本記事では、『呪術廻戦≡モジュロ』第7話『奪われた者達』のあらすじ、主要登場人物、そして作品世界に深く関わる謎や考察について詳しく解説します。
本記事では、呪術廻戦本編の単行本最新巻と『呪術廻戦≡モジュロ』第7話までのネタバレを含んでいるのでご注意ください。
目次
第7話の物語あらすじ
クロスと真剣
第7話は、逃げた呪詛師が宇佐美が追い詰めるところから始まります。宇佐美の呪言により、動けなくなった呪詛師が一方的にやられてしまいました。
一方、マルを抑えたクロスは真剣に対し、「隣人とは何か」を問いました。そして、「人間が人間でいるためになくてはならないものは、生まれた時からすべて揃っているものと隣人にはなりたくない」と…。
傷ついたマルはシムリア人側で治療すると言い残し、第三の目の部分のガーゼを剥がします。
遊園地へ
病院に運ばれた真剣と憂花。マルがお見舞いに来ていたところ、元々約束していた遊園地へと三人で行くことになります。実はこのマルはクロスであり、真剣、憂花、クロスの三人で遊園地へと行きます。
色々なアトラクションを楽しんでいると、迷子を見つけます。迷子の男の子に対し、クロスと憂花は宙返りで楽しませている間、迷子の男の子はお母さんに見つけられ、お礼にハロウィンの風船をもらいます。
日本人とシムリア人の信仰
ハロウィンのことから、日本人は信じる神はいないのかとクロスは問います。
憂花は「少なくとも自分にはいない」と言い、踏み絵に対して「死んじゃったら元も子もない」と言ってしまいます。しかし、クロスは「奪われた者には奪うという選択肢が強く残る」と憂花に伝えます。
その後、憂花はクロスについてきてほしい場所があると頼みます。
憂花の余命
クロスに一緒についてきてほしいと憂花が頼んだ場所は「京都総合医療センター」。そこで、憂花は余命が半年と宣告されてしまいます。
ここで憂花はクロスの「奪うという選択肢」に対するアンサーとして、「奪われた人から更に奪うの?」と問います。クロスはそれは綺麗事だと言い返し、顔色を伺い続ける惨めな生活をするくらいなら奪うと…。
しかし、憂花はそんな簡単なことじゃなくて、私達で終わりにしようと綺麗事を貫き通す覚悟を示したところで第7話は幕を閉じます。
主要キャラクターの動向と考察
クロスと憂花の対立と関係性の変化
本話では、憂花とクロスとの関係性が大きく進展しました。
これまで地球人に対して厳しい態度を示してきたクロスですが、第7話では憂花や真剣との交流を通じて、地球人への敵対心と同時に興味を抱いていることが描かれました。マルを真似た姿で二人に接触し、遊園地を楽しむ姿からは、彼の印象が意図的にコントロールされている様子が伺えます。
迷子の子供に対するクロスの「親が死んだわけでもあるまいし」という言葉は、彼の両親に関する過去を示唆しており、彼の厳しい態度の背景には、自身が「奪われた者」であるという強い感情が存在していることが読み取れます。
言葉が通じない子供と心を通わせるクロスと、日本語で会話できるにもかかわらず、シムリア星人と真の信頼関係を築けていない美野さんを含む地球人との対比は、大人間の関係性の難しさを浮き彫りにしています。
奪われた者
クロスは「奪われた者に奪う権利があるとは思わん」「だが奪われた者には奪うという選択肢が強く残る」という複雑な感情を抱いています。
他にも本編から吉野順平、夏油傑、禪院真希といったキャラクターも、奪われた経験から奪う選択肢に直面した背景を持つことから、そんな簡単なことで終わらせていけなかったことに対してのアンサーとも言えるでしょう。
特に、憂花が真希の孫であるという設定を考慮すると、憂花がこの考えを安易に否定できない複雑な立場にあります。
真人の登場と虎杖悠仁の生存について
出典: jujutsukaisen.jp
前回の戦いで気絶した真剣が目覚める際に見た幻影は、その特徴的な顔のツギハギから真人である可能性が高いです。真人が「アイツ」を未だに待ち続けている描写は、それが虎杖悠仁を指すのであれば、虎杖がまだ存命である可能性を強く示唆しています。
出典: twitter.com
しかし、第1話で「それを平定した五条悟や虎杖悠仁をはじめとする傑物達が今の日本にいるか?」と語られていることから、虎杖は表向きは死亡したことになっているか、あるいは消息を絶っている状態であると推測されます。
真剣が死にかけていたことが真人に気づかれるきっかけとなったのか、真剣自身が虎杖と何らかの関係があるのか、あるいは呪術師であるが故に真人の領域に触れたのか、その理由は明確にはされていません。
憂花の病状と医療技術への疑問
憂花が脳の悪性腫瘍により余命半年であることが判明しました。この急な展開は、死が目前にある憂花の言葉に説得力を持たせ、頑ななクロスの心を揺るがす大きな要因となりました。
しかし、2086年という時代設定にもかかわらず、日本の医療技術で腫瘍を治せないことに対しては、少々違和感を感じます。
五条悟が反転術式で脳を治癒したり、その応用で腫瘍も治療できないのか、あるいは硝子のような術師が治療法を確立していないのかと考察できますが、当時の傑物達のような人が現れていないからなのかもしれません。
また、憂花の病気が単なる病気ではなく、人為的な原因による「人災」である可能性も示唆されており、これがクロスの主張とどのように絡んでくるのかが注目されます。
第7話で示唆された今後の展開と伏線
シムリア星人が被った「人災」の背景
クロスは、シムリア星人が被った被害を「人災だ!!病気や不慮の事故とは違う!!」と強く主張しています。
出典: x.com
この「人災」の具体的な内容はまだ不明ですが、地球人との関係性、特に日本人の負の感情や呪霊の発生メカニズムと関連している可能性があります。シムリア星人には信じる神がおり、「隣人」の観念が彼らの教えとして広く伝わっていることから、彼らの信仰と「人災」の間に何らかの関連があるのかもしれません。
地球人との間の真の信頼関係が築けていない現状は、この「人災」の解決をさらに困難にしていると考えられます。
宇佐美と狗巻家の血縁関係
出典: twitter.com
宇佐美が呪言を用いて呪詛師を止める場面は、その呪言の強力さはものすごいものでした。
宇佐美が本編未登場の宇佐美の子供と狗巻先輩の子供の、さらにその子供にあたるのではないかという推測ができます。これが事実であれば、狗巻家の呪言が遠い未来まで継承されていることになり、その血統の強固さが示唆されます。
2086年の日本の呪術界と国際情勢の考察
作中の描写で「戦後、大国に敷いてもらった道程で平和を享受してきた人間」という言葉があります。
2086年の世界において、なぜ日本が日本人しか使えない呪術でアメリカのような大国に勝てなかったのか、あるいは呪術が国際政治にどのように影響しているのかといった、呪術と国際関係に関する深掘りの可能性があります。
また、渋谷事変から68年が経過した2086年にハロウィンが催されていることから、それだけ日本が平和を取り戻したことの象徴であるとも考えられます。
まとめ
『呪術廻戦≡モジュロ』第7話「奪われた者達」は、真人の再登場による虎杖悠仁の生存示唆、クロスと憂花の人間関係の深化、そして憂花の余命半年という衝撃的な事実が明らかになった回でした。
特に、クロスが抱える「奪われた者」としての感情と、憂花の病がその感情に与える影響は、物語の核心に迫るテーマとして描かれています。2086年の日本を舞台に、呪術という超常的な力と、人間の倫理、信仰、そして「奪う」という選択肢が複雑に絡み合う本作の今後の展開に、引き続き注目が集まります。
記事の間違いやご意見・ご要望はこちらへお願いします。