまく利用するミカサやアルミンたちの作戦がうまくいきその場を持ちこたえることに成功しますが、力尽きて倒れたその巨人の首元からなんとエレンが出現します。
そこへ壁外へ行っていた調査兵団の主力部隊メンバーであるエルヴィン団長やリヴァイ兵長が到着。
▼リヴァイ兵長
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敵か味方かわからないエレンを前に全員が混乱する中アルミンは、エレンが人間であり味方である証明として、巨人になったエレンが大岩を持ち上げて先ほど開けられた壁の穴を塞ぎ、トロスト区を巨人達から奪還する作戦を提案します。
作戦を採用することに決めた憲兵団の最重要区防衛全責任者であるピクシス司令の指揮のもと、エレンは巨人化し、無事大岩を持ち上げて穴を塞ぐことに成功します。(※)
※作戦中に再度巨人化したエレンはしばらくの間錯乱し、理性を失ってミカサなど味方を攻撃して暴れてしまいます。誰でも初めて巨人化した時はうまく巨人を操れないという特性があります。
内部に潜んでいた巨人
エレンが巨人化できることがわかったものの、その理由は本人にもわからない状態です。
トロスト区奪還作戦の途中エレンが一時錯乱したこともあり、各兵団でその後のエレンの処遇に対する意見が分かれますが、リヴァイの責任の元エレンは調査兵団に所属することが決まります。(※)
※先ほど紹介した104期訓練兵の面々(ミカサ、アルミンに加えてジャン、ライナー、ベルトルト、アニ、コニー、サシャ、クリスタ(ヒストリア)、ユミル、マルコなど)も皆さまざまな想いから調査兵団への入団を希望。
そんな中、調査兵団によって生捕りに成功しさまざまな実験や調査がなされていた2体の巨人が何者かによって殺されます。
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敵が内部にいる可能性を察知した調査兵団のエルヴィン団長は、その後の第57回壁外調査においてある罠を敵に仕掛けます。
壁外調査へ出かける大勢の兵士は巨人と遭遇した時素早く対応するため陣形を組んで進みますが、エルヴィン団長は敵はエレンを狙ってくると読み、陣形の配置場所別にエレンの居場所について違った情報を伝えます。
団長の思惑通り1体の知能を持った「女型の巨人」が出現し、やはりエレンを探しているようです。
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エルヴィン団長の作戦は数人の兵士にしか伝えられていませんでしたが、全員が団長を信じて進み、その結果女型の巨人を一時捕獲することに成功します。
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しかし彼女の叫びの力により巨人が集結、女型の巨人に逃げられエレンを奪われるピンチに。
リヴァイによりエレンは無事奪還されますが、リヴァイ兵長がこの時指揮していたリヴァイ班は全員が犠牲になったのでした。
知性を持つ巨人の正体はアニ
エルヴィン団長の情報作戦とアルミンの観察力などにより、女型の巨人の正体だと絞り込まれたのは調査兵団104期生のアニでした。
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同期のアニを信じたいアルミンたちは最後まで希望を捨てず、ウォールシーナ内の街中でアニに罠を仕掛けますが、残念ながら女型の巨人の正体は予想通りアニであり、街中で巨人化したアニとエレンとの戦闘になります。
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格闘の末女型の巨人を取り押さえ、うなじから本体であるアニを取り出そうとした時、絶対父親の元に帰るという強い意志から、アニは硬質化でできた結晶のようなものに包まれて眠りについてしまうのでした。
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一方アニが逃げようと壁を登った際できた亀裂がわれ、なんと壁の中には巨人がいることが判明します。
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そしてこの壁の巨人いついて何やら詳しそうな人が登場します。5年前の初めての超大型巨人出現後から急に指示を集め出した、壁を崇める宗教「ウォール教」のニック司祭です。しかしニックはこの壁の巨人について脅しても決してしゃべりません。
▼何かを知るニック司祭
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少しずつ明らかになる壁の秘密
アニの存在が明るみに出たことにより、兵団は104期生の中にアニの共謀者である超大型巨人と鎧の巨人も潜んでいる可能性が高いと判断。104期生に立体機動装置を付けさせずにウォールローゼ(※付近の村に待機させます。
※3枚の壁の中で中央にある壁ですが、一番外側のウォールマリアは突破されたままなのでこの時点で実質一番外側の壁。なお、アニの炙り出し作戦に参加していたエレン、アルミン、ミカサ、ジャンは中央に残ったままです。
しかしその状態でウォールローゼ内に巨人が出現します。
つまりウォールローゼが突破されたとしか考えられないこの状況に、一旦104期生の疑いは晴れますが、調査を続けるとウォールローゼはどこも壊れておらず、壁の内部から巨人が出現したとわかります。これはこの時壁の外から偵察に入ってきた獣の巨人ジークの仕業であり、出現した巨人は全てコニーの出身であるラガコ村の住民なのですが、このことにより「巨人の正体は人間である」という事実をみんなが知ることになります。
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一方ウォールローゼが突破されたと思われ混乱し、避難する大勢の住民たちを目の当たりにしたニック司祭は、壁の中に巨人がいることを知っていたことを認めるものの、やはりその秘密は話しません。
しかし「壁の秘密を知り、公に話すことを選べる権利を持つ子」なら言えるとのこと。
それは、本人は幼い頃に親に捨てられ何も知らず今は104期生で調査兵団に入っているクリスタ・レンズでした。
▼みんなから女神と言われるほど誰にでも優しいクリスタ
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後にクリスタは、壁の中の真の王家であるレイス家の血を引く最後の生き残りヒストリア・レイスであることがわかります。
また、ウォールローゼ内に出現した巨人と104期生たちはその夜戦うこととなりますが、その時巨人化してみんなを助けたのが、クリスタとずっと行動を共にしていたクリスタの親友であり同じ104期生のユミルです。
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【ユミルの正体】
ユミルは壁の外の世界の大国マーレの孤児で、拾われた親により始祖の巨人ユミルと同じ名前をつけられお金儲けの道具にされていた可哀想な少女です。
その罪により無垢の巨人にされ壁の外をさまよっていたユミルは、始祖奪還作戦で壁の外まで来ていたライナー、ベルトルト、アニの仲間であったマルセルを食べてしまったことにより巨人化できる人間になり、壁の中に入ることに成功。壁の中で訓練兵時代に出会ったクリスタの内面に惹かれクリスタをとても大切に思い、彼女のために生きていました。
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ライナーとベルトルトの正体
ユミルのおかげで助かった104期生たちは駆けつけた調査兵団のハンジたちによってウォールローゼの壁上に非難します。ユミルは普通だったら死んでいるほどの瀕死の怪我を負ったものの、生き残り巨人の力で自己治癒をしながら横たわっていました。
実は104期生が郊外に待機させられている間にアニの身辺調査が終わり、結果が中央に残っていたエレン、アルミン、ミカサに知らされていました。結果は、「同じ地域出身になっているライナー、ベルトルトが怪しい。今後は彼らが何か怪しい行動をしても何も知らないふりをしてうまく誘導して地下に幽閉する」とのことです。
▼手前がライナー、黒髪がベルトルトです
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【ライナーの行動にヒントが】
壁外調査中に女型の巨人が出現したとき、ライナーとベルトルトはエルヴィン団長の作戦でエレンの位置に付いて間違った情報を伝えられていた箇所を担当していました。
自然にアルミンにエレンの本当の居場所を聞いたライナーが女型の巨人に一瞬握りつぶされそうになった後、女型の巨人はエレンのいる正しい方向へ走り出します。
ライナーはこの時女型の巨人(アニ)にエレンの位置を伝えたのではないか、とアルミンは推理しました。
予想は的中し、実質一番外側になっている壁の上にユミルとエレンが揃ったことにより、多少錯乱もあって、ライナーが自ら自分の正体を明かしてきます。
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壁上で巨人化したライナー、ベルトルトと、同じく巨人化したエレンとの戦いになりますが、結局その場は調査兵団がユミルとエレンを奪われ、ライナーとベルトルトに逃げられてしまいます。
ハンジの予想により、巨大樹の森で休んでいた4人を追いかけた調査兵団はその日のうちの4人に追いつき、エレン奪還の戦いを仕掛けます。巨大樹の森で夜が来るのを待っていたライナー、ベルトルト、ユミルとエレン4人の会話は物語の確信に迫るヒントが多く興味深いものです。(※)
※敵は一体誰なんだ?と聞くエレンにユミルは「それは言ってみればせ…」と何かを言いかけますが、ライナーに制されます。そう、この時点ではまだ壁の外の世界についてエレンたち壁の中の人類は何も知りません。巨人になれる人間が内部にいたことはわかっていても、相変わらず外の人類は滅んだと思っている状態で、壁の外に世界があることはまだ知りません。
エレンに「座標」が移る
物語をしっかり読みすすめるとわかるのですが、5年前エレンの母親を食べた巨人は実はエレンの義理の母(ジークの母)でありエルディア人の王家の血を引く女性ダイナです。
▼この巨人はダイナだった
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追いついた調査兵団とライナーたちとの戦闘の最中、もうダメかと思われた時エレンがミカサのためにこの巨人に素手でパンチをして手に触れた瞬間「座標」と呼ばれるものがエレンに発生、叫びの力で無垢の巨人たちを操れるようになります。
出典: alu.jp
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その後調査兵団は死闘の末かなり損失を出しつつも無事エレンを奪還。
エレンの存在により壁の中にも未来があることを知ったユミルは、クリスタを置いてライナー、ベルトルトと共に壁の外の世界へと行ってしまいます。(※)
※ユミルの巨人は九つの巨人のうちの1つ「顎(アギト)の巨人」でした。九つの巨人は、その巨人化の力を持ったものを無垢の巨人になった人が食べることでその力を継承できます。したがってその後マーレの戦士であるガリアードがユミルを食べ、顎の巨人の力はガリアードに移ります。前夜の戦いでユミルが「顎の巨人」の力を持っていることを知ったライナーとベルトルトは、エレンだけでなくユミルも連れて帰る必要がありました。
九つの巨人一覧
エルディア人の血を継いでいる物のみが巨人の脊髄液の取り込みによって巨人化することが可能。
九つの巨人は、その力を有する物を別の巨人が食べる(脊髄液を取り込む)と力を継承して人間の姿に戻ることができます。また九つの巨人を継承したものは継承から13年で寿命が尽きます。
【九つの巨人一覧】
超大型巨人 |
ベルトルトが持っていた5高さ0mを超える大型巨人。物語で最初に登場する巨人です。ベルトルトの次にアルミンが継承します。 |
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鎧の巨人 |
ライナーが持っていた、体を硬質化で硬くできる巨人。物語の初めにウォールマリアに穴を開けた巨人です。 |
女型の巨人 |
アニが持っていた叫びの力で無垢の巨人を操ることができる足の速い巨人です。 |
進撃の巨人 |
エレンが何もわからないまま父親から継承させられた巨人です。エレンの父グリシャは壁の外でのエルディア復権派時代、マーレ内部にいた協力者であるフクロウからこの力を受け継ぎ、壁の中にやってきました。未来を見る力があります。 |
獣の巨人 |
エレンの兄ジークが持っていた猿のような見た目をした巨人です。あまり戦力はありませんがジークの投てきの才能を利用して大量殺戮が可能な兵器になりました。ジークが慕いよくキャッチボールをしてくれていたクサヴァーから受け継ぎました。 |
顎の巨人 |
無垢の巨人になって彷徨っていたユミルが、ライナーやベルトルト、アニの仲間であるマルセルを食べて継承した巨人です。その後、ユミルからマーレの戦士ガリアードに継承されました。 |
車力の巨人 |
マーレの戦士ピークが持っていた巨人です。数日間巨人のままで行動できるのが特徴。 |
始祖の巨人 |
始祖ユミルから始まった、エルディア人の思想や記憶をも操れる巨人です。代々エルディアの真の王レイス家が受け継いでいましたが、エレンの父グリシャがレイス家のフリーダ(ヒストリアの姉)から無理やり奪い、さらに自分をエレンに食べさせてエレンに受け継がせます。 |
戦鎚の巨人 |
エルディア人でありながらマーレでの地位を持つ貴族タイバー家が代々管理している巨人。物語中頃マーレでの戦いでエレンが力を取り込みます。 |
エルヴィンの王政打倒計画
エレンの巨人化が明るみになった時からエルヴィンは、中央の「何か」がエレンを手に入れようとしていることに気づいていました。
そんな中ウォール教のニックが中央憲兵(憲兵団とは別物です)によって強盗殺人に見せかけ殺害されます。さらに、中央憲兵に依頼されたリーヴス商会がエレンとヒストリアを誘拐する事件が発生。
この誘拐事件ですが、エルヴィンの極秘計画により実際に攫われたのはエレンとヒストリアに扮装したアルミンとジャンでした。二人を迎えに来たリーヴス商会を返り討ち、リヴァイとの交渉により調査兵団はリーヴス商会が手を組むことに成功。中央憲兵のサネスとラルフを逆に罠にはめて誘拐します。
ハンジとリヴァイによるサネスへの拷問で明らかになるのが、現在中央にいる王は影武者であり、レイス家こそが本物の王家であるという真実です。(※)
※クリスタと名乗っていたヒストリアの血筋であるレイス家はこの時まで、どこにでもいる田舎の一貴族だと思われていました。
壁の秘密を代々受け継ぐ王家であるレイス家と、その継承に関係する力を持つエレンを中央憲兵は手中に入れようとしています。
リーヴス商会と手を組んでいる調査兵団は、エレンとヒストリアの受け渡し現場に潜伏、その後を尾行して真の王であるロッド・レイスの居場所を掴むいう作戦を立てます。しかし中央憲兵の方が一枚上手だったようです。中央第一憲兵に所属するケニー・アッカーマン(※)によってリーヴスは殺害され、その犯人としてエルヴィンは民衆の面前で濡れ衣を着せられてしまうのでした。
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これによりエレンとヒストリアはそのままさらわれてしまい、加えて中央第一憲兵対人制圧部隊による大規模な調査兵団狩りがスタート。調査兵団は一気に窮地に追い込まれます。
※ケニー・アッカーマンはリヴァイの母親の兄です。孤児となったリヴァイを引き取り数年生活を共にし戦い方を教えたという過去があります。ヒストリアの姉であるフリーダの前に始祖の力を継承していたウーリ・レイス王とは親友で、彼から話を聞いたケニーは自分が始祖の巨人の力、初代王の思想を手に入れ「この世界を盤上ごとひっくり返したい」という夢を持っていました。
調査兵団の冤罪はその後
・父親の殺害現場を目撃していたリーヴスの息子フレーゲルの活躍
・その件を勇気を出して民衆に伝えることに決めたベルク新聞社
・壁が突破されたとの誤報を伝える作戦により本性を表した王政
などの出来事により無事晴れますが、ケニーにさらわれる前にエレンが思い出した記憶(ライナーとベルトルトにさらわれた時彼らがユミルと交わしていた会話)により、ハンジは「レイスはエレンを食う気だ」という事実に気づき、急いでエレンを救出しに向かうことになります。
レイス家の地下〜ヒストリア女王の誕生
エレンとヒストリアはレイス家の隠れ家となっている郊外の村の礼拝堂地下に囚われていました。
ハンジやリヴァイ、アルミン、ミカサ、コニーなどが礼拝堂へ急ぐ中、礼拝堂の地下では、エレンを力をヒストリアに継がせるための準備(エレンを巨人化させたヒストリアに食べさせる儀式の準備)が進んでいました。
その際、レイスとヒストリアがエレンに触れたことにより、エレンは父親を食べた時の記憶、ヒストリアは優しかった姉、フリーダの記憶を思い出します。(※)
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※:エレンの父は、最初に超大型巨人が出現したその日の夜、すでに突き止めていたレイス家の礼拝堂へ向かい、自ら巨人化して始祖の巨人を継承していたフリーダを食べ始祖の巨人の力を得ます。そしてその場にいたレイス以外の全員を殺害。その後、巨人化させた我が子であるエレンに自らを食べさせて、始祖の巨人、進撃の巨人2つの巨人の力をエレンへと移したのでした。
レイスにそそのかされ、巨人化の注射を打たれそうになるヒストリアですが、
・代々受け継がれる初代王の思想が巨人を駆逐することではなく巨人に支配されることを望んだこと
・始祖の巨人を継承してしまうとその思想に取り憑かれ、巨人を駆逐することができなくなること
・そして大切な人であるユミルの言葉「お前…胸張って生きろよ」
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を思い出し「もう自分を殺して生きるのは嫌だ」と強く感じます。その結果ヒストリアは巨人になることを拒み父レイスに反抗、エレンを助けることを選ぶのでした。
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そこにエレン&ヒストリア救出部隊であるリヴァイたちが到着。戦闘の末地下の洞窟が崩れ落ちてしまいますが、とっさに鎧の力を持った巨人の脊髄液を口から摂取したエレンの硬質化の力により、仲間たちは助かります。(※)
※:その後巨人の脊髄液を摂取し巨人となったレイスが暴走して街の方へ向かって進んでしまいますが、街の人々の目の前でヒストリアが討伐。これにより、壁の中の真の王は自分だとして民衆を納得させることに成功します。
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エレンの父親グリシャの当時の様子に関しては、エルヴィンの前の12代調査兵団団長であり、エレンたち訓練兵の教官であったシャーディスが情報を持っていましたが、壁の外からやってきたグリシャの世話をした程度であまり詳しい情報は持っていませんでした。
ウォールマリアの奪還〜地下室へ
シャーディスの話からエレンの父グリシャは壁の外から来た人間であることがわかり、やはり地下室へ行く必要があることから、エレンの硬質化の力を利用したウォールマリア奪還作戦が決行されることとなります。
ウォールマリアの穴(※)を塞ぐことには成功しますが、壁の中に潜んで待ち構えていた(※)ライナー、ベルトルトが出現。さらに車力の巨人に爆弾を積ませ獣の巨人も登場し、再度エレンVSライナー、そして今後因縁の相手となるリヴァイVS獣の巨人ジークの戦いの火蓋が切って落とされます。
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※ウォールマリアは3つの壁の一番外側にある、エレンが子どもでシガンシナ区に住んでいた頃最初に壊された壁です。奪還作戦は正確にはウォールマリアから突出した区域、シガンシナ区の穴を塞ぐことです。
※ライナーとベルトルトが壁の中に潜んでいる可能性があるとアルミンが推理したおかげで、彼らの完全なる奇襲を防ぐことができました。
調査兵団が新たに開発した対鎧の巨人用の新兵器「雷槍(らいそう)」が初登場、この戦いでその威力を発揮し、ライナーに大ダメージを与えます。
超大型巨人化したベルトルトの爆風のせいでシガンシナ区内にいたものが大勢犠牲になるものの、巨人化したエレンに守られた104期生たちと、咄嗟に部下によって井戸に投げ込まれたハンジは無事でした。
超大型巨人化したベルトルトと獣の巨人により、シガンシナ区が火の海にされようとしています。(エレンの家の地下室を潰すため?)
【ウォールマリア奪還作戦・それぞれの戦いの結果】
・雷槍の効果により大ダメージを受けるもかろうじて生き延びていた鎧の巨人ライナーはハンジとミカサが追撃をし、ライナーを引きひきずり出し拘束することに成功します。
・超大型巨人ベルトルトはアルミンの提案による陽動作戦により、アルミン自身が犠牲になることで生身のエレンが相手のうなじを切ってベルトルトを引き出すことに成功。
・獣の巨人に対しては、エルヴィンの作成によりエルヴィン、新兵たちが囮となり馬で突撃。その隙に獣の巨人に近づいたリヴァイがジークを引きずり出すことに成功します。が、誰かを巨人化して九つ巨人力を食わせることができる権利がある(レイス家にあった巨人化の注射を託されている)リヴァイが考えている隙に、車力の巨人が瀕死のジークをさらって逃げてしまいます。
▼エルヴィンにジークを食わせられないか考えるリヴァイ
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エルヴィンかアルミンどちらに巨人化の薬を使うべきか葛藤し、はじめはエルヴィンに使うと宣言するリヴァイですが、エルヴィンはもう休ませてやりたい気持ちと、ある夜に「壁の外で海を見たい」と夢を語っていたアルミンたちを思い出すなどの理由から独断でアルミンを選び、超大型巨人の力はアルミンに継承されます。
ウォールマリアを奪還したことにより、一同はようやくエレンの家の地下室へとたどり着きます。
そこには厳重に隠された書物があり、中にはエレンの父グリシャの生い立ち、壁の外の秘密が書かれていました。
※ここで初めてエレンたち壁の中の人類は、壁の外の人類が滅んでなどいないことを知ります。
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グリシャの生い立ち
単行本21巻のラストから22巻はまるまるエレンの父、グリシャの生い立ちが描かれています。
どのようにして壁の中に来ることになったのかを要約しますと…
【グリシャ・イエーガーの生い立ちまとめ】
・巨人兵器により力を成した大国マーレ。しかし巨人になれる血筋であるエルディア人は過去にマーレを蹂躙したとして大罪を背負い、収容区で迫害を受けていました。そんなエルディア収容区でグリシャは生まれます。
・収容区の外を歩くことは禁止されていますが、飛行船を見たがった妹を連れて外に出たグリシャは、マーレの兵に見つかり、妹を殺されてしまいます。しかもその兵の罪は揉み消されることに。
・その後、マーレを恨みながらも収容区で医者として働く大人になったグリシャの元に「エルディア復権派」が接触。統率力のあったグリシャは瞬く間に組織の中心人物となります。
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・そんな時マーレに潜む「フクロウ」と呼ばれるスパイが、エルディアの王家の血を引く生き残りとされるダイナを組織に紹介します。
・のちにグリシャとダイナは結婚し、ジークが生まれます。
・ある時マーレ政府はエルディア人(巨人化できることからユミルの民とも呼ばれます)からマーレの戦士になりうる5歳〜7歳の健康な男女を募ります。選ばれし者はマーレの所有する七つの巨人の力を継承し、その親族は永久的にマーレ名誉市民として迫害から解放されるとのこと。
・我が子ジークをスパイとしてマーレの戦士に潜り込ませることに成功するグリシャですが、ジーク本人の密告によりマーレ政府に「エルディア復権派」の存在がばれ、組織の人間は全員楽園送り(無垢の巨人にされ、エルディア国のあるパラディ島の壁の外周に放たれる)にされます。
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・まさに楽園送りが決行されている時、マーレ兵の中に潜んでいたフクロウ、エレン・クルーガーがグリシャに正体を明かし、壁内に潜入して始祖の巨人を奪還するよう伝え、巨人化させたグリシャに自らを食べさせて進撃の巨人の力をグリシャに継承させます。
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・壁の外をうろついていたグリシャを当時の調査兵団団長であったシャーディスが発見、壁の中へ入れて壁の中のことを教えるなど世話をしました。物語はエレンたちに戻り、外の世界の情報を持ち帰った功績を讃えられた調査兵団は王から勲章を授与することとなります。
その授与式で王であるヒストリアに触れたエレンは父の最後の記憶を見、巨人の力とともに記憶も継承されることが描写されます。
この時実はエレンは始祖の巨人の能力により未来の記憶も見ていましたがこの時は誰にも言いません。エレンの見た未来の記憶はこの物語の結末になります。
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それから数ヶ月、壁の外にいる巨人をほとんど淘汰した調査兵団は海にたどり着きます。
本来ならエレン、ミカサ、アルミンの夢の場であった海ですが、エレンは壁の外が思っていたものと違ったことと、先日見た記憶から、何かが変わっていってしまうのでした。
エレン奪還失敗から4年後のマーレ
単行本23巻では、巨人の兵器としての圧力が世界に通用しなくなってきたものの、ギリギリ戦争で中東連合に勝つマーレの軍隊とマガド隊長、隊の中の戦士候補生ガビやファルコ、その兄のコルトなどが登場します。ライナーとベルトルトがエレンの奪還に失敗してから4年が経っていました。※
※その後単行本24巻まで、ライナーやベルトルト、アニがマーレの戦士の候補生だった子供時代から壁の中に潜入して調査兵団に入るまでが描かれています。
その戦後の混乱に便乗してエレンが単独で、心的外傷を負ったエルディア人に扮してマーレに潜り込む姿が描かれています。
マーレの戦士一覧
ジーク |
獣の巨人。王家の血を引いていることは誰にも明かしていないが、ジークの骨髄液は特別であることは知られている。クサヴァーから獣を継承。 |
ライナー |
鎧の巨人。マーレに帰還してマーレの戦士として戦争に参加。 |
ガビ |
戦士候補の中の優等生の女の子。ライナーの親戚で、ライナーから鎧の巨人を継ぐ第一候補生。 |
ファルコ |
戦士候補生の男の子。兄のコルトはジークから獣の巨人を継ぐ第一候補生で、ガビが好きでガビを守るために兄の後を目指す。 |
ガリアード |
顎の巨人を持っていたマルセルの弟。ユミルを経て顎の巨人になった。 |
ピーク |
四足歩行の車力の巨人。 |
タイバー家 |
戦鎚の巨人を管理する貴族で、100年前の大戦で壁の中の王フリッツにそむいて名誉マーレ人となっているが実際はマーレの権限を握っている。
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タイバー家の演劇とジークの捕獲
巨人の力の圧力が衰える中再度パラディ島を悪魔、世界の敵として注目させるため、タイバー家によって収容区内に世界の要人を招いた祭りが開催されます。祭りのクライマックスに演劇で再度パラディ島に向けて宣戦布告をするタイバー家現当主ヴィリーですが、そこにエレンが巨人化して出現。ヴィリーはエレンに殺されます。 ※
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※巨人化して出現するまでエレンはファルコを騙して舞台の地下にライナーを連れてこさせ、話をしていました。
この事態に合わせて調査兵団が飛行船で到着。(エレンから騙され連絡係をさせられてしまっていたファルコのおかげで情報は調査兵団に届いていた)マーレの持つ巨人やタイバー家の持つ戦鎚の巨人との激しい戦いの結果、戦鎚の巨人はエレンに食べられ力はエレンの中に。さらにジークを捉えて逃げ去ることに成功した調査兵団ですが、追いかけてきたガビによってサシャが殺されてしまいます。
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ジーク、ガビ、ファルコを乗せた飛行船はエレンとともにパラディ島へ帰還しますが、帰還中の飛行船の中で、実はこのジーク誘拐の首謀者は自分自身であると、ガビ、ファルコの前でジーク本人が語るのでした。
反マーレ派義勇兵
ここからはシガンシナ区の地下室到達後、なぜエレンたちパラディ島の面々がたった4年で飛行船を使用するまでの発展を遂げたのか、過去の出来事が描かれています。
事は3年前(エレンの家の地下室到達から1年後)、マーレから調査船でやってきたマーレの調査部隊を巨人化したエレンで返り討ち、捕虜として捕まえようとした時です。その時マーレ兵に潜んでおり、現地でマーレ兵を裏切って撃ち、ハンジたちにとりいって協力関係を結んできたのがイェレナという女率いる、ジークを信望しジークから命を受けて来た「反マーレ派の義勇兵」たちでした。
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イェレナ率いる反マレー派の義勇兵たちの目的は当初彼らが言うには「エルディア人の解放」でした。
ジークの残された寿命(3年前のこの時点でおそらくあと4年ほど)期間内に始祖の巨人を有するエレンと引き合わせることを条件に、武器や最新技術の提供を提示してきたのでした。
もちろん当初王政たちエルディア国としては、まだ得体の知れないジークをすぐに信じることはできませんでしたが、イェレナによるとジークは自分がエレンと接触することで、ある「秘策」を使うことができるようになるとのこと。
この時エレンは「秘策」とは、始祖の力を掌握することで「不戦の契り」を出し抜き、「地鳴らし」を発動させることだと考えます。(のちにジークとエレンの考えが違うことがわかりますが)
この時点でもしマーレや世界中が本気を出せばパラディ島はすぐに制圧されてしまう、今は時間を稼ぐ抑止力が必要なんだと強硬手段に出たエレンにより、先程のマーレ収容区での大戦闘となったわけです。※
※パラディ島への世界からの総攻撃までの時間稼ぎの他に、巨人の力を継承したものは継承してから13年で死んでしまうという時間の限りの焦りもあったようです。エレンはマーレ潜入時ですでにあと4年しか寿命がありませんでした。ジークは1年でした。
ヒィズル国のキヨミ・アズマビトの出現
イェレナ登場後さらに、パラディ島のエルディア人に友好関係を示してくれる家系が登場します。
100年以上前エルディア帝国の同盟国であったヒィズル国(名前の由来は「日出る国」?)のキヨミ・アズマビトです。アズマビトは他国と歴史的に強い結びつきを持つため一国の外交に多大な影響力を持つ一族です。ミカサはこのアズマビトの主の末裔であったことがわかります。
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アズマビトのキヨミはエレンのマーレ侵入前にジークと密会し、ミカサと自分との引き合わせを条件に、ジークのパラディ島送還作戦に協力したのでした。その際ジークは、自分は真のエルディア復権派であり、両親をマーレ政府に密告したのは、すでに政府の操作が両親の目前に迫っていたことを知り、復権派と一族の総倒れを防ぐため致し方なかったのだと明かします。
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ミカサの存在と、パラディ島に眠る莫大な資源を目当てにキヨミはさらに、エルディアに同盟国を増やして、エルディア人の最終兵器である「地鳴らし」に頼らず国交と対話でエルディア人の人権を訴えようとしてくれますが、肝心のヒィズル国、そして全世界が、パラディ島が悪魔であり続けることことが世界の均衡を保つ担保だと考えていることがわかります。
これらがエレンのマーレ潜入決行に更なる拍車をかけたようです。
ジークと義勇兵への不信
話は現在に戻ります。
マーレからとらえて連れてきたジークを、巨人化させたヒストリア(ジークと同じ王家の血を引くため)に食べさせて獣の巨人の力をヒストリアに継承させてしまうことが王政の考える安全策でしたが、ジークを生かしておきたい何者か(おそらくイェレナ)がヒストリアに早めに妊娠してしまうよう助言。その結果ヒストリアは相手を自分で選んで妊娠し、ジークの力を移す話は保留となります。
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世話になった義勇兵ですが、やはりジークとイェレナの真の思惑は謎のままであり、エルディア側はそれらを野放しにはできないと同時に、まだエレンとジークを接触させるわけにはいかない状況のため、兵団は義勇兵から巨人化の薬を受け取ったのを最後に義勇兵を軟禁、ジークも壁の外の巨大樹の森に隔離、リヴァイ班に監視されることになります。
【イェレナの正体】
結論から述べると実はイェレナは普通のマーレ人であり、ジークの計画する「エルディア人安楽死計画」の強い参謀者でした。始祖の力を自分のものにしてエルディア人に2度と子どもができないようにする「エルディア人安楽死計画」こそがジーク最大の目標であり、イェレナはその計画からジークを「神」と呼び崇拝していました。よってジークとエレンを神とし、自分もその物語の重要人物となりたいがためにエルディア人を利用するつもりでいました。(それはイェレナの個人的な思想であり、義勇兵はみないい人たちです。)
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ジークの脊髄液入りワイン
イェレナはジークの計画を成功させるべくこっそりとジークの脊髄液入りのワインをエルディア国内に持ち込んでおり、それはイェレナの指示で兵団組織の高官らに優先して振る舞われていました。
▼うっかりそのワインを手にしたジャンからワインを奪うニコロ
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ジークの脊髄液を摂取してしまうとジークの叫びにより巨人化してしまいますが、ジークが以前さりげなくついた「摂取すると硬直して動けなくなる」と言う嘘により、誰も毒を盛られていることに気づくことはありませんでした。
国民の兵団への不振とイェーガー派
ジークの存在や地鳴らしの件について公にするわけにはいかないため、何も知らない民衆はエレンを隔離する兵団に次第に不信感を抱き、エレン解放を求めて動き始めます。そんな中兵団のザックレー総統と面会エレンと3人で話せるよう志願したアルミン、ミカサはザックレー総統にその話を却下されます。
総統によるとエレンはジークに操られている可能性があるとのこと。兵団はエレンを見限っているかもしれない…と思うアルミンとミカサの目の前でザックレー総統はイェーガー派によって暗殺されてしまうのでした。
レストランでの出来事
ガビとファルコが牢屋を脱走。サシャの親が運営する孤児を預かる施設であるブラウス厩舎へたどり着きます。過去に囚われるガビと、今生きている人間になんの罪があるのかを問う少女カヤとのやり取りで、少しずつ何かを知り始めるガビです。
サシャとおそらく恋人関係にあったマーレ捕虜の料理人ニコロがサシャの両親、厩舎の子どもたちを食事会に招待し、そこにガビとファルコも同席することになります。
しかしそこにいるガビこそがサシャを殺した張本人であることを知ったニコロがガビを殺そうと乱闘騒ぎを起こします。サシャの父はそれを阻止。泣いて悲しむ厩舎の人たちを見てさらに心が動揺するガビです。※
※この騒動により、ファルコがジークの脊髄液入りワインを口にしてしまいます。
その騒動の最中にフロックを主とするイェーガー派の集団がレストランに侵入。その場を制圧してエレンの希望によりエレンとアルミン、ミカサ、ガビの4人だけで話す機会が作られます。
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この話し合いでエレンはミカサとアルミンにひどい言葉を使って2人を突き放します。
それは、ヒストリアに触れた時に見た記憶で、自分が発動する地鳴らしによる壁の外の人類大虐殺と、ミカサの行動がそれを止めることになるという未来を知っていたからですが、それをみんなが知るのは全てが終わる頃になります。
エレンはその後ジークと落ち合う約束の場であるシガンシナ区へ向かいます。フロック率いるイェーガー派はハンジに道案内をさせてジークの勾留地(巨大樹の森)へ向かいます。調査兵団の面々は牢屋に拘束され、イェレナからジークの「エルディア人安楽死計画」について聞かされます。
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ジークの逃走
ザックレーを殺されたことはジークとエレンがイェレナを介して仕組んだものだと考え、リヴァイはジークやエレンを敵と判断。エルディアをイェーガー派やジークの支配から守るため、ヒストリア(出産後)にジークを食べさせるべくジークが行動できないようにしようとした矢先、監禁地である巨大樹の森でジークが叫びの力を行使。ジークの脊髄液入りのワインを飲んでいたリヴァイ以外の兵士たちが全員巨人になってしまいます。(リヴァイも飲んでいたかもしれませんがアッカーマンなので巨人にはなりません)
仲間を切ってまで自分を追ってこないと読んでいたジークですが、全ての情を振り切り、巨人化した仲間全員を切ってジークに追いついたリヴァイはジークを再度捕らえることに成功します。
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しかし拘束に使用していた雷槍を利用してジークは自殺覚悟の大爆発を起こし、リヴァイも大ダメージを与えられてしまいます。※
リヴァイは後でイェーガー派を案内していたハンジに発見され助かります。
瀕死だったジークは突如現れた謎の巨人(始祖ユミル?)に取り込まれ、復活を遂げてイェーガー派とともにシガンシナ区へ向かいます。
【ジークの両親告発の真相】
※リヴァイに拘束されているあたりでジークの子ども時代の思い出が描かれています。親の(エルディア復権派の)期待を一心に背負い、すごいプレッシャーのもと戦士候補に選ばれたものの、マーレ当局の捜査がもはやエルディア復権派目前まで迫っていることを立ち聞きしたジークは、よくキャッチボールをしておりとても信頼していたクサヴァーさん(ジークの前に獣の巨人だった人)にその件を相談します。クサヴァーさんはこのままだと復権派やその一族、ジーク本人までもが危険だと判断し、ジークに当局へ告発することを提案したのでした。
告発のおかげでジークは戦士に、祖父母は名誉マーレ人になれました。
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連合軍によるパラディ島襲撃
ジークとエレンがシガンシナ区で接触を図ろうとしている最中、マーレの戦士を含む世界の連合軍たちが始祖を奪還、エルディアを潰そうとシガンシナ区に総攻撃を仕掛けてきます。イェーガー派に紛れ込んだ車力の巨人ピークは、マーレを裏切ったと見せかけてうまくガビをエレンから奪い、マーレ軍のマガト隊長やコルトのもとに届けることに成功。
その後接触を図ろうとするエレンとジーク、それを阻止しようとする連合軍、エルディアの兵団が入り混じる戦いとなります。途中ジークが叫びの力を行使したため、ジークの脊髄液入りのワインを飲んだピクシス司令をはじめとする多くの兵団員たちが無垢の巨人になってしまいます。ファルコも例外ではなく巨人化してしまいますが、倒された顎の巨人の中から出てきたガリアードを食べたファルコは顎の巨人の力を継承して人の姿に戻ることができました。(ガリアードは食べられるためわざと出てきた。)
その後、ジークとの接触をはたそうとするエレンをギリギリでガビが撃ち抜きますが、撃ち落としたエレンの首にジークが触れてしまい接触は成功、エレンとジーク二人の意識は始祖の力を手にして全ての道が交わる「座標」(以下「道」と呼ばれる)に飛ばされます。
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父グリシャの記憶の旅
「道」でエレンはジークに、自分はエルディア安楽死計画などに協力するつもりはなく、ここに来るために話を合わせていたと打ち明けます。
父親に洗脳されていると思ったジークは、エレンとともに2人の父親グリシャの記憶をめぐる旅をします。外では一瞬の出来事でも座標での時間は永遠なので、本当に何年もかけて父の記憶を2人で見て回ったと思われます。
しかし逆にジークの方が、本当は父親はエレンや家族、ジークのことも愛していたこと、始祖奪還をためらう父親に、実行するように未来の記憶として父にけしかけたのがエレンであることを知った上、ユミルの心の何かを理解したエレンによって始祖の力を奪われるのでした。※
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※地鳴らし発動前に、2000年前に始祖ユミルが巨人化する経緯、死んでもなおフリッツ王に奴隷として従い続ける様子が描かれています。ユミルは奴隷であった時殺されかけて落ちた木のうろで偶然始祖の巨人の力を手にします。その後フリッツ王の子どもを3人産み(名前はマリア、シーナ、ローゼでありそれが壁の名前になっている)、フリッツ王を庇う形で死んだ後は力を引き継ぐため子供達にその死体を食べられます。
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地鳴らしがまさに発動する時、場面は2年ほど前、リヴァイやハンジたち調査兵団がアズマビトに招かれマーレへ旅した時の様子が描かれています。初めて見るものばかりの街ではしゃく一同に一瞬争いを忘れほっとするシーンです。
そこである夜エレンはミカサに「俺はお前の何なんだ?」と問い、動揺したミカサが答えた言葉は「家族」でした。
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地鳴らしの発動
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ジークを取り込んで始祖の力を手に入れたエレンは地鳴らしを発動。この世の全ての硬質化が解かれ、全ての壁の巨人がマーレ大陸に向かって歩き始めます。この時世界中の全エルディア人は「道」に飛ばされエレンの言葉(犯行声明のようなもの)を聞きます。
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地鳴らしが完了すればパラディ島以外の土地の人類が全滅し、更地だけが残るという恐ろしいことになるわけですが、エルディア国内はエレンがエルディアを世界から守ったとして盛り上がり、一気にイエーガー派が国を支配します。
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しかしコニーやミカサ、アルミンをはじめとする主要メンバーだけは、この大虐殺は止めなくてはいけない、救える人を救わなければいけないという強い思いから、エルディアを裏切る形でエレンの地鳴らしを止めに行く決断をします。
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※全ての硬質化が解かれたため、結晶に覆われ地下に封印されていたアニが復活。アニの目的は故郷の父の元に帰ることなので、アルミンたちと行動を共にすることにします。復活からアルミンたちに合流するまでアニをかくまい行動を共にしていたのはかつてのルームメイト、ヒッチです。
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アルミンたち調査兵団はハンジと瀕死のリヴァイと共に、港に置いてあるアズマビトが持ってきていた飛行挺を目指します。道中マーレの戦士と調査兵団で焚き火を囲み野宿をしますが、それぞれのわだかまりを吐き出すみんなの気持ちのまとめのようなシーンになっています。そこでライナーは「エレンは俺たちに自分を止めて欲しいのではないか」と言いますが、それが真実であることを知るのはもう少し先のことです。
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その後無事港には着きますが、イェーガー派が察知して鉄道で港に先回りしていたためその場で戦闘になります。
マーレのエルディア人戦士部隊元帥であるマガド(元隊長)と駆けつけたシャーディスが、追っ手が使用しようとする船を爆破。おかげで一同は飛行挺を牽引する船を出港させることに成功しますが、2人は犠牲になってしまいます。
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飛行艇を牽引した船は少し南にある港町オディハに向かい、そこにあるアズマビトの格納庫で飛行艇を整備して、エレンの目的地と思われるスラトア要塞まで向かう計画です。※
※エレンを止めに行くメンバーはエレンの行き先を吐かせるためにイェレナも連れてきていました。最初は話すくらいなら死を選ぼうとするイェレナでしたが、ジークは間違っていなかったと認めてほしいとの条件と共に、エレンが次に向かうであろう場所としてスラトア要塞を示します。
船がオディハに向かっている最中、船の上でアルミンがエレンに「道」で話しかけられるシーンがありますが、この時はその記憶を一旦なくします。エレンが死んだ時に全員思い出すようになっているのですが、そこには今まさに自由になったエレンが大切に思うアルミン、ミカサやコニー、ジャン、ライナーなどを一人ずつ「道」に呼び、ゆっくりと語り合った時間がありました。そのゆっくりとした語り合いで、みんなは全てエレンが自分たちを始祖の巨人エレンの地鳴らしによる大虐殺を止めたエルディア人の英雄に仕立て上げるために取った行動であることを知るのでした。
その後船は無事にオディハに到着。一同は飛行挺の整備を始めますが、先程の戦闘で海に落ち死んだと思われていたイェーガー派のリーダーであるフロックがしぶとく船にしがみついてついてきており、彼によって飛行艇を飛ばす寸前に燃料タンクに穴を開けられます。(フロックはそこでミカサに殺される)
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急いで修理をして飛行艇を飛ばすまで、ハンジが追いつかれた地鳴らしの巨人たちをせきとめる役に出ます。ぎりぎりのところで飛行艇は離陸しますが、ハンジはここで犠牲になります。
▼船が出るまで巨人を止めるハンジ最後の姿
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スラトア要塞での最終決戦
飛行挺に乗ったのは操縦士であるオニャンコポンとアルミン、ミカサ、ジャン、コニー、リヴァイ、ライナーピークの8人です。(アニは目的を見失い、アズマビトと共に船でヒィズル国へ避難することを選択。ライナーがそれにガビとファルコを預けました。)
予想通りスラトア要塞へ向かうエレンと地鳴らしの巨人たちを追うアルミンたちの乗った飛行艇。そしてスラトア要塞には、要塞の飛行船で逃げようと考えアニの父が引き連れて来たマーレ戦士の親族である名誉マーレ人たちも集まっていました。そこにはもちろんライナーの母やガビ、ファルコの両親の姿もあります。(名誉マーレ人以外のエルディア人もいたかもしれません)
ここで再度飛行艇のメンバー(オニャンコポン以外)が「道」に飛ばされエレンと話をしますが、エレンを止めるにはエレンを倒すしかないとわかり、交渉の道は途絶えます。
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いよいよ最終決戦です。巨大化して骨のようになっているエレンの背中の上に飛行艇からみんなが降り立ちます。
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しかし背中の上に歴代の九つの巨人が次々出現。頼みの綱である超大型巨人のアルミンが1体の巨人の口の中に囚われさらわれてしまいます。(オカピ)
ベルトルトが変身した姿をした超大型巨人まで出現し、一同大ピンチになりますが、そこへ鳥のような姿の巨人となったファルコがガビとアニを乗せて登場。全員を一旦ファルコの背中の上に避難させることに成功します。※
※アズマビトの船でヒィルズへ向かっている途中、ファルコは『自分はジークの脊髄液で巨人になったためジークの記憶、過去の獣の巨人の記憶を垣間見ることができ、その記憶のほとんどは空を飛んでいるシーンだ』と打ち明けます。
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確かにエルディアの港でイェーガー派と戦った時、初めて巨人化したファルコは鳥のような手をしていました。自分が空を飛べると確信したファルコ、それを聞きもう行くしかないと思ったアニ、ガビと共にアズマビトの船から飛び立ったのでした。
▼初めての巨人化で鳥のような手をしていたファルコ
体制を立て直したミカサたちはアルミンを救う側(尾骨の方)、エレンの首を爆破する側に別れて同時遂行を目指すことに。エレンを殺すことに対してまだ心が揺らぎ続けているミカサはアニ、コニーと共にアルミンを救う側に向かいます。
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ジークの気持ちを変化させたアルミン
しかし歴代の九つの巨人という強敵に阻まれ戦況は不利なまま。そんな中囚われている巨人の口の中で意識を失ったアルミンは「道」にたどり着き、そこにいたジークと話をします。
ジークは、エレンはユミルを縛る何かを理解できたが自分はできなかった、とアルミンに打ち明けます。「生命は増えるためだけに生まれ死ぬことに恐怖を感じ、死んだ時初めて自由になれる」と話すジークにアルミンは、子ども時代の何気ない思い出を話します。エレンとミカサとの思い出や訓練兵時代の思い出などを語り「それは増えるために必要でもなんでもなかったけど僕に取っては必要なものだった」と、そこに落ちていた思い出の落ち葉を手にします。
それを聞いたジークには落ち葉が野球のボールに見えます。
自分も、クサヴァーさんと「ずっとキャッチボールをしているだけでよかった」と答えたジークの心に何かの変化が起き、ジークは自分の知りうる限りの歴代の九つの巨人継承者へ向けて、エレンを止めるために力を貸してくれるよう頼むのです。
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ミカサの選択がもたらす結果
ジークの願いにより、エレンの背中にいた歴代九つの巨人の中のおそらくジークが知る面々(ベルトルトの姿をした大型巨人をはじめ、マルセルやガリアード、ユミルなど)の巨人の姿がみんなを助けてくれ、アルミンを奪還します。
また自ら斬られるために姿を現したジークの首をリヴァイが斬り落とし、エレンと地鳴らしを止めることに成功します。
その後ピークがエレンの首に仕掛けていた爆薬をジャンが起爆してエレンの首を吹き飛ばします。
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吹き飛ばしたエレンの首から光る巨大な虫のようなものが出現します。あれが始祖の正体であり、あれを倒さなければ終わらないと察知したみんなですが、その虫から出るガスのようなものをその場にいるエルディア人が吸い込んでしまいます。
そのガスはラガコ村で使用されたガス兵器と同じく吸い込んだものを合図とともに巨人化するガスであり、始祖ユミルはその場でガスを吸い込んだエルディア人たちを全員巨人にして抵抗をします。巨人化の力をすでに持つファルコ、ピークとアッカーマンの血を引くリヴァイとミカサ以外のその場にいるエルディア人(コニーやジャン、ガビも)が全て巨人にされてしまいますが、そこでミカサは頭痛とともに夢のようなものを見ます。
【夢の内容】
その夢は、エレンがマーレ大陸に潜入する2年前に調査兵団がマーレに招待され数日を過ごしていたある日の夜、ミカサがエレンに「お前は俺のなんなんだ」と聞かれた時、違った答えを選んでいたら辿り着いたであろう現在の二人です。(ミカサはエレンのマーレ潜入の後、あの時違った答えを選んでいたら何か違ったのかもしれない、と考えていました)(ちなみに違った答えとは「誰もいないところで2人だけであと4年の余生を静かに生きよう」です)
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二人はエレンの寿命が尽きるまでひっそりと山奥で暮らしています。しかし全てを放り出し逃げた結末になんの未来も見出せなかったのでしょうか、我にかえったミカサはエレンを殺す決断をするのでした。
ミカサはリヴァイをはじめみんなの協力を得てエレンの口に入り込み、その中にあったエレンの首を切り落とします。
エレンの首を切ったことでユミルはフリッツ王への愛の呪縛から解き放たれ、この世から巨人の力が消え去ります。エレンはかつて勲章の授与式でヒストリアに触れて未来を見た時に自分がその後することを知ったのでした。「ミカサの選択がもたらす結果(巨人の力が消え去ること)」、その結果に辿り着くために進み続けたのです。
エピローグ
巨人の力がこの世から消え去ったことにより、現存する巨人は全て元の人間の姿に戻りました。
そしてアルミン、ミカサ、ライナー、コニー、ジャン、アニは失っていた船の上でエレンと話した記憶を取り戻し、エレンの真意、みんなに長生きして欲しいと語ったあの日のエレンの言葉は嘘ではなかったことを知るのでした。
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※ミカサはこの後エレンの首を思い出の場所に埋葬するためすぐに逃亡。アルミンがエレンを倒したパラディ島のエルディア人としてその場を収束させます。
パラディ島のエルディアはその後、イェーガー派が取り仕切る軍を結成し、相変わらず島の外からの報復を恐れ軍備増強に力を入れる国となります。
巨人消滅から3年後、パラディ島に向けての和平交渉の連合国大使となったアルミン、コニー、ジャン、ライナー、アニ、ピークが船でパラディ島へ向かうシーンで物語は完結します。ミカサがエレンを埋めた木のもとでみんなを待っています。
※その後エレンが埋まっている木の周囲で、世界が繁栄したり戦争をしたり衰退する様が描かれ、遺跡のように成り果てたその場所と、巨大樹へと育った木の根本に少年がたどり着くシーンで終了となります。その木は作中でユミルが落ち、巨人の力を得たきっかけとなった場所にそっくりです。
争いは無くなることはない、歴史は繰り返すといった作者のメッセージかもしれませんね。
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