本記事は『ONE PIECE』に登場する「神典 (ハーレイ)」の解説・考察です。壁画と神典は同一の事柄を指していると解釈し、考察していることにご了承ください。
本記事は『ONE PIECE』単行本最新刊およびジャンプ本誌最新話のネタバレを含みます。
▼2/8更新
・A、Bの異なるパターンを考察
目次
神典 (ハーレイ)とは?
神典(ハーレイ)とは、太古より伝わるエルバフの教典です。原文を元に国内の神話や物語が作られていますが、解釈を巡って議論が勃発する程難解な文章になっていました。
さらに第三世界が作中の時間軸を指している言われており、予言書としての一面も担っています。
また神典と同一と思われる壁画が、僻地にある石化した樹皮に描かれており、その歴的的価値から国の文化遺産に指定されていました。しかし、戦争以外の歴史が残されていない筈の中で、種族間の交流が描かれてる事から、子供の夢ではないかと思われていました。
登場人物は主に白と黒で分けられており、数的に「白=一般人」「黒=神」「灰=神と一般人のハーフ」のように描き分けられています。
※本記事では、第一、第二世界の解釈がそれぞれ異なるA、Bの2パターンを紹介します。作中でも様々な解釈がある様に、筆者の一意見として読んでいただけると幸いです。
パターンA
第一世界
以下は第一世界の要約です。
原文 |
要約 |
---|---|
地に炎あり 人は欲望に負け 禁断の太陽に触れた |
人の文明は発達していた しかし人々は欲望に負けてしまい、神の定めたタブーを犯した |
隷人は願い 太陽の神は現れた |
奴隷達が救世主を願うと、太陽の神「ニカ」が現れた |
地の神は怒り 業炎の蛇と共に世界を死と闇で包んだ |
地の神「プルトン」も人々に対して怒り、業炎の蛇「赤い土の大陸(レッドライン)」を遣わした。その結果、世界は分断された (4つの海が誕生) |
彼らはもう会えないのだ |
奴隷達は太陽の神「ニカ」と会えなくなってしまった |
太陽の神「ニカ」と地の神「プルトン」を交えた、人類の文明の発達~滅亡までを描いた物語です。
以下の要素から各セクションを解説します。
第一世界のセクション
- 禁断の太陽と消えない炎(マザーフレイム)
- 奴隷の誕生とニカの出現
- 地の神と業炎の蛇の正体
- 世界の分断
禁断の太陽と消えない炎(マザーフレイム)
出典: one-piece.com
該当箇所 |
|
---|---|
地に炎あり 人は欲望に負け 禁断の太陽に触れた |
人の文明は発達していた しかし人々は欲望に負けてしまい、神の定めたタブーを犯した |
「禁断の太陽 = 消えない炎」
- 次のセクション「神が怒り」 = 禁断の太陽に触れる事は、神の定めたタブーを犯すようなもの
- 消えない炎を開発した件で懺悔するベガパンクとリンク
ベガパンク
『これが一つ目の私の罪
永遠のエネルギーを夢見た…この世界を大きく未来へ進めたい一心で…私は「太陽」に…!!近づきすぎてしまった』
出典: 『ONE PIECE』1114話〝イカロスの翼〟
「炎」は前後の文脈的に文明の発達の比喩表現と考えられます。
奴隷の誕生とニカの出現
出典: x.com
該当箇所 |
|
---|---|
隷人は願い 太陽の神が現れた |
奴隷達が救世主を求めて願うと、太陽の神「ニカ」が現れた |
- 前のセクションが文明の発達を指している → 文明が栄えた結果、身分に格差が生まれた → 奴隷の誕生
- 魚人族、バッカニア族などの奴隷達の間で、救世主的存在である太陽の神「ニカ」の伝承がある
第二世界にはジョイボーイと思わしき人物と、悪魔の実が誕生しているので、第一世界の太陽の神はニカそのものを指している考えられます。
地の神と業炎の蛇の正体
出典: one-piece.com
該当箇所 |
|
---|---|
地の神は怒り 業炎の蛇と共に世界を死と闇で包んだ |
地の神「プルトン」も人々に対して怒り、業炎の蛇「赤い土の大陸(レッドライン)」を遣わした。その結果、世界は分断された(4つの海が誕生) |
「地の神の正体 = プルトン」
- 地の神とワノ国地下に眠る古代兵器「プルトン」で、「地」つながり
- 古代兵器は神の名を持つ
「業炎の蛇の正体 = 赤い土の大陸」
- 業炎 → 炎 → 赤 → 赤い土の大陸
- ルフィが魚人島を滅ぼす予言との関連
- 北欧神話「ヨルムンガンド」とのリンク
ルフィが魚人島を滅ぼすとの予言が赤い土の大陸の破壊を指していたとしたら、「世界を死と闇で包まれた」 → 第三世界「新しい朝が来る(夜明け)」に綺麗につながります。
北欧神話に登場するヨルムンガンドとは、海の底でヨスガルズ(人間族の国)に巻き付きながら、自身の尻尾を咥えられる程の大蛇です。別名が「世界の蛇」。またエルバフには北欧神話をモチーフとしたものが多数登場しています。
世界の分断
該当箇所 |
|
---|---|
彼らはもう会えないのだ |
奴隷達は太陽の神「ニカ」と会えなくなってしまった |
世界が分断された事により、奴隷達の間で太陽の神「ニカ」は伝承化。という流れであれば、現代のニカ信仰に説明が付きます。
第二世界
以下は第二世界の要約です。
原文 |
要約 |
---|---|
虚無に息吹あり 森の神は魔を遣わせた |
森の神「ウラヌス」は悪魔の実が成る木を作った |
太陽は戦火を広げるばかりだ |
ゴムゴムの実を食べたジョイボーイは、世界中で奴隷を救うべく奔走した |
半月の人は夢を見た 月の人は夢を見た |
Dの一族と月の人は、ジョイボーイの目指す世界が実現される日を夢見た |
人は太陽を殺し神となり 海の神は荒ぶった |
イムがジョイボーイを殺して新たな神となると、ポセイドンは悲しみのあまり暴れ回り、凪の帯(カームベルト)が出来た |
彼らはもう会えないのだ |
凪の帯に阻まれ、魚人族は人と会えなくなった |
主人公「ジョイボーイ」が悪魔の実の能力者となって戦い、敗れるまでの物語です。
以下の要素から各セクションを解説します。
第二世界のセクション
- 森の神の正体と悪魔の実の誕生
- ジョイボーイの台頭
- 半月の人と月の人
- 海の神の正体と偉大なる航路(グランドライン)の誕生
- 魚人島の孤立
森の神の正体と悪魔の実の誕生
出典: one-piece.com
該当箇所 |
|
---|---|
虚無に息吹あり 森の神は魔を遣わせた |
森の神「ウラヌス」は悪魔の実が成る木を作った |
森の神 = ウラヌス
- 古代兵器は神の名を持つ
- 消去法(地、海の神がプルトン、ポセイドンを指している可能性が高い)
悪魔の実の誕生
- 「魔を遣わせた」と「悪魔の実」で「魔」つながり
- 壁画中央の第二世界と思われる森の神と巨大な木
「魔」が悪魔の実であれば、後の「太陽」の出現につながります。
ジョイボーイの台頭
出典: www.youtube.com
該当箇所 |
|
---|---|
太陽は戦火を広げるばかりだ |
ゴムゴムの実を食べたジョイボーイは、世界中で奴隷を救うべく奔走した |
- 前のセクションが悪魔の実の誕生
- ジョイボーイはゴムゴムの実の能力者であり、奴隷の救世主的存在としての伝承がある
- ジョイボーイは20の王国と戦争していた
- 戦争の原因は異なる思想の衝突
「戦火を広げるばかり」から太陽が悪者のような印象を受けます。しかし、戦争の火種が2つの思想のぶつかり合いであるからと、ベガパンクには善悪の区別が付けられませんでした。
なので、ジョイボーイの戦いも見方次第では悪い風にも捉えられると言えます。
半月の人と月の人
出典: one-piece.com
該当箇所 |
|
---|---|
半月の人は夢を見た 月の人は夢を見た |
Dの一族と月の人は、ジョイボーイの目指す世界が実現される日を夢見た |
半月の人 = Dの一族
- これまであった数々の月とDの一族との示唆
- 20の王国はDの一族と敵対していた = ジョイボーイ陣営
- 半月 → 月の半分 → 月の人のハーフ
半月と月の人が並列されているので、2種族の夢は同一と言えます。よって、月の人もジョイボーイ陣営との見方ができます。
また以下のようにDの一族の正体は、何らかの特殊能力を持った集団の称号のようなものとも解釈ができます。
- イム「名前の意味すら知らない抜け殻」
- コラソン「神の天敵」
海の神の正体と偉大なる航路(グランドライン)の誕生
該当箇所 |
|
---|---|
人は太陽を殺し神となり 海の神は荒ぶった |
イムがジョイボーイを殺して新たな神となると、ポセイドンは悲しみのあまり暴れ回り、凪の帯(カームベルト)が出来た |
海の神 = ポセイドン
- ポセイドンは海王類を操れる
- ポセイドン(魚人族)とジョイボーイは友好的な関係を築いていた
- 太陽が殺されて荒ぶる
- しらほしは、感情が高ぶると無意識に能力を発動させてしまう
太陽をジョイボーイに置き換えると、ジョイボーイの軌跡と一致します。
また古代兵器は世界を滅ぼす程の能力を持つと言われているので、凪の海の形成するように世界全体に影響を与える事が出来ても不思議ではありません。
魚人島の孤立
該当箇所 |
|
---|---|
彼らはもう会えないのだ |
凪の帯に阻まれ、魚人族は人と会えなくなった |
凪の海は巨大な海王類の生息地となっており、通常はリヴァース・マウンテンを通過して避けます。逆に言えば、リヴァース・マウンテンが無ければ、魚人島のある偉大なる航路に到達するのは困難となります。
パターンB
第一世界
第一世界の要約は以下の通りです。
原文 |
要約 |
---|---|
地に炎あり 人は欲望に負け 禁断の太陽に触れた |
人の文明は発達していた しかし人々は欲望に負けてしまい、神の定めたタブーを犯した |
隷人は願い 太陽の神は現れた |
奴隷達が救世主を願うと、太陽の神ニカが現れた |
地の神は怒り 業炎の蛇と共に世界を死と闇で包んだ |
地の神「ウラヌス」も人々に対して怒り、業炎の蛇を遣わしたが、ヤミヤミの能力で月諸共世界を滅ぼしてしまった |
彼らはもう会えないのだ |
奴隷達は太陽の神ニカと会えなくなってしまった |
太陽の神ニカの出現と世界が滅ぶまでの流れが描かれています。
以下から各セクションを解説していきます。
第一世界のセクション
- 舞台は月
- シャンディアとスカイピアの歴史
- 禁断の太陽と消えない炎(マザーフレイム)
- ジョイボーイ(太陽の神ニカ)は奴隷達の救世主
- 地の神の正体と業炎の蛇
- 太陽の神ニカの伝承と奴隷が崇める理由
- イムと象主に似た存在
- エルバフの神話では冥界=第一世界
- 天歴と海円歴
舞台は月
出典: one-piece.com
第一世界の舞台が月であると示す要素
- 上部の大きな月
- 月の人の特徴、箱舟、古代都市「ビルカ」と似たデザイン
- 雷を放出する箱舟と、月の壁画に登場する箱舟からインスピレーションを得たとされるマクシムとのリンク
月に関する描写は、扉絵連載「エネルのスペース大作戦」で描かれていました。壁画の内容が青い星への移住を試みる月の人なので、月の資源不足と世界の滅亡という点でつながっています。
シャンディアとスカイピアの歴史
出典: one-piece.com
ロビンはシャンディアの祭壇を見て「少なくとも1,000年は経過している」と分析していました。シャンディア、スカイピアの住民の特徴も月の人とほぼ一致しており、彼らが月の人の末裔にあたる部族だと裏付けています。
さらにシャンディアでは太陽、森、雨、大地の神の信仰と、代々歴史の本文を守る役割を担っていました。第二、第三世界とも繋がり、神典と非常に関連深い部族です。
禁断の太陽と消えない炎(マザーフレイム)
出典: one-piece.com
該当箇所 |
|
---|---|
地に炎あり 人は欲望に負け 禁断の太陽に触れた |
人の文明は発達していた しかし人々は欲望に負けてしまい、神の定めたタブーを犯した |
「禁断の太陽=消えない炎」
- 後の文章で神が怒る=禁断の太陽に触れる事は、神の定めたタブーを犯すようなもの
- 消えない炎を開発した件で懺悔するベガパンクとリンク
ベガパンク
『これが一つ目の私の罪
永遠のエネルギーを夢見た…この世界を大きく未来へ進めたい一心で…私は「太陽」に…!!近づきすぎてしまった』
出典: 『ONE PIECE』1114話〝イカロスの翼〟
「炎」は前後の文脈的に文明の発達の比喩表現と考えられます。
奴隷の誕生とニカの出現
出典: x.com
該当箇所 |
|
---|---|
隷人は願い 太陽の神が現れた |
奴隷達が救世主を求めて願うと、太陽の神ニカが現れた |
- 前の文章が文明の発達を指している → 文明が栄えた結果、身分に格差が生まれた → 奴隷の誕生
- 魚人族、バッカニア族などの奴隷達の間で、救世主的存在である太陽の神「ニカ」の伝承がある
第二世界にはジョイボーイと思わしき人物と、悪魔の実が誕生しているので、第一世界の太陽の神はニカそのものを指している考えられます。
地の神の正体と業炎の蛇
出典: one-piece.com
該当箇所 |
|
---|---|
地の神は怒り 業炎の蛇と共に世界を死と闇で包んだ |
地の神「ウラヌス」も人々に対して怒って業炎の蛇を遣わしたが、ヤミヤミの能力で月諸共世界を滅ぼしてしまった |
地の神 = 古代兵器「ウラヌス」
- 古代兵器は神の名を持つ
- 世界を滅ぼす程の能力で共通する
業炎の蛇 = ヤミヤミの能力を持ったカシ神の先祖
- シャンディアの部族は月の人と同じ外見
- カシ神はシャンディアで地母神のように信仰され、畏れられた神
- 世界を死と闇で包んだ = ブラックホール
特にシャンディアの部族は、歴史の本文を守る役目を先祖代々から担っているなど、月と非常に関連深いです。
太陽の神「ニカ」と奴隷達の絆
該当箇所 |
|
---|---|
彼らはもう会えないのだ |
奴隷達は太陽の神ニカと会えなくなってしまった |
第一世界の登場人物は5種類に分けられます。
- 禁断の太陽に触れた人
- 隷人
- 太陽の神
- 地の神
- 業炎の蛇
上記の中で友好的な関係と思われるのは隷人と太陽の神のみ。消去法により、彼らとは奴隷達と太陽の神ニカを指してます。
イムと象主に似た存在
出典: one-piece.com
黒い体と、細長い王冠はイムの特徴と概ね一致しており、巨大な象は象主を彷彿とさせます。
第一世界が滅びた後の第二、第三世界にもイムと思わしき人物が登場しており、オペオペの実の不老手術が施された人物ではないかと推測されていました。象主も1,000以上前から生息しています。よって、2人は第一世界から今に至るまでの生存者と言えます。
エルバフの神話では冥界=第一世界
出典: one-piece.com
ロキ曰く、エルバフの神話における第一世界とは冥界を指していました。
太陽の神ニカの能力を持つルフィと冥界の獣達が一瞬で打ち解けていた事から、太陽の神を信仰していた人物ともリンクします。よって冥界の獣達は、隷人、もしくは家畜の成れの果てであると考えられます。
天歴と海円歴
出典: one-piece.com
神典を元に解釈すると、それぞれの年号は「月の歴史=天歴」「原初の海賊であるジョイボーイの時代=海円歴」との仮説が立てられます。
- 天歴
カヒラによるアラバスタ征服…これが天暦239年…
260年 テイマーのビテイン朝支配
306年 エルマルにタフ大聖堂完成
325年 オルテアの英雄マムディンが…
- 海円歴
すごい…4,000年前の日誌なんて…海円歴1120年6月21日快晴陽気な町ヴィラを出航…
“記録指針(ログポース)”を従い港よりまっすぐ東北東へ進航中の筈である
記録指針が流通している事から、海円歴には海賊が存在していた可能性が高いです。
第二世界
以下は第二世界の要約です。
原文 |
要約 |
---|---|
虚無に息吹あり 森の神は魔を遣わせた |
森の神「プルトン」の使役した魔物が、砂漠に新たな命を与えた |
太陽は戦火を広げるばかりだ |
人々は再びタブーを犯してしまい、太陽の神ニカの能力を持ったジョイボーイは世界中で戦う事となった |
半月の人は夢を見た 月の人は夢を見た |
Dの一族と月の人は、ジョイボーイの目指す世界が実現される日を夢見た |
人は太陽を殺し神となり 海の神は荒ぶった |
ジョイボーイが殺されてしまい、イムが新たな神となると、ポセイドンは悲しみのあまり暴れ回った |
彼らはもう会えないのだ |
ジョイボーイとポセイドンはもう会えなくなってしまった |
第二世界はジョイボーイの物語を指しています。また20の王国と戦争した結果、世界が海に沈みました。神典にも世界は二度壊れたとあるので、内容も概ね合致しています。
以下から各セクションを解説していきます。
第二世界のセクション
- 森の神の正体と魔物
- ジョイボーイはかつて20の王国と戦争していた
- 半月の人と月の人
- 海の神の正体
- ジョイボーイと魚人族は約束していた
森の神の正体と魔物
出典: one-piece.com
該当箇所 |
|
---|---|
虚無に息吹あり 森の神は魔を遣わせた |
森の神「プルトン」が使役する魔物が、砂漠に新たな命を与えた |
森の神の正体 = プルトン
- 古代兵器は神の名を持つ
- アラバスタと砂漠、プルトンで関連している
- アラバスタ王国は4,000年以上前から存在している
第二世界は第一世界が滅びた後の話なので、「虚無」とは人類が滅亡して砂漠化した世界。つまりアラバスタ王国を指しています。
次の文章が「戦火を広げる」と戦争を表しているので、「息吹あり」とは生命の誕生の比喩表現でしょう。
アラバスタ王国は4,000年以上の歴史を持ち、国王は代々プルトンの所在が記された歴史の本文を守る役割を担います。太古の時代から存在していた裏付けになり、プルトンとも密接なつながりを持っています。
古代兵器「プルトン」は神の名を持ちますが、かつて世界を滅ぼした神という括りではないので、森の神という超常の存在からなぞられた可能性もあります。
ジョイボーイは、かつて20の王国と戦争していた
出典: one-piece.com
該当箇所 |
|
---|---|
太陽は戦火を広げるばかりだ |
人々は再びタブーを犯してしまい、太陽の神ニカの能力を持ったジョイボーイは世界中で戦う事となった |
- 第一世界は「太陽の神」、第二世界では「太陽」と別人を指している
- 前のセクションでは「息吹あり」と新たな人類の誕生を比喩している
- ジョイボーイはゴムゴムの実の能力者であり、奴隷の救世主的な存在として伝承が残っている
- ジョイボーイは20の王国(世界政府の前身組織)と戦争していた
- 戦争の原因は思想の不一致
「戦火を広げるばかり」から太陽が悪者のような印象を受けます。しかし、戦争の火種が2つの思想のぶつかり合いであるからと、ベガパンクには善悪の区別が付けられませんでした。
なので、ジョイボーイの戦いも見方次第では悪い風にも捉えられると言えます。
これらから、第二世界も第一世界の人類と同様の過ちを繰り返してしまい、再び身分に格差が生じて奴隷が生み出され、それを救う為に立ち上がったのがジョイボーイと言えます。「戦火を広げるばかりだ」とは、各地で奴隷を救うべく奔走する姿を悪い意味で捉えたと考えられます。
半月の人と月の人
出典: one-piece.com
該当箇所 |
|
---|---|
半月の人は夢を見た 月の人は夢を見た |
Dの一族と、月の人は、ジョイボーイの目指す世界が実現される日を夢見た |
半月の人 = Dの一族
- これまであった数々の月とDの一族との示唆
- 20の王国はDの一族と敵対していた = ジョイボーイ陣営
- 半月 → 月の半分 → 月の人のハーフ
半月と月の人が並列されているので、2種族の夢は同一と言えます。よって、月の人もジョイボーイ陣営との見方ができます。
また以下のようにDの一族の正体は、何らかの特殊能力を持った集団の称号のようなものとも解釈ができます。
- イム「名前の意味すら知らない抜け殻」
- コラソン「神の天敵」
海の神の正体
出典: one-piece.com
該当箇所 |
|
---|---|
人は太陽を殺し神となり 海の神は荒ぶった |
ジョイボーイが殺されてしまい、イムが新たな神となると、ポセイドンは悲しみのあまり暴れ回った |
- 人が太陽を殺して新たな神となった
- 太陽が殺されて海の神が荒ぶった
- ジョイボーイが戦っていたのは20の王国
- 20の王国の後身組織である世界政府の王はイム
- ジョイボーイと魚人族は約束をしていた
ジョイボーイの軌跡と一致するため、海の神はポセイドンを指していると考えられます。
ジョイボーイと魚人族は約束していた
出典: www.youtube.com
該当箇所 |
|
---|---|
彼らはもう会えないのだ |
ジョイボーイとポセイドンはもう会えなくなってしまった |
「太陽が殺される → 海の神が荒ぶる → 会えなくなった」という流れで締めているので、彼らとはジョイボーイとポセイドンを指していると見て間違いないでしょう。
第三世界=モンキー・D・ルフィの物語
以下は第三世界の要約です。
原文 |
要約 |
---|---|
混沌に空白あり |
800年~900年前の混沌とした時代は歴史の闇に葬られた(空白の100年) |
不都合な残影は約束の日を思い出し 月の声を聞く |
歴史の本文にあったジョイボーイと魚人族の約束から、月の人を想起させる |
太陽の神は踊り、笑い 世界を終末へと導く |
ニカの能力に目覚めたルフィが、戦争を終わらせるべく人々を先導する |
太陽は回帰し 新しい朝が来る |
勝利したルフィによって消えない炎はあるべき場所へと帰され、天竜人の支配から解放された”夜明け”を迎える |
彼らはきっと会えるだろう |
月の人と太陽の神、魚人族とジョイボーイは、それぞれルフィを通して再会するだろう |
サウロ曰く「これから起きる現世の話」とあったので、ルフィの物語を指していると考えられます。また巨大な怪物の特徴もイムと共通しています。
以下から各セクションを解説していきます。
第三世界のセクション
- 物語は空白の100年を解き明かす流れにある
- ルフィはジョイボーイの意志を継いでいる
- 太陽の神の顕現
- 冒険の夜明けと夜明けの旗
- ハッピーエンドで締めくくられている
- イムの正体
- 各団体について
物語は空白の100年を解き明かす流れにある
出典: one-piece.com
該当箇所 |
|
---|---|
混沌に空白あり |
800年~900年前の混沌とした時代は歴史の闇に葬られた(空白の100年) |
歴史に関する「空白」に該当するのは、空白の100年。現代では主に空白の100年の究明に焦点が当てられているので、ほぼ確定でしょう。
ルフィはジョイボーイの意志を継いでいる
出典: one-piece.com
該当箇所 |
|
---|---|
不都合な残影は約束の日を思い出し 月の声を聞く |
歴史の本文にあったジョイボーイと魚人族の約束から、月の人を想起させる |
- 「空白」+「不都合な残影」= 歴史の本文の特徴
- 歴史の本文にはジョイボーイと魚人族の約束が綴られている
- 第二世界ではジョイボーイと思わしき人物が戦い、月の人は太陽に対して夢を見ていた
まとめると、ジョイボーイと魚人族の約束が綴られた歴史の本文を通して、月の人の願いを聞いたと解釈できます。
太陽の神の顕現
出典: one-piece.com
該当箇所 |
|
---|---|
太陽の神は踊り、笑い 世界を終末へと導く |
ニカの能力に目覚めたルフィが、戦争を終わらせるべく人々を先導する |
ほぼ原文通りです。
「終末」というネガティブなワードが用いられていますが、「第一、第二世界から続いた禍根に終止符を打つ」という意味で用いられていると考えられます。
新しい朝と夜明け
出典: one-piece.com
該当箇所 |
|
---|---|
太陽は回帰し 新しい朝が来る |
勝利したルフィによって消えない炎はあるべき場所へと帰され、天竜人の支配から解放された”夜明け”を迎える |
「太陽は回帰」の解釈
- 回帰は「元の場所に戻る」
- 禁断の太陽に触れた事が原因で第一世界が滅亡した
- 太陽を手にする怪物と、消えない炎をベガパンクから奪ったイムとのリンク
「新しい朝」の解釈
- 1話サブタイトル〝ROMANCE DAWN -冒険の夜明け-〟
- リリィの遺言「…明けの旗をかかげ」
- 押し掛け麦わら大船団物語「海賊廃業 染物職人ベラミー」で海賊旗を作成するベラミー
- 地の神によって第一世界は死と闇で包まれた(赤い土の大陸 or ヤミヤミの実)
- ルフィが魚人島を滅ぼす予言
- 「明るい未来」「新たな人生」を連想
「地の神が第三世界を死と闇で包んだ → ルフィが魚人島を滅ぼす or 黒ひげを打倒 → 夜明け」
イムと同じく黒ひげもラスボス候補なので、綺麗につながります。
第一世界の舞台は月と思われるので。太陽の回帰先は月と考えられます。
ハッピーエンドで締めくくられている
出典: one-piece.com
該当箇所 |
|
---|---|
彼らはきっと会えるだろう |
月の人と太陽の神、魚人族とジョイボーイは、それぞれルフィを通して再会するだろう |
第一、第二世界から転じて、ようやくハッピーエンドで締めくくられています。『ONE PIECE』の各パートも大円団で終わるのが恒例でした。
第三世界の登場人物は太陽のみなので、太陽に所縁のある人種、種族との再会を指していると考えられます。
イムの正体
出典: one-piece.com
イムは黒くて禍々しい四本指の動物のような見た目に変身していました。第三世界の怪物も黒く四本指で、消えない炎をベガパンクから奪うなど、特徴が一致します。
また第一世界にもイムに似た人物が登場しており、象主と思われる生物の上に立っていました。これらから禁断の太陽に触れた本人、もしくはその家系との関連が示唆されています。
各団体について
出典: one-piece.com
第三世界では太陽の神ニカの他に、以下の人物の特徴と似た者が描かれています。
- 鉄の巨人「エメト」
- ロキ(古代巨人族)
- キング(ルナーリア族)
- アラバスタ王国の船とビビ
- ラブーン(アイランドクジラ)
- しらほし(人魚姫)
- 海王類
- トンタッタ族
- ミンク族
- 巨人族
- ワノ国の侍
- 5種類の海賊船(世界政府の船と麦わら大船団)
世界政府の船を除けば、ほぼ麦わらの一味陣営です。多様な種族、部隊が登場する大規模な戦闘模様を表しています。
ルナーリア族は今後仲間になる可能性がある
出典: one-piece.com
ルフィはこれまで多種多様な種族を仲間に加えています。しかし、未だにルナーリア族と天竜人が含まれていません。ルナーリア族にもジョイボーイを救世主とした伝承が伝えられており、神典の通り今後仲間に加わる可能性が高いです。
世界政府と思わしき船からは一名だけ身を乗り出していたので、土壇場で天竜人が寝返る可能性もあります。
まとめ
神典には物語の核心に迫る情報が大量に含まれていました。
最終回はルフィ達にとってご褒美にあたるようなものであると尾田栄一郎本人から語られていたので、第三世界の決戦は、恐らくラフテル沖合でしょう。最後は海賊らしく大規模な海戦が繰り広げられ、地上部隊は麦わらの一味や五老星などの主要メンバー同士の戦闘かもしれません。
第一世界の業炎の蛇の正体は、赤い土の大陸かヤミヤミの実の能力でどちらも綺麗につながります。しかし、パターンAは、ラスボス候補の黒ひげが全く言及されていない点が腑に落ちないため、パターンBを推しています。
またいずれも月が焦点に当たっていた事から、エネルの再登場が期待されます。懸賞金は推定5億ベリーと判定されて最早一味の幹部にも劣りますが、マクシムが空島を滅ぼせるだけの威力を持つと考えると、どの勢力にも属さない独立部隊として意外な形で活躍するかもしれません。
※「神典と壁画は別物である」とのご指摘をいただきました。筆者個人は、2つとも同一の事柄を指していると解釈しているため冒頭に注釈を加えました。
記事の間違いやご意見・ご要望はこちらへお願いします。