「デービー・ジョーンズって何者?」
「デービー一族が800年前にいたなら、ジョイボーイとも何かあったのでは?」
この記事では、デービー・ジョーンズとデービー一族についての考察をしています。
デービー・ジョーンズがそもそも何者かよく分からない方向けにも、これまでの登場回からオマージュ作品まで解説しています。
本記事は『ONE PIECE』単行本最新巻および、ジャンプ本誌最新話のネタバレを含みます。
目次
デービー・ジョーンズとは
デービー・ジョーンズとは、悪魔に永久に海底で生き続ける呪いかけられた伝説の海賊です。
概要は以下の通りです。
・強欲で嘘つきな甲板長で、船員の所持物をロッカーに隠す話で有名
・海底に沈んだものは、海底にさ迷うジョーンズがロッカーに隠してしまうから二度帰って来ないという逸話がある
・悪魔に呪いをかけられたのは、本人の悪行のせい
・世界政府が消したがるデービー一族
・子孫は闇の世界でハバを利かせながら、細々と生き永らえている
※甲板長…甲板の責任者。主な業務は貨物の整備や船内の見回りなど。
一族の本拠地はゴッドバレー
出典: www.youtube.com
ロックスの台詞から、デービー・ジョーンズの一族であるデービー一族はゴッドバレーに居住していると分かります。
ロックス・D・ジーベック
『おれは妻と子を故郷へ送り届けた…デービー一族を頼れと…!!おれの故郷はゴッドバレーだ』
出典: 『ONE PIECE』1159話〝運命の島〟
ゴッドバレーはシャンクス、シャムロックの故郷でもあります。特にシャンクスは白ひげに故郷の地酒を提供しており、故郷に対する愛着も見せていました。
故郷つながりで、シャンクスと黒ひげの因縁も隠されていそうですね。
デービーバックファイトの由来になった
出典: one-piece.com
直接的に明言されていませんが、デービーバックファイトはデービー・ジョーンズが由来となっています。
- デービーバッグ = デービー・ジョーンズのように私物化する意味
『沈んで来るもの何でも自分のものにしちまうデービーの名前から…敵から欲しいものを奪う事を、海賊達はデービーバックと呼ぶのさ。』
- デービー・ジョーンズへの宣誓が開始の合図
『オーソドックスルールによる3コインゲームを…デービー・ジョーンズに報告!!開戦だァ!!』
デービーバックファイトのルール
出典: one-piece.com
デービーバックファイトのルール(3か条)は以下の通りです。
<デービーバックファイトの3か条>
1.デービーバックファイトによって奪われた仲間・印全てのものはデービーバックファイトによる奪還の他認められない
2.勝者に選ばれ、引き渡された者は速やかに敵船の船長に忠誠を誓うものとする
3.奪われた印は二度とかかげる事は許されない
以上を守れなかった者は海賊の恥としてデービー・ジョーンズのロッカーに捧げる
簡単に言うと、デービーバックファイトで奪ったものは、デービーバックファイト以外では奪い返してはならないという条約です。
登場回まとめ
デービー・ジョーンズについて言及されたのは、SBSを含めると計4回です。以下は判明しているまとめ情報です。
33巻306話「初言及と概要説明」
ニコ・ロビン
『悪魔に呪われて、深い海底に今も生きているという昔の海賊よ。海底に沈んだ船や財宝は全て甲板長だった彼のロッカーにしまわれるの。』
甲板長は貨物の整備や船内の見回り業務などを担当する役職です。なので、船長ではありません。
1155話「ロックスが崇拝している」
『男は「デービー・ジョーンズの崇拝者」だと語り─それ以上の事はしなかったし、できない事を知っていた。』
出典: 『ONE PIECE』1155話〝ロックス海賊団〟
1159話ではロックスもデービー一族と判明しました。子孫ではなく、崇拝者と語っていたのは直系の家系ではないのか、もしくは崇拝者と告げたことに意味があるのかもしれません。
1159話「デービー一族には秘密がある」
ロックス・D・ジーベック
『おれには隠し名がある…デービー・D・ジーベック。おそらく世界政府がずっと抹消したかった一族の名だ。
伝説の海賊デービー・D・ジョーンズを先祖に持つ一族。闇の世界にハバを利かせ今もまだ細々と生き永らえてる。
間が悪ィのか…おれには子供が産まれた。万が一にも2人危険が及ばねェ様に…おれは妻と子を故郷へ送り届けた…デービー一族を頼れと…!!
おれの故郷はゴッドバレーだ。』
出典: 『ONE PIECE』1159話〝運命の島〟
デービー一族も世界政府に警戒されているという今後重要になってきそうな情報です。デービー・ジョーンズ自体は本編ともかかわりの薄いサブキャラでしたが、今後も言及されることでしょう。
38巻SBS「デービー・ジョーンズの設定」
※以下38巻SBS要約
“デービーバック”という言葉は伝説上にも存在しません。DBFはワンピースの世界にのみ存在するゲームです。
「デービー・ジョーンズのロッカー」とは、昔から船乗りの間では有名な話。デービー・ジョーンズはうそつきで、ろくでもない海賊で、とても強欲な甲板長。船員の持ち物や宝など、を自分のロッカーにしまい込んでしまう事で有名でした。
海賊としても悪いやつで、ある日悪魔から永久に海底で生き続けろと呪われ、それ以来、海へ沈んだ船や船乗り、お宝などは全て海底で彼がロッカーにしまい込んでしまうために、もう二度と見つかる事はないという伝説になりました。
海賊達の使用例→「デービー・ジョーンズのロッカーにぶちこむぜ!!」
意味→「深海に沈めて殺しちまうぜ!! 」
デービー・ジョーンズは実在のモデルを参考にしていたとのこと。
また38巻SBSでは、似顔絵(適当に書いた)も挿入されています。当時は、まだデービー・ジョーンズを本編と絡ませるような構想は無かったようですね。
オマージュ作品など
デービー・ジョーンズまたは、それに付随するものにはいくつか他作品のオマージュ要素が見られます。SBSなどで直接的な回答はされていませんが、これまでのキャラや設定の中にも実在の海賊や国内外の俳優をモデルにしていた例が存在します。
蟹手のジャイロ
出典: one-piece.com
パイレーツ・オブ・カリビアンのデイヴィ・ジョーンズと同じ蟹の手。
ホーディー・ジョーンズ
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名前が一致。その他は特に類似点はありません。
フライング・ダッチマン号
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現実では、フライング・ダッチマン号は、オペラ曲「さまよえるオランダ人」に登場する伝説の幽霊船として語られています。
永久に風に逆らいながら航海し続ける呪いをかけられており、悪魔に呪いをかけられて海底をさ迷っているバンダー・デッケンと幽霊船フライング・ダッチマン号と酷似しています。
作中では、フライング海賊団船長バンダー・デッケン九世が乗っていました。
デービー一族とジョイボーイの関係性
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ジョイボーイとイム様の800年間に及ぶ因縁が注目されてきましたが、よく分解してみてみるとジョイボーイとデービー一族と思想的な要素での結びつきや対立が示唆されています。
今後、キーワードになってきそうなのは以下の要素です。
・デービー一族もジョイボーイもDの一族であること
・ロジャーが次世代の海賊王に期待していたのは少なくとも黒ひげではない
・”D”の意味
・ルフィ vs 黒ひげは今後、間違いなく描かれる
・イム様や五老星も、黒ひげを警戒していた
同じDの一族であること
出典: one-piece.com
イム様から「Dとは、かつて我々が敵対していた一族の名」とジョイボーイもDの一族であると推測できます。
またDの一族は政府の抹殺対象であり、相当な警戒態勢が敷かれています。
ジョイボーイが待つ人物 ≠ デービー一族
出典: one-piece.com
白ひげは死に際に、「ロジャーの意志を継ぐ人物は、ティーチではない」と語っていました。
直前の回想では、Dの一族の秘密を教えてもらっている場面が差し込まれており、白ひげがDの一族の秘密を知った上での発言です。
ロックスのキャラクター性
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ロックスは聖地や海軍を陥落させて「世界の王」になるという支配的な思想を持つ一方で、情に厚い一面も見せています。
例えば、
- 妻と息子ティーチの危機に駆け付けてゴッドバレーに向かう
- ハラルドを友人と見込んで助言を与えたり、自身の出生の秘密を明かす
- ハラルドをのして、無理矢理仲間にさせる提案をしたカイドウに怒る
黒ひげの父親ということでロックスも残忍な性格と思われていました。ですが、どちらかと言えばルフィ寄りの性格ですね。
「ロジャーの待つ人物は黒ひげではない」と白ひげは語っていましたが、同じDの一族同士で通じ合うところも少なからずありそうです。
Dとは、デービーのD?
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1159話〝運命の島〟より、先住民一掃大会のSR脱兎に選ばれたデービー一族を紹介する前置きに「誰もがご存じ」と挟まれていました。
天竜人なら誰もがデービー一族を知っている理由としては、コラソンの語っていた天竜人の教育から推測できます。
コラソン
『おれの故郷では子供はこうしつけられる「行儀の悪い子は”ディー”に食われてしまうぞ」』
コラソン言っていた”ディー”がデービーを指していたのであれば、子供の頃から教わっていたように天竜人の誰もが知っていたことにも説明が付きます。
同じDの一族でも扱いが異なる
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これまでDの一族は数々登場してきましたが、最新の情報では政府の抹殺対象と判明しました。
一方で、ガープの入隊や黒ひげの王下七武海加入など、Dの一族でありながら好待遇を受けるパターンもあります。
上記の矛盾は、以下の2パターンが考えられます。
<Dの一族でも扱いが異なる理由>
- Dには有害なものと無害なものがある
- 長期連載による設定的な矛盾
イム様は「近年湧き出たDは、己の名の意味も知らぬ抜け殻共」と特に警戒していませんでした。逆にルフィや黒ひげには珍しく執着しています。
これまでも”思想”のキーワードが度々登場していたように政府が警戒していたのは血筋ではなく、ルフィや黒ひげが受け継いだ有害な思想なのかもしれません。
出典: one-piece.com
ルフィと黒ひげの思想は真逆
出典: one-piece.com
ジョイボーイの意志を継いでいる人物と言えば、ルフィ。その思想は「自由・解放」など。
そして、デービー・ジョーンズの崇拝者であるロックスの息子、黒ひげは「支配」を目論んでいます。
このようにルフィと黒ひげの思想は真逆であり、これまでも何度か対立関係が示唆されてきました。
同じDの一族であっても、思想や価値観に違いがあるようです。つまり、Dの一族内にも派閥が存在していたのではないでしょうか。
Dは半月を示している?
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これまでDと月の関係は何度か示唆されてきました。
例えば、
- 「生きていたのか。Dの意思は」のコマ内に大きな満月が描かれていた
- 月の人のように月に関連する人物が存在していた
- 半月とDの形が似ている
上記と関連性して、神典(ハーレイ)の記述にも「月の人」「半月の人」「片われ月の声」と重要なキーワードが登場していました。
ルフィと黒ひげの対立も、こうした歴史を辿って展開されていると考えると、より壮大な物語になってきますね。
ロックスが崇拝者と名乗った理由
ロックスの目的はイム様への宣戦布告?
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ロックスが花の部屋に侵入した目的は、宣戦布告と考えられます。
花の部屋に侵入する前には5人の王を誘拐し、海軍大将を襲撃していました。
イム様は「なんの脅しにもならんぞ」ロックス「だろうな」とロックス自身も牽制にすらなっていないことを想定していました。恐らく花の部屋に侵入するためにマリージョアを混乱させる作戦だったのでしょう。
そして、自身がデービー・ジョーンズ崇拝者であると語ります。我関せずだったイム様がこの時ようやく態度が変わってました。つまり、デービー・ジョーンズはイム様にとっても因縁のある相手だったのでしょう。
実際にデービー一族は「800年の時を経て発見された」と語られていたので、空白の100年の当事者である可能性が高いです。
またイム様の初登場時にはルフィだけでなく、黒ひげの手配書も切り裂いていました。
このように、デービー一族はジョイボーイと同列に扱われるぐらいイム様にとって因縁深い相手と言えます。
ロックスが古い文献を読み解いた可能性が高い
出典: one-piece.com
ロックスはただ支配欲の強い人物としてだけでなく、空白の100年に関する情報もある程度持っているのが分かります。
デービー一族を政府が消したがっていると推測していたり、特に花の部屋への侵入した件には顕著に表れています。
そもそもイム様の存在は、五老星や神の騎士団クラスの人物でしか存在すら知らないトップシークレットです。コブラもイム様と出会ってしまったばかりに五老星に殺害されていました。
そんなイム様の情報を、ロックスはどこで知ったのか?
過去の文献はポーネグリフを除いて抹消されているので、逆説的にロックスはポーネグリフなどの古い文献を読み解いて空白の100年の秘密を知ったのかもしれません。
またデービー一族が闇の世界という意味深な界隈で生き永らえている、と語っていたように世界の闇に触れられる、もしくは触れた一族という解釈もできます。
空白の100年の当事者?
今大会のSR脱兎はバッカニア族のガキを加え!!
800年の時を超えてついに発見!!デービー一族~!!!
出典: 『ONE PIECE』1159話〝運命の島〟
800年前は時期的に空白の100年を指しています。
ロックス自身も「世界政府がずっと抹消したかった一族」と語っており、心当たりがあるようです。
ジョイボーイのようにデービー一族も政府に消されてしまうような大罪を犯したのでしょうか?
“D”には意味がある
出典: one-piece.com
Dの一族の”D”には、何らかの意味が込められているとイム様が語っています。
イム様
『近年各地に湧き出てきた”D”は己の名の意味も知らぬ”抜け殻”共…』
出典: 『ONE PIECE』102巻1135話〝ネフェルタリ・コブラ死す〟
ここで言う“抜け殻”と言うのは、中身の伴っていない行動を指していると解釈できます。
Dの一族の軌跡は運命的なもの
Dの一族達の軌跡は運命的なものであるとも語られています。
トラファルガー・ロー
『なァコラさん。おれはやっぱり、この数奇な運命の意味を知りてェ』
出典: 『ONE PIECE』99巻996話〝最強が居る島〟
ウープ・スラップ(フーシャ村の村長)
『夢か…運命か…』
出典: 『ONE PIECE』9巻96話〝東一番の悪〟
デービー・ジョーンズはイム様に呪われた?
出典: one-piece.com
デービー・ジョーンズの逸話では、「悪魔に呪いかけられた」と語られています。
作中の悪魔と言えば、イム様が該当します。
エルバフの壁画にも、太陽を手にした巨大な悪魔がニカの一団と戦争を繰り広げる構図で描かれていました。
実際にイム様も悪魔の能力を司る能力を駆使しており、太陽を奪ったマザーフレイムに置き換えると壁画の内容と合致します。
つまり、デービー・ジョーンズとは、イム様に呪われて世界からはじき出された人物なのでしょう。
バンダー・デッケンとの関連性も
バンダーデッケンとは
出典: one-piece.com
バンダー・デッケンとは、古代兵器ポセイドンを代々探し求めていた家系です。
魚人島編では現当主バンダー・デッケン九世が登場しており、ポセイドンを手に入れようと、画策していました。
ブルック
『この世にあってはならない船です!!それはもう数百年も昔のお話…!!ある大嵐の日突然錯乱した海賊船船長が、部下を次々に嵐の海へ投げ込み…皆殺しにし…神にさえツバを吐いた!!
その船長の名はバンダー・デッケン!!船の名はフライング・ダッチマン号!!彼は神の怒りを買い…永遠の拷問を受けながら海をさまよい続ける事を運命づけられた。』
ONE PIECE界の神と言えば、天竜人。天竜人に喧嘩を売った代償として永遠に海をさ迷い続ける拷問を受けているとも解釈できます。
デービー・ジョーンズとの関連性まとめ
バンダー・デッケンとデービージョーンズは、以下のような類似点が見られます。
バンダー・デッケン |
神に喧嘩を売ったことで、永遠の拷問を受けながら海をさ迷い続けることになった。 |
---|---|
デービー・ジョーンズ |
悪魔に永久に海底で生き続ける呪いをかけられた。 |
神 = 天竜人?
悪魔 = イム様?
上記のように当てはめたとすると、どちらもイム様の仕業かもしれません。
特にバンダー・デッケンは、古代兵器ポセイドンを長年追跡していました。
古代兵器に目を付けるような大物だとすれば、イム様とも空白の100年での出来事を通して接点が生まれます。
バンダー・デッケンとデービー・ジョーンズの共通点については、同じ派閥同士だったか、もしくは同一人物という線もあり得ます。
デービー・ジョーンズが悪魔に呪いをかけられた理由
デービー・ジョーンズが悪魔に呪いをかけられた理由は、ワンピース上と元ネタの海洋伝承でも明らかになっていません。
そもそもの元ネタである海洋伝承では、デービー・ジョーンズは一般人ではなく悪魔そのものです。
また作中でも一部オマージュしていたと思われるパイレーツ・オブ・カリビアンでは、海の女神カリプソとのロマンスがきっかけで呪われていました。
デービー一族 vs ジョイボーイの異なる思想がぶつかる?
アニメのオープニングなどでも示唆された通り、物語のクライマックスは黒ひげ vs ルフィと予想されています。
黒ひげはデービー一族の、ルフィはジョイボーイのそれぞれの意志を継ぐ者として空白の100年やもしかしたら、エルバフの壁画に遭った第一世界まで遡った壮大な物語に終止符を打つような形で描かれるかもしれません。
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