この記事では、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の第10話で描かれた衝撃の展開、隠された伏線、そして今後の物語を大胆に考察します。物語の核心に迫る情報や、登場人物たちの複雑な心情などに興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。
この記事には、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第10話および既存ガンダム作品のネタバレが含まれます。
10話「イオマグヌッソ封鎖」あらすじと展開
第10話は、前回のララァとマチュの遭遇から時間が経過し、巨大兵器イオマグヌッソが完成したところから始まります。
イオマグヌッソ完成式典とギレンの登場
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核の冬による地球寒冷化を防ぐための「全地球環境改善用 光増幅照射装置」として建造されたイオマグヌッソの完成式典が地球上空で行われます。
この式典には、ジオン公国の実権を握るキシリアと、戦争以来久しぶりに表舞台に姿を見せたギレン・ザビが集まります。そして、ギレンは父デギンを暗殺した後、秘書官セシリアと共に半ば隠遁していたことが判明します。
式典には地球連邦も招待されていたようですが欠席し、未だ両者の間には軋轢が残っている様子が描かれました。
キシリアによるギレン暗殺
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再会を果たしたキシリアとギレンでしたが、ギレンの出番は驚くほど短いものでした。キシリアは式典の場で、自身が常につけているマスクを利用した毒ガスによってギレンを暗殺します。これは、キシリアがギレンを軽蔑していたことに加え、権力掌握のためのクーデターの一環でした。
キシリアはギレンを殺害しただけでは反攻勢力が残ると考え、その一掃を同時に図ります。ギレンが護衛として連れてきていた大量のビグザム部隊は、キシリア配下のジフレドやギャン部隊によって撃破されます。
イオマグヌッソの正体とジフレドの役割
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表向きは平和利用を目的としたイオマグヌッソでしたが、その真の姿は「シャロンの薔薇」が引き起こすゼクノヴァ現象を増幅させ、任意の座標を空間ごと消し飛ばす戦略兵器でした。
イオマグヌッソを制御できるのは、ニャアンが搭乗するモビルスーツのジフレドです。ジフレドはイオマグヌッソの中心部にある「シャロンの薔薇」と有線で連結することで、この兵器を起動させる鍵となっていました。
ジフレドのフェイスカバーが開いて「シャロンの薔薇」とチューブで連結するシーンは、衝撃的な描写でした。
ニャアンによるイオマグヌッソ起動とア・バオア・クー消滅
キシリアから特命を受けたニャアンは、ジフレドを駆ってイオマグヌッソの中心部へ向かいます。ニャアンはキシリアに深く心酔しており、彼女の指示に従います。
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また、ゼクノヴァに飲まれてしまったシュウジに会いたいという一心で、イオマグヌッソを起動させればゼクノヴァが発生し、シュウジと再会できるかもしれないと考えていました。
ニャアンはジフレドを使ってイオマグヌッソを起動させ、「シャロンの薔薇」の力でゼクノヴァを強制的に発生させます。発生したゼクノヴァは、キシリアから指示された座標である月の裏側のア・バオア・クーに向けて放たれ、要塞は将兵ごと空間から消失しました。
マチュとシャリア・ブルの動き
一方、ソドンに拾われた後、シャリア・ブルから訓練を受けていたマチュの姿も描かれます。
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シャリア・ブルはマチュの実力を認め、コモリの態度も少し軟化していました。シャリア・ブルはイオマグヌッソの完成式典に乗じて、キシリアとギレンの双方を排除しようと画策していましたが、キシリアによるギレン暗殺という先手を許してしまいます。
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シャリア・ブルは、イオマグヌッソを止められるのは「シャロンの薔薇」の中にいるララァを救い出すことだと考え、マチュにジークアクスでイオマグヌッソへ向かうよう促します。
ニャアンとマチュの再会と対立
物語の終盤、イオマグヌッソの中心部に到達したマチュのジークアクスは、ニャアンの駆るジフレドと遭遇します。
ニャアンは大量破壊兵器であるイオマグヌッソを使用し、既に多くの命を奪っています。対するマチュは、「シャロンの薔薇」が兵器として利用されるのを阻止することを目的とし、破壊兵器を使用したパイロットを許せないと考えています。
二人はお互いがパイロットであることを知らないまま再会し、敵対せざるを得ない状況に置かれました。
また、ニャアンはキシリアから、マチュはシャリア・ブルからそれぞれ拳銃を受け取っており、互いの思想を託された形で対峙することになっており、代理戦争の側面も生まれています。
第10話の注目ポイントの解説や考察
ニャアンのキシリアへの心酔
キシリアに深く心酔し、手料理を振る舞いたいとまで思うほど心奪われているニャアン。エグザベに対しては厳しい態度を見せる一方、キシリアのためなら友軍を撃墜し、非武装の民間人を殺害することも厭わない「ディアブロ(悪魔)」のような働きぶりを見せます。

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イオマグヌッソ起動後、戦場の死を感知して気持ち悪くなる描写はありましたが、罪の意識は薄いように見えます。既に多くの人を殺してきたニャアンと、まだ誰も殺していないマチュとの対比は、今後の展開において重要な要素となるでしょう。
キシリアから受け取った拳銃も、彼女の覚悟や思想を表しているのかもしれません。
マチュとシャリア・ブルとの関係
シャリア・ブルの訓練を受け、実力も認められるようになったマチュ。ソドンに拾われた頃に比べ、態度も少し柔らかくなっています。
マチュはシャリア・ブルから「”ジークアクスであればシャロンの薔薇を助けられる”」と聞かされ、ララァ救出、そしてシャロンの薔薇の兵器利用阻止を目的として行動します。まだ人を殺した経験がないマチュが、破壊兵器を使用したニャアンとどのように対峙するのかが注目されます。
シャリア・ブルから受け取った拳銃にも、彼の意志が込められていると考えられます。
キシリアによる冷徹な行動と今後の計画
ギレン暗殺という冷徹な手段で権力を掌握したキシリア。マスクをつけている理由が毒ガス対策だったことが判明し、その周到さが伺えます。
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ギレン派を完全に一掃するため、ニャアンやエグザべに命令し、ビグザム部隊やア・バオア・クーを容赦なく消滅させました。
ニャアンを巧みに手なずけ、自らの思想を吹き込む姿も描かれます。ニャアンに「”地球産の香水がまもなくこの世界から失われる”」と語ったことから、イオマグヌッソの次の標的が地球全体である可能性もあり、その強硬な思想が強調されました。
ギレンの衝撃的な初登場と退場
満を持して登場したギレン総帥でしたが、その出番はわずか数分という衝撃的なものでした。
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デギン暗殺後に隠遁していたことなどが語られましたが、キシリアにあっさりと暗殺されてしまう姿は、正史のイメージとは異なる凡庸な印象を与えました。
隠遁生活を送っていたからこそ、現場にいた頃の感覚などが薄れていたのかもしれません。
シャリア・ブルの過去
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これまで木星帰りのニュータイプとして語られてきたシャリア・ブルの過去が深掘りされました。木星でのヘリウム3採掘任務中に事故に見舞われ、絶望して自殺しようとした瞬間に謎の力が働き、奇跡的に帰還できたというエピソードが語られます。
しかし、奇跡的に帰還できたにも関わらず、持ち帰ったヘリウム3は戦争の兵器のために使われたからこそ、シャリア・ブルはニュータイプが兵器として利用されることを憂い、ニュータイプがニュータイプとして生きられる未来を望むようになります。温かい人という印象から、虚無感を抱えた人物だったことが明らかになりました。
シロウズのイオマグヌッソ計画への関与
ギレン派のレオレオニール博士と共にイオマグヌッソ建造計画に関わっていた様子のシロウズ。キシリア配下のジフレドが現れた際に危険を察知し、あっさりとその場を離れました。
イオマグヌッソ計画に関わっていたこと、赤いガンダムが「シャロンの薔薇」を目指していたこと、そして「シャロンの薔薇」がララァであることから、彼の目的は「シャロンの薔薇」の中にいるララァを助けることではないかと思われます。
イオマグヌッソの戦略兵器としての真実
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「全地球環境改善用 光増幅照射装置」という平和的な名称とは裏腹に、その正体はゼクノヴァを増幅させて空間ごと対象を消滅させる戦略兵器でした。
イオマグヌッソの中心部に「シャロンの薔薇」を設置し、ジフレドで制御することで起動します。キシリアの示唆から、地球全体を標的とする可能性も出てきており、物語の最大の脅威として描かれています。
イオマグヌッソという名前の由来
「イオマグヌッソ」という名前は、クトゥルフ神話に登場する「ヤマンソ」という神性の別名であり、「クトゥグア」という外なる神を召喚する時に失敗してしまうと、危険な神性である「ヤマンソ」が召喚されてしまうのです。
完全なゼクノヴァは並行宇宙を繋げるワープ現象だと思われますが、イオマグヌッソは不完全なゼクノヴァを故意に引き起こします。そして、その時に発生するワープ現象をあえて閉じることで、今回で言うなら「ア・バオア・クー」を破壊する、そのような兵器です。
つまり、召喚が成功した時に顕れる「クトゥグア」ではなく、召喚が失敗した時に顕れる「イオマグヌッソ(ヤマンソ)」の名を冠しているというわけです。
ジフレドと「シャロンの薔薇」との連結
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ニャアンが搭乗するジフレドは、イオマグヌッソを制御するために作られた機体です。その外見はエヴァ初号機に似ており、イオマグヌッソの中心部へ向かうシーンは、エヴァのセントラルドグマ降下を連想させました。
機体には「KAPPA PSYCOMMU」という特殊なサイコミュが搭載されており、ビグザム部隊を撃破する戦闘シーンでは、正史のギャンやヅダを思わせる一撃離脱の機動を見せたことから、ニャアンの操縦もジフレドの機体性能も裏切らなそうです。
シャロンの薔薇
第9話で正体が別世界から来たエルメスに酷似したモビルアーマーであると明かされた「シャロンの薔薇」。
第10話では、中に眠るララァが「向こう側の世界から来たニュータイプ」であることが明確に語られました。イオマグヌッソの中心部に設置され、ゼクノヴァ現象を引き起こす発生源として利用されています。
物語の謎、伏線、今後の展開予想
「アルファ殺し」とは何か?
次回のサブタイトルである「アルファ殺したち」というワードは、新たな謎を提示しました。
「アルファ」はおそらく赤いガンダムに搭載されているアルファサイコミュを指すと考えられます。ジークアクスが「アルファ殺し」であるゆえに「シャロンの薔薇」を助けられるとシャリア・ブルは語っており、ジークアクスとアルファサイコミュ、そして「シャロンの薔薇」の関係が今後の焦点となりそうです。
ちなみに、赤いガンダムはアルファサイコミュ、ジフレドにはカッパサイコミュ、ジークアクスにはオメガサイコミュが搭載されています。
さらに、第3話において、ジークアクスのOSコンソールの解析画面に「alphacide」と表示されており、直訳すると「アルファ殺し」となります。つまり、序盤から匂わせておいたというわけです。
ジークアクスとシャロンの薔薇の関係
ジークアクス自体にも何らかの意思があるような描写がこれまであり、「シャロンの薔薇」の解放を望んでいるように見えます。ジークアクスが「アルファ殺し」であるという性質が、「シャロンの薔薇」を救う鍵となるようです。
未回収の伏線リスト
第10話で多くの情報が明かされた一方で、未回収の伏線や謎も数多く残されています。
- ゼクノヴァで消えたシュウジの行方
- シロウズ(シャア)の真の目的
- なぜゼクノヴァが発生するのか、その意味
- キラキラ現象の意味
- 「シャロンの薔薇」内のララァは目を覚ますのか
- なぜシュウジは赤いガンダムに乗っているのか
- キシリアの計画の全貌
- ニャアンが自分を「ディアブロ」と呼ぶ意味
- マチュの父親について
ニャアンとマチュの対決の行方
第10話の終盤や次回予告でのマチュとニャアンの対決は、物語の大きな見どころとなるでしょう。二人ともシュウジに会いたいという個人的な思いを抱えながら、それぞれ別の大人から思想と拳銃を託され、対峙します。
既に人を殺しているニャアンと、まだ誰も殺していないマチュという対比構造に加え、生身で互いに銃を向け合うような展開になる可能性も指摘されています。宇宙規模での個人的な感情がぶつかり合う展開は、ガンダムらしくもあり、スタジオカラー作品らしくもあります。
残り話数と続編の可能性
全12話予定とされている本作は、10話終了時点で残り2話となりました。しかし、上記のように未回収の伏線や謎があまりにも多く、本当にあと2話で物語が完結するのかと疑ってしまっても仕方がないです。
強引な幕引きにならないか、劇場版や第2期、あるいは3期まで必要ではないかとも予想できます。今後の展開次第では、続編の可能性も十分にあると考えられます。
まとめ
「機動戦士Gundam GQuuuuuuX ジークアクス」第10話「イオマグヌッソ封鎖」は、ギレン暗殺、イオマグヌッソの真の正体、ニャアンによるア・バオア・クー消滅など、またしても物語が大きく動く衝撃的な回となりました。
主要キャラクターたちの過去や目的が明らかになり、ニャアンとマチュという二人の主人公の対立構造が明確に描かれました。
一方で、「アルファ殺し」の謎、未回収の伏線、そして残り2話という話数の中で物語がどのように収束するのか、あるいは続編へ繋がるのか、多くの点が今後の注目となります。
次回の第11話「アルファ殺したち」では、いよいよニャアンとマチュの直接対決が描かれる可能性が高く、その行方から目が離せません。
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