この記事では、『呪術廻戦』に登場する禪院直哉について、その言動と二度の死によって読者に強烈な印象を残したキャラクターです。
呪術界御三家の一つ、禪院家の次期当主候補でありながら、その傲慢な性格と男尊女卑の思想は多くの反感を呼びました。しかし、強さへの執着と独自の美学を持つ彼は、物語の重要な局面で自身の存在感を示します。禪院直哉の生涯、能力、そして最期に至るまでの経緯を深掘りし、考察します。
この記事は『呪術廻戦』最終巻までのネタバレを含みますのでご注意ください。
目次
禪院家での最初の死
出典: x.com
禪院直哉は、原作16巻の第138話「禪院家」で初登場しました。
直哉『三歩後ろを歩かれへん女は背中刺されて死んだらええ。』
出典: 呪術廻戦 17巻 第138話
渋谷事変で瀕死の重傷を負った父・直毘人の遺言状が開かれる場に、禪院家の主要メンバーとして集結します。彼は初登場から真希や真依への男尊女卑的な発言や、周囲への辛辣な態度でわかりやすく「クズ」なキャラだとわかる初登場でした。
次期当主の座を巡る騒動
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直毘人の遺言状には、五条悟が死亡または意思能力を喪失した場合、伏黒恵を次期当主とするという内容が記されていました。
この予想外の事態に直哉は激怒し、自らが当主となるために伏黒恵の殺害を決意します。その後、渋谷で虎杖悠仁に接触し、伏黒恵の殺害を宣言しました。
脹相との戦闘と乙骨との取引
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伏黒を殺すため虎杖を追う中、直哉は虎杖を見つけ、乙骨は虎杖、直哉は虎杖の仲間である脹相と対峙します。
彼は自身の術式「投射呪法」を駆使して序盤は脹相を圧倒するものの、脹相の特殊な血液操作能力と独自の技「超新星」の前に敗北し、瀕死の重傷を負ってしまいます。
そこに虎杖の「処刑人」として現れた乙骨憂太は、反転術式で直哉を治療する代わりに、虎杖の死を報告するよう取引を持ちかけ、直哉はこの条件を飲み、命拾いしました。
真希との激闘と真希の母による最期
禪院家に呪具の回収に来た禪院真希に対し、
直哉『昔みたいにまたイジメたろか?』
『どうすんの?乙骨君と恵君の金魚のフン?』
出典: 呪術廻戦 17巻 第148話
と罵倒するなど、そのクズな性格は変わっていませんでした。
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その後、真希は妹である真依の死をきっかけに「天与呪縛・フィジカルギフテッド」としての本来の力を覚醒させ、禪院家の主要メンバーを次々と葬ります。直哉は覚醒した真希と対峙し、投射呪法を最大限に活用して善戦するも、真希に術式の動きを見破られ、渾身の一撃を顔面に受けて敗北しました。
直哉『やっぱオマエは偽物や!!』
出典: 呪術廻戦 17巻 第151話
瀕死の状態で屋敷に這い戻った直哉は、真希の甘さを嘲笑いますが、そこに包丁を持った真希と真依の母親が現れます。真希の母は既に致命傷を負っていましたが、直哉を背中から刺し「娘を産んでよかった」と言い残して息絶えました。
男尊女卑を掲げ、非術師を見下していた直哉は、皮肉にも非術師である女性の刃によって最初の死を迎えたのです。
直哉『~~ざっけんなや!!……呪力が練れん!!ドブカス……がぁ!!』
出典: 呪術廻戦 17巻 第152話
呪霊化と復活の理由
一度は絶命した禪院直哉ですが、彼は「呪霊」となって復活しました。
直哉の呪霊化
これは、呪術師が死後呪いに転じることを防ぐためには呪力で殺すことが原則であるにもかかわらず、直哉に致命傷を与えたのが呪力を持たない真希、そしてとどめを刺したのが呪力を込めていなかった真希の母親であったためと考えられます。
つまり、呪力による攻撃を受けないまま命を落としたことで、直哉は呪霊化が可能となりました。真希への深い恨みを抱き、「呪霊」として生まれ変わったのです。
桜島結界での再登場
呪霊化した直哉は、死滅回游の舞台の一つである桜島結界で真希と加茂憲紀の前に姿を現します。
出典: www.youtube.com
その姿は、顔面に目や口がなく6個の穴が開き、芋虫の肢にあたる部分に人間の腕が6本生えた、生前の彼の悪辣な生き様を反映したかのような醜い「芋虫型呪霊」でした。
彼は呪霊になったことで今まで以上の力を得たと自負し、
呪霊直哉『こんにちは、真希ちゃん。』『俺も来たでこっち側。』
出典: 呪術廻戦 22巻 第191話
と発言します。これは、生前に甚爾や五条を指して「アッチ側」と呼んでいた、絶対的な強者の領域に自身も到達したという直哉の認識を表しています。
呪霊化後の戦闘と二度目の死
呪霊直哉との戦闘
出典: www.youtube.com
桜島結界で呪霊化した直哉と対峙した真希と加茂憲紀は、その圧倒的なスピードと力に苦戦します。
呪霊直哉『嘘やん、こんなんに俺 一度負けたん?』
出典: 呪術廻戦 22巻 第193話
直哉は呪霊としての肉体と「投射呪法」を組み合わせ、マッハ3ともいわれる速度で二人を翻弄しました。真希たちはコンビネーション攻撃で反撃を試みますが、直哉は繭のような「呪胎」へと変化し、さらに完全な呪霊へと覚醒してしまいます。
新たな協力者との共闘
窮地に陥った真希たちの元に、死滅回游の泳者で受肉体である剣技の達人「大道鋼」と相撲を愛する「三代六十四」が乱入します。
大道と三代の助太刀により、真希は三代の領域内で相撲を取り続けることで成長し、甚爾と同等の「天与呪縛」としての本来の力を引き出すことに成功。再び直哉と対峙します。
領域展開と最期
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呪霊直哉『そこに立つんは 俺や!!!!』
出典: 呪術廻戦 22巻 第197話
追い詰められた直哉は、土壇場で領域展開「時胞月宮殿(じほうげっきゅうでん)」を発動します。
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この領域は、直哉と同じ動き方をしなければ細胞一つ一つが停止し、体がバラバラになるという凶悪な効果を持っていました。大道と三代はこの領域によって大ダメージを負いますが、呪力を持たない真希には領域展開の必中効果が通用しませんでした。
真希は領域内の効果を無視し、真依から託された釈魂刀のレプリカ(魂を切り裂く呪具)によって、直哉を真っ二つに斬り裂きました。これにより、直哉は呪霊としても完全に消滅し、二度目の死を迎えました。
術式「投射呪法」と領域展開「時胞月宮殿」
禪院直哉が使用する術式と領域展開は、彼の戦闘スタイルと強さの根幹をなしています。
術式「投射呪法(とうしゃじゅほう)」
出典: x.com
直哉は父親である直毘人と同じ、禪院家相伝の術式「投射呪法」の使い手です。脹相や覚醒前の真希といった特級クラスの相手に対しても、その実力は互角以上に戦えるほどでした。
この術式は、「1秒間の動きを24に分割したイメージ」を脳内で作り、それを半自動でトレースすることで高速移動を可能にします。
この動きは、物理法則を過度に無視しない限り、術者の身体能力を超えた速度を出すことが可能で、作中では、直哉が術式を連続使用することで亜音速をも超える速度に到達し、飛行機並みと評されるほどでした。
また、術式発動中に術者の手のひらに触れた相手にも同じ効果を押し付けることができます。相手は1/24秒という短時間で動きをイメージし、再現することを強制されるため、ほとんどの場合、1秒間フリーズ状態に陥ります。
このフリーズ状態は相手に自覚がなく、時間が飛んだかのように感じるため、回避が困難な強力な技です。
領域展開「時胞月宮殿(じほうげっきゅうでん)」
呪霊として復活した直哉が使用した領域展開が「時胞月宮殿」です。
出典: www.youtube.com
この領域は、発動すると巨大な目玉のようなものが現れ、その目に見られたものに対し効果が発動します。効果の内容は「直哉と同じ動き方をしないと止まる」という投射呪法を応用したものであり、その対象は「全ての細胞」にまで及びます。
つまり、領域内で直哉と異なる動きを少しでもすれば、細胞一つ一つの動きにズレが生じ、全身に致命的なダメージを負ってしまうのです。
大道鋼が無理に刀を振ろうとした際に腕が千切れ飛ぶ描写からも、その凶悪さがわかります。しかし、呪力を持たない真希には必中効果が適用されず、領域の効果を無効化されてしまいました。
伏黒甚爾への複雑な感情
禪院直哉の行動原理には、伏黒甚爾への強い憧れと、そこから派生する複雑な感情が深く関わっています。
幼少期の出会いと「アッチ側」への執着
幼い頃、直哉は「天才」「次代当主」ともてはやされていました。
出典: x.com
その頃、呪力を持たない禪院家の「落ちこぼれ」である甚爾の存在を聞き、嘲笑するために会いに向かいます。しかし、実際に目の当たりにした甚爾は、呪力を持たないにもかかわらず、得も言われぬ迫力と恐怖を感じさせました。この経験から、直哉は甚爾に対して強い憧れを抱くようになります。
彼は、甚爾と五条悟を「アッチ側」と呼び、絶対的な強さの象徴として捉えていました。
真希との戦いの中で、
直哉『オマエは オマエは!! 甚爾君やない!!』
『オマエやない!!アッチ側に立つんは 俺や!!!』
出典: 呪術廻戦 17巻 第151話
と心の内で叫ぶように、甚爾と同じ境地に到達することを強く望んでいました。禪院家が甚爾の真の強さを理解していないことも、直哉の歪んだ価値観を形成する一因となったと読み取れます。
呪霊化後の「こっち側」発言
出典: www.youtube.com
呪霊として復活し、真希と対峙した際、
呪霊直哉『俺も来たでこっち側。』
出典: 呪術廻戦 22巻 第191話
と発言しました。これは、呪霊となることで人間としての制約から解放され、甚爾や五条が立つ「アッチ側」に自身も到達したという、彼なりの強さの証明であったと考えられます。
しかし、その後の戦いで真希にあっさりと敗れることで、彼の得た強さは「まがい物」であったのでしょう。
禪院直哉とは?
出典: jujutsukaisen.jp
呪術界の御三家である「禪院家」の次期当主候補の一人であり、禪院家の精鋭たちによって構成される「炳」の筆頭と、かなりの実力の持ち主です。禪院家26代当主の「禪院直毘人」の息子であり、「伏黒甚爾」、「禪院真希」、「禪院真依」とは従兄妹となっています。
家柄が良く、御曹司であり、イケメンですが、男尊女卑を当たり前と思っており、ルッキズムの傾向があり、自尊心もかなり高いため、いわゆるクズなキャラです。
一方、「強さ」というものには真摯に向き合っており、実力がある人にはちゃんと評価する面も持っています。
項目 |
内容 |
|---|---|
|
年齢 |
27歳 |
|
身長 |
180cm以上 |
|
出身地 |
京都府 |
|
所属 |
禪院家次期当主候補、「炳」筆頭 |
|
等級 |
特別1級呪術師 |
|
術式 |
投射呪法 |
|
領域展開 |
時胞月宮殿 |
|
生死状況 |
死亡 |
|
声優 |
遊佐浩二 |
まとめ
禪院直哉は、『呪術廻戦』においてその強烈な個性と悲劇的な運命で読者に強い印象を残しました。彼は、禪院家の次期当主候補としてのエリート意識と、男尊女卑やルッキズムといった旧弊的な思想を持つ、まさに呪術界の負の側面を体現するキャラクターでした。
一度は真希の母に刺されて死亡するも、呪霊として復活し、再び真希と対峙。その際、自身の術式「投射呪法」を応用した領域展開「時胞月宮殿」を披露するも、真希の覚醒した力には及ばず、二度目の死を迎えます。
アニメでのさらなる活躍も期待されますが、彼の最期を知る者にとっては、その登場自体が物語の終焉を予感させるものとなるでしょう。























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