『ゼノブレイド3』において、今作のストーリーのわかりづらい部分や旧作とのつながりなどについて、詳しく解説しています。
『ゼノブレイドシリーズ』と『ゼノブレイド3』のネタバレを含む解説記事です。
目次
ストーリーのあらすじ
まずはプロモーションビデオや公式サイトに載っているストーリーのあらすじです。ここの部分がミスリードだったり、ノアたちが感じていた世界のことがわかりやすく紹介されています。
ノアたちがいるこの世界「アイオニオン」は、「ケヴェス」と「アグヌス」の2つの大国の戦いが日常的に起きています。ノアたちを含む国民たちは、生まれた戦うことが宿命づけられており、彼らの寿命である「10年」を戦場で生き抜き、その10年の寿命を全うすると「成人の儀」がおこなわれることが最大の栄誉となっている世界です。
とある作戦にて、ノアを含む仲間たちは強力なエーテルエネルギーを発する物体を破壊する任務に就きます。その物体を追っている最中、同じ物体を破壊する任務に就いていた敵国のアグヌス兵であるミオたちと遭遇し戦いになります。
両者が戦いを繰り広げていると、謎の巨人が出現し、仲間たちを次々と追いやっていきます。その時、謎の物体の持ち主であろう男が物体を起動し、ノアとミオがその物体から発せられたエネルギーを浴び、融合することにより巨人へと姿が変わります。この力を使って謎の巨人を撃退します。
謎の物体を起動した男が、『本当の敵は他にいる。生きたいと願うなら目指せ、大剣の突き立つ地「シティー」を!』。その男の言葉を信じ、6人の主人公たちは「シティー」を目指して旅に出ます。世界の真実と本当の敵を確かめるために。
ここまでが発売前にも語られていたストーリーのあらすじとなっています。
これより先、ネタバレにつき閲覧注意
ネタバレありのストーリー解説
“シティー”について
ウロボロスの力をもたらしてくれた、「ゲルニカ・ヴァンダム」によって「シティー」へ行けと言われていた、その「シティー」のことです。
「シティー」は南の果てにある「機神の大剣」の内部にあり、「シティー」では命の火時計に縛られない人々が独自にコミュニティを築いて暮らしています。「シティー」の人々は、現実の我々と同様、繁殖によって生まれ、年月とともに老いていき、新たな命を生んで寿命を全うする、ノアたちとは違う生涯を送ります。
そして、「シティー」には「ロストナンバーズ」と呼ばれる勢力が存在しています。「ロストナンバーズ」はメビウスと戦っている組織であり、「ウロボロス」の候補者を育成していたり、「ゆりかご」を集めて間接的にメビウスの弱体化を図っていたりと、様々な方面でメビウスと戦っています。
ケヴェスとアグヌスの人間たちとメビウス
「ケヴェス」と「アグヌス」の人間たちは寿命がたった10年しかないのは、嘘ではなく事実です。
ケヴェスとアグヌスのキャッスルにて保管されている、「ゆりかご」もしくは「育成モジュール」と呼ばれる培養カプセルのようなものから生まれ、お互いの命を奪い合い、失われた命は「命の火時計」へと注がれて、メビウスのエネルギーへと還元される、つまり、メビウスが生きるための糧として、ケヴェスとアグヌスの国民たちの命が使われています。
殺された者は死んだ瞬間、新たな自分として、「ゆりかご」から以前の記憶を失った状態で生まれます。だからこそ、ユーニが見た骸が自分自身だったこと、他にもエセルが新たに記憶を失くした状態で生まれ変わったことと繋がっていきます。
“ウロボロス”のこと
「ウロボロス」についてはわからないことが多く、わかっていることとして、現在「シティー」にて暮らしている人々は世界最初の「ウロボロス」の末裔であり、その世界最初の「ウロボロス」のことを「始祖」と呼んでいます。
「始祖」たちは、「ウロボロス」となってメビウスと戦っており、メビウスとの戦いの後、様々な形で「シティー」の再興に携わっています。
そして、「ウロボロス」は真のケヴェスとアグヌスの女王によって生み出されたと言われており、「ウロボロス」のみメビウスを倒すことのできる存在です。しかし、一度に「ウロボロス」になれるのは6人のみで、現在はノアたちの6人で他に「ウロボロス」は存在していません。
アイオニオンの真実
「ゼノブレイド3」の舞台である世界の「アイオニオン」の真実は、旧作をプレイしているとわかりやすいかもしれませんが、少しややこしい話となっています。
初代と2の世界とアイオニオンの関係
時系列を追って解説していきます。
元々同じだった世界が一人の男の探究心により、二つの世界に分かれます。この二つの世界とは、「ゼノブレイド」の「巨神と機神の世界」と「ゼノブレイド2」の「巨神獣と世界樹の世界」のことです。
「ゼノブレイド」と「ゼノブレイド2」の本編の出来事が終わった後、二つの相反する世界は引き合っており、世界同士が衝突すると対消滅することが判明します。その消滅を回避するために、「ゼノブレイド」の世界の女王である「メリア・エンシェント」と、「ゼノブレイド2」の世界の女王である「ニア」は、「オリジン」と呼ばれるシステムを建造することになります。
オリジンについて
「オリジン」は両世界のすべての情報が記憶されており、そして、世界が衝突して消滅した後、世界を融合し再生する機能を持っています。しかし、世界が衝突したが再生されず、世界はメビウスの中のメビウスである「ゼット」の手によって静止してしまい、「アイオニオン」が誕生します。
以上が「アイオニオン」が誕生した経緯であり、エンディングにもつながる重要なポイントとなっています。
“メビウス”の正体
メビウスの正体は、世界が衝突する瞬間に溢れた「未来を恐れ、永遠の今を求める」という気持ちや想いなどが具現化した存在です。
「ゼット」は「オリジン」を掌握することで世界を掌握し、静止した時間の中に世界を閉じ込めて「ゼット」は世界(アイオニオン)そのものになります。
メビウスはこの静止した世界の中でないと生きられません。それこそメビウスが、「永遠の今」を維持する理由でもあり、未来へ進むことのできる人間たちを10年の寿命だけで戦わせ、メビウスの命の糧にすることで、メビウスだけが存在し続けられる世界にしました。
「ゼット」、「ワイ」、「エックス」は原初から存在していた先天的なメビウスであり、その他のメビウスは原初のメビウスによって力を与えられた後天的なメビウスで、ノアたちと同じ元々は未来を求めていましたが、何かしらの理由で未来を恐れるようになった人間です。
旧作とのつながり
旧作とのつながりとしては、メインストーリー上にて明らかにされるものだけを記載します。
上記の「アイオニオンの真実」にも記載していますが、「ゼノブレイド」の世界と「ゼノブレイド2」の世界が衝突してそこにメビウスが介入したり、「メリア」と「ニア」が登場して物語上で重要な人物であったりと、直接的なつながりがすぐにわかります。
そして、ラスボスのである「ゼット」を倒した後のムービーにて、ケヴェスキャッスルのメリアの自室と思われる場所に「モナド・REX」が大事に保管されていたり、天空の砦に人口ブレイドである「ハナ」と「ゼノブレイド2」で一緒に旅をした仲間たちが写っている写真が登場していたりします。
その他にも様々な旧作とのつながりが示唆されているので、探してみることをオススメします。
エンドロール後のラストシーンについて
エンドロール後のラストシーンは少し解釈が難しく、ムービーだけを見ていても少しわかりづらくなっています。
エンドロール後、冒頭の時計台を見て静止した時間が動き出し、花火大会のシーンと同じような映像が始まり、「おくりびと」の旋律が聴こえてくるというところで終わります。
端的に解釈すると、
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- 冒頭の花火大会のシーンにて世界が衝突、「ゼット」が介入し静止した時間の中「アイオニオン」を創る
- 本編の出来事があり、「ゼット」を無事倒す
- 「ゼット」を倒したことにより、元の2つの世界に戻る
- もうメビウスたちはいないため、時間が動いており、世界は衝突して消滅、そして融合し「オリジン」によって世界が再生
- ラストシーンはここの部分で、「オリジン」によって無事世界が”融合”し再生されたことを「おくりびと」の旋律で間接的にプレイヤーに伝える
以上が時系列順にまとめた解釈となります。
ノアたちが離れ離れになり、悲しいシーンになっていたのは、時間が戻ってしまいメビウスがいたからこその「アイオニオン」がなかったことにされるため、私たちプレイヤーが知っている、あのノアたちがもういなくなってしまうということになります。
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