アニメ「薬屋のひとりごと」第47話『子の一族』では、子の一族の過去や、神美・子昌・楼蘭(子翠)の複雑な関係、そして謀反を起こした理由が明かされます。今回は、その中でも子昌と楼蘭の行動や思いに注目。第47話の感想を交えてわかりやすく解説します。
※本記事には、アニメ第2期の最新話に関するネタバレが含まれています。ネタバレが大丈夫な方のみご覧ください。
目次
第47話『子の一族』重要シーン&ポイント解説
第47話『子の一族』では、子昌の最期や一族の過去、そして悪女を演じた楼蘭(子翠)の姿が描かれました。
すべての始まりは、神美が皇族や後宮に抱いた深い恨み。
その背景には、かつて一族が関与していた奴隷交易と、それに取って代わる形で広げられた後宮の存在があったのです。
子の一族の当主・子昌が見せた“笑顔の最期”
剣で刺されながらも両手を大きく広げ、笑みを浮かべていた子昌――。“悪役”を演じきったその姿に、息をのんだ方も多かったはず。
実のところ子昌は、最初からこの戦に勝ち目がないことを理解していました。それでもあえて謀反を止めなかったのは、子の一族の“膿(うみ)”を、自らの死と引き換えに出し切ろうとしたからです。
ここでいう“膿”とは、神美にゴマをすり、賄賂(わいろ)や横領(おうりょう)をくり返す人たちのこと。
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そのすべての罪を背負い、“国の腐敗を象徴する悪役=国賊”として討たれること――それこそが、子昌が選んだ結末でした。
刺された瞬間、若いころの神美が自分に笑いかける姿が脳裏をよぎり、涙を浮かべる子昌。最後まで神美を想い、悪役を演じきった安堵が、最後の笑い声ににじんでいたと思います。
子の一族の命運を変えた、神美の謀反の理由とは?
神美は、奴隷交易を行っていた子の一族のお嬢さま。女帝は奴隷交易をやめさせる目的で、神美を人質として後宮に迎え入れ、上級妃の地位を与えたのです。
けれど、神美本人は“国母になるべき女として選ばれた”と信じていました。
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困ったことに、先帝は“幼女趣味”。神美にはまったく関心を持たず、代わりに侍女だった幼い大宝(タイホウ)や、安氏(現在の皇太后)を愛し、子をもうけます。
先帝に愛されなかった怒りと屈辱が、次第に神美の心に根を張り――やがて、国や皇族に対する復讐心へと変わっていく。その果てに待っていたのが、謀反という選択でした。
子の一族が行っていた奴隷交易とは?
かつての茘(リー)の国では奴隷制が認められていました。
花街の妓女たちと同じように、買われた金額ぶん働くか、一定の年数を過ごせば、奴隷という身分から解放されます。
ただし、これはあくまで国内に限られた話。国外への奴隷の売買――すなわち「奴隷交易」は禁じられていました。なぜなら、他国に売られた者たちは、身分も命も保証されず、一生奴隷として過ごすおそれがあったから。
しかし、奴隷交易はとにかく儲かります。とくに若い女性は高値で売れるため、子の一族も、この禁じられた取引に手を染めていたとされています。
なぜ後宮は拡大されたのか──女帝と子昌の思惑
奴隷交易が禁じられ、奴隷たちの“行き場”が失われていく中、子昌はある案を打ち出します。
それが――後宮の拡大でした。
これは、奴隷として国外に売られるはずだった若い娘たちを下女や女官として、若い男性たちを宦官として、後宮で一時的に保護するというものです。
この提案は、女帝にとっても都合のいい話でした。それぞれの立場から見ても、利点があったのです。
- 女帝は、女性に興味を持たない息子・先帝のために、後宮を広げて女性を送り込みたかった
- 子昌は、女帝の信頼を得ることで、奴隷交易に関わった一族の信用を回復しようとしていた
また、自分の子を売る親たちにも、奴隷として売るより後宮に売る方が好まれました。後宮で働いたという経験は社会的に“ステータス”と見なされ、一種の特権でもあったからです。
こうした要因から、後宮は拡大されていきました。
子の一族の真相①悪役を演じた子昌
宮廷での子昌は、“狸おやじ”の異名を持つ、したたかな切れ者として知られていました。
そんな彼の意外な一面──それは、神美を想い続けながらも、国を見捨てることができなかった“忠臣”としての姿。第47話では、その真の姿が明らかになります。
神美を救うために動いた男・子昌
子昌が女帝の信頼を勝ち得るために提言した「後宮の拡大」。
なぜ、そこまでして信頼を得ようとしたのか――それは、人質として妃となった神美を解放するためでした。
やがて子昌は、罪を犯してでも神美を後宮から逃がそうと決意します。彼女のために、自らの地位や名声さえ投げ打つ覚悟でした。
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第41話『狐の里』で、楼蘭(子翠)や翠苓が猫猫を連れ出す際に使った“抜け道”――あの道こそ、かつて子昌が神美のために用意した脱出路だったのです。
子昌の中にあったのは、ただひとつ。神美を救いたいという、ひたむきな愛と願いでした。
先帝の願いと子昌の誤算
妻を迎えず、元婚約者・神美への想いを貫いてきた子昌。そんな彼のもとに、先帝からある申し出が舞い込みます。
「私の娘を、妻として迎えてほしい」
追放された先帝の娘──本当は自分の子と知りながら見捨てた翠苓の母を、信頼する子昌に託したいという願いでした。
その見返りに、先帝は「どんな願いもかなえる」と約束。子昌にとっては、神美を妻として迎える“またとない好機”でもありました。
ついに、神美を自由にできる──そして彼女は、正式に子昌のもとへ“下賜(かし)”されることに。しかし、戻ってきた彼女が抱えていたのは、愛ではなく……毒でした。
神美のために散った子昌
神美にとって、子昌の決断は「父が倒れた直後に家督を継ぎ、別の女を妻にした裏切り行為」にしか映りませんでした。
子昌の本当の想いや真実は伝わることなく、彼女との関係は最後までこじれたまま。
神美に許されることなく、子昌は最期まで“悪役”を演じきりました。一族の罪を背負い、神美の誤解もそのままに──彼は死を受け入れたのです。その姿は、悲しくも、どこか潔さを感じさせます。
「ずっとお父さまは、お母さまのためにやってきたのに。破滅しかない最期のためにやったのに?」
楼蘭のこの一言が、ふたりのすれ違いと、その哀しい結末を物語っていたと思います。
子の一族の真相②悪女を演じた楼蘭(子翠)
子昌の娘・楼蘭(子翠)もまた、後世に語り継がれるほどの悪女を演じました。
壬氏の顔に傷をつけ、高らかに笑い、そして銃=飛発(フェイファ)によって撃たれたのです。
壬氏を傷つけたのは、母・神美のため。そして“悪女”を演じたのは、父と同じく、自ら悪役として討たれる道を選ぶためでした。
楼蘭は父の意志を継いでいた
わが子が帝の子を産み、国母となってこの国に復讐する──それが、神美が楼蘭を産んだ理由。楼蘭の人生は、神美の復讐を果たすために“利用される運命”でした。
けれど、楼蘭は決して母の操り人形ではありませんでした。
彼女が選んだのは、母のためでも、国を恨むためでもない道。父の覚悟を継ぎ、積み重なった子の一族の因縁に、自らの手で決着をつけることでした。
それが、楼蘭なりのけじめであり、彼女がたどり着いた“答え”だったのでしょう。
暴発は楼蘭によって仕組まれていた?
実は、神美が撃った銃の暴発は偶然ではなく、楼蘭がわざと詰め物をして仕組んだものだったようです。
楼蘭は自分が持っていた新型の銃を、あえて神美に奪わせて撃つように仕向けていました。そのために使ったのが、あの挑発的な一言です。
「だってお母さま、まるで小物なんですもの」
この言葉は、母の怒りを誘うための挑発。楼蘭は感情的になった母が銃を手に取ることを、最初から狙っていたのでしょう。
もし神美が、子昌の死に対してほんの少しでも涙を流し、悲しむそぶりを見せていたなら……楼蘭は、あの挑発的な言葉を口にしなかったはずです。
楼蘭が壬氏を連れてきた理由
楼蘭が壬氏を連れてきたのは、翠苓や子どもたち、子の一族から追放された者の命は救ってほしいという願いからでした。
子の一族が謀反を起こした以上、その罪から逃れることはできません。子の一族は、滅びるしかないのです。
それでも――せめて姉の翠苓や、未来ある子どもたち、子の名前を捨てた者だけは生き延びてほしい。楼蘭はその一心で、壬氏にすべてを託したのです。
表向きは悪女を演じ、一族を滅ぼす役目を自ら負った楼蘭。しかしその裏で、彼女は誰よりも多くの命を救おうとしていました。
楼蘭が壬氏に渡した紙に書かれていたのは?
壬氏がその紙を受け取ったとき、驚きの表情を浮かべていました。
もともと楼蘭は、この紙を“命乞いの切り札”として使うつもりだったようです。内容は、茘(リー)の国の今後に深く関わるものだったようです。
虫をこよなく愛していた楼蘭(子翠)。そして、第43話『祭り』では、バッタの大量発生により、厄払いの意味を込めて祭りが盛大に行われていました。
あの紙に記されていたのは、もしかすると――虫にまつわる、さらなる異変の予兆だったのかもしれません。
楼蘭は死亡した?生きている?
現時点で、楼蘭の生死は不明です。銃で胸を撃たれ、砦の屋上から転落――翠苓に笑顔を向けて姿を消してしまいました。
しかし、ここで注目すべきポイントがあります。撃たれた胸元には、第46話『禁軍』で猫猫からあずかった簪(かんざし)があったはずなんです。
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直接的な死亡描写もなく、「生きているかもしれない」という希望が残されています!
猫猫が託した、無事を願う気持ち。その願いを込めた簪が、 きっと、楼蘭を守ってくれているはずです。どうか、生きていてほしい――そう願わずにはいられませんね。
次回のタイトル48話「はじまり」とは?
子の一族の謀反は、ついに終息を迎えました。
……でも、これで終わりじゃありません。子翠や翠苓、子の一族の子どもたちはどうなったのか。そして、ラストシーンに姿を現した人物は何を見つけたのか――。
実はラストシーンで現れたのは、砦で猫猫を監視していた男性。原作小説5巻やサンデー版コミックス20巻から登場する人物で、名前は“左膳(サゼン)”といいます。
これだけの謎を残したまま、次回のタイトルは「はじまり」。いったい、何が”はじまる”のでしょうか。
もしかしたら、それは新たな陰謀の”はじまり”なのかもしれません。あるいは、さまざまな呪縛から解き放たれた人々の、新しい人生の“はじまり”なのかもしれません。
どんな未来が待ち受けているのか――次回を楽しみにしましょう!
まとめ|子の一族の真相とは……第47話を解説しました!
アニメ「薬屋のひとりごと」第47話『子の一族』では、ついに子の一族の過去と真相が明かされました。
したたかな“狸おやじ”と思われていた子昌が、神美を心から愛し、そしてすべての罪を背負って討たれる覚悟を決めていたなんて…その姿に胸を打たれた人も多いのではないでしょうか。
そして、楼蘭の選択も衝撃的。子の一族の因縁を終わらせるために、自ら“稀代の悪女”を演じる……それが、楼蘭の選んだ道でした。
母・神美への挑発や、壬氏に託した“紙”にも意味が込められていて、1シーン1シーンに重みがあります。果たして、彼女は本当に命を落としたのでしょうか?
そしてなんと──次回はいよいよ最終回です!気になる伏線も多く、続きが待ちきれませんね!
楼蘭が亡くなって?転落して、壬氏と翆れいの引きのカットは、舞台でいうと、上手に楼蘭がはけているので、上手は未来を示唆することから楼蘭はまた登場するんだと思います。今回は舞台や役者をやたら強調した印象の深い会だったのでなおさらです。
あと緑色の壺も印象的描かれてた場面もあって、こちらも王母のスト―リーの回収かなと
謀反の動機がおかしすぎる
子昌は分家出身とはいえ当主だ 本家の娘の婿とはいえ長年、国の宰相を務めていた実力者だ自領の権力は嫁ではなくとっくに子昌にあり妾の一人や二人は当たり前だろう。 中国に限らず分家から優秀な後継者が出ることは多々ある 嫁の言いなりになるのは合点がいかない しかも宰相みずから国への謀反とかね、通常宰相は自国より国の運営に重点を置くだろう 動機はむしろ 色盲の話から我が一族のほうが 始祖の血統に近いのだから王権の簒奪は当たり前だという理屈の方がスッキリする。