作中で度々登場し、未だ詳細不明の「ロッキーポート事件」
“首謀者”のロー。”英雄”と呼ばれるようになったコビー。”海賊島のボス”となった黒ひげ。
断片的な情報が明らかになっていく中、本質的な部分はあまり触れられてません。
この記事では、事件の流れと関連人物の背景の解説、3人が共闘した理由や黒ひげと王直の関係などを考察しています。
また今後映像化や小説化される可能性についても予想しています。
本記事は『ONE PIECE』単行本最新巻および、ジャンプ本誌最新話のネタバレを含みます。
目次
ロッキーポート事件とは
出典: one-piece.com
ロッキーポート事件は、トラファルガー・ロー、コビー、黒ひげが躍進するきっかけになった出来事です。
初出は2年後の新王下七武海の紹介場面で「ロッキーポート事件の首謀者 死の外科医トラファルガー・ロー」という形で登場していました。
その後は世界会議編、ワノ国編、エッグヘッド編、「尾田っちが答える10問10答」、映画『ONE PIECE FILM RED』で触れられています。
ポイントとなる要素は以下の7点です。
- 事件は麦わらの一味が2年間の修業中に起きた。
- ローが海賊島の海賊100人の心臓を政府に送り届けたことで、王下七武海へ加入した。
- コビーが海賊島に居た市民を救ったことで、海軍の英雄と呼ばれるようになった。
- 黒ひげが海賊島の元締め王直を倒して、海賊島のボスとなった。
- ロー、コビー、黒ひげの3人はある共通の目的の元に共闘した。
- 関連人物の背景には、いくつか謎が残されたままになっている。
- 事件名はローがジャックした巨大客船「ロッキーポート号」が由来。
リク王から「あの有名なコビー大佐か」と語られていたり、映画『ONE PIECE FILM RED』では、コビーは市民に非常に慕われていました。
ワンピース世界での認知度は非常に高いことも窺えますね。
事件の流れ
ロッキーポート事件は、大きく分けて【事件発生】【海賊島まで騒動が発展】【事件後】の3段階で構成されています。
事件発生 |
|
|---|---|
海賊島まで騒動が発展 |
|
事件後 |
|
ロッキーポート号については、黒ひげ海賊団 vs SWORD前にアバロ・ピサロから「ロッキーポートの修復がおわったとこ」と僅かに触れられていました。
関連人物
トラファルガー・ロー
出典: one-piece.com
事件の首謀者?
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ローは、表向きは事件の首謀者として扱われています。
しかし、実際はコビーと黒ひげもほぼ同じタイミングで海賊島に上陸しており、きっかけを作っただけでした。
政府は都合の悪いことを海賊に擦り付ける偏向報道を度々行っているので、ローを首謀者として扱った方が何かと都合が良かったのでしょう。
本当の目的は海賊島のポーネグリフの探索
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ローは事件中に、海賊島に居た海賊100人の心臓を回収していましたが、当初は、ポーネグリフが海賊島にあると聞き付けて調査する予定でした。
ポーネグリフを探している理由は、自分の運命と深いかかわりのあるDの一族の秘密を探ろうとしているからだと考えられます。
- ドン・キホーテ海賊団に所属していた頃、コラソンから「宿命の一族」「Dはまた嵐を呼ぶ」など意味深な助言を受けていた
- ワノ国編で「この数奇な運命の意味を知りてェ」とDの一族と自分の運命へ強い関心を持っていた
- 博識なロビンにも「Dの一族とは何なのか」と尋ねていた
かなり熱心に調査している様子が窺えますね。
ちなみに、ローはDの一族で唯一忌み名が判明しているキャラでもあり、本名は「トラファルガー・D・ワーテル・ロー」でした。
特別な血筋だったのか?それともDの一族は全員が忌み名を与えられているのか?
色々な謎は考察されており、現時点では他のDの一族よりやや特殊な状況にあります。
ドフラミンゴを陥れるためでもあった
出典: one-piece.com
ローが海賊島にいる海賊の心臓100個を政府へ送り付けて王下七武海に加入した真の狙いは、ドフラミンゴを失脚させるためでした。
加入後は政府の研究施設であるパンクハザードに自然に潜り込み、麦わらの一味と同盟を組むことになります。
- 王下七武海に加入して、政府の研究施設であるパンクハザードを調査する権限を得る
- さらにドフラミンゴはカイドウに人造悪魔の実 スマイルを使って裏取引をしていた情報を掴む
- 麦わらの一味と同盟を組んで、ドレスローザ地下にあるスマイルの工場を破壊する計画を建てる
- シーザーを誘拐して、ドフラミンゴを王下七武海から降りるように脅迫する
- カイドウと政府の後ろ盾を無くしたドフラミンゴを襲撃する
またローが回収した100個の心臓は未だ取り返せていないようで、107巻1081話〝黒ひげ海賊船船長クザン〟では、心臓を取られた海賊は「現在もハチノスで怯えて暮らしている」ようです。
コビー
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海軍の英雄と呼ばれるようになった
出典: one-piece.com
コビーは海賊島に居た市民を救ったことで、英雄と呼ばれるようになりました。
そもそもの動機は不明ですが、海賊島はロックスが過去に拠点にしていたり、島に金鉱脈が発見されて海賊達が闇の組織と通じて莫大な富を築くなど多くの闇が渦巻いていました。
また、コビーは2年後には上の許可なく海賊と売れるSWORDに加入していました。
正義感が強くて無謀なところがあるので、性格的に自身の身の安全は二の次でロックス関連の事件の進展を得ようと調査に向かったのでしょう。
覚醒の兆しが見えていた
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コビーの当時の階級は不明ですが、2年後では、曹長 ➡ 大佐と飛び級しています。(階級順は曹長 ➡ 少佐 ➡ 中佐 ➡ 大佐)
世界会議編でドレスローザ王国の船が海賊に襲われそうになった時は、船に直撃しそうな魚雷を防ぐ芸当を披露しています。
ヘルメッポからコビーの見聞色の覇気は高く評価されており、黒ひげ海賊団 vs ガープ・SWORD戦では、海賊島の半分近くの大きさを持つアバロ・ピサロの攻撃をねじ伏せていました。
ロッキーポート事件での経験がきっかけで潜在能力が覚醒し始めたのでしょう。
マーシャル・D・ティーチ(黒ひげ)
出典: one-piece.com
目的は海賊島のボスになること
出典: one-piece.com
黒ひげは王直を倒したことで、海賊島のボスになりました。
黒ひげは2年前の時点では無名の海賊でしたが、王下七武海加入後に頭角を現し始め、現在は四皇に上り詰める程の戦力を持つようになりました。
「ハチノスを世界政府加盟国に加入させ、自身は国王となる」野望を語っており、ハチノスへの執着を見せています。
関連性は不明ながら、父ロックスも海賊島を拠点に活動しており、親子関係での動機が示唆されています。
王直
出典: one-piece.com
海賊島の元締め
王直は元ロックス海賊団であり、金獅子、銀斧、キャプテン・ジョンとも並列される程の人物です。
最新話では、ロックス海賊団壊滅の遠因を作った人物と示唆されており、黒ひげからの心証は非常に悪いものと考えられます。
ロー、コビー、黒ひげが共闘した理由
ロー、コビー、黒ひげが共闘した理由はそれぞれの思惑や動向から推測できます。
それぞれの思惑
名前 |
動向 |
|---|---|
|
出典: one-piece.com トラファルガー・ロー |
海賊の心臓100個を政府に送り付ける |
|
出典: one-piece.com コビー |
市民を救い、英雄と呼ばれる |
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出典: one-piece.com マーシャル・D・ティーチ(黒ひげ) |
海賊島のボスになる |
利害の一致?
出典: one-piece.com
海賊というのは利害さえ一致していれば、例え過去に敵対していようと協力することがあります。
実際、ローはルフィを敵と捉えながらもドフラミンゴ失脚のために同盟を持ちかけたり、黒ひげは「利害の一致」を理由にクザンのスカウトに成功しています。
コビーも黒ひげ海賊団から脱走する際には、ペローナからモリアの居場所を教える条件を飲んで開放されていました。
つまり、コビーも目的達成のためならば、海賊と手を組むことにそれほどの抵抗は無いと考えられます。それが無力な市民を守るためであったら、尚更でしょう。
ゴッドバレー事件と似ている?
ロッキーポート事件とゴッドバレー事件は構図が酷似しています。
ロッキーポート事件 |
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|---|---|---|
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海賊(ロー、黒ひげ) 海軍(コビー) |
⚔ |
王直 |
ゴッドバレー事件 |
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海賊(ロジャー) 海軍(ガープ) |
⚔ |
ロックス |
事件後にはガープ、コビーは海軍の英雄と呼ばれるようになります。
登場人物の数に多少差異はあるものの、海軍・海賊 vs 悪の親玉と構図は非常に似通っています。
作中において特別な意味は無さそう
ゴッドバレー事件は、海賊と海軍の共闘、悪の快進撃とまで言われていたロックスが倒された歴史上、大きな意味をもたらした事件でした。
さらに政府の都合により島が跡形も無く消されると、闇に葬られた事件でもあります。
そんなゴッドバレー事件と構図が似通っているロッキーポート事件も、何かしら謎が隠されているのでは?と推測するところですが…作者本人から「長くなりそうなので描く予定はない」と明言されてしまいました。
なので、ロッキーポート事件に関しては特別な伏線が隠されている訳では無さそうです。
映画や小説で描かれる?
映画化されるとしたら…
ロッキーポート事件が仮に映像化されるとしたら、『3D2Y』『エピソードオブサボ』のように本編の内容が一部補完される形になると考えられます。
作品名 |
内容 |
|---|---|
|
出典: one-piece.com 3D2Y |
頂上戦争後 ~ シャボンディ諸島編で麦わらの一味が再会するまでの2年間の物語が深掘りされた。 |
|
出典: one-piece.com エピソードオブサボ |
幼少期のルフィ、エース、サボの馴れ初めから始まり、ドレスローザ編をサボ視点から描いたもの。 |
キャラ人気が製作のきっかけになることも
出典: one-piece.com
『エピソードオブサボ』プロデューサーの櫻田博之氏のコメントでは、「今人気爆発中の~」「ファン待望」との文言が含まれてました。
つまり、制作された背景にはサボの人気がかかわっていたと読み取れます。
ローはサボにも負けない人気キャラの1人です。実際に以下の実績もあります。
- 過去の人気投票で、不動の2位枠だったゾロを抑えて2位
- WT100で一味の主要メンバーを差し置いて5位
- アニメ626~628話では、ルフィと並んでのオリジナルエピソードが展開
なので、ローに焦点を当てた映像作品が製作される可能性は高いと言えるでしょう。
▼プロデューサー櫻田博之氏のコメント全文はこちら
「novel Law」で描かれる可能性が高い
出典: one-piece.com
『ONE PIECE magazine』では、ローが主役のスピンオフ小説「novel LAW」の続編にあたる「novel LAW 鬼哭の刻」が連載されています。
ハートの海賊団結成後に焦点が当てられたもので、前作はドン・キホーテ海賊団離脱 ~ ハートの海賊団結成まででした。
スピンオフ作品では異例の続編に当たり、ローがファンやスタッフに愛されているのが分かります。
詳細はSBSで深掘りされる可能性が高い
以下はロッキーポート事件と関連情報のまとめになります。
- ロー、コビー、黒ひげが名を上げた出来事である
- 3人が共闘したのは利害の一致によるものが濃厚
- 黒ひげが父親ロックスの跡を継ごうとしている意思が透けた
- 作者本人が「本編では描かないような気がする」と明言していたが、今後映像化、または小説化される可能性はある
- 一方で、本編で扱わないということから、事件自体は作中では重要な意味は持たない
最近はSBSで本編の内容が一部補完される流れにあります。
なので、SBSで事件の全容が明かされる可能性も考えられます。
いずれにせよ「ロッキーポート事件は今後取り扱う予定はない」とまで断言されていないので、続報を期待しましょう。



































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