【ゼルダBotW】マスターバニクのコメント 60fe451787d1190d2ce121942275b95d【ブレスオブザワイルド・ブレワイ】

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ティアーズオブキングダム 最新情報!

第一章の投稿は終わりましたが、設定に誤りがあることに気がつきました。
リンクがマスターソードを抜いたのは12〜13歳の頃らしいです。
本作品ではリンクがマスターソードを抜いた時期を大厄災の数ヶ月前だとして話が構成されているため、本編の時系列とは大きく異なることご理解いただけると幸いです。

「魔物の…大群…!」

 青年を追いかけてきたのであろう大量の魔物がこちらへ迫ってきていた。
 豚のような醜い顔に、巨人のように強靭かつ巨大な図体、そして白い体表に浮かぶ禍々しい紫色の縞模様は、ハイラルに蔓延る魔物の中でも特に危険視される白銀モリブリンに違いなかった。
 それも一体や二体どころではない。目算でも二十体はいようかという大群で、こちらに迫ってきているのだ。
 駐屯地の兵士達の中で驚きと混乱の声が広がる。いくら二名の近衛兵がいようと、まともに相手をするならばこの場にいる一般兵から多く...

続きを読む...

 同僚の言葉通り、それからそう経たぬうちに、天才少年騎士リンクは王国最年少の近衛騎士となった。
 優しき心に強靭なる肉体。それでいて騎士の規範たる誠実な立ち振る舞い。彼は瞬く間に王国のヒーローとなる。
 対厄災の要となる退魔の剣の剣士も彼になるであろうと、彼を知る誰もが信じて疑わなかった。そう、ただ一人を除いて。

「また剣の素振りか。いい加減腕も痛くなんないのか?少し休んだらどうだ。」

 場所は中央ハイラルのコモロ駐屯地。近衛兵団のうち何名かは、直近の魔物の活発化を受け、国中の駐屯地へと...

続きを読む...

───第一章「憧憬という名の呪縛」───

 ある少年がいた。中央ハイラル南部のアデヤ村で生まれた彼は、両親にも友人にも恵まれ、何一つ不自由ない環境で少年期を過ごした。
 少年には夢があった。その夢は、いつしか彼の生きる目的そのものとなった。
 彼は伝説に生きる退魔の剣を持つ剣士に憧れたのだ。圧倒的な力で悪を封じ、姫巫女を救い出し、民に安息をもたらす。その強さに、その勇気に、彼は憧れたのだ。
 その夢の実現にはどんな努力も厭わなかった。愚か者と笑われ、無理な夢だと蔑まれても、彼は一人剣を振るい続け...

続きを読む...

第一章の投稿に取り掛からせていただきます。文字制限の都合上三つの投稿に分かれたものとなりますこと、ご理解お願いします。

カッシーワが、勇者へと詠う詩──それは、一人の男の物語。理想に囚われた彼の半生と、後の人生の転機となる事件の発端を描いた第一章「憧憬という名の呪縛」是非どうぞ。

そう言っていただきありがたいです。
しかし、私としましては多くの人に作品が認められること以上に、作品を書くという過程の方が楽しんでいる節があります。
それに、ネットという狭い世界において自分の作品など、所詮は中学生の妄想にすぎません。
なので、むしろ目立ちすぎずこのような掲示板でひっそりと投稿するのが望ましい形でもあるのです。

すみません…
舞台設定や世界観は本ゲームのものとなっていますが、はっきりいって攻略とは何ら関係のない内容となっていますので、何かしらご迷惑に思われたり、不快感を感じられたりするようでしたら、投稿は打ち止めにさせていただこうかと…

極端に過激な描写や救いのないエピソードは避けましたが、何かお思いになることがございましたらご指摘していただいて構わないです。

もう無用の情報かもしれませんが、ヒノックスがおすすめですよ。
首にかけている武器は、寝ている時に高いところからパラセールで滑空すれば戦わずにとる事ができます。

テストも兼ねて今日はプロローグのみを投稿させていただきます。
問題のないようでしたら、明日以降は本編の公開にも取り掛かろうかと。
それではどうぞ



      ─プロローグ─

 静寂に包まれた夜のカカリコ村で、一人カッシーワは佇んでいた。ふと、背後から足音が聞こえてきた。何者かと振り返る。

「…おや?こんな夜更けにどなたかと思えば、あなたでしたか。」
 
 そこに居たのは、金髪の美少年リンクであった。死線をくぐり抜け疲弊に満ちてもなお、月光に照らされるその表情は美しく見えた。

「こんば...

続きを読む...

先日ご相談した二次小説ですが、やっと書き上がりました。つまらないものですが、このコメントの返信欄に投稿させていただこうと考えています。
何らかの禁止事項への抵触を防ぐため、章ごとに、または場面ごとに時間を空けての投稿をさせていただきます。全五章、二万文字の文章量であるため、数週間程かけての投稿になる予定です。

返信(30件) 2021年12月27日に返信あり

テストも兼ねて今日はプロローグのみを投稿させていただきます。
問題のないようでしたら、明日以降は本編の公開にも取り掛かろうかと。
それではどうぞ



      ─プロローグ─

 静寂に包まれた夜のカカリコ村で、一人カッシーワは佇んでいた。ふと、背後から足音が聞こえてきた。何者かと振り返る。

「…おや?こんな夜更けにどなたかと思えば、あなたでしたか。」
 
 そこに居たのは、金髪の美少年リンクであった。死線をくぐり抜け疲弊に満ちてもなお、月光に照らされるその表情は美しく見えた。

「こんば...

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第一章の投稿に取り掛からせていただきます。文字制限の都合上三つの投稿に分かれたものとなりますこと、ご理解お願いします。

カッシーワが、勇者へと詠う詩──それは、一人の男の物語。理想に囚われた彼の半生と、後の人生の転機となる事件の発端を描いた第一章「憧憬という名の呪縛」是非どうぞ。

───第一章「憧憬という名の呪縛」───

 ある少年がいた。中央ハイラル南部のアデヤ村で生まれた彼は、両親にも友人にも恵まれ、何一つ不自由ない環境で少年期を過ごした。
 少年には夢があった。その夢は、いつしか彼の生きる目的そのものとなった。
 彼は伝説に生きる退魔の剣を持つ剣士に憧れたのだ。圧倒的な力で悪を封じ、姫巫女を救い出し、民に安息をもたらす。その強さに、その勇気に、彼は憧れたのだ。
 その夢の実現にはどんな努力も厭わなかった。愚か者と笑われ、無理な夢だと蔑まれても、彼は一人剣を振るい続け...

続きを読む...

 同僚の言葉通り、それからそう経たぬうちに、天才少年騎士リンクは王国最年少の近衛騎士となった。
 優しき心に強靭なる肉体。それでいて騎士の規範たる誠実な立ち振る舞い。彼は瞬く間に王国のヒーローとなる。
 対厄災の要となる退魔の剣の剣士も彼になるであろうと、彼を知る誰もが信じて疑わなかった。そう、ただ一人を除いて。

「また剣の素振りか。いい加減腕も痛くなんないのか?少し休んだらどうだ。」

 場所は中央ハイラルのコモロ駐屯地。近衛兵団のうち何名かは、直近の魔物の活発化を受け、国中の駐屯地へと...

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「魔物の…大群…!」

 青年を追いかけてきたのであろう大量の魔物がこちらへ迫ってきていた。
 豚のような醜い顔に、巨人のように強靭かつ巨大な図体、そして白い体表に浮かぶ禍々しい紫色の縞模様は、ハイラルに蔓延る魔物の中でも特に危険視される白銀モリブリンに違いなかった。
 それも一体や二体どころではない。目算でも二十体はいようかという大群で、こちらに迫ってきているのだ。
 駐屯地の兵士達の中で驚きと混乱の声が広がる。いくら二名の近衛兵がいようと、まともに相手をするならばこの場にいる一般兵から多く...

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第一章の投稿は終わりましたが、設定に誤りがあることに気がつきました。
リンクがマスターソードを抜いたのは12〜13歳の頃らしいです。
本作品ではリンクがマスターソードを抜いた時期を大厄災の数ヶ月前だとして話が構成されているため、本編の時系列とは大きく異なることご理解いただけると幸いです。

───コモロ駐屯地へと襲来する魔物の大群に、戦いは混沌を極めていた。血と泥に塗れた激戦の渦の中、男は非情な現実を目の当たりにすることとなる。───
激動と絶望の第二章「退魔の剣に選ばれる男」は明日投稿予定です。

第二章「退魔の剣に選ばれる男」

 男が巧みに振るう近衛の両手剣は本来、集団戦には不向きなものであった。
 その超重量は敵を断ち切る絶大な力を生み出すと同時に、持ち主の動きを鈍らせる枷ともなるのだ。故に、例えその強力な一撃を叩き込むことができても、その後には大きな隙が生まれ、敵に反撃の好機を与えてしまう。また、近衛装備に共通する特徴として、耐久性にも問題があった。
 本来なら一対一の短期決戦に向いたその武器を、集団戦においても問題なく運用できているのは、間違いなく男の絶え間なき努力によるもの...

続きを読む...

 男はその言葉の意味を理解した瞬間、サッと血の気の引く感覚に襲われた。
 視線を前にやると、そこには黄金の体表に覆われたモリブリンが猛々しく咆哮を上げていた。

「嘘…だろ…?」

 黄金モリブリン───白銀モリブリンを超える圧倒的なまでの肉体を誇るモリブリンの最上位種。
 ライネルにすら匹敵するとされるその頑丈さから、近衛兵クラスの手練数人規模で討伐するのが一般的とされている。
 だがしかし、男は今、それをたった一人で相手しなくてはならないのだ。

「…」

 恐怖で震えようとする足を、無理矢理抑...

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 世界が逆転した。刹那、モリブリンが右足を蹴りあげ、男の体を吹き飛ばしたのだ。
 流石黄金種だけあり、その蹴りの重みは桁違いであった。体のどこかが折れてしまっただろうか。妙な感覚が全身を襲った。
 だが、痛みだけは感じなかった。それはきっと、限界まで奮い立った脳が、余分な情報を感じとるまいとしていたからだろう。
 ボロボロの体を無理矢理起こす。なぜ立っていられるのかも不思議な程の重症。それでも男は諦めない。諦める訳にはいかない。

「…だから、だから俺は…」

 再び、手の中にある重い鉄の塊を...

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 命の危機を免れた男は、そのまま地面に叩きつけられる。

「あ…あ…あぁ…」

 そう、それは一本の剣であった。見紛うこともない。広げられた翼を象った鮮やかな蒼色の鍔に、聖遺物が彫られた神々しい輝きを放つ白銀の刀身は、伝説に語り継がれる最強の武具───男が憧れ続けた退魔の剣そのものであった。
 それを手にしモリブリンを圧倒しているのは、一人の少年であった。整った顔立ちに、陽光のように鮮やかな金髪、噂に聞く天才少年騎士リンクだ。
 男は一瞬にして、彼が見せる華麗な剣技に釘付けとなった。地面に這いつく...

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モリブリンとの戦いで深い傷を負った男は、城下町で数ヶ月の療養生活を送ることとなる。ただいたずらに過ぎ去っていく月日を経て、男は何を思い、何を決断するのか?
苦悩と決断の第三章「他の誰よりも」は明日と明後日にかけての投稿を予定しております。

第三章「他の誰よりも」

 魔物の襲撃により傷を負った男は、城下町の病床にて数ヶ月を過ごした。娯楽も刺激もない単調な日々の中で、男は自らの存在価値に疑問を抱き続けていた。

『それは…その剣は…俺の、俺のものだ…』

 あの日の自分の哀れな姿は、リンクの目にどう映ったのだろうか。あの無表情な瞳の奥に、リンクは何を思ったのだろうか。いくら考えても答えの出ぬ問いを、男は己に投げかけ続けた。
 かの天才騎士リンクが退魔の剣に選ばれたのは、ちょうどあの日の数日前だったらしい。伝令が遅れ、男は王国にそれが...

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 ふと、道端の木の根元で男は足を止めた。共に数多の戦場を戦い抜いた愛剣との、最後の別れをするのだ。
 背中に担がれた大剣を降ろす。平時なら唯ならぬ威厳を放つ純黒の意匠も、爽やかな木漏れ日に照らされ、心無しか優しい印象を受ける。それは主との別れを惜しむように、艶のある刀身で絶え間なく陽光を反射させて、己の存在を主張し続けた。男はもう、剣に未練など微塵もないという様子で、その場をあとにした。

「その剣、いらないんですか?」

 不意に後ろから声をかけられた。どこかで聞いた覚えのある声だったが、...

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「覚えていますよね?あの日、貴方の判断に救われた者です。あなたが即座に避難を命じて魔物達を食い止めてくださったお陰で、僕は今も命がある。退院したとの話を伺ったので、お礼をさせていただくべく参りました。」

「…俺は、自分の使命から逃げ出した一端の弱者に過ぎない。礼なんていらないから、どうかお引き取り願いたい。」

「そこまでして、自分の過去と向き合いたくないのですか?」

「…さっきから何なんだ。俺がどうしたってあんたには関係ないだろ。」

「恩人を見放すことなんてできやしませんよ。それに、貴方...

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 男は力無く膝から崩れ落ちた。それを見た青年は、傍らの両手剣を重々しく持ち上げる。

「今はまだ、無理に向き合わなくてもいい。だから代わりに、これからこの剣を背負ってください。その重みにも耐え切った時、貴方ならきっと乗り越えられる。自分自身の過去を。己の弱さと、正面から向き合うことで。」

 青年は優しく語りかける。絶望の底に落ち切った男の心に、その言葉はどこまでも深く染みていった。

「それがどれだけ先になっても、その時にはきっと、貴方は本当の意味で強くなれる。そして何よりも───。」

 青年...

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 つい先程、太陽は西の山々へと身を隠し、空は藍色と朱色の鮮やかなグラデーションを彩っていた。
 とぼとぼと故郷への歩みを進める恩人を見送り、その姿も見えなくなってきた頃、シーカー族の青年は一人呟いた。

「王家に仕える宮廷詩人、それが僕の生業。僕の使命は、過去に取り残された数多の物語を、詩という名の方舟にのせ、希望に満ち溢れた未来に向けて送り出すこと。だからこそ、過去を蔑ろにする貴方を見過ごすことはできなかった。敬愛する貴方に涙を流させてしまったこと、心からお詫びします。それでも、今も尚失われていない、幾度となく立ち上がろうとするその勇ましさ。僕から見れば、貴方は───他の誰よりも、輝いていますよ。」

───その日、世界は絶望に包まれた。しかし、それでもなお抗い続ける人々がいた。希望を信じて生きようと奮闘する人々がいた。───
今こそ語られる裏側の物語、第四章「その日」は明日投稿させていただきます。

第四章「その日」

 惨劇の足音はいつだって聞こえはしない。それでも多くの者は、朧気ながら『それ』の存在を感じとることができていたのかもしれない。来たる『それ』の影は、徐々にその濃さを増していった。だから、人々は縋った。人々は願った。しかし、彼らの祈りを汲み取ることもせず、『それ』はこの世に何度目かの産声を上げた。
 大地が震え、黄昏時の空は赤黒く染まった。ハイラルに人々の悲鳴が響くよりも早く、『それ』はこの世の全てを憎むべく咆哮した。それに共鳴するが如く、分厚い雲が広がり猛々しい嵐と共に雷鳴を響かせる。
 他の何よりも禍々しく、他の何よりも獰猛な『それ』の復活を、ハイラルに住まう生きとし生けるもの全てが絶望した。
 理性も、自我も、底無しの悪意により失った、かつての大魔王の成れの果て。安寧を望む全ての人々の宿敵であり、飽くなきこの世への憎悪と、満たされることのない破壊衝動の傀儡と化した『それ』によって、その日、ハイラル王国は滅ぼされるのであった。
 ハイラルの地に巣食う、最凶にして最恐の厄災───ガノンの復活に、人々は逃げ惑うことしかできなかった。

 ガノンは復活後、ハイラル城地下の格納庫内の無数のガーディアンを自らの怨念で汚染した。ガノンの内なる破壊衝動に支配されたガーディアンは、無差別に視界に入るものを焼き払う殺戮兵器と化した。
 ガーディアンの大群に襲われた城下町は壊滅的被害を被り、住民も過半数は命を落としてしまう。それでも、彼らは諦めなかった。命拾いした僅かな住民達は、ハイラル残党兵らと共に希望の地、ハテノ村を目指すことになる。
 そして、敵対したガーディアンが放たれたことを知った男が考えることも、また同じであった。双子山という...

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「そういえば、カカリコ村の連中はどうした?あそこもハイラル平原に近い。安全とは言い難いだろう。」

 男の質問に、兵士が答える。

「カカリコ村は切り立った崖の中にある都合上、彼らも下手に動くより村に留まった方が安全と判断したのでしょう。あの細い道をくぐれるだけの移動性能がガーディアンにあるとも思えない。」

 確かに兵士の言い分も最もであった。だがしかし、男には一つ懸念があった。

「───いや、サハスーラ平原側の出入口はどうだ?ガーディアン本体が通過することはできなくとも、怪光線の射程圏内ま...

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 雨粒が顔に何度も当たり、激しい向かい風が吹く。それでも足を止めることなく、男は遂にカカリコ村へと辿り着く。

「全員村の上側に避難しろ!サハスーラ平原側の出入口から、ならべく離れるんだ!」

 怯える住民達が、突然の来客に驚くのを尻目に男は坂を駆け下りる。
 男の予想は当たっていた。出入口の通路の先に、一体のガーディアンが近づいていた。禍々しい紅色に発光しているそれは、八本の脚を忙しなく動かし、通路を進んでいた。
 戦わなければ───決意が男を駆り立てる一方で、その胸中は恐怖感にも襲われていた。そう、ちょうどあの時、金色のモリブリンと対峙した時のような恐怖感に。
 それでも、男はあの時とは違う。己の過去と、弱さと向き合った。醜く、惨めな自分を知り、その上で乗り越えた。
 もう同じことは繰り返さない。そう思うだけで、足が震えることも、耐え難い動悸に襲われることもなくなった。
 意志を固め、ガーディアンと対峙する。この物語における最後の戦い、知られざる英雄譚が今、幕を開けようとしていた。

カッシーワがリンクに語る詩物語は、遂に終局を迎える。男はいかにして詩に残されるまでになったのか?その所以たる勇気を描く最終章「我らが英雄」と、エピローグ「特別な詩」は明日から明後日にかけて投稿し終える予定です。

最終章「我らが英雄」

 ガーディアンの不気味な眼が青色に発光する。今まさに、そこから光線が放たれようとしているのだ。
 ガーディアンから一度光線が放たれれば、それを止める術は殆どない。とはいえ、ガーディアンとの間に広がる距離は長く、放たれる前に対処することもできない。

「一か八かの大博打と行こうじゃねぇか…来い!!」

 男が大剣を構えた直後、遂にガーディアンから全てを焼き払う怪光線が放たれる。そしてそれは男の元へと直進し、その屈強な肉体すらも跡形なく消し飛ばす、その筈だった。
 光線が男...

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 男は付近の廃屋に周り込み、ガーディアンの死角に身を潜める。しかし標的を見失った三体は、このままでは再び村へ向かうだろう。
 その事態を防ぐため、男はすぐに廃屋の屋根へとよじ登り、敢えて奥の二体のガーディアンの注意を引き付けた。屋根の上は、依然として男を探している目前の一体からは死角。そうなれば光線の命中度は格段に下がる。

「さあ!来い!」

 奥の二体がほぼ同時に光線を放つその寸前、男は屋根から飛び降りた。
 発射された二筋の光線はすぐ後ろの廃屋の壁に命中、すぐさま家は崩壊する。
 その...

続きを読む...

 無機質な発射音と共に光線が放たれるその瞬間、何かが風を切る音が聞こえた。そう思えば、目の前のガーディアンは光線を放つことなく標的を見失い、頭部を目まぐるしく回していた。

「…!?一体何が!?」

「伏せて!!」

 何者かの叫び声に反応し、咄嗟に頭を下げる。その頭上を掠めるように何かが通過し、目の前のガーディアンの元で爆発した。

「まさか…バクダン矢か!?」

 果たして誰が放ったのかと男は振り向いた。するとその先、あのシーカー族の青年が遠方で弓を引き絞っていた。

「そいつはもう動けな...

続きを読む...

 長年の相棒は、主の力を最強の斬撃へと変換することで責務を全うした。使命を果たした漆黒の相棒は、かつての形を留めることもなく、幾多もの鉄の塵となり虚空に放たれた。
 剣の最期の一撃を受けたガーディアンは、もう動かない。禍々しい光を放つことも、虫のように忙しなく脚を動かすこともなくなった。あとはもうただの残骸と化したガーディアンが、ひたすら雨に打たれているだけだった。

「はぁっ…はぁっ…」

 途端に、体中が痛み出した。数ヶ月ぶりに死地に立ったことで、体のあちこちが悲鳴を上げているのだ。
 次...

続きを読む...

「え…何で…」

 理解の出来ないその光景に、男は戸惑った。

「貴方は…貴方が考えている以上に強い。その強さが、皆を救ったのです。」

 青年がそうは言うものも、男は尚も目の前の光景に疑問を抱かずには居られなかった。しかし、そんな男の内心に反し、涙ぐんだ住民達は口々に礼の言葉を述べる。

「あぁ、ありがとう…!貴方のおかげで、先祖代々の店を焼かれずに住んだ…!」

「いや、俺はただ───」
 
「私もだ…!家内と子供がいる家が救われた…!貴方は恩人だ!」

 気づけば村中の住民が男へ礼を言いに来てい...

続きを読む...

エピローグ「特別な詩」

 しばらくの時が過ぎ、厄災がひとまず抑えられると、男は青年と旅に出た。遥か未来の勇者へと届ける詩を作るための、長い長い旅に。

「今度、貴方の詩も作らせてください。貴方が成したことは、後世に語り継がれるべきことだ。」

 鮮やかな青空は、大厄災時の荒れ模様からは想像もつかないほどに澄み切っていた。
 青年が男にそれを提案したのは、爽やかな潮風の心地いい海辺でのことだった。

「…は?…いやいやいやいや、俺なんかの詩を作ってどうするんだ。恋敵の勇者様に、とびっきりの詩を...

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追記:お恥ずかしながら誤りがありました。第四章にて、男の故郷を「アデノ村」としていますが、正しくは「アデヤ村」です。

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