本記事では、『呪術廻戦≡モジュロ』第1話『特級事案』のあらすじ、主要登場人物、そして作品世界に深く関わる謎や考察について詳しく解説します。
本記事では、呪術廻戦本編の単行本最新巻と呪術廻戦≡モジュロ第1話のネタバレを含んでいるのでご注意ください。
目次
概要
2025年9月8日に週刊少年ジャンプ2025年41号にて連載が開始された『呪術廻戦≡モジュロ』は、原作・芥見下々氏、作画・岩崎優次氏による『呪術廻戦』の続編的スピンオフ作品です。
事前告知なしのサプライズ連載開始は、多くのファンに衝撃と喜びをもたらしました。本編終了から約1年を経て発表された本作は、そのタイトルが明かされていながらも、まさかの『呪術廻戦』のスピンオフであったことに、驚きの声が上がっています。
物語は本編の最終決戦「人外魔境新宿決戦」から68年後の西暦2086年を舞台とし、宇宙人が登場するという大胆なSF要素が盛り込まれています。短期集中連載として半年間、コミックス3巻分が予定されており、その限られた期間の中でどのような物語が展開されるのか、注目が集まっています。
『呪術廻戦≡モジュロ』第1話の物語あらすじ
新たな物語の開幕
出典: x.com
物語は西暦2086年、ネバダ州上空に浮かぶ宇宙船内でのシムリア星人たちの会議から始まります。彼らは地球、特に日本人に多く見られる「呪力」という特異なエネルギーを持つ存在の調査を進めており、監査役のマルル・ヴァル・ヴル・イェルヴリ(通称マル)が日本の京都へと潜入します。
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マルが京都で出会ったのは、本作の主人公である乙骨真剣(おっこつ つるぎ)と乙骨憂花(おっこつ ゆうか)の兄妹です。
この時代、かつて羂索が引き起こした混乱の余波は色濃く残り、日本人が持つ呪力が新たなエネルギー源として世界中から注目され、呪力の高い子供たちが狙われる人身売買が横行する危険な世の中となっていました。
呪詛師のアジトへ
乙骨兄妹は、今は亡き祖父・乙骨憂太の形見である指輪を巡って対立しています。
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そんな中、彼らは呪詛師が仕掛けた「決まった道順で通ると転送される」という術式によって、少年が攫われる現場に遭遇します。妹を危険から遠ざけたい兄・真剣の行動は憂花の反発を買い、口論の末、今度は真剣自身が呪詛師に捕らえられてしまいます。
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一部始終を見ていたマルは、憂花は「助けになんていかない」と背を向けますが、心の奥底にある兄への想いとマルの言葉に突き動かされ、「殴りに行く」と決意を固め、兄を救うため呪詛師のアジトへ乗り込みます。
呪詛師との戦い
一方、真剣は呪詛師に、宇宙人のこと、現在の日本の情勢、呪詛師の目的を聞かされ、それに対し挑発したことから一方的に殴られてしまいます。
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そんな時、憂花とマルが呪詛師に本拠地に到着。憂花の「狗顎爪」、真剣の呪具「火之夜藝(ほのやぎ)」から繰り出される「シン・陰流」による、兄妹の息のあったタッグで呪詛師を圧倒します。
マルの力
しかし、呪詛師の最後の足掻きで結界術を発動し、攫った子供たちだけを別の場所に転送しようとした時、マルは「第三の目」のような額の目の力を使い、呪詛師を気絶させました。
その力のせいで真剣はマルは宇宙人かもしれないと気づいたところで第1話は幕を閉じます。
主要登場人物と人間関係
『呪術廻戦≡モジュロ』第1話では、物語の核となる3人の主要キャラクターが紹介されました。彼らの複雑な背景と個性が、今後の物語の展開に大きな影響を与えることが示唆されています。
乙骨真剣
乙骨憂太と禪院真希の孫にあたる17歳の少年です。祖母の天与呪縛(フィジカル・ギフテッド)を不完全に受け継いだためか、呪力はほぼゼロに近いという特性を持ちます。
しかし、その代わりに優れた身体能力と、日々の鍛錬で習得したシン・陰流の剣術を武器としています。
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祖父の形見である指輪を巡って妹と確執がありますが、その根底には妹を守りたいという強い責任感が存在します。祖母・真希が遺した「失うことが強さになる」「残すことも大事」という言葉を胸に、呪具「火之夜藝(ほのやぎ)」を振るいます。
乙骨憂花
真剣の妹で16歳の少女です。兄とは対照的に呪力を持ち、自身の呪力を鋭い爪のように具現化する呪力操作「狗顎爪(くがくそう)」の使い手です。
気の強い性格で兄に反発する姿勢を見せますが、それは兄の努力を認められない自分への苛立ちの裏返しとも解釈できます。祖父への思慕が強く、その言動はかつての釘崎野薔薇を彷彿とさせます。
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憂花はいわゆる「おじいちゃんっ子」で、それはリカの「変幻自在の呪力」が部分遺伝したからなのかもしれません。「狗顎爪」はおそらく術式ではなく、鹿紫雲のような呪力操作の一種だと思われます。
マルル・ヴァル・ヴル・イェルヴリ(通称:マル)
シムリア星人の監査役として地球に派遣された宇宙人です。額に第三の目を隠し持ち、呪術師の存在を調査する任務を負っています。
たこ焼きの味に感動するなど、地球文化への順応性が高く、お人好しで少し天然な性格が特徴です。彼の目線ではシムリア星人との共生が可能かどうかの調査を行っていますが、シムリア星の上層部の真意は不明な点も残されています。
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三つ目の開眼能力を持ち、世界を「調和」する術式を持つことが示唆されています。また、彼には双子の弟がいることも明かされています。
乙骨憂太と禪院真希の子孫としての背景
本作の主人公が乙骨憂太と禪院真希の孫であるという設定は、多くのファンにとって大きな驚きでした。『呪術廻戦』本編の最終巻エピローグでその存在は示唆されていましたが、スピンオフの主役となることで、彼らの関係性や「業」が色濃く受け継がれていることが示されています。
真剣の呪力を持たない身体能力は、真希の「天与呪縛」の影響を強く感じさせます。また、憂花の気の強い性格や兄との確執は、かつて才能の差に苦しんだ禪院家の姉妹、真希と真依の関係を想起させます。
乙骨憂太の結婚相手は公式には明かされていませんが、孫の容姿や特性、そして本編で描かれた乙骨と真希の関係性から、真希説が濃厚です。
また、エピローグにてパンダが2035年に活動停止後も2080年になってもたまに動くことがあると語られ、真剣と憂花と出会うシーンが描かれているので、「モジュロ」にも登場するかもしれません。
第1話から読み解く作品世界の謎と考察
『呪術廻戦≡モジュロ』第1話では、本編で残された多くの謎に対する新たな視点や、今後の物語の核心に迫る可能性を秘めた要素が提示されました。
宇宙人(シムリア星人)の登場と呪力の起源
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『呪術廻戦』の世界に突如として「宇宙人」というSF要素が持ち込まれたことは、作品の世界観を大きく広げるものです。
特に、「なぜ日本人、あるいはその血を引く者だけが呪力を持つのか」という本編の根幹に関わる謎に対し、シムリア星人の存在が重要な鍵となる可能性があります。
シムリア星人が日本人を「自分たちと近い力を持つ人種」と認識していることから、太古の昔にシムリア星人が日本列島に来訪し、その血が現代の日本人に受け継がれたことで呪力が発現したという壮大な仮説が浮上しています。
この解釈は、天元や天使といった本編の重要存在の起源にも説明を与えるかもしれません。
両面宿儺とシムリア星人との関連性
シムリア星人であるマルの登場は、本編最強の「呪いの王」である両面宿儺の出自に関する新たな考察を呼び起こしています。
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マルの額に第三の目があること、戦闘時に顔に宿儺と酷似した紋様が浮かび上がること、そして彼に「双子の弟」がいるという設定は、宿儺とシムリア星人の間に何らかの関連性があるのではないかという推測を強めています。
考えられる仮説としては、宿儺自身が古代に地球へ飛来したシムリア星人であったという説、あるいは宿儺の祖先にシムリア星人との交わりがあり、その異星の血を色濃く受け継いだという混血説などが挙げられます。
また、直接的な血のつながりはないものの、呪力を極限まで高めた結果、人間がシムリア星人と似た形態に行き着くという収斂進化説も考えられます。
平安時代の宿儺が感じていた孤独や「緊張感」が、同等の力を持つ敵対的な宇宙人との戦いを背景としていた可能性も示唆されており、千年の時を超えて呪いの王の秘密が明かされるかどうかに注目が集まります。
本編キャラクターの未来と子孫
本編の主要キャラクターたちのその後についても、第1話で興味深い言及がありました。
虎杖悠仁の功績とその後
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2086年の世界において、呪詛師が過去の強力な術師の名前を挙げる際に、現代最強と謳われた「五条悟」と並べて「虎杖悠仁」の名を傑物として口にするシーンがあります。
この描写から、虎杖が本編終了後も術師として研鑽を続け、最終的には五条悟と比肩するほどの歴史的な大術師として名を残したからなのか、結果的に宿儺を倒したのが虎杖だからなのかは不明ですが、ファンとしては嬉しい要素です。
しかし、呪詛師のセリフの文脈から、2086年の時点では虎杖も既に故人である可能性が高いと考えられます。作者コメントでは、マルが虎杖に似ているという言及もありました。
乙骨憂太と禪院真希の結婚
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前述の通り、主人公である乙骨兄妹の存在により、乙骨憂太が結婚したことは確定しています。
本編最終回付近で乙骨は五条悟の体から元の体に戻っており、額には縫い目がありました。このため、乙骨の子孫は五条の子孫ではありません。孫の呪力特性や、祖父の形見である指輪の経緯などから、禪院真希が結婚相手であるという説が最も有力視されています。
その他の登場人物
呪詛師のアジトには、伏黒恵に似た少年が拉致されて売り飛ばされそうになっている描写がありました。また、読者の間では、作中に登場する補助監督が日下部篤也の子孫ではないかという考察も挙がっています。
そして、再び名前が挙がった「宇佐美」。本編でも名前だけ登場し、単行本のおまけページで姿のみ描かれていましたが、「モジュロ」でも名前だけ登場しました。
おそらく本編の宇佐美の子孫だとは思われますが、「モジュロ」には登場するかもしれません。
まとめ
『呪術廻戦≡モジュロ』は、本編の最終回から68年後の近未来を舞台に、乙骨憂太と禪院真希の孫である乙骨兄妹と、シムリア星人のマルが織りなす、まさかのSFスピンオフとして幕を開けました。
第1話の重要なポイントは以下の通りです。
- 『呪術廻戦≡モジュロ』は、本編から68年後の西暦2086年の日本が舞台です。
- 原作は芥見下々先生、作画は岩崎優次先生が担当しています。
- 主人公は乙骨憂太と禪院真希の孫である乙骨真剣(呪力ほぼゼロの剣士)と乙骨憂花(呪力と術式「狗顎爪」の使い手)の兄妹です。
- もう一人の主人公は、呪術師を調査するために地球に潜入したシムリア星人の宇宙人マルです。
- 未来の日本では、日本人の呪術師が拉致・売買されるという社会問題が深刻化しています。
- 宇宙人の登場により、呪力の起源の謎が明かされる可能性や、両面宿儺の出自との関連性が考察されています。
- 虎杖悠仁は2086年時点では故人である可能性が高いものの、五条悟と並ぶ歴史的な大術師として名を残したことが示唆されています。
- 乙骨兄妹は祖父の形見の指輪を巡り確執を抱えており、マルの介入が彼らの関係性に変化をもたらします。
- 物語は半年間、単行本3巻分での短期集中連載が予定されています。
多くの謎と新しい魅力に満ちた本作は、今後の展開から目が離せないスピンオフとして、ファンからの期待を集めています。
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