この記事は、『呪術廻戦』に登場する「夜蛾正道」について、東京都立呪術高等専門学校の学長として、強面な見た目とは裏腹に教え子たちを深く想う教育者であり、「傀儡呪術学」の第一人者として知られています。
彼の人物像、強力な術式と彼が生み出した呪骸(パンダを含む)、彼の死の真相、さらには内通者説の真偽まで、作中で描かれた情報を基に深く考察します。
本記事は、単行本最新巻のネタバレを含んでいるのでご注意ください。
目次
夜蛾正道の死とその背景
夜蛾正道は、『呪術廻戦 17巻 第147話』において、「渋谷事変」後に呪術総監部によって死罪を決定されました。五条悟と夏油傑をそそのかしたという虚偽の罪状をかけられたためです。
彼は上層部の監視下から逃れ、死ぬ前にパンダに会うため動きましたが、京都校学長である楽巌寺嘉伸の攻撃によって命を落としました。
夜蛾とパンダの想い
楽巌寺は上層部の命令に従い、夜蛾の死刑執行人として現れました。夜蛾は完全自立型人工呪骸の作製方法を明かせば死罪を免れる状況でしたが、これを拒否します。
しかし、瀕死の状態で彼はその作製方法を楽巌寺にのみ明かし、
夜蛾正道「呪い…ですよ。楽巌寺学長。私からアナタへの呪いです。」
出典: 呪術廻戦 17巻 第147話
という言葉を遺して息を引き取りました。この「呪い」とは、危険な完全自立型人工呪骸の情報をどのように扱うかは楽巌寺に委ねる、という夜蛾からの信頼と、呪術界の未来を託す意志が込められているいます。
夜蛾の死後すぐ、パンダは仇である楽巌寺を素通りし、夜蛾の遺体に近づきました。そして、
パンダ「だが、これだけは覚えておけ。パンダだって泣くんだ。」
出典: 呪術廻戦 17巻 第147話
と呟き、大粒の涙を流すシーンは、二人の間にあった強い絆を示しています。
完全自立型人工呪骸の秘密
完全自立型人工呪骸について
出典: jujutsukaisen.jp
夜蛾正道は「傀儡呪術学の第一人者」として、特に「完全自立型人工呪骸」と呼ばれる特異な呪骸を生み出すことができました。これは、通常の呪骸が術師から与えられた呪力を消費するのに対し、呪力そのものがパンダ自身のものであり、自己補完が可能という特徴を持ちます。
完全自立型人工呪骸の作製方法
パンダのような完全自立型人工呪骸の作製方法は、第147話で以下の手順を踏むことが明かされました。
- 肉体の情報から魂の情報を複製し、その情報を呪骸の核に入力する
- 相性の良い魂を宿した核を三つ用意し、一つの呪骸に内蔵する
- これら三つの魂が常にお互いを観測し続けることで魂が安定し、自我が芽生える
- 生後3ヶ月を過ぎた頃に呪力の自己補完を始める
夜蛾は完全自立型人工呪骸を意図的に造れば容易に呪骸の軍隊を作ることができてしまうため、呪術界上層部から危険視され、特級呪術師クラスの力を持っていることから、無期限拘束される寸前の事態に陥りかけました。
この際、彼は「作り方を知らない」とシラを切って答えることで拘束を免れていました。
パンダは夜蛾の「息子」説
出典: www.youtube.com
作中で夜蛾がパンダを「息子」と呼び、ファンブックでも「親子みたいな」関係であると語られていることから、パンダの核には夜蛾の実の息子の魂の情報が使われていると読み取れます。
通常の呪骸には1つの核しか存在しませんが、パンダには3つの核が存在し、パンダ核、お兄ちゃんであるゴリラ核、お姉ちゃん核から構成されています。
第185話、鹿紫雲との戦いでゴリラ核とお姉ちゃん核が失われた際には、パンダが3つの位牌を前に悲しむ描写があり、この3つの核が夜蛾の亡くなった子供たちの魂の情報に基づいている可能性も考えられます。
夜蛾がバツイチである事実と合わせると、彼が過去に3人の子供を失い、それが離婚の原因になったと推測することもできます。
日下部の妹のために
出典: jujutsukaisen.jp
また、夜蛾は日下部篤也の妹のために、亡くなった甥の魂の情報を用いた呪骸「タケル」を作った過去があります。これは妹が甥の死によって憔悴しきっていたため、日下部が夜蛾に頼んだことでした。
夜蛾「コイツはオマエの甥ではない。甥の情報を持った何かだ。」
出典: 呪術廻戦 17巻 第147話
と念を押しながらも、彼の優しさからこの禁忌に近い行為を行ったと読み取れるでしょう。
傀儡操術の術式と呪骸
夜蛾正道の生得術式は「傀儡操術」です。これは呪力を込めた物質を動かす術式で、平安時代発祥の「傀儡」の用途が枝分かれし、やがて昇華した「傀儡呪術学」の第一人者として知られています。呪術高専京都校の与幸吉も同じ術式を扱います。
傀儡操術について
傀儡操術の特徴は、緻密な動作が可能な高性能の傀儡を呪力によって自在に遠隔操作できる点です。
出典: www.youtube.com
本体と傀儡は視覚や聴覚を共有し、会話も可能とされます。夜蛾は1級呪術師であり、傀儡操術に膨大な呪力と呪力操作の才が求められることから、高い呪術センスを持つことが示されています。
彼が楽巌寺と戦った際に楽巌寺が所持するギターが真っ二つになった描写があります。中距離を得意とする楽巌寺との間合いを詰め、身体能力のみで善戦した可能性も読み取れます。
呪骸と傀儡の違い
「呪骸」と「傀儡」は似て非なるものです。呪骸は内部に核を宿し、呪いを内包することで自立可能な無生物を指します。
特に人工的な呪骸には、人間の心臓にあたる「核」が内蔵されており、これを破壊された呪骸は自立不能となります。対して傀儡は、核のないものに呪力を流し、術式によって遠隔操作する手法です。呪骸は「内包する呪力による自立」、傀儡は「呪力による遠隔操作」であり、混同すべきではないとされています。
夜蛾が虎杖の呪力訓練に使用した「ツカモト」や、初登場時に使役した「キャシィ」といった呪骸は、愛らしい見た目ながらも高い戦闘力を持ち、呪力修行前の虎杖を苦しめました。
これらの呪骸は「呪術廻戦 公式ファンブック」によると、夜蛾は「カワイイ物は好きだけど呪骸作成の時は特にカワイくしようとは思っていない」とのことです。
内通者説の真偽
夜蛾正道には、呪術界の内通者、つまり裏切り者であるという疑惑が持たれていました。その根拠としては、以下の点が挙げられていました。
- 呪術高専1年生を特級呪霊の任務に派遣できる立場にあったこと。
- 五条悟が夜蛾との会食に向かう途中で特級呪霊・漏瑚に襲撃された際、五条の居場所を知っていたのが伊地知と夜蛾だけと見られていたこと。
- 京都姉妹校交流会時に天元の元に向かっていながら、忌庫に侵入した真人とは遭遇していないこと。
- 死亡した夏油傑の遺体の処理を五条が家入硝子に任せなかったため、家入同様に近しい夜蛾学長に任せていた可能性があり、その結果、遺体が羂索に乗っ取られる一因となったのではないかという推測。
- 歌姫が「内通者は2人以上、1人は学長以上の上層部」と明かしたことで、夜蛾がその人物である可能性。
内通者説の否定
しかし、夜蛾が楽巌寺によって殺害されたこと、そして第191話で羂索が呪術総監部を掌握したことが明らかになったことにより、夜蛾が内通者であった可能性は低いとされています。
真人が侵入した天元の「忌庫」の扉は毎日場所を変える仕様であり、天元しか正解の扉を知らなかったため、たとえ夜蛾がその場所に向かっていても真人と遭遇しなかったとしても不自然ではありません。
上層部に内通者がいたことは確定していますが、それは作中で描写されていない総監部の面々であると考えるのが自然でしょう。夜蛾は自身の信念に従い、完全自立型人工呪骸の作製方法を守るために死を選んだと読み取れます。
夜蛾正道とは?
出典: x.com
夜蛾正道は、東京都立呪術高等専門学校の学長を務める1級呪術師です。サングラスに顎髭、刈り上げヘアの厳つい外見が特徴的です。
しかし、その見た目とは異なり、可愛らしい物やサングラス集めを趣味とし、サングラスをかけ始めたきっかけは学長になったからと「呪術廻戦 公式ファンブック」に記載されています。
項目 |
詳細 |
|---|---|
年齢 |
47歳 |
等級 |
1級呪術師 |
所属 |
東京都立呪術高等専門学校学長 |
趣味 |
グラサン集め、カワイイ物が好き |
好きな食べ物 |
いぶりがっこ |
苦手な食べ物 |
甘い酒 |
ストレス |
五条に直接言えや案件 |
声優 |
黒田崇矢 |
教師としての夜蛾
出典: jujutsukaisen.jp
彼の教育方針は「気づきを与えるのが教育」であり、虎杖悠仁の入学面談では、彼の本音を引き出すために敢えて厳しい問いかけを行いました。かつては五条悟、夏油傑、家入硝子の担任も務めていました。
任務中に「帳」を忘れたり、教師にも馴れ馴れしい態度を取ったりと問題行動の多い五条や夏油に呆れつつも、彼らの実力を認め、「星漿体」護衛任務を任せたことがあります。
夏油の皆殺し事件を五条に通達した際には、
夜蛾「俺も……何が何だか分からんのだ。」
出典: 呪術廻戦 9巻 第78話
とショックを隠せない様子でした。また、夏油を目の前にして殺せなかった五条には「なぜ追わなかった」と言いつつも、責めるのではなく静かに寄り添っています。これらの描写からは、教え子を深く想う教育者としての顔がうかがえます。
夜蛾の人物像
夜蛾は独身呪術師が多い中で、唯一既婚歴がありましたが、現在は離婚してバツ1とのことです。
「呪術廻戦 公式ファンブック」によると、五条悟とは良好な関係を築いており、数少ない五条の理解者の一人です。五条のことを「悟」と下の名前で呼ぶ一方で、虎杖に対しては「虎杖」や「君」と呼んでおり、関係性に応じて一人称を使い分けていると読み取れます。
まとめ
夜蛾正道は、その厳格な外見の裏に温かい教育者としての精神と、可愛らしいものへの愛を秘めた人物でした。彼は「傀儡呪術学」の第一人者として、自我を持ち呪力自己補完が可能な「完全自立型人工呪骸」パンダを創造しました。
パンダは夜蛾の「息子」とも言える存在であり、その誕生には夜蛾がかつて失った子供たちの魂の情報が関わっていると読み取れます。
彼は「渋谷事変」後、上層部の策謀により死罪を決定され、親交のあった楽巌寺学長の手によって命を落としました。しかしその最期に、完全自立型人工呪骸の作製方法を楽巌寺に託し、「私からあなたへの呪い」という言葉を通じて呪術界の未来への希望を繋げたのです。
夜蛾正道は、その人生を通じて多くの教え子に影響を与え、呪術界に大きな足跡を残した人物と言えるでしょう。


















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