本記事は『ONE PIECE』に登場するクロスギルドの解説・考察です。主要人物のバギー、ミホーク、クロコダイルの背景と他のキャラとのつながりから、今後の展開の予想と細かなシステムまで解説していきます。
本記事は『ONE PIECE』単行本最新刊および、ジャンプ本誌最新話のネタバレを含みます。
目次
クロスギルトとは
出典: one-piece.com
クロスギルドとは、悪のカリスマこと千両道化のバギーとクロコダイル、ミホークが率いる犯罪組織。
海賊派遣組織「バギーズデリバリー」が前身で、王下七武海撤廃後に海軍に襲撃されていたところへ舎弟のクロコダイルが颯爽と現れた事がきっかけで発足されました。
というのは完全な誤解で、実際はクロコダイルとミホークが取り仕切っており、クロコダイルがバギーを訪れたのも借金の催促が目的です。
真相を知らない部下はそのままポスターから船まで制作してしまい、政府にまで誤解されバギーは四皇にまで上り詰めることになりました。
そんなバギーと愉快な仲間達が今後どのような行方を辿るのか、新たに加入する可能性のあるキャラと合わせて考察していきましょう。
加入する可能性のあるキャラ
ドンキホーテ・ドフラミンゴ
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全体的にクロコダイルと政府との接点が多く、紹介する中では最も加入する可能性の高いキャラと言えます。以下の4つから解説していきます。
- 過去にクロコダイルを勧誘
- クロコダイルと手口が似ている
- 行動指針は”面白い事”
- 政府のジョーカー的存在
過去にクロコダイルを勧誘
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頂上戦争時、ドフラミンゴは「おれと組まねェか」とクロコダイルを勧誘しています。アラバスタでのクロコダイルの悪行は世間に公表されたので、その手腕を買っての申し出だったのでしょう。
「手下にしてくれの間違いだろう」と断られていますが、そもそもドフラミンゴはファミリーのドンキホーテ海賊団以外は信用しないような人物です。つまりクロコダイルを高く評価している事になります。
クロコダイルと手口が似ている
ドフラミンゴとクロコダイルは国を乗っ取った手口が似ています。
キャラ |
手口 |
---|---|
出典: one-piece.com ドフラミンゴ |
リク王を操って乱心させたように見せかけて、自身は救世主のように登場して国民から信頼を得る |
出典: one-piece.com クロコダイル |
ダンスパウダー※を使って一部地域を意図的に干ばつさせて、国王に不信感を抱かせる。自身は海賊の襲撃から国民を守って人気を獲得する さらに部下に国王の変装をさせて、虚偽の情報を流布する |
※隣接の地域の雲を操作して、人工的な降雨を可能にする粉。本来雨が降る筈の地域の雲を奪ってしまうため製造・使用が禁止されている。
両者共、現国王を陥れて自身は国民から信頼されるように仕向けています。
またクロコダイルは海賊をビジネスと捉えています。多少いがみ合っていたとしても考え方が似ているのであれば、ビジネスパートナーとしては評価するでしょう。
行動指針は”面白い事”
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ドフラミンゴの主な動機は面白いかどうかです。
例えば政府と交渉する際にも「お前らの取引が面白くなくなったら、おれはいつでも王下七武海を辞める」とまで脅していました。
さらに獄中で新聞を読んでる時も「全く退屈しねェな。この世界は」と愉快に笑っており、権力や地位よりも面白さを重視していると分かります。
政府のジョーカー的存在
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ドフラミンゴはマリージョアにある”宝”の正体を知っている事から、政府からジョーカー的な存在として警戒されています。
獄中でも元看守長マゼランが直々に監視役を務めており、ドフラミンゴからは「口封じの殺し屋でも送って来たか!?」とお見通しでした。
つまり政府に殺されるかもしれないくらいなら、クロスギルドのようにいっそ敵方に回ると考えられるでしょう。また言葉巧みに政府と裏取引を仕掛けて釈放される線もあり得ます。
ゲッコー・モリア
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モリアが加入する大きな根拠は政府に強い怨みを抱いていると思われるからです。以下の2つから解説していきます。
- 政府に裏切られた
- 現在の動向
政府に裏切られた
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モリアは王下七武海撤廃に先立って、実質的な除名処分を下されました。ことの経緯は頂上戦争終了直後にドフラミンゴから急襲され、「センゴクの差し金か」と問われた際に「いやァもっと上だ」とのやり取りにあります。
当時のセンゴクは元帥だったので、以下の候補に絞られます。
- イム
- 五老星
- 神の騎士団
- コング
ドレスローザの一件を経て王下七武海が撤廃され、セラフィムが製造されました。よってセラフィム製造に関与したと思われる、五老星科学防衛武神のサターン聖の指令だったと考えられます。
いずれにしてもドフラミンゴの急襲は政府からの指令だったので、モリアは政府に強い怨みを抱いています。そのため今後、政府の敵方に回る可能性が高いでしょう。
現在の動向
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現在のモリアは、配下のペローナに救出されて以降の動向が不明となっています。時系列を整理すると以下のようになります。
- 頂上戦争後、ドフラミンゴに急襲され瀕死の重傷を負う(実質的な王下七武海除名処分)
- ペローナに救出される
- 配下のアブサロムがハチノスに潜入し、黒ひげ海賊団に捕えられる
- アブサロム救出に向かう(既に殺害されており、スケスケの実はシリュウの手に渡る)
- デボンの能力で騙し討ちに遭い、捕えられる
- ペローナがコビーを救出する交換条件にモリアの居場所を教えてもらう
- ペローナと共にハチノスから離脱(現在)
上記の一件で黒ひげ海賊団に恨みを抱いていると考えられますが、そもそもの発端は王下七武海を除名されたからなので、どちらかと言えば政府に怒りの矛先を向けるでしょう。
ペローナ
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ペローナはクロスギルドに加入させる予定だったと思われる原案が大きな根拠になります。また現在行動を共にするモリアの経緯からも、政府の敵方に回る可能性が示唆されています。
以下の2つから解説していきます。
- クロスギルドのポスターのラフ画に居た?
- 現在はモリアと一緒に居る
クロスギルドのポスターのラフ画に居た?
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クロスギルドのポスターのラフ画右下に、特徴的な大きな黒目とパッツン前髪のキャラが描かれています。ペローナの容姿と酷似しており、「ペローナは早期にクロスギルドに加入する予定だったのではないか」と推測が立てられています。
未だ加入していないのは時期尚早と見て、今後何らかの経緯を経てから加入させる予定にあると考えられます。
またラフ画には他にもバギー、ミホーク、ペローナ(未確定)、他2名が描かれており、消去法で1名はクロコダイルとするならば、最後は4人と関連性の高い人物になるでしょう。
ペローナはモリアの配下であり、バギー、ミホーク、クロコダイルとは元王下七武海つながりなので、残りはモリアが最有力候補になります。
現在はモリアと一緒に居る
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ペローナは現在モリアと一緒に行動しています。時系列を整理すると以下のようになります。
- 頂上戦争後にモリアが行方不明になる
- モリア捜索し、無事発見
- アブサロムがハチノスで捕らわれる
- モリアがアブサロム救出に向かう
- アブサロムは既に殺害済で、騙し討ちにあったモリアが捕らわれる
- ペローナがモリアの救出へ向かう
- 牢屋で出会ったコビーを解放する交換条件にモリアの居場所を教えてもらう
- モリアを救出し、ハチノスから離脱(現在)
ペローナはモリアを崇拝しているので、今後はモリアがどう動くかが鍵になるでしょう。モリアは頂上戦争の一件で政府に強い怨みを抱いていると考えられるので、ペローナと一緒に政府の敵方に回る線が濃厚です。
今後は黒ひげと共闘する?
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クロスギルドの既存メンバーの背景と主人公陣営の戦力を鑑みると、政府の敵としてだけではなくルフィ達の前に立ちはだかる展開が考えられます。流れとしては、黒ひげ海賊団との共闘でしょう。
以下の2つから解説していきます。
- バギー、ミホーク、クロコダイルの背景
- 主人公陣営の対抗
バギー、ミホーク、クロコダイルの背景
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クロスギルドの主要メンバーであるバギー、ミホーク、クロコダイルの思惑をザックリ表すと以下の通りです。
バギー「海賊王になりたい」
ミホーク「平穏に暮らしたい」
クロコダイル「軍事国家を築きたい」
それぞれ詳しく解説していきます。
バギー「海賊王になりたい」
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バギーは、ミホークとクロコダイルの反対を押し切ってまで「取りに行くぞ、ひとつなぎの大秘宝」と部下たちに宣言しています。背景にはシャンクスとロジャーの処刑後に別れた際に「(ラフテルを)今のところ目指すつもりはない」と聞かされていた事が影響していました。
当然ミホークとクロコダイルには「”赤髪”、”黒ひげ”、”麦わら”全員と戦えとでも」「何の計画も準備もねェ」と反対されましたが、部下たちに宣言したことにより後に引けなくなっています。
また赤髪海賊団、黒ひげ海賊団、麦わらの一味に対しては「出し抜けばいい」と語っています。よって今後は先ず四皇の海賊団と一時的に共闘して、他の四皇を壊滅させ、最後に残った海賊団を裏切ると考えるでしょう。
赤髪海賊団にはシャンクスとミホーク、麦わらの一味はルフィとクロコダイルの因縁があるので、消去法として黒ひげ海賊団との共闘になるでしょう。
ミホーク「平穏に暮らしたい」
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ミホークがクロコダイルとクロスギルドを設立したのは「平穏に暮らしたい」という思惑があったからです。
詳しい経緯が語られている108巻SBSでは「ミホークはどうして王下七武海に加入したの?」という質問に対して以下のように回答しています。
- ミホークは人生に疲れている
- 王下七武海に加入したのは海兵に追われずに平穏な暮らしができるから
- 海兵狩りと呼ばれる理由は海兵を恨む過去を持ち、大きな裏切りに合ったから
- 平穏な暮らしを模索した結果、バギーの影に隠れる事を思い付いた
そんな隠居生活を望むミホークですが、今後の展開としてはゾロとの決着が考えられるでしょう。
シャンクスに関しては「片腕の貴様と今更決着を付けるつもりはない」と完全に興味を失っているので、シャンクスによって行動を左右される線は低いです。
クロコダイル「軍事国家を築きたい」
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クロコダイルはクロスギルドを「軍事国家だ」とハッキリ称しています。ミホークも「(必要なのは)圧倒的な力だな」と概ね同意していました。
またクロコダイルのアラバスタ編での主な目的は古代兵器プルトンの捜索でした。ロビンの嘘の要約によりプルトンの情報は得られませんでしたが、ベガパンクの報道で古代兵器が言及された際にはクロコダイルの意味深なコマが挿入されています。
圧倒的な力を持つ軍事国家と言えば、やはり古代兵器の力が必要不可欠となるため絶対に手中に収めたい筈です。
バギー、ミホークの背景も考えると黒ひげ海賊団との共闘が候補に挙がり、黒ひげは古代兵器にそこまで固執していないように描かれています。
よって、共闘の際には世界政府やその他勢力への協力を交換条件に古代兵器の所有権を渡すなどが考えられるでしょう。ただし黒ひげも計算高いキャラなので、仮に共闘したとしても土壇場に裏切る展開が濃厚です。
主人公陣営の対抗
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現在の主人公陣営の戦力は、最早このままマリージョアに殴り込んだらイムにも勝ってしまいそうなくらいの勢いです。「ルフィ達が強過ぎて緊張感に欠ける」と言った感想もしばしば見かけます。
ここで主人公陣営の勢力を一度整理しつつ、どうして黒ひげとクロスギルドが共闘する展開が候補に挙がるのか考察していきましょう。
現在の主人公陣営の戦力
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現在の主人公陣営の勢力は以下の通りです。
- 総額懸賞金103億8,000万1,000ベリーの麦わら大船団
- 対天竜人の一大勢力である革命軍
- 世界一の頭脳を持つベガパンクとサテライト
- 元王下七武海のくまと、最悪の世代のボニー
- 世界一の強国と称されるエルバフの巨人族
革命軍に関しては直接的に協力関係が結ばれているわけではありませんが、ルフィとサボの絆やロビンが匿われた一件があります。ドレスローザ編でも麦わらの一味を襲撃しようと目論むバージェスと藤虎の前にサボが立ちはだかっていました。
よって、今後の悪役はルフィ達に匹敵するだけの戦力を有しているのが条件になるでしょう。可能性としては他の四皇海賊団が協力関係を結ぶ展開が考えられます。
海賊は利害が一致していればいい
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海賊が協力するのは利害の一致が大きな理由になります。放浪中のクザンも黒ひげから「海賊ってのは利害が一致してればいいのさ」と説得されていました。
クロスギルドも中身は海賊なので、今後の動向としては利害が一致するような相手との共闘が視野に入ります。
ルフィ達の快進撃も黒ひげが把握している可能性が高く、このままでは戦力的に危ういと考えてクロスギルドとの協力関係を結び、ルフィ達を倒しに行く展開が考えられるでしょう。
組織概要
出典: one-piece.com |
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名前 |
クロスギルド |
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船 |
ビックトップブラスター号 |
発足経緯 |
王下七武海撤廃後、クロコダイルとミホークの思惑が一致して手を組む |
システム |
いつ狙われるか分からない恐怖で海兵の士気が低下する →闇の組織が繁盛する。表の顔を引き受けるクロスギルドに出資する →さらにクロスギルドが「どの海兵が殺されるか」という世界的なギャンブルで儲かる |
初登場 |
アニメ: 1083話〝動く世界!新組織クロスギルド〟漫画: 105巻1056話〝CROSSGULD〟 |
メンバー
座長
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|
名前 |
バギー |
---|---|
異名 |
道化のバギー、千両道化のバギー |
肩書 |
ロジャー海賊団見習い
→王下七武海 |
悪魔の実 |
超人系「バラバラの実」 |
懸賞金 |
31億8,900万 |
口癖 |
「ハデに~」 |
初登場 |
アニメ: 5話〝恐怖!謎の力・海賊道化バギー船長〟漫画:2巻9話〝魔性の女〟 |
cv |
千葉繁、木村昴(幼少期) |
大幹部
メンバー |
概要 |
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出典: one-piece.com クロコダイル |
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出典: one-piece.com ジュラキュール・ミホーク |
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幹部
メンバー |
概要 |
---|---|
出典: one-piece.com アルビダ |
|
出典: one-piece.com モージ |
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出典: one-piece.com リッチー |
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出典: one-piece.com カバジ |
|
出典: one-piece.com ギャルディーノ |
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出典: one-piece.com ダズ・ホーネス |
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懸賞金のシステム
階級 |
懸賞金 |
---|---|
元帥 |
50億(5王冠) |
大将 |
30億(3王冠) |
中将 |
5億(5星) |
少将 |
2億(2星) |
准将・大佐 |
1億(1星) |
中佐以下 |
100万 |
尉官以下 |
10万 |
※王冠…1個あたり10億 星…1個あたり1億
特例
以下の人物は通常よりも1~2段階上の懸賞金が課されています。
キャラ:階級・役職 |
懸賞金 |
---|---|
出典: one-piece.com モンキー・D・ガープ :中将 |
30億(3王冠) |
出典: one-piece.com プリンス・グルス:少将 |
5億(5星) |
出典: one-piece.com 孔雀:少将 |
5億(5星) |
出典: one-piece.com コビー:大佐 |
5億(5星) |
出典: one-piece.com 戦桃丸: 海軍本部科学部隊隊長 |
5億(5星) |
出典: one-piece.com ひばり:中佐 |
2億(2星) |
出典: one-piece.com ヘルメッポ:少佐 |
1億(1星) |
SWORDメンバーと科学部隊は出資者である闇の組織に警戒されている部隊と言えます。
まとめ
本記事でも考察した通り、今後は黒ひげとの共闘が予想されますが、麦わらの一味 vs 赤髪海賊団 vs 黒ひげ海賊団の三つ巴を掻い潜って意外な形で登場するというのも面白いかもしれません。
バギーはあくまでもお飾りの四皇なので、他の四皇と比較すると戦力的にはやや心許ないというのもあります。
バギーはシャンクスとルフィへの復讐心、ミホークはゾロとの師弟関係、クロコダイルは古代兵器と、いずれもストーリー上の重要な要素と深いかかわりを持っている点も見逃せません。
中でもゾロとミホークの決着は多くの方が予想されていると思いますが、ここからゾロが四皇に匹敵するくらいパワーアップするかと言われるとやや疑問が残ります。
まだまだ展開が読めないクロスギルドですが、黒ひげの推し進める準備が大きな焦点になることでしょう。
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