アニメ「薬屋のひとりごと」第40話『巣食う悪意』――後宮に巣くっていた“悪意”が、起こした数々の事件。その真相を、猫猫が解明します。悪意の正体は? 翠苓の目的は? そして緑の果実水の意味とは? わかりやすく解説します。
※本記事には、アニメ第2期の最新話に関するネタバレが含まれています。ネタバレが大丈夫な方のみご覧ください。
目次
後宮に”巣食う悪意”の正体とは――?
診療所には、年配の女官たちが多く残っています。本来なら、女官は2年で年季を終えて後宮を去るはず。ところが彼女たちは、20年以上も後宮にとどまり続けていました。
この状況に疑問を抱いた猫猫は、診療所に勤める女官・深緑(シェンリュ)に話を聞きます。
やがて猫猫は、“毒おしろい”や“堕胎剤事件”の裏に、診療所の女官たちが関わっていることを突き止めるのでした。
深緑たち診療所の女官の正体
診療所にいる女官たちの正体――それは、かつて幼いころに先帝の「お手付き」となった女性たちでした。
一度でも帝に手を出された者は、よほどの名家の出身でない限り、後宮の外に出ることは許されません。行き場を失った彼女たちのために、皇太后が用意したのが診療所でした。
表向きは病を癒す場。しかし実際は、後宮に取り残された女官たちの“最後の居場所”だったのです。
事件の真相①ー毒おしろい事件
アニメ第1話『猫猫』で明らかになった、現帝の御子が“毒おしろい”に侵されていた事件。この事件にも、診療所の女官たちが関わっていました。
昔、羅門が後宮の医官だった頃。彼は毒おしろいや妊婦に有害な物を紙にまとめ、後宮内に掲示して注意を呼びかけていました。診療所の女官たちは、毒おしろいの存在を知っていたはず。
それでも彼女たちは黙ったまま――。毒に侵された御子たちを、あえて見殺しにしたのです。
結果として、玉葉妃の子・鈴麗(リンリー)以外は全員、命を落としました。
事件の真相②ー堕胎剤事件
アニメ第30話『みたび、水晶宮』で描かれた、梨花妃を狙った“堕胎剤事件”。猫猫は、実行犯である元侍女頭・杏(シン)に堕胎剤の作り方を教えたのは、深緑ではないかと推理しました。
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深緑は、下女の話から梨花妃の妊娠を知ると、「妊婦に有害な物」を紙に書き、侍女頭に渡すよう伝えます。杏がそれを悪用すると分かっていて、あえて”毒”を教えたのです。
ちょうどその時期、後宮を訪れたキャラバンから堕胎剤の材料が手に入る状況にありました。
それも、診療所の女官たちが毎年「この商品がほしい」と伝え続けた結果。妊婦に有害な香や香辛料が、意図的に後宮に出回るよう仕組まれていたのです。
全ては後宮への復讐のため
先帝に寵愛されることもなく、誰にも迎えに来られず、一生後宮の外に出られない――。
そんな境遇に置かれた女官たちは、やがて後宮そのものを憎むようになりました。帝に愛され、子を授かり、幸せになっていく妃たちの姿は、彼女たちにとって耐えがたいものだったのです。
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彼女たちは、誰かを直接害そうとしたわけでも、自ら手を下したわけでもありません。けれども、長年にわたる憎しみや恨みは、やがて悪意に変わり、そして静かに“殺意”となっていったのです。こうして、数々の事件が引き起こされました。
――これこそが、後宮に“巣食う悪意”の正体だったのです。
“蘇った女官”翠苓、その目的とは?
アニメ第40話『巣食う悪意』では、第1期で姿を消した女官・翠苓(スイレイ)が、“宦官”として診療所にいる猫猫の前に再び現れます。
“蘇りの薬”の後遺症で満足に動かない体で、後宮に潜入した翠苓。とても1人で成し遂げられるものとは思えません。彼女の真の目的は何だったのでしょうか。
関係が疑われる2人――深緑と子翠
翠苓が後宮に潜入するには、誰かの協力があったと考えられます。その一人が、診療所に勤める深緑です。
翠苓が深緑に放った「お前のさっきの言葉で大体察しているぞ」というセリフからも、2人の間に何らかの共通の思惑があったことがうかがえます。
加えて、関係が疑われるもう一人が、洗濯係の下女・子翠(シスイ)です。文字が読めるだけでなく、高価な図鑑を持ち、翠苓がいた湯殿や診療所に出入りしていた形跡もあります。
深緑と子翠――2人とも、翠苓の“計画”に何らかの形で関わっていた可能性が高いと言えるでしょう。
翠苓の目的は、猫猫!
翠苓が戻ってきた理由――それは、猫猫を後宮から連れ出すことのようです。
わざわざ宦官に変装し、命の危険を冒してまで潜入してきた翠苓。その彼女が、今度は猫猫を連れて後宮を出ようとする。その意図が読めず、警戒する猫猫。
しかし、翠苓のあるひと言が、猫猫の心を大きく揺さぶります。
「蘇りの秘薬、その作り方を知りたくないか?」
薬と毒を何よりも愛する猫猫が、この申し出を断れるはずありませんでした。
猫猫、最大のピンチ――このあとどうなる?
こうして、自身の知識欲に抗えなかった猫猫は、翠苓に連れ出されてしまいます。
果たして、翠苓は猫猫をどこへ連れて行き、何をさせようとしているのでしょうか。
この事件をきっかけに、壬氏たちも動き出しますが、猫猫が連れ去られたことで後宮内は混乱状態に。今後の展開に目が離せません。
“緑の果実水”が表すものは何だったのか
一方その頃、宮廷の別の場所では――
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羅漢(らかん)と子昌(ししょう)の間で、第35話『狩り』の事件で使われた飛発(フェイファ)についての駆け引きが繰り広げられていました。 “東の狐”と“西の狸”と呼ばれる2人は、互いの本心を探り合います。
そんな中、羅漢が「美しい赤」と称した「緑の果実水(ジュース)」――実は子昌の秘密を見抜くための罠だったのです。
天才軍師・羅漢の狙いとは
羅漢は子昌、覆面の君を誘って茶会を開きました。その席で彼は、緑色の果実水をふるまいながら、飛発の設計図を持ち出し、子昌に揺さぶりをかけます。
さらに話題は、自身の妻との碁の対局へと移り、愛妻トークを炸裂させる羅漢。この場から逃げ出そうと子昌が席を立とうとしたそのとき、羅漢は語りかけます。
「ぜひ、玻璃の杯で――美しい赤を堪能してほしいものですな」
果実水の本当の色は緑。しかし子昌は、その違いにまったく触れることなく立ち去っていきます。
このやり取りから、羅漢は子昌が色覚異常を持つ人物であると確信したのです。
子昌が持つ“色覚異常”の意味
羅漢が子昌の「色覚異常」を確かめようとしたのには、理由がありました。
子昌の持つ「色覚異常」は、建国時代の王家――すなわち「王母の血族の証」とされる特別な特性だったのです。
アニメ第31話『選択の廟』では、色覚異常を通じて皇位継承の資格を証明する仕掛けが描かれています。歴代の皇族は、選択の廟の試練を乗り越えることで皇帝の座に就いてきました。
この特性に注目していたのが、羅漢の叔父・羅門でした。羅漢も、その話を聞かされていたのでしょう。そこで彼は、子昌の色覚を確かめるために、“緑色の果実水”を用意したのです。
さらなる陰謀の予感……
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子昌の「王母の血筋」を巡って、国家規模の陰謀が進行しているようです。ただし、詳細は不明で、羅漢もまた、この不穏な動きを慎重に探っています。
他にも、唐突に語られた愛妻トークにも、何らかの意図が隠されているかもしれません。一見すると、単なるのろけ話に聞こえます。ですが、相手の反応を探るための“仕掛け”だった可能性も捨てきれません。
羅漢が何を探り、何を確かめようとしていたのか。そして、明らかになった子昌がもつ「王母の血筋」。今後の展開では、これらの断片がどうつながっていくのかが大きな鍵を握るでしょう。
羅漢とその妻の詳細はこちらをご覧ください。
まとめ|第40話の伏線や謎を解説しました!
アニメ「薬屋のひとりごと」第40話『巣食う悪意』では、後宮に長年“巣食う悪意”の正体が明らかになりました。毒おしろいや堕胎剤事件の裏には、先帝に見捨てられた女官たちの、静かで深い復讐心があったのです。
さらに、再登場した“蘇った女官”翠苓は、猫猫を後宮の外へ連れ出そうと動き出します。宦官に変装して潜入するという無謀な行動の背景には、翠苓ひとりでは成しえない、何者かの陰謀が見え隠れします。
一方、羅漢が仕掛けた“緑の果実水”の罠によって、子昌が色覚異常であることが明らかになります。これは、王家に受け継がれる“王母の血筋の証”とされる特別な特性でした。
猫猫の誘拐、子昌の秘密、そして渦巻く陰謀――。第40話は、数々の謎と伏線が一気に動き出す、見逃せない重要回です。
今回のエピソードを理解しておくことで、今後の展開をより深く楽しめるはずです!
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