本記事では、『呪術廻戦≡モジュロ』第1話『特級事案』のあらすじ、主要登場人物、そして作品世界に深く関わる謎や考察について詳しく解説します。
本記事では、呪術廻戦本編の単行本最新巻と『呪術廻戦≡モジュロ』第2話のネタバレを含んでいるのでご注意ください。
目次
第2話の物語あらすじ
シムリア星人との邂逅
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マルと真剣たちの出会いから少し遡り、京都未来科学館で宇宙人である「シムリア星人」との外交から始まります。
日本とアメリカの関係や、日本の現在の情勢を説明しつつ、シムリア外交特使の「ジャバロマ」と派遣員の「クロス」が地球に降り立ち、日本からは外務大臣臨時代理「宇佐美」と部下の「美野」が邂逅します。
そして、「両面宿儺」と同等のシムリア星人が登場。シムリア星人が本気を出せば国を落とすくらい簡単だと示していました。
真剣たちの想い
真剣たちは、マルが本当に宇宙人かもしれないことを確かめるために、例の呪詛師に色々と聞くことにします。
帳のような結界術で姿を隠し、5万人のシムリア星人を乗せた宇宙船「ナウナクス」が飛んでいること、地球への物資の搬入のために明日の20時、長野県車山高原に宇宙船が近づくことを聞き出し、真剣たちは向かうことにします。
そして、車山高原にて宇宙船を見つけ、そこで決心します。もし、シムリア星人と何があったとしても呪術師だけで何とかしなければいけないことを。
マルとクロス
一方、真剣たちと一緒にいた「マル」と、宇佐美たちと外交した時に登場した「クロス」との会話に繋がります。シムリア星人内部では「対立」か「共生」かで意見が割れており、マルは対立を防ごうと奔走することになりそうです。
そして、ビルの上で突っ立っているクロスに対し、マルと勘違いして話しかけにきた真剣は、冷たくあしらわれて真剣が怒ったところで第2話が幕を閉じました。
シムリア星人と地球人の共存への道
第2話では、シムリア星人と地球、特に日本人との間で展開される外交と共存の模索が詳細に描かれています。両者の認識と目的、そしてその背景にある力が物語の重要な軸となっています。
シムリア星人の目的と内部対立
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地球に難民として訪れたシムリア星人が連れてきた、二本のツノの宇宙人は「両面宿儺並み」の強大な力を有しています。この力をもってすれば地球を侵略することも可能であると認識されていますが、彼らはあえて融和の道を目指しています。
しかし、シムリア星人の内部では、地球と共生するのか、あるいは戦うのかという点で意見が分かれている状況です。マルの地球での調査結果が、今後のシムリア星全体の判断に大きな影響を与えることになります。
シムリア星人が乗る宇宙船「ナウナクス」には約5万人が搭乗しており、これは甲子園球場をイメージさせる規模です。
ナウナクスの外観は、UFOというよりも四角柱の下部にビー玉のような物体が押し込まれた形状をしており、この形状が真人が語った「魂」のイメージを想起させます。
日本側の対応と認識のギャップ
日本側もシムリア星人の強大な力を認識しており、敵対すれば勝利が難しいと判断しているため、共存の道を模索しています。
しかし、シムリア星人の存在やその情報が世間に広く知られているわけではなく、限られた一部の人間のみがこの状況を把握しています。この情報が一般に広まった場合、異なる意見が多く出てくる可能性も示唆されています。
シムリア星人のジャバロマとクロスによる対談の場面では、ジャバロマが日本人に対して日本語で挨拶をするなど、外交上の配慮が見られます。また、ジャバロマの縦に長い頭部は、天元様を想起させます。
諸外国、特に非協力的な米国は、過去に羂索によって米軍が壊滅させられた経験が、物語から外国を排する理由の一つとして考えられています。
主要登場人物の関係性と役割
物語の進展において、マルとクロス、そして乙骨兄妹といった主要な登場人物たちの関係性やそれぞれの役割が重要な要素となっています。彼らの行動や認識が、シムリア星人と地球人の未来を左右する鍵となります。
マルとクロスの双子説と見分け方
第1話から登場しているマルと、今回新たに登場したクロスは、非常によく似た外見をしており、双子または兄弟である可能性が高いとされています。二人の見分け方として、頬に刻まれているマークが挙げられます。クロスのマークは角ばっており、マルは丸みを帯びています。
この特徴から、第1話冒頭で宇宙船内で会話していたのはクロスであり、地球で乙骨兄妹と交流しているのがマルであることが判明しました。
物語の終盤では、真剣が接触したのはクロスの方であり、次回はクロスと人間との関わりが描かれることが示唆されています。クロスが、マルの視点だけでは地球人を判断するのに不十分だと考え、自ら地球の様子を見に来た可能性も考えられます。
乙骨兄妹の祖父母への思いと成長
日本側でマルとの交流を任されたのは乙骨兄妹です。彼らは祖父母のように、現在の状況を理解し、共存の道を目指す決意を固めています。しかし、彼らが抱く祖父母への認識には、一部で誤解や歪みが含まれていることが示唆されています。
例えば、祖父の頭の傷は宿儺につけられたもの、祖母はおちこぼれ扱いを実力で黙らせた、という認識です。祖父の頭の傷については、年老いた顔に手術跡がはっきりと見える場面があり、概ね合っているものの、どのようにして話が歪んで伝わったのかが気になるところです。
真剣は、過去に攫われた経験や呪詛師に情報を尋ねる発想がなかったことから、やや抜けている部分が見受けられます。一方で、憂花は宇宙人説に対して懐疑的であり、物事の呑み込みが遅いタイプとして描かれています。彼らが腕時計型ICカードを使用するなど、2086年という時代背景を示す描写も含まれています。
新たに登場した「抑止力」
第2話では「抑止力」として、二本のツノを持つ存在が登場します。
この存在がシムリア星人側の協力者であるか、あるいは別の意図を持つ存在であるかは、今後の物語で明らかになるでしょう。もしこれが何かの伏線であるならば、その背景には深い設定が隠されている可能性があります。
第2話から読み解く物語の考察
『呪術廻戦≡モジュロ』第2話は、単なるSFバトル漫画に留まらない、社会的なテーマや人間関係の複雑さを描いていることが示唆されています。
歪んで伝わる情報と外交の難しさ
乙骨兄妹の祖父母に関する認識が一部歪んで伝わっていたように、情報が正確に伝わらないことによる誤解や軋轢が、外交においても生じ得ることを示唆しています。
特に、宇宙人という未知の存在との交流においては、情報の伝達ミスや解釈の違いが大きな問題に発展する可能性があります。クロスがマルの視点だけでなく、自ら地球の様子を見に来たのも、そうした情報不足や偏りを補うためかもしれません。
また、ジャバロマが日本語で挨拶するなど、シムリア星人側も外交に細心の注意を払っている様子が描かれています。
宇宙人と人間の関係性におけるテーマ
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作中では「ナショナリズム」や「島国と排斥感情は相性がいい」といった思想的な言及があり、現代社会の移民問題や異文化交流における課題を彷彿とさせます。
シムリア星人側にも共生を望む派閥が存在する一方で、戦いを辞さない意見も存在しており、マルとクロスの間でも地球との共存か戦うかで意見が分かれる可能性も考えられます。
少年少女である乙骨兄妹やマルに地球の命運が託されるという構図は、少年漫画における普遍的なテーマであると同時に、彼らがどのように困難に立ち向かうのかが注目されます。
まとめ
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作者コメントでは「連載開始前に全話ネーム切るでぇ!!息巻いていたが結局7話分だった」とあり、少なくとも7話までは確実に掲載されることが示唆されています。
元々短期集中連載として半年は続くと明言されていましたが、物語がある程度の期間をもって展開されることが改めてわかりました。
地球人とシムリア星人との対立か共生、現代社会の社会問題、乙骨兄妹の想いとマルとクロスの想い、この3つの軸で『呪術廻戦≡モジュロ』は進んでいきそうです。
多くの謎と新しい魅力に満ちた本作は、今後の展開から目が離せないスピンオフとなっています。
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