1996年に発売されて以降様々なシリーズや実写映画が制作されてきた『BIOHAZARD(バイオハザード)』のストーリーについて考察します。この記事では『BIOHAZARD REVELATIONS(バイオハザード リベレーションズ)』についてまとめています。
記事:chiro
目次
作品の概要
BIOHAZARD REVELATIONS(バイオハザード リベレーションズ) |
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出典: www.capcom.co.jp |
発売:2012年1月26日 |
操作可能キャラ:ジル・クリス・クエント |
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舞台:主に豪華客船クイーン・ゼノビア |
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敵:テロ組織「ヴェルトロ」 |
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登場B.O.W:ハンター(透明化)・ギオッゾ・ドラギナッツォなど |
リベレーションズ概要
『BIOHAZARD REVELATIONS(バイオハザード リベレーションズ)』は時系列で言うとバイオハザード4と5の間にあたりますが、発売されたのは5発売から3年後で、本編から少し離れた番外編にあたります。
アンブレラ社崩壊後に建設された地中海の海上都市「テラグリジア」で起きた、テロ組織「ヴェルトロ」によるバイオテロを発端とするミステリー仕立てになっており、エピソードをクリアするごとに「ここまでのバイオハザード リベレーションズ」というナレーションとともにクリアしたチャプターのハイライトシーンが流れるなど、映画やドラマのように物語を楽しみながら進めることができます。
大まかなストーリー
テロ組織「ヴェルトロ」によるバイオテロで収集のつかなくなった海上都市「テラグリジア」の対策として、アメリカの対バイオテロ部隊「FBC」の長官モルガンは、太陽光集積システム「レギア・ソリス」を兵器に転用して海上都市もとろも感染を焼き払い滅菌する方法を提案。サポートしていたNGO団体「BSAA」代表オブライエンの反対を押し切り実行し、事態は収束します。
この事件はのちに「テラグリジア・パニック」と呼ばれます。
『バイオハザード リベレーションズ』はこのテラグリジア・パニックから1年後、BSAAにヴェルトロが復活しているとの情報がもたらされるところから始まります。
ジル、パーカーとともにテラグリジアのあった海周辺の調査をしていたオブライエンの元に、ヴェルトロの拠点があるという北欧の雪山に向かったBSAA隊員クリスとジェシカが消息不明になったとの連絡が入ります。そこで今作の主人公であるジルはパーカーとともに最後に通信が途絶えた座標へと向かうのですが、雪山に向かったはずのクリスたちの消息が途絶えた場所は、なぜか地中海の海上に浮かぶ豪華客船「クイーン・ゼノビア」だったのです。
このクイーン・ゼノビアを主な舞台として、ジルチーム、クリスチーム、クエントチームはテロ組織「ヴェルトロ」復活の真実へと近づいていくのでした。
主な登場組織と登場人物
登場組織
BSAA |
・代表:オブライエン ・アンブレラ社崩壊後にB.O.Wが流出されるのを防ぐため設立された民間団体。 ・のちにFBC解散などを受けて国連管轄下の公的組織として再編される。 |
FBC |
・長官:モルガン ・アンブレラ社時代にアメリカ合衆国政府が裏でアンブレラと癒着しB.O.W.の取引をしていたことを公にしないために国により設立された対バイオテロ部隊。 |
テロ組織「ヴェルトロ」 |
・海上都市テラグリジアの開発に反対していたテロ組織で、テラグリジアにて大規模なバイオテロを行なった。 ・テラグリジア壊滅後にFBCによって掃討作戦が行われ、壊滅が発表されたはずだが・・・? |
登場人物
ジル・バレンタイン【BSAA】 |
・バイオハザードシリーズでは第1作目から5までの期間登場する主要な人物。 |
クリス・レッドフィールド【BSAA】 |
・バイオハザードシリーズでは第1作目から6までの期間(断続的に)登場する主要な人物。 |
クエント・ケッチャム【BSAA】 |
・BSAA所属のコンピューターの知識などに精通したエージェント。 |
クライヴ・R・オブライエン【BSAA】 |
・BSAA代表。 |
モルガン・ランズディール【FBC】 |
・洋館事件を機に国が設立した対バイオテロ組織FBC創設者にして長官を務める。 |
考察1:テロ組織「ヴェルトロ」復活か?
ヴェルトロ復活の情報を得たBSAAがクリスとジェシカを雪山にあるヴェルトロの拠点へ向かわせたものの消息不明に。手がかりとなる最後に通信が途絶えた座標にジルとパーカーが向かうわけですが、それは何者かの罠であることが明らかになります。
クリスたちは依然雪山にいるものの通信障害でしばらく連絡ができなかったとのこと。そしてその雪山で目にしたのは、ベルトロの旗。やはりベルトロ復活は真実なのでしょうか?
ヴェルトロがジルたちを豪華客船クイーン・ゼノビアへと誘導したのでしょうか?真相のわからぬまま、今度は逆に消息を断ったジルとパーカーを救うため、クリスとジェシカが地中海に浮かぶクイーン・ゼノビアへと向かうことになります。
考察2:謎の出現「レイモンド」
船内を調査するジルとパーカーの前に、パーカーのFBC時代の部下レイモンドが現れます。レイモンドはパーカー、ジェシカとともにテラグリジア・パニックの当日、最後まで街で戦い続けたFBC隊員でした。余談ですがFBC時代のジェシカは今作の色気ムンムンな見た目よりは少し幼なげなボブカット姿でした。ボブカット姿でもあの可愛さはそのままで、かなりの可愛いオーラを放っていた印象です。
FBCのレイモンドがなぜその船にいたのか、何を目的としているのかわからぬまま「奴ら(ヴェルトロ)の望みは「”テラグリジア・パニック”の真実とその裁きだ」と言い残しその場を立ち去ってしまいます。
何かを知っているふうなレイモンドですが、この時点ではまだ敵なのか味方なのかわかりません。(ちなみに全クリしても敵なのか味方なのかわかりません。笑)
考察3:コミカルなキース&クエントのパート
ベルトロによる犯行声明がなされたことをきっかけにBSAA本部にいたキースとクエントがヴェルトロの背後関係を調べるため、ヴェルトロのアジトがある雪山のヴァルコイネン・モッキ空港へと向かいます。
コンピューターおたくのクエントとツッコミ役のキースとのやりとりが、しばしの間ここまでの緊張を和らげてくれます。とはいえこの辺りから透明化するハンターが登場するため、慣れないうちは戦闘に苦戦する場所でもあります。
クエントの知識とキースの活躍により、墜落した航空機に搭載されていたコンピューターから組織の中枢ネットワーク侵入に成功。ジルたちのいる豪華客船クイーン・ゼノビアの位置を突き止めようと墜落機のコンピューターにアクセスするのですが、なぜかすでに船の位置を割り出すための計算がなされた後でした。
つまりは“ヴェルトロがヴェルトロの船の位置を計算して割り出し、ヴェルトロのアジトを出てて向かおうとしていた”?ということになるわけです。
さらにコンピューターの解析を進めたクエントは、ついに真実に気が付きます。BSAA本部にいる代表オブライエンに電話をかけ、真実に気づいたことを報告し、データを送信しようとするのですが、その最中建物もろとも空爆に襲われてしまいます。
考察4:クイーン・ゼノビアの真の姿
BSAA代表オブライエンへの電話の内容から、このヴェルトロ復活劇にはオブライエンが大きく関わっていることがわかるのですが、オブライエンの目的は一体何なのか?謎が謎を呼ぶ展開の中、さらに畳みかけるように状況は急変します。
※ここまでに、クリスとジェシカが向かった船にはジルとパーカーはおらず、そこは「クイーン・ゼノビア」と全く同じ造りをした姉妹船「クイーン・セミラミス」だったという流れがありますがこの記事では端折ります。
クイーン・ゼノビアで調査中のジルが見つけた工作員の日記によると、クイーン・ゼノビアの真の姿はB.O.W.研究施設であり、海洋生物に影響を与えるウィルス「t-アビス」が積まれたままの状態だったのです。事態を知ったFBC長官のモルガンは過去のテラグリジア同様、太陽光発電システムを使用してジルたちがまだ残る船ごと焼き尽くそうと「レギア・ソリス」を起動するのでした。
ここでここまでの展開を整理すると、
・では誰が犯行声明を?
・ヴェルトロに復活されると困る人物がいる。
・そいつを誘い出すために「ヴェルトロ復活」が捏造された?
ということになります。
このへんになると少し話がややこしくなってきて、長い時間かけてゲームをやっていると、あれ、結局どういうことだっけ、となることも多いのでまとめてみました。次の「ネタバレ考察」に、上記4つの項目の答えを書いておきますので「真実は自分で確かめたい!」という方はここで読むのをやめておくことをお勧めします!
考察5:テラグリジアの真実(ネタバレ考察)
クイーン・ゼノビアのt-アビス研究施設たどり着いたジルとクリスの前に、ついに黒幕であるFBC長官モルガンが姿を表します。(姿を現すといってもモニターでオンライン登場ですが。)
もうおわかりですね、FBC長官のモルガンはテロ組織ヴェルトロと手を組み、B.O.W.の研究を行っていたのでした。そしてテラグリジアは大規模な人体実験のデータ集めと証拠隠滅、ヴェルトロの殲滅のために利用された、仕組まれた事件だったのです。
ここでテラグリジア・パニックと今回のヴェルトロ復活劇の真実について筆者の考察を表にまとめてみますね。
・「ヴェルトロ復活」はねつ造だった? |
はい、FBC長官モルガンを炙り出すためにBSAA代表オブライエンが仕組んだ偽の情報でした。 |
・では誰が犯行声明を? |
テラグリジアパニック以降もFBCに残るレイモンドはモルガンの裏の顔に気付いていました。レイモンドとオブライエンと手を組み実行した作戦の主犯者なので、ヴェルトロのふりをしていたのはレイモンド君です。 |
・ヴェルトロに復活されると困る人物がいる。 |
FBC長官モルガンはヴェルトロを利用するだけ利用して裏切ったのですが、知恵の働くヴェルトロの指導者ノーマンはモルガンと手を組んでいた証拠となる映像を残していました。復活されてヴェルトロとの癒着を公にされるわけにはいかないというわけです。 |
・そいつを誘い出すために「ヴェルトロ復活」が捏造された? |
そうです。そしてまんまと誘いに乗って、証拠隠滅、さらには目障りなBSAAもろとも消し去ろうと「レギア・ソリス」を起動し、丁寧にモニター越しに自白までしてくれたのです。 |
・ジェシカはどこへ消えた? |
ジェシカちゃんはミステリーのドキドキ展開に欠かせない役目を担っているためこの記事ではノーコメントとさせていただきます。 |
・パーカー、レイモンド、キース、クエントのその後は? |
全員エンディングとその後のエピローグ的映像に出てきます。みんな生きています。 |
自白をしたモルガンがその後どう動くのか、物語もクライマックスを迎えます。
決定的証拠を目前に、モルガンによる工作でBSAAは「ヴェルトロとの共謀容疑」として拘束されてしまいます。モルガンの勝利…と思われましたが、拘束される前オブライエンはジルとクリスへ最後の指示を出します。キースとクエントが最後に送信したデータは、1年前テラグリジアの底に沈んだもう1隻の豪華客船「クイーン・ディード」が存在するとの情報でした。
沈んだクィーンディードに果たしてモルガンの悪行を証明する証拠はあるのか?クィーン・ディードの存在をモルガンがこのまま放置しておくわけもなく、当然FBC隊員も向かっているはず…。(全員証拠の映像を回収することもできず船の中で死んでしまっていました)
そこには、モルガンによる裏切りを恨み、決して許さない「ヴェルトロ」の執念が待ち受けているのでした。以上の考察を踏まえて、オブライエンが自身の進退をかけて実行した作戦の結末をゲームでお楽しみください!
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