アニメ『薬屋のひとりごと』第3期の第54話「紙の村(前編)」では、壬氏様からの依頼を受けた猫猫が、後宮の医官・虞淵(やぶ医者)の故郷を訪れました。
久しぶりに家族と再会した虞淵。しかし、紙作りを営む村では、土地をめぐる問題が起きていたようです。さらに、左膳の意外な才能や、馬閃の新たな弱点が見える場面もありました。
今回は第54話の感想を交えながら、虞淵の家族関係や紙の村で起きている問題、左膳の才能について解説・考察します。
※本記事にはアニメ第54話までのネタバレが含まれています。ネタバレが大丈夫な方のみご覧ください。
11月6日は金曜ロードショー「ライオンキング」の放映が長かった為、23:30頃からアニメが放送されました。
第54話の注目ポイントまとめ
アニメ『薬屋のひとりごと』第3期第6話(S3E6)、通算第54話「紙の村(前編)」の注目ポイントはこちらです。
◆今回のポイント◆
- 壬氏様からの手紙
猫猫のもとに届いた新たな面倒事 - 左膳の意外な才能
ヨモギとトリカブトの取り違えがきっかけに - 壬氏様の変装
虞淵の里帰りに同行する一行 - 虞淵の家族と過去
妹夫婦、甥2人との再会 - 紙の村の問題
村人たちが抱える土地をめぐる事情
今回は花街から始まり、虞淵の故郷へと舞台が移ります。
左膳の意外な才能とは?
物語の冒頭、猫猫のもとに壬氏様から手紙が届きます。
そこには新たな面倒事が書かれており、猫猫は出かける準備を始めようとしていました。そんなとき、草摘みに出かけていた趙迂(チョウウ)、梓琳(ズーリン)、左膳(サゼン)が戻ってきます。3人が持ち帰った草をきっかけに、猫猫は左膳の思いがけない才能に気づくことになりました。

左膳とはどんな人物?
左膳は、第2期で子の一族の砦にいた男性です。砦の事件後は花街で暮らすようになり、現在は緑青館で右叫(ウキョウ)の下につき、男衆として働いています。
今回も、趙迂と梓琳が草を摘みに行く際のお目付け役として同行していました。どこか頼りなさそうに見える左膳ですが、実は薬草について意外な知識を持っていたようです。
なお、アニメで左膳を演じているのは声優の前野智昭さんです。
ヨモギとトリカブトの違い
趙迂たちがヨモギと間違えて採ってきたのは、毒草のトリカブトでした。
ヨモギは草餅やお灸などに使われる身近な植物です。一方、トリカブトは強い毒性を持ち、誤って口にすると命に関わることもあります。実際にも、山菜などと取り違えて食べたことによる食中毒が起きています。

名前を聞いたことはあっても、どのような植物なのか知らなかった人もいるのではないでしょうか。猫猫は採ってきた草の危険性に気づきますが、同時に左膳の様子にも注目していました。
猫猫が気づいた才能とは?
趙迂たちが採ってきた草を確認していた猫猫は、左膳が薬草について意外な知識を持っていることに気づきます。実は猫猫は、壬氏様からの依頼でしばらく薬屋を留守にするため、その間に店を任せられる人物を探していました。
左膳は現在、緑青館で右叫の下について男衆として働いていますが、どうやらその仕事にはあまり向いていない様子。そんな左膳が薬草に詳しいとわかり、猫猫は「嬉しい誤算」と喜びます。そこで猫猫は、いっそ薬屋になってはどうかと左膳に提案しました。

左膳の才能を伸ばしたいというよりも、自分の留守を任せられる人材が見つかったことが大きかったようです。思いがけず薬師候補が現れたことで、猫猫は渡りに船とばかりに左膳を薬師の道へ引き込もうとします。
左膳にとっては突然の話ですが、猫猫にとっては絶好の機会。こんなところにも、猫猫の抜け目なさが表れていましたね。
突如やってきた壬氏様と馬閃
左膳の才能が明らかになってから数日後、花街の薬屋に猫の毛毛と虞淵がやって来ました。そしてさらに現れたのが馬閃と変装した壬氏様。
猫猫は、虞淵の故郷へ向かう一行に加わることになりました。

壬氏様が変装した理由は?
壬氏様は皇弟という立場にあります。そのため、普段の姿のまま出歩けば目立ってしまいます。今回も身分を隠すため、変装して登場しました。
猫猫たちは虞淵の里帰りに同行しますが、壬氏様がこの旅にどのような目的を持っているのかは、まだ詳しく明かされていません。猫猫に面倒事を持ち込んだ壬氏様が、わざわざ自分も同行するのはなぜなのでしょうか。
一行が向かった先で何が起こるのか、気になるところです。
馬閃は猫も苦手?
旅の道中では、馬閃の意外な一面も描かれました。
猫の毛毛を前にして、どうも落ち着かない様子の馬閃。それを見た猫猫は「苦手なものが多い男だな」ともらします。

第51話では、白鈴に近づかれて顔を赤くするなど、女性に慣れていない様子が印象的だった馬閃。今回は、猫にまで苦手意識があるのかと思わせる反応を見せていました。
武官としては頼もしい馬閃ですが、こうした場面では年相応の不器用さが感じられますね。今後も馬閃の様子や反応に注目したいところです。
虞淵の家族と過去を解説
一行が到着したのは、虞淵の故郷にある紙作りの村です。

虞淵の家族構成は?
虞淵の実家は、代々紙作りを営んできた家です。今回の第54話では、虞淵の妹夫婦と、2人の甥が登場しました。
登場人物 |
虞淵との関係 |
|---|---|
虞淵 |
本人。宦官となり後宮で医官として働く |
妹 |
虞淵の実の妹 |
妹の夫 |
虞淵の義弟。今回相談を持ち掛けてきた人物 |
甥(兄) |
妹夫婦の長男(態度が悪かった方) |
甥(弟) |
妹夫婦の次男 |
家族のなかでも、特に気になったのが兄の方の甥です。態度があまりよくなく、猫猫もよい印象を持たなかったようですね。普段の虞淵は穏やかで人当たりのよい人物ですが、家族の性格まで似ているわけではないようです。
妹夫婦と甥たちは、今回の村の問題にも関わる人物なので、それぞれの立場を押さえておくと、この後の話がわかりやすくなります。
壬氏様の動揺も見どころ
虞淵の妹は、猫猫を見て「こんな若い嫁さんを連れてきたかと驚いた」と話します。しかし、虞淵は「それはないねぇ」と即答。猫猫も「そうですね」とあっさり同意しました。
すると、その直後に「ガチャンッ!」という音が。壬氏様が手にしていた湯呑を落としてしまったのです。猫猫はその様子を見て、やれやれと言わんばかりにため息をついていました。
普段は冷静な壬氏様ですが、猫猫と虞淵のやり取りに内心動揺していたのでしょう。猫猫が虞淵の嫁だと勘違いされたことが気になったのか、それとも別の何かを想像して反応したのか、真意は明らかになっていません。
言葉は少ないですが動揺を隠せないでいる壬氏様の姿は、今回一番の取れ高シーンだったのではないかと思います。
妹の代わりに宦官になった過去
虞淵は以前、妹の代わりに後宮へ入り、宦官になったことを猫猫に話していました。虞淵の故郷は貧しく、家族の生活も楽ではなかったようです。宦官になることは、その後の人生に大きく影響する決断でした。
普段は少し気弱で頼りなく見える虞淵ですが、家族のために後宮へ入った過去があったのですね。今回、妹とその家族が登場したことで、以前語られた話を思い出した視聴者もいるのではないでしょうか。
「太子を取り上げた名医」は嘘?
虞淵の家族との会話では、少し笑ってしまう場面もありました。
妹の夫は、虞淵について「天子様のお子を取り上げたほどの名医」と聞いている様子でした。しかし、猫猫はすぐに話の食い違いに気づきます。
実際に皇帝の子(つまり壬氏様)を取り上げたのは、猫猫の養父である羅門(ルォメン)のはず。どうやら虞淵は、後宮での仕事について家族に話を盛っていたようですね。

出典: x.com
事情を知っている猫猫でしたが、あえて訂正せずに黙っておいてあげることにします。そして、ふと壬氏様を見ると、壬氏様は遠い目をしていました。猫猫が事情を察する一方で、壬氏様も何ともいえない反応を見せているのが面白いところです。
普段は謙虚な印象の虞淵にも、家族には立派な医者だと思われたい、もしくは安心させたいという気持ちがあったのかもしれません。もっとも、この話を信じた家族からすれば、虞淵は宮廷にも顔が利く名医ということになります。その期待が、村で起きている問題にもつながっていきます。
紙の村で起きている問題とは?
虞淵の故郷では、昔から紙作りが行われてきました。
しかし、村では土地の買い取りをめぐって問題が起きていました。さらに、その背景には国の税金も関係しているようです。事情が少し複雑なので、順番に整理してみましょう。
紙の村はどんな場所?
虞淵の実家は、代々紙作りを生業としてきました。
村人たちは紙作りに必要な土地や森を地主から借りており、以前の地主とは、20年かけて代金を支払えば土地と森を譲り受けられるという約束を交わしていました。村人たちはその約束に従い、毎年お金を支払っていたのです。
ところが、数年前に地主が亡くなり、代替わりしたことで状況が変わってしまいました。
村人は何に困っている?
新しい地主は、これまでの約束とは異なり、借金の返済を急ぐよう強く迫ってくるようになりました。
特に問題なのは、20年かけて支払うはずだったお金を、急に払うよう要求されていることです。
村人たちは約束どおりに支払いを続けていたため、突然まとまったお金を用意するのは簡単ではありません。このままでは、土地や森を失い、長年続けてきた紙作りができなくなるおそれがあります。
さらに、新しい地主はよそ者を嫌い、職人を見下しているといいます。村で作られた紙が宮廷御用達になったことも、気に入らないようです。こうした地主の態度も、村人たちとの対立を深める原因になっていると考えられます。
そこで、虞淵の妹夫婦は、宮廷で医官を務める虞淵に助けを求めたのでした。
土地の問題と今後の行方
新しい地主が村人たちに厳しく当たる背景には、税金への不満もありました。
現在、国では蝗害(こうがい)への対策として、穀物にかかる税金を引き上げています。一方、紙は普及するようにとかかる税金が引き下げられていました。地主はこの税制の違いにも腹を立てており、自分たちでも紙作りを始めようとしているそうです。
つまり、村人たちへの反感と税金への不満が重なり、土地をめぐる対立が深まっているようです。そこで虞淵の義弟は、宮廷で働いている虞淵に、穀物の税金を引き下げてもらえないかと相談しました。
しかし、蝗害対策のために増税を進めているのは、ほかでもない壬氏様たちです。話を聞いていた壬氏様と馬閃は、税の変更が実際にどのような影響を与えているのか気になったのでしょう。馬閃は、今度行われる地主との話し合いに同席したいと申し出ます。
第49話から描かれてきた蝗害への対策が、思わぬ形で紙の村の問題につながってきましたね。農作物への増税は蝗害に備えるための政策ですが、その影響で地主が不満を持ち、村人たちの暮らしにも問題が生じています。
49話について詳しくはこちら↓
国を守るための政策が、現場では新たな問題を引き起こしているという点も、今回の重要なテーマではないでしょうか。壬氏様と馬閃は、地主との話し合いを通じて何を知ることになるのでしょうか。そして、村人たちは土地と紙作りの仕事を守れるのでしょうか。後編の展開に注目です。
まとめ|紙の村の謎は後編へ
アニメ『薬屋のひとりごと』第54話「紙の村(前編)」では、壬氏様からの依頼をきっかけに、猫猫たちが虞淵の故郷を訪れました。

出典: x.com
前半では、ヨモギとトリカブトの取り違えから左膳の薬草の知識が明らかになり、猫猫は薬屋を任せる人材として目をつけます。後半では虞淵の妹夫婦と甥2人が登場し、村で起きている土地の問題が明らかになりました。
地主との対立には、蝗害対策による増税や、紙作りへの反感も関係しているようです。第49話から描かれてきた蝗害対策が、思わぬ形で今回の事件につながってきましたね。
次回予告|第55話
次回は「紙の村(後編)」。
壬氏様と馬閃は、地主との話し合いに同席することになりました。村人たちは土地と紙作りの仕事を守れるのでしょうか。そして、壬氏様たちはこの問題にどう向き合うのでしょうか。
後編での展開に注目です。





































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