この記事では『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』についてまとめて解説・考察しています。
目次
概要
「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面」とは、2000年に「ニンテンドー64」で発売されたゲームです。
「ニンテンドー3DS」でリメイク版や「Wii」のバーチャルコンソール、「Nintendo Switch」の「Nintendo Switch Online」の追加パックなどで遊べるため、今の時代でも様々なハードで遊ぶことのできるゲームです。
「時のオカリナ」の続編として発売されており、ほとんどのゲームシステムは「時のオカリナ」から引き継がれています。しかし、差別化として「3日間システム」や「仮面」による変身を主に個性的なシステムを追加されています。
キャッチコピーが「こんどのゼルダは”こわさ”がある」となっている通り、「恐怖」や「滅び」などを全面に押し出しているために、ショッキングなシーンが多く幼い頃にプレイしていたらトラウマになってしまうかもしれません。
ゲーム性・システム
3日間システム
本作では「3日間システム」と呼ばれるシリーズの中でも本作だけのシステムを採用しています。
リンクが「クロックタウン」と呼ばれる、「タルミナ」の主要な街に訪れてから3日後(72時間後)までに落下してくる月を阻止することが最終目的となっています。
ゲーム中では常に時間が経過しており、72時間が過ぎると月が落ちて世界が滅亡し、ゲームオーバーになってしまいます。月が落ちる前に「時のオカリナ」で「時の歌」を奏でると、最初の朝(72時間前)に戻ることができますが、一部の重要なアイテムやお面、銀行に預けたルピーだけが引き継がれます。
他の要素、上記のアイテムやルピー、タルミナの人々とのイベント、ダンジョン内のギミックなどもすべてリセットされるので、その部分はやり直しとなります。
つまり、3日間を「時の歌」を使って繰り返しながら、引き継がれるアイテム、覚えているイベントやギミックなどをサクサクと進め、3日以内に世界を救うことを「3日間システム」となっています。
仮面・お面について
全部で24種の「仮面」と「お面」があり、被ると様々な効果が発生します。特に「仮面」は被るとリンクの姿が変化し、リンク自身の性能も大きく変化します。
仮面で変身していると、変身した姿により特殊なアクションが使えるようになりますが、代わりにいつものリンクで使えていたアクションが使えなくなってしまうようになっています。
仮面一覧
デクナッツの仮面
物語の最序盤でスタルキッドにかけられた呪いが解けたタイミングで入手できる仮面です。
名の通り、被ると「デクナッツ」に変身し、体が少し小さく軽くなり、水面を5回跳ねて進めるようになったり、魔力を帯びたシャボン玉を発射させたり、花形のプロペラで滑空することができたりと、移動に関連するアクションが増えます。
ゴロンの仮面
ゴロン族の英雄である「ダルマーニ3世」の魂を浄化することで入手できる仮面です。
名の通り、被ると「ゴロン」に変身し、ゴロン族特有の大きさを活かした強力なパンチによって岩を破壊できたり、体を丸めて高速移動をして、この回転の最高速度を維持していくと、体中からトゲを出して敵を攻撃できるようになります。
ゾーラの仮面
ゾーラ族のバンド「ダル・ブルー」のギタリストである「ミカウ」の魂を浄化することで入手できる仮面です。
名の通り、被ると「ゾーラ」に変身し、水中を自由に泳げて水底を歩くことができるようになり、魔力を消費して電流のバリアを体の周りに張ることができたり、両腕のヒレを飛ばしてブーメランのように使ったりできるようになります。
巨人の仮面
「ロックビルの神殿」で入手できる仮面です。
被ると体が巨大化できますが、ロックビルの神殿のボス戦でのみ使うことができます。巨大化中は魔力を消費し続け、さらには他のアイテムは使えません。
鬼神の仮面
すべての仮面とお面を持った状態※でムジュラの仮面を着けた子供から渡されます。
被ると「鬼神リンク」に変身しますが、ボス戦でのみ使うことができます。かなり強力な力を得ることができ、大きな両手剣を構えており注目しながら剣を振ると魔力を消費してビームを飛ばすことができます。
※正確にはデクナッツ・ゴロン・ゾーラの仮面以外の仮面とお面をすべて持っている状態
タルミナについて
タルミナ中に住む、メインのストーリーとは関係のない登場人物たちの暮らしが見て取れるようになっており、それはサブイベントの豊富さからもわかります。
上記の3日間システムを活かした、3日後に月が落ちて滅びることを信じて怯えている者や、信じていない楽観的な者、避難して助かることを祈っている者、すべてを諦めて開き直っている者まで、様々な人たちの人生が描かれています。
とあるサブイベントをクリアしていると他の住民の会話の内容が変化したり、1日目の朝と3日目の朝でも会話の内容が変化したりと、住民たちの変化を楽しむこともできます。
オカリナについて
前作「時のオカリナ」同様、本作にもアイテムとして「時のオカリナ」が登場し、メロディを奏でることで様々な効果をもたらしてそれらを活用してギミックを解いて進めることができます。
しかし、奏でられるメロディは前作と違っており、本作だけで奏でることのできるメロディです。
オカリナのメロディ一覧
時の歌
前作にも登場している、ゼルダから教わったメロディです。奏でると最初の朝に戻ることができるため、一番奏でることになります。
時の逆さ歌
「時の歌」を逆から奏でることで「時の逆さ歌」となります。時間経過の速度が遅くなり、月が落ちてくるまでの時間が長くなります。(オリジナル版だと通常の3分の1、3DS版だと2分の1)
時の重ね歌
「時の歌」の最初の3音を2度繰り返して奏でることで「時の重ね歌」となります。時間を半日進めることができます。(3DSだと1時間単位で最大24時間進めることができる)
エポナの歌
ロマニー牧場にいる「ロマニー」から教わることになるメロディです。前作同様、エポナを呼び出したり、ウシに聞かせるとミルクを入手できたりします。
いやしの歌
しあわせのお面屋から教わるメロディです。亡くなった者の魂を癒すことができます。
大翼の歌
「ウッドフォール」にある石版を読んで覚えることになるメロディです。各地にあるフクロウの像の前までワープすることができますが、あらかじめフクロウの像まで行って翼を広げた状態にしないと、そのフクロウの像までワープできません。
嵐の歌
前作にも登場しているメロディで、「イカーナ地方」の墓場で音楽家の「フラット」から教わります。効果も前作同様、嵐を呼び大雨を降らすことができます。
録音案山子の歌
前作にも登場しているメロディで、プレイヤーが自由に作曲し、特定の場所で奏でるとカカシを呼び出すことができます。
目覚めのソナタ
「デクナッツの城」に捕らえられているサルから教わるメロディです。名の通り、様々なものを目覚めさせることができます。
半分だけの子守歌
ゴロン族の長老から教わるメロディです。以下の「ゴロンのララバイ」の最後の2音がないため、”半分だけ”となっています。「ゴロンのララバイ」が完成し、覚えると奏でられなくなります。
ゴロンのララバイ
ゴロン族の長老の息子から教わるメロディです。ララバイの名の通り、ゴロンたちを眠らせることができます。
潮騒のボサノバ
「グレートベイ」で卵をすべて孵化させると覚えることができるメロディです。「グレートベイ」に眠る巨大亀を呼び出せます。
ぬけがらのエレジー
「イカーナ古城」でイカーナ王から教わるメロディです。奏でた者の自分の姿を残す、つまり”ぬけがら”を作ります。最大4つまでぬけがらを残せます。
誓いの号令
タルミナを守っている巨人から教わるメロディです。このメロディを奏でることで巨人を呼び出せることができます。
あらすじ・ストーリー
ストーリーを全て大雑把に解説するので、多大なるネタバレを含みます。
あらすじ
巨悪と戦いハイラルを救った勇者のリンクは、彼は人知れず旅の終わりで別れることとなった友を捜す旅に出ます。
とある森に迷い込んだリンクは、2匹の妖精と小鬼スタルキッドに「時のオカリナ」と愛馬の「エポナ」を盗まれ、さらには「デクナッツ」になる呪いにかけた後、逃げ去ってしまいます。
1人残された妖精の「チャット」とともに逃げたスタルキッドを追いかけていくと、「クロックタウン」という町の時計台の中にたどり着きます。
時計台の中で「しあわせのお面屋」と名乗ると男と出会い、スタルキッドに盗まれてしまった「ムジュラの仮面」を取り返してほしいと頼まれます。取り返すことに成功すれば、そのデクナッツの呪いをといて元の姿に戻してくれるそうです。
1度目の3日目の夜
リンクはチャットともに時計台の上でスタルキッドを追い詰めます。しかし、スタルキッドが月を落として世界を滅ぼそうとしていましたが、スタルキッドの一瞬の隙をついて「時のオカリナ」を奪い返すことに成功します。
月が落ちる前にゼルダから教わっていた「時の歌」を奏でると、初めてクロックタウンの時計台の中に訪れた日の朝まで時が戻っていました。
しあわせのお面屋
時計台の中で再び「しあわせのお面屋」と出会い、お面屋が魂を癒す「いやしの歌」を奏でると、リンクから「デクナッツの仮面」が剥がれ落ちて元の姿に戻ります。
しかし、ムジュラの仮面は未だにスタルキッドが持っており、強力な呪いの力を持っているために一刻も早く取り戻すように言われます。月の落下を止めるには、4人の巨人を呼び覚まして落下を止めてもらう他ありません。
繰り返す3日間
リンクは同じ3日間を何度も繰り返し、巨人のいる神殿へ行って1人ずつ呼び覚ましながら同時に困っている人の助けになって、様々なお面を手に入れていきます。
最終決戦
繰り返した3日間を糧に巨人を4人とも呼び覚まし、再び時計台の上でスタルキッドを追い詰めます。時計台の上で「誓いの号令」を奏でて巨人を呼ぶと、落下してくる付きを受け止めました。
しかし、「ムジュラの仮面」そのものが意思を持って動き出し、月を暴走させてしまいます。暴走した月に吸い込まれたリンクたちは、月の中で「ムジュラの仮面」をつけた少年たちと鬼ごっこをした後、最終決戦へと向かいます。
最終決戦、異形と化した「ムジュラの仮面」である「ムジュラの化身」や「ムジュラの魔人」を打ち倒すと、月が消滅しタルミナは救われたのでした。
スタルキッドは正気を取り戻し、お面屋は「ムジュラの仮面」を回収し、すべてが良い方へと向かっていきます。タルミナの平和を取り戻したリンクは、元の森へと戻り、再び友を捜す旅に出るのでした。
世界観・設定など
時系列について
上の画像の通り、「ムジュラの仮面」は「時のオカリナ」の続編の立ち位置なため、時系列としても「時のオカリナ」から地続きとなっています。
「ムジュラの仮面」は時の勇者が魔王に勝利し、時の勇者が7年前に戻った後、姫に魔王の計画を伝えて魔王の計画が失敗した世界です。
リンクについて
本作の主人公である、リンクは名前はゲーム開始時に変更できますが、デフォルト名はリンクとなっています。
「時のオカリナ」のリンクと同一人物であり、「時の勇者」として覚醒、魔王ガノンドロフを倒してハイラルを救った少年です。
物語冒頭では、かつての冒険で別れてしまった大切な友である、妖精の「ナビィ」を探す旅に出ています。そんな旅の最中、とある森で本作の事件に巻き込まれることとなります。
スタルキッドについて
「時のオカリナ」以降に登場するキャラで、「スタルキッド」というのは元々種族名であり、「森に迷い込んだ子供の成れの果て」という設定となっています。
しかし、本作では「ムジュラの仮面」の魔力によって操られているスタルキッドが登場しています。作中にて、「しあわせのお面屋」からいつものイタズラの延長線上で「ムジュラの仮面」を奪い、そのまま意思を乗っ取られてしまいます。
「ムジュラの仮面」に操られているために、そのイタズラが度を越してタルミナ中で様々な悪事を働くようになります。
ムジュラの仮面について
本作の事件のすべての元凶ともいえる「ムジュラの仮面」ですが、謎が多くわかっていることはほぼありません。
わかっていることとして、太古の昔、とある民族が呪いの儀式に使われていた呪物とされており、邪悪な力が宿っていてその力がかぶったものに宿ると伝えられています。その力を恐れた先人たちが闇に封印した、ということのみわかっています。
タルミナについて
「タルミナ」とは、ハイラルと似て非なる異世界であり、スタルキッドがお面屋から奪った「ムジュラの仮面」の魔力によって、スタルキッドの記憶や妄想が具現化されてできた世界が「タルミナ」です。
作中の最終盤、時の勇者が「ムジュラの化身」を倒し、4日目の朝を迎えることができたことにより、ムジュラの仮面から邪気が消失します。つまり、時の勇者がタルミナから去るとタルミナが完全に消失することになります。
しあわせのお面屋について
「しあわせのお面屋」が正式名称となっており、特定の名前がないほど謎が多いキャラクターです。
「ムジュラの仮面」の元の持ち主であり、スタルキッドによって仮面を奪われ、偶然出会ったリンクに仮面を奪い返すように頼まれるところから物語が始まるため、本作では重要なポジションのキャラでもあります。
彼の謎が多いポイントとして、まず言動が取り上げられます。「ムジュラの仮面」を取り戻す期間が3日間しかないことを知っていたり、3日後には大変なことになることも知っていたり、タルミナがハイラルとは違う異世界ということも知っていたりします。
そして、ハイラルから来たリンクとスタルキッドを除く、唯一のハイラルから来た人物でもあります。スタルキッドはタルミナを作った本人、リンクはスタルキッドによってタルミナに行くことになりますが、「お面屋」はどうやってタルミナに訪れたのかが不明となっています。
しかし、クロックタウンの時計台にしか「お面屋」は居ないため、時計台の外には出られないのかもしれません。
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