この記事では、『呪術廻戦』の最終回第271話を考察しています。最終回で描かれた彼らのその後や、腑に落ちなかった箇所、残された謎、そして最終30巻で書き下ろされたエピローグまでを詳細に解説・考察します。
この記事には、呪術廻戦の単行本最新巻までの多大なるネタバレが含まれるのでご注意ください。
目次
最終回第271話について
2018年より連載がスタートし、2024年9月に物語が完結した「呪術廻戦」。その「呪術廻戦」が2024年12月25日に29巻と30巻が同時発売されました。
最終回となる第271話では、虎杖、伏黒、釘崎の1年生トリオが最後の任務に挑み、平穏な日常へと歩み出す姿が描かれています。
書き下ろしのエピローグが収録
最終巻である30巻では、16ページに渡る書き下ろしのエピローグが収録されています。
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「小沢優子」、「パンダ」、「釘崎野薔薇」、「裏梅」の4人のエピソードが描かれており、最終回後の話もあれば、過去回想もあります。
あのキャラの子孫やあのキャラの親族、宿儺と裏梅の過去など、上記4人のキャラを少し深堀りしているので、ぜひ読んでみてください。
小沢優子のエピローグ
ネタバレあらすじ
出典: jujutsukaisen.jp
虎杖の中学時代の同級生である小沢優子。エピローグは、雪が降る中で語り合う中学時代の虎杖と小沢の回想から始まります。
時は現在に戻り、一時的に地元の仙台に戻っていた小沢は、偶然にも祖父の家の片付けで戻っていた虎杖と再会します。小沢は虎杖に東京にいて大丈夫だったのかを尋ねますが、釘崎から無事を聞いていたことを心の中で思っていました。虎杖もまた、釘崎から小沢の無事を聞いていたことを明かします。
雪が降る中、小沢は「雪はまだ好き?」と問い、虎杖が「まだ特別」と答えると、小沢は心の中で自分が雪が好きな理由は、大好きな人に似ているからだと呟き、虎杖を見つめます。
最後は、この再会を野性の勘で察した釘崎が反応し、伏黒が「家の相続の話」じゃないかと話すシーンで締めくくられます。
考察まとめ
小沢優子編は、最終回後の時系列、具体的には2019年1〜2月頃に設定されています。虎杖と小沢の再会は、本編ではほぼ描かれなかった恋愛要素を補完する形で描かれました。
特に、小沢が虎杖の無事を釘崎から聞いていたこと、そして虎杖もまた小沢の無事を確認していたことは、二人の関係性における進展を示唆する重要な描写として要注目です。釘崎の反応は、読者の恋の行方への期待を代弁する形となっています。
小沢優子の恋の行方は「呪術廻戦モジュロ」でもどうなったのかはわかりませんが、きっと良い方向へと進んでいると信じましょう。
パンダのエピローグ
ネタバレあらすじ
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時系列は、最終回から約60年後の2080年。乙骨憂太の孫にあたる兄妹が、祖父の管理する倉庫で、肩乗りサイズになったパンダのぬいぐるみを見つけます。
少年が「お爺ちゃんの宝物」で「特別な呪骸」だと説明すると、少女は気味悪がってパンダを放り投げます。その瞬間、パンダが喋り出し、二人の孫は悲鳴を上げます。パンダは2035年10月に活動を停止したものの、2080年の現在でもたまに動くことがあると明かされます。
考察まとめ
このエピソードでは、乙骨憂太に孫がいることが判明し、その孫の容姿から、乙骨と禪院真希が結婚した可能性が高いと考察されていました。
また、パンダは死滅回游で2つの魂を失い小型化し、2035年に活動停止した後は五条家の忌庫に保管され、所有権が五条家の当主代理となった乙骨に移ったことが示唆されます。これにより、乙骨が五条亡き後の呪術界で重要な役割を担っていることが明らかになりました。
そして、呪術廻戦のスピンオフ作品である「呪術廻戦モジュロ」にて、主人公の二人が乙骨と真希の孫である「真剣」と「優花」あることが判明し、このエピローグの二人も、モジュロの主人公だったのです。
釘崎野薔薇のエピローグ
ネタバレあらすじ
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釘崎野薔薇は、居酒屋で自身の母親と再会します。釘崎は、五条悟が残した「遺言」を蔑ろにしないためだけに母親に会いに来たことを告げます。母親は呪術師としての才能がなく、祖母から疎外されていた過去を匂わせつつ、現在は「お金持ちをたぶらかし、酒を飲み、若い男を漁る楽しい日々」を送っていると悪びれることなく語ります。
母親は挑発しますが、釘崎はそれを適当に聞き流していると、その場に釘崎の祖母が突如登場し、母親は顔色を変えて震え上がります。釘崎は、その情けない母親の姿を見て満足げな表情を浮かべます。
考察まとめ
釘崎野薔薇編は、彼女と母親、そして祖母との確執を深く描いています。母親のいわゆる「毒親」ともとれる言動や、呪術師としての才能の有無が家族関係に与えた影響が浮き彫りになりました。
五条の「遺言」が、釘崎が母親と向き合うきっかけとなったことも示唆されており、五条の存在が死後もキャラクターに影響を与えていることが分かります。
裏梅のエピローグ
ネタバレあらすじ
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時は約千年前の平安時代。幼い裏梅は、制御できない強力な呪力「氷凝呪法」により、周囲の人々を無意識に凍らせてしまい、両親も凍死させてしまいます。そんな孤立した裏梅の前に、当時の宿儺が現れます。宿儺は壊れた氷室の代わりに、裏梅に獲物の肉を腐らないように冷凍するよう命じます。
裏梅は試行錯誤の末、肉を熟成・調理する術を独学で身につけ、宿儺にその肉を振る舞います。宿儺は「美味いな」と感嘆し、裏梅を自身の「料理人」、唯一の手下として引き入れます。
宿儺の側でも凍らない裏梅と、裏梅の呪力で凍らない宿儺。二人は互いにとって特別な存在となっていきます。最終回の魂の通り道で、宿儺が裏梅の手を取り歩むシーンへと繋がります。
考察まとめ
裏梅編は、宿儺と裏梅の出会いと関係性の始まりを詳細に描いています。
互いに異形の存在として孤立していた二人が、物理的・精神的に共存できる相手を見つけた経緯が示され、裏梅が宿儺にとっての「違う生き方を選ぶきっかけ」の一つであったことが強調されました。
宿儺が「呪いの王」としてではない、人間的な側面を持つことが示唆され、二人の関係性に思いを馳せることのできるエピソードです。
最終回第271話の考察
百葉箱の意味
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危険性がもう孕んでいないと思われる「宿儺の指」が百葉箱に収められ、呪術廻戦の物語は幕を閉じます。
百葉箱に収められているのは、第1話と同じであり、「廻る呪い」というタイトルの「呪術廻戦」とかけているのもあると思われます。
『廻る呪いに…!!!』
出典: 呪術廻戦 30巻 第267話
しかし、百葉箱の意味はそれだけではないと思われます。
百葉箱は直射日光が温度計に当たらないよう、扉が北半球では北向きに、南半球では南向きにつけられています。最後に映された百葉箱は日本の百葉箱だと思われるので、「北向き」に扉がついており、少しだけ扉が開いています。
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冥冥『新しい自分になりたいなら北へ。昔の自分に戻りたいなら南へ行きなさい。』
出典: 呪術廻戦 26巻 第236話
これは五条悟が死んでしまった際の空港内で「冥冥」の言葉を思い出している場面です。
つまり、この百葉箱は宿儺が「呪いの王」ではなく、違う新しい自分になることを示唆しているのではないかと考えられます。
宿儺『次があれば、生き方を変えてみるのもいいかもしれない。』
出典: 呪術廻戦 30巻 第271話
宿儺は最終回で、裏梅と思しき少女とともに闇の中で奥へと進んでいきました。現代の呪術師たちに負けてしまった宿儺は、世界に「呪い」がある限り「呪いの王」でいなければいけないという、「廻る呪い」から解放されたのかもしれません。
宿儺の二度のきっかけについて
宿儺『…いや。違う生き方を選ぶことができた。きっかけは二度あった。』
出典: 呪術廻戦 30巻 第271話
最終回で宿儺は、このように言っていました。
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このシーンは2人の謎の人物が後ろ姿が描かれており、そのうち1人は白い髪の幼い人物で、エピローグ内の話も踏まえると裏梅だと思われます。
しかし、もう1人の女性は何者なのかは不明のままです。黒髪の巫女装束の女性というだけの情報しかないですが、おそらく過去の人物ではないかという予想しかできません。
宿儺に違う生き方を選ばせるほどの影響をもたらす可能性があった人物なので、宿儺にとって大切な存在なのは事実です。
有力な人物として、詳細不明の宿儺の母親もしくは、宿儺と何か繋がりがありそうと示唆されていた天元が挙げられます。これらは私たち読者が知りうる人物なので、全然知らない登場していない人物の可能性もまだあるので、まだまだ不明のままです。
五条悟という存在
最強の呪術師だった五条悟ですが、宿儺によって殺されてしまった後、これがこうだった復活するんじゃないかとさまざまな考察がされていました。この考察には復活してほしいという願いも込められていたのだと思います。
しかし、結局のところ「呪術廻戦」が完結しても五条は復活しませんでした。さらに最終回でも回想にて、『”もう五条悟とかどーでもよくない?”』と本人が言っています。
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これはたった1人の親友だった夏油傑と袂を分かった時点から、特にそのように思っていったのだと思われます。
2人で最強だった五条と夏油。しかし、2人ではなく1人になってしまい、「自分は1人でも最強かもしれないが、そんな力でも世界を変えることはできない」と思っていたと思われます。
五条『上の連中を皆殺しにするのは簡単だ。でもそれじゃ首がすげ替わるだけで変革は起きない。』
『そんなやり方じゃ誰も付いて来ないしね。だから僕は教育を選んだんだ。強く聡い仲間を育てることを。』
出典: 呪術廻戦2巻11話
『”強く聡い仲間を育てること”』。虎杖たちを育てることを選び、未来をより良くするためには育てること、自分がいなくても大丈夫な世界のことだと認識していたのかもしれません。
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『”僕とは違う強さを持つ人間がいたほうがいい”』とも言っており、このことから五条は「過去の人物」で「個の力」であり、虎杖たちの「未来に進むこと」と「仲間の力」という対比を表しているのでしょう。
だからこそ、自分のことをどうでもいいと語ったのだと思われます。虎杖や乙骨とはまた違う、自己犠牲的な精神が根底にあったのかもしれません。
宿儺と倭助
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29巻の作者コメントで宿儺の双子の片割れの生まれ変わりの魂が同じであるのは虎杖仁ではなく、虎杖倭助であると判明しています。
そして、宿儺は最終回で『”生き方を変えてみるのもいいかもしれない”』と言っていますが、これは倭助の生き様が宿儺が仮に人間としての道を歩んだ際の生き方を体現しているので、宿儺の片割れの生まれ変わりとして対比されていると考察できます。
最終巻の広告について
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上記の画像は最終巻の発売記念に、読売新聞にて公開された広告です。
虎杖と両面宿儺が手を繋いで踊る姿が描かれ、そこには「忌まわしき正しさ 魂の寄辺」というキャッチコピーが添えられていました。これは、虎杖が呪いを背負って生まれながらも正しくあろうとする魂の在り方や本質を表していると考察されます。
機嫌の良い虎杖と不機嫌そうな宿儺の様子は作中のメタファーであり、虎杖の領域名がダンス、舞のような言葉が入っている可能性も示唆されています。
回収されなかった謎や伏線
最終回を迎え、完結した呪術廻戦ですが、回収されないままの伏線や謎がまだ残されています。ただし、最終巻の描き下ろしエピローグによって、一部の謎には間接的に触れられています。
未回収の謎一覧
- 虎杖悠仁の領域展開の名称や詳細
- 虎杖の両親
- 宿儺の過去
- 宿儺と裏梅の詳細な関係
- 宿儺と天元の関係
- 宿儺と堕天
- 播磨の術師の正体
- 1級術師の宇佐美の正体
- もう1人の内通者
- 総監部データベース
などなど、上記の謎は大きな謎であり、細かな謎も含めるとまだまだ存在しています。
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筆者含め、読者が特に気になっている謎は「宿儺の過去」を含めた宿儺についての色々だと思います。この辺りの謎はスピンオフなどで描かれるかもしれません。
他に「虎杖の領域展開の詳細」や「宇佐美の正体」、「播磨の術師」などはファンブックがもし発売されるのなら補完されるかもしれません。
続編やスピンオフの可能性も?
続編やスピンオフが描かれる可能性はあると思われます。
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虎杖悠仁という主人公の「呪術廻戦」は完結しましたが、別のキャラが主人公となり、「呪術廻戦」が続編やスピンオフとして制作されてもおかしくありません。上記の謎でも述べた、宿儺や羂索にフィーチャーしたスピンオフのような漫画が描かれる可能性もあります。
それだけでなく、本編の何十年、何百年後の未来や「呪い」というモノは存在し続けるからこそ、続きを描く余地はまだまだあります。
ジェンプフェスタでのコメント
さらに、2024年12月21日に開催された「ジェンプフェスタ2025」の「呪術廻戦ステージ」において、原作者の「芥見下々」先生のコメントが寄せられていました。
このコメントには、ファンやアニメの制作への感謝が綴られていましたが、最後に『”次の挑戦の準備をしつつ、恩返しをしていくつもりです。”』とおっしゃられていました。
芥見先生の言う『次の挑戦』とは、おそらく現在連載中のスピンオフ作品である「呪術廻戦モジュロ」でした。
まとめ
ついに2018年から2024年、約6年半の連載に幕を下ろした「呪術廻戦」。
芥見先生には一旦お休みしていただいて、また漫画が描けるようになったら、呪術廻戦の続編やスピンオフでも、全く新しい漫画でも連載していただきたいですね。次の作品を期待しています。































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