この記事では、呪術廻戦で登場する特級呪霊についてネタバレ解説・考察しています。作品内の伏線や作品内の情報についてもまとめています。
この記事は最終巻までのネタバレを含みますのでご注意ください。
目次
特級呪霊の種類
特級呪霊の種類について解説します。
仮想怨霊とは
仮想怨霊とは人々の間で共有された恐怖のイメージが具現化したものです。例えば、有名な怪談や妖怪などが該当します。
「トイレの花子さん」や「九尾の妖狐」といった存在は、人々の間で共有された恐怖のイメージを持つため、強力な呪霊として現れる可能性があるのです。呪術師たちは、これらの呪いを「特級仮想怨霊」として登録し、常に警戒しています。
また、正体不明の強力な呪いも、ひとまず仮想怨霊として分類し、その性質を分析します。
特定疾病呪霊とは
特定疾病呪霊とは疫病などの特定の病気に対する恐怖から生まれた呪霊です。人々が病気に対して抱く恐怖や不安が、呪力として蓄積し、具現化したものです。
登録済み特級呪霊
百鬼夜行の時点では、特級呪霊は16体存在していることが判明しています。登録済みの特級呪霊について、解説します。
特級仮想怨霊「化身玉藻前(けしんたまものまえ)」
特級仮想怨霊「化身玉藻前」は夏油傑が呪霊操術で取り込んでいた特級呪霊の内の一体です。百鬼夜行で夏油傑が乙骨憂太との交戦中に出現させました。
しかし、同じ特級呪霊である折本里香によって、夏油傑の4461体の呪いを1つにした呪霊操術の極ノ番である「うずまき」ともに一瞬で祓われます。夏油傑が繰り出した切り札の化身玉藻前も、乙骨憂太と里香の前では通用しませんでした。
特級過呪怨霊「祈本里香(おりもとりか)」
出典: x.com
特級過呪怨霊「祈本里香」は、『呪術廻戦0巻~東京都立呪術高等専門学校~』に登場しており、祈本里香が11歳の時、交通事故で命を落とし強力な呪霊となりました。祈本里香は乙骨憂太と幼馴染で、大人になったら結婚しようと言っていたほどの仲です。
祈本里香は呪いの女王と呼ばれ、五条悟が命がけで対処しなければならないほどの強力な力を持ちます。乙骨への執着は異常なほど強く、彼を傷つける者だけでなく、彼の妹にまで危害を加えようとするほどです。
当初、祈本里香が乙骨に憑りついていたと考えられていましたが、里香の死を拒んだ乙骨自身が、菅原道真の子孫としての呪術師の素養から無意識に呪いをかけたため、祈本里香をこの世にとどめていたことが調査で判明しました。
百鬼夜行では夏油傑が乙骨を狙い、交戦になりましたが、祈本里香の力には及ばず、乙骨と祈本里香が勝利しました。この交戦で乙骨が祈本里香の力を借りる際、縛りを課したため、祈本里香は解呪され、成仏しました。
呪術廻戦0巻で登場する祈本里香は「里香」と表記されており、1巻以降は「リカ」と表記されています。呪術廻戦0巻の「里香」と1巻以降の「リカ」は同一呪霊ではありません。
特級特定疾病呪霊「疱瘡婆(ほうそうがみ)」
特級特定疾病呪霊「疱瘡婆」は、偽夏油傑(羂索)が使役する特級呪霊であり、百鬼夜行後に手に入れたと考えられています。
渋谷事変において、偽夏油傑は冥冥と憂憂と遭遇し、足止めのために疱瘡婆を出現させました。
疱瘡婆は領域展開を発動しました。領域内は墓地のような光景が広がっています。領域内において呪力の強いものが自動的に攻撃対象となり、棺桶に閉じ込められます。その後、上空から墓石が落下し、棺桶ごと土中に埋められます。3カウントが開始され、3秒以内に脱出できなければ、対象は天然痘に罹患し死亡します。
3カウント開始までの間は必中効果として発動しますが、この必中術式は一度に一人にしか効果を発揮しません。疱瘡婆の領域展開は、冥冥と憂憂を苦戦させるほどの強力なものでした。最終的には憂憂は攻撃対象に移し、冥冥がその隙を見て疱瘡婆を攻撃し、神鳥(バードストライク)で祓われました。
羂索は、作中でこの呪霊を「疱瘡神(ほうそうがみ)」と呼んでいましたが、これは羂索の嘘だということが判明しています。
「黒沐死(くろうるし)」
出典: x.com
渋谷事変後、羂索が呪霊操術の支配から解放した蜚蠊(ゴキブリ)の特級呪霊です。生と死が混ざり合った魔剣「爛生刀(らんしょうとう)」や「土虫蠕定(どちゅうぜんじょう)」という術式を使います。
死滅回游の仙台コロニーに参加しており、ドルゥヴ・ラクダワラとの相性の悪さから、ドルゥヴが生存している間は休眠状態に入ることを条件に課し、黒沐死は眠っていました。
鉄の味を好み、無限の食欲を持ち、食べた分だけ単為生殖で増殖します。ドルゥヴの死によって目覚め、飢餓状態のまま乙骨憂太を本能的に捕食しようとします。しかし、乙骨には敵わず、乙骨に食われて祓われました。
未登録の特級呪霊
未登録の特級呪霊について解説します。
少年院の特級仮想怨霊(名称未定)
出典: jujutsukaisen.jp
少年院で非術師数名が目視で確認した呪胎が変態を遂げ、特級呪霊として出現しました。緊急事態を受け、虎杖悠仁、伏黒恵、釘崎野薔薇の3名の高専一年生が派遣されましたが、虎杖悠仁らは圧倒的に実力不足でした。伏黒恵が釘崎野薔薇と脱出した後、虎杖悠仁は宿儺を呼び出し、宿儺が特級呪霊を倒しました。
少年院の特級呪霊は、宿儺の指を取り込んでおり、生得領域を展開できるものの、それは術式が付与されていない未完成の領域でした。
少年院の呪霊の出現は、宿儺の器である虎杖の力を確かめるために、羂索によって仕組まれた可能性が高いと考えられています。同じ特級呪霊でも実力には差があり、この呪霊は生まれたばかりで未熟で宿儺には「蟲」呼ばわりされるほどでしたが、それでも虎杖たちにとっては脅威でした。
原作では名称不明でしたが、ファンパレでは、「特級呪霊・甲」という名称がつけられていました。
八十八橋の特級仮想怨霊(名称未定)
出典: jujutsukaisen.jp
八十八橋の特級呪霊は少年院の特級呪霊と見た目が酷似していましたが、別個体の特級呪霊です。伏黒恵は、その呪霊が少年院のものとは比較にならないほど強力であると判断し、戦闘に挑みました。
伏黒恵は日々の鍛錬によって著しく成長しており、鍛錬の成果を発揮しました。伏黒恵は領域展開を成功させ、最後は玉犬(渾)の一撃で胸を貫かれ、八十八橋の特級呪霊は祓われました。
原作では名称不明でしたが、ファンパレでは、「特級呪霊・乙」という名称がつけられていました。
漏瑚
出典: jujutsukaisen.jp
漏瑚は、地震や火山などの自然災害に対する人々の恐れや憎しみといった負の感情が蓄積し、具現化した呪霊です。人間を嘘偽り存在で真の人間ではないとして憎んでいます。
真に純粋な人間である呪霊こそが世界を支配すべきだと考えており、そのために人間を排除しようと企んでいます。
花御、真人などの他の呪霊たちをまとめ、リーダーシップを発揮する存在です。計画では漏瑚自身が生き残らなくても呪霊が人間となっていればいいと考えています。自身では力不足であるため、羂索と協力して計画を進めています。
非常に強力な呪霊で、宿儺の指8~9本分に匹敵する力を持つとされています。炎を操る能力を持ち、火礫蟲(かれきちゅう)や領域展開「蓋棺鉄囲山(がいかんてっちせん)」を使用します。
五条悟には敵いませんでしたが、他の多くの呪術師を圧倒する力を持っています。渋谷事変では、禪院直毘人、禪院真希、七海を一瞬にして倒すという圧倒的な実力差を見せつけました。
宿儺との戦いでは宿儺に、
『多少は楽しめたぞ人間 術師 呪霊 千年前戦った中ではマシな方だった 誇れ オマエは強い』
出典: 呪術廻戦14巻第116話
と言わせるほどの実力でしたが、敗北し消滅しました。
陀艮(だごん)
出典: x.com
陀艮(だごん)は、海から生まれた呪霊であり、最初は臆病な性格でかわいらしい姿でした。
仲間である花御(はなみ)の死をきっかけに怒り、変態を遂げ、凶暴化しました。水と式神を操る能力を持ち、強力な領域展開を使用します。
領域展開「蕩蘊平線(たううんへいせん)」は、南国の砂浜のような空間を作り出し、領域内では陀艮が有利に戦えます。術式解放「死累累湧軍(しるるゆうぐん)」は、際限なく湧き出る式神を操り、必中の攻撃を繰り出します。
戦闘直後は禪院直毘人に圧倒され、陀艮は追い詰められていました。追い込まれた陀艮は領域展開を試みます。
通常は手で印を結びますが、妨害されたため、腹部に呪印を描いて発動しました。領域内では陀艮が形勢逆転し、禪院直毘人らを追い込みました。そこに伏黒甚爾(ふしぐろとうじ)が現れ、陀艮は祓われてしまいました。
花御(はなみ)
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花御は、森から生まれた特級呪霊です。温厚で丁寧な性格ですが、京都姉妹校交流会での乱入から呪霊らしくなっていきました。植物を自在に操る能力があり、植物の生命力を呪力に変換し、枝や花などを攻撃や防御に利用します。
美しい花畑で相手の戦意を喪失させたり、呪いの種子で呪力を吸収したり、供花で強力な攻撃を繰り出したりします。
渋谷事変では、偽夏油の五条悟封印作戦では、脹相(ちょうそう)、漏瑚と共に五条と対峙しました。花御は、領域展延で善戦するも、力の差は大きく、弱点を突かれて敗北しました。
真人(まひと)
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真人は人が人を恨み恐れた腹から生まれた特級呪霊で、継ぎ接ぎだらけの青年の姿をしています。呪霊が人間になりかわる新しい世界を目論むリーダー格として、羂索と手を組み、行動します。真人は生まれたばかりの呪霊であり、子供のように好奇心が旺盛です。驚異的な学習能力を持ち、戦いの中で凄まじい成長を遂げます。
領域展開「自閉円頓裹(じへいえんどんか)」は、相手に触れずに無為転変を必中できる必殺の技です。
「無為転変(むいてんぺん)」は、相手の魂に触れて形状を操作し、肉体を自在に変形・改造する能力で、自身の肉体も変形できる術式です。領域展開「自閉円頓裹(じへいえんどんか)」は、相手に触れず、領域内にいる相手に無為転変を必中できます。
魂の形を知覚している者しか真人に攻撃を当てることができません。魂の形を知覚している虎杖悠仁は真人の天敵です。
渋谷事変では七海建人(ななみけんと)を殺害し、虎杖と釘崎野薔薇(くぎさきのばら)に追い詰められるが、野薔薇に無為転変で戦闘不能にしました。虎杖は戦意喪失状態でしたが、東堂葵(とうどうあおい)の激励で立ち直った虎杖との激闘の末、真人は敗北してしまいました。
最期は羂索に助けを求めましたが、呪霊操術で吸収されてしまいました。人外魔境新宿決戦後、魂の通り道で両面宿儺(りょうめんすくな)と出会い、生まれ変わったら違う生き方もあると告げられます。真人は呪霊らしくない発言をする宿儺に憤りを感じました。
禪院直哉(死後呪霊化)
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禪院直哉は真希に敗北後、真希の母親に呪力のない包丁で刺殺され、呪霊として復活しました。芋虫のような姿をしており、変態後はサナギから触手が生えたような姿に変わりました。本来敵対術師に止めを刺す時は死後呪いに転ずることを防ぐために呪力で殺さなくてはなりません。
生前特別一級術師であったこともあり、呪霊となったことで投射呪法を強化し、領域展開まで獲得しました。直哉の領域展開「時胞月宮殿(じほうげっきゅうでん)」です。時胞月宮殿は投射呪法を付与した領域であり、領域内の者は1/24秒で動きを作ることを強制されます。細胞レベルで動きが制御されるため、少しでもズレると体が崩壊し、無理に動こうとすれば体がバラバラになってしまいます。
死滅回遊では、桜島コロニーで泳者として出現しました。真希と加茂憲紀、三代六十四、大道鋼と交戦になりました。真希らを苦戦させていましたが、真希が三代六十四との相撲の中で成長したことで禪院直哉は劣勢になり、祓われました。
禪院直哉はこっち側に来たと発言しています。これは、彼が憧れていた五条悟や伏黒甚爾と同じ領域に達したことを示唆しています。等級は判明していませんが、4人がかりでも苦戦していたことを踏まえて、特級呪霊レベルの実力があると考察できます。
登録不明
登録の有無について詳細が判明していない特級呪霊について解説します。
特級叛霊「悪路王大獄(あくろおうおおたけ)」
特級叛霊「悪路王大獄」は羂索が使役している特級呪霊の内の一体です。
死滅回遊中、羂索が泳者(プレイヤー)を排除してコロニーを回っていました。その際、泳者である高羽と遭遇し、交戦に発展します。
しかし、高羽と羂索の交戦はお笑い対決のようなものでした。特級叛霊「悪路王大獄」は出現させた瞬間、トラックに引かれて高羽に祓われました。
アジアの呪い(名称不明)
アジアの呪いは羂索が使役している特級呪霊の内の一体です。
米国の大統領らとの交渉中に呪術師の強さを見せつけるために出現されています。あらゆる障害を取り除く術式を持っており、術式対象に概念が絡む特級呪霊であると羂索は九十九由基に説明しています。しかし、九十九由基の「凰輪(ガルダ)」の一撃で祓われました。
まとめ
以上、呪術廻戦で登場する特級呪霊に関する既出情報についてまとめました。
特級呪霊とは、人間の負の感情や恐怖から生まれた強力な存在です。その力は個体によって差がありますが、いずれも強大な力で物語に大きな影響を与えています。また、人間のように思考し、独自の哲学を持つ呪霊も存在することが本作の魅力の一つです。
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