本記事では、『呪術廻戦≡モジュロ』第14話『兄として』のあらすじ、主要登場人物、そして作品世界に深く関わる謎や考察について詳しく解説します。
目次
第14話のあらすじ
シムリア人と日本人との間で決闘が避けられない状況の中、憂花は自身の命を懸けた縛りを発動し、ダブラと戦うことを決意します。その決闘へと向かう裏で、真剣はマルへの接触を試みます。
憂花の決意
憂花は命を懸けた「縛り」を課すことで、呪力や術式を強化し、ダブラとの決闘に臨むことを決意しているそうです。病気による余命のこともあり、「もうすぐ死ぬなら、せめて誰かのために」という想いがありました。
真剣とマルの対峙
真剣は、憂花の命を無駄に使わせたくないという思いから、マルに地球から出ていくよう懇願します。
しかし、マルはこれを拒否し、これまでの柔和な態度から一転、鋭い眼差しで真剣に地球からの退去を要求するマル。これにより、マルと真剣の関係は完全に破綻したような描写がされます。カリヤンと呪霊に関する問題は、すでに妥協点を見いだすことが困難な状況です。
マルの戦士としての使命
マルは、好戦的と思われていたクロスから見ても「おかしい」と感じられるほど、戦士としての使命を胸に宿していました。
父が遺したものが「ただの石」だったから、戦士としての役割を見失ったことの怒り、ダブラとドゥーラの決闘でダブラが手を抜いたことに対しての怒り、それらは戦士としての使命に囚われていたとマル自身が実感していました。
真剣 vs マル
真剣とマルの主張がぶつかり合い、憂花とダブラの決闘がもうすぐ行われる裏で、真剣とマルの戦いが始まるところで14話の幕を閉じます。
第13話の解説・考察ポイント
マルの過去と「戦士」としての側面
マルは、双子の弟であるクロスと比較しても、「戦士」としての使命に異常なまでの執着を見せます。
過去の回想では、
クロス「オマエ おかしいよ」
出典: 呪術廻戦≡モジュロ 第14話
とマルを評する場面もありました。
以前、マルが気絶した際に発現した術式での戦い方も、彼の内面に秘められた狂気じみた戦士の本性が表出したものと推察されます。彼は「私は戦士なのだから!!」と主張し、戦士の役割は女子供を守ることであると認識しています。
「兄」としての葛藤
真剣の妹の命を守る決意
出典: x.com
真剣は、妹である憂花の命を守ることに強い決意を示します。
マルに対し、
乙骨真剣「頼む シムリアのみんなを連れて地球から出ていってくれ」
出典: 呪術廻戦≡モジュロ 第14話
と主張し、そしてその後にまっすぐに「出てけ」と命令形で告げる姿は、兄としての強い覚悟を物語ります。
彼は「余命が三ヶ月しかないなら三ヶ月生き切って欲しい」と語り、妹の命を案じる気持ちが深く描かれています。
地球代表としての立場との乖離
真剣の行動は、兄としては共感を呼ぶものの、地球全体の代表の一人としては悪手であるという見方も存在します。
例え、この状況でマルに勝利したとしても、それが直接的な解決に繋がるわけではなく、妹の覚悟を無視してでも命を守ろうとする姿勢は、彼の「兄」としての純粋な感情を示しています。
二人の兄
真剣もマルも、同じ兄です。兄同士、譲れないモノからあるからこそぶつかってしまう。
真剣は憂花を最優先に案じています。しかし、マルはクロスのことも案じていますが、それよりもシムリアの女子供を案じているように見えます。これは二人の兄としての対比、地球人とシムリア人の違い、そしてマルの戦士としての使命に囚われていることを描写しているのだと思われます。
マルが抱く宇宙への恐怖と「カリヤン」への固執
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マルはシムリア人全体が、
マル「このまま何処にもたどり着けず 暗い宇宙の塵になるんじゃないかと」
出典: 呪術廻戦≡モジュロ 第14話
という根源的な恐怖を抱いていることを示唆します。
その上で、地球に存在する呪霊を彼らの信仰対象である「カリヤン」と同一視し、その駆除に強く反対します。
この認識はオスキたちだけでなく、ルメル族全体の共通認識であると見られ、地球人側との妥協点を見出すことを困難にしています。一方で、母星のカリヤンを見捨ててきた過去がありながら、地球の呪霊に固執する姿勢は、地球人側から見ると矛盾していると受け止められます。
シムリア人の高度な技術力
シムリア人の高度な宇宙航行技術と、近代国家とはかけ離れた社会形態の間に存在する文明レベルの不自然さは、マルとクロスの術式が宇宙船建造に関与しているからだと思われます。
今後の物語の行方
出典: www.youtube.com
真剣とマルの直接対決、そして憂花とダブラの決闘という二つの大きな戦いが同時に進行する可能性が高く、物語は緊迫した局面を迎えています。
クロスが意識不明である現状において、マルが地球側に捕縛されたり、万が一の事態で船を制御できる術式持ちがいなくなった場合、シムリア人全体が地球から離れられなくなるという深刻な問題が生じる可能性が考えられます。
現状では、「呪霊はカリヤンではない」という根本的な誤解が解消されない限り、地球人との共存ルートは極めて困難であると推測されます。今後の展開では、虎杖など第三者の介入が状況を打開する鍵となると考えられます。
複雑なテーマの着地点
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芥見下々先生がこの複雑なテーマをどのようにまとめきるのか、不透明なままとなっています。
物語は半年ほどの予定で現在折り返し地点とされていますが、残りの期間で収集がつくのか気になります。真剣の「出てけ」という直球な意志表明は、作者もこの状況の異常性を認識して描いているのだと思われ、どう着地するのか期待して読んでいきましょう。
まとめ
『呪術廻戦≡モジュロ』第14話「兄として」は、憂花とダブラの決闘、そして真剣とマルの直接対決という、二つの大きな衝突が描かれることで、物語の緊張感を最大限に高めました。
特にマルが「戦士」としての過去と、呪霊をカリヤンと同一視する強い認識を持っていることが明らかになり、地球人側との融和が極めて難しい状況にあることが示されました。
融和の鍵であったクロスの不在が事態をさらに複雑化させ、双方の「兄」としての強い思いが、かえって破滅的な結末へと向かわせる可能性を孕んでいます。今後の物語は、この解決困難な対立がどのように着地するのか、その展開に注目が集まります。

















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