『ポケットモンスタースカーレットバイオレット(ポケモンSV)』 DLC『藍の円盤』で登場した伝説ポケモン「テラパゴス」の正体の考察や、何が元ネタなのかを考察する記事になります。
以下はストーリー本編、並びにDLC『藍の円盤』のストーリーのネタバレを含むので未クリアの方は特にご注意ください。
目次
テラパゴスの正体について
ブックに載っていた「円盤のポケモン」
内容 |
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観測隊員と はぐれたとき 大穴の奥底で 私は 不思議な 物体を 見つけた 気がする ポケモンなのか 生きているのか それすら わからない 謎の存在 彼の外殻は 六角形が 多層的に 重なった 構造に なっており 宝石よりも 光りかがやいていた その形は まるで 円盤のようだ |
ヘザーが記したブックに載っていた「円盤のポケモン」がテラパゴスの正体です。
ヘザーのスケッチとテラパゴスの見た目はかけ離れていますが、「ステラフォルム」の特徴は一致するためほぼ確定でしょう。
ゲーム中で詳しくは明言されていない
テラパゴスの正体は図鑑の説明でも「絶滅したと考えられていた」と曖昧な表記で、どういった存在なのか今一つ掴みづらいです。
ストーリーでも語られておらずはっきりとしたことは分かっていないのですが、願いを叶える能力を持った存在なのではないかと考察しています。
願いを叶えるポケモンだと考察する理由
観測隊員のスケッチ担当が描いた「幻のポケモンのイメージ」は、記されている通り「どういう見た目かと想像しながら描いた」ものであり、実在しないポケモンであることが明言されています。にもかかわらずスカーレット・バイオレットの世界には ウネルミナモ や テツノイサハ が現れたことから、人々の想像を現実に落とし込むことができる=願いを叶えた という考察です。
ヘザーたち観測隊員は、過酷な探索の中 エリアゼロ最深部で何かを見つけたいと強く願っていたはずです。その結果、想像した幻のポケモンが現実に現れたのではないでしょうか。
願いを叶えるには強い意志を持つ必要がある?
この能力はテラスタルエネルギーが満ちた特定の環境下(エリアゼロの中やてらす池の近く)かつ、強い意志を持つ者がいないと発揮できないと思われます。
パルデアの大穴の地下へ行き、キタカミの里から スグリが胸に秘め続けていた「主人公のようになりたい、主人公と肩を並べられる力が欲しい」という強い意志。
「パラドックスポケモンが共存する理想の世界」を思い描いた博士の強い意志。
エリアゼロ観測隊員のスケッチ担当が「何かを見つけたい」と想像して描いたと思われる「幻のポケモンのイメージ」。
彼らには共通して「自分/自分たちの願いを叶えたい」という強い思いがあるはずです。
「なりたい自分」という今作の隠しテーマがあり、それとも関係が?
今作の表のテーマは「宝探し」ですが、隠しテーマは「なりたい自分」であると筆者は考えており、「自分の願いを叶えたい」とも共通します。
今作の固有システム「テラスタル」には、自身のタイプを変化させる→”なりたい自分を思い描く”といった意図が隠されているのではないでしょうか。
ボタンの「なりたい自分」とは
スター団のボスだった「ボタン」との戦闘中、「星々のように テラスタル! なりたい自分に 変身しろ!」といったセリフがありました。
手持ちポケモンに対してのセリフではありますが、アカデミーでのいじめを克服したかった 自分自身に対する切実な思いのようにも受け取れます。
コライドン・ミライドンにも「なりたい自分像」があった
また、今作の伝説枠である コライドン 、 ミライドン 。彼らは「伝説のポケモン」の分類ですが、元々の時間軸では モトトカゲ のパラドックスの姿=通常のポケモンです。
ザ・ホームウェイでは、狂暴なもう1体の コライドン 、 ミライドン との戦闘で勇気を振り絞って勝利を収めました。
その結果、相棒である主人公、パルデア地方を救った彼らも「伝説のポケモン」と呼ばれるにふさわしく、「なりたい自分」になれたと考えます。
スグリにとっての「なりたい自分」とは何だった?
『藍の円盤』のストーリー終盤、「主人公に勝ちたい」と『碧の円盤』のときから強く願い続けたスグリ。
ストーリー中の彼にとってのなりたい自分は「もっと強く、主人公よりも強い自分」ですが、 努力の方向がうまく定まらず暴走しててリーグ部の人々を傷つけてしまいました。
彼がテラパゴスにテラスタルオーブを使うと暴走してしまい、この描写はリーグ部でどうすればいいか分からなかったスグリの言動とも重なります。
エンディングでは「主人公と友達に戻りたい」と正直なことを言いきることができ、宝探しの結果 挫折したのではなく「なりたい自分」は何か、ようやく考えられたのです。
時間や空間へも干渉できる存在?
テラパゴスが周囲の者の願いを叶える際、 ディアルガ や パルキア のように、時間や空間にも影響を及ぼすこともできると考えます。
下記の「てらす池イベント」をご覧ください。
てらす池イベント
『藍の円盤』クリア後、”死者に会える”との噂が立つキタカミの里のてらす池へテラパゴスを連れていくことで、過去の世界線から来たと語る博士との会話イベントが発生します。
イベントの中では、オーリムの姿を見てボールから飛び出すコライドンの姿も確認できます。
この描写からは コライドンが博士に会いたいと願い続けていた結果、オーリムの姿が現れたのではないかと考えています。
ここで会える博士は、AIについて「そんなものが実用化されれば便利そうだな」と語ることから、タイムマシンを作るより前の世界から来た 正真正銘本物の博士です。
博士の口からは「時空の可能性は無数に存在し、この出会いは地続きの過去・未来ではない可能性がある(≒主人公の世界と、ここで会った博士の世界は異なる可能性がある)」ということが語られます。このセリフにより、テラパゴスが願いを叶える時には時空間をも超越しうるという考えへ至りました。
更に、イベント終盤では ブライアの著書
ゼロの秘宝
と引き換えに
スカーレットブック
を渡されます。
博士が
ゼロの秘宝
を所有するとなると本来のストーリーとは矛盾していますので、このオーリム博士は平行世界から来たと考えられます。つまり、テラパゴスは時空間を越えて 平行世界にも干渉することができると結論付けるのが妥当と言えるでしょう。
※これらの画像はスカーレット版で撮影したものです。バイオレット版ではフトゥーが現れ、 バイオレットブック を渡されます
別世界の博士であると考える根拠
ゼロゲートの書き置き |
コライドン・ミライドンの命名後にペパーが生まれる |
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てらす池で会えた博士 |
ペパーが生まれているが、コライドン・ミライドンについては知らない |
ゼロゲートの転送ユニットの書き置きには“ツバサノオウ/テツノオロチの転移成功後、コライドン/ミライドンと命名。その後「新しい宝にも恵まれた(ペパーが生まれた)」”と記されており、こちらを正史とすると、てらす池で出会えた博士は「子供(ペパー)をさみしがらせている」という発言に加え、「そのポケモンはコライドン/ミライドンと言うのか」と存在を知らないかのような立ち振る舞いが気になります。
アニポケでさらなる正体が判明するかも
現在放送されているポケモンのアニメ「ポケットモンスター リコとロイの旅立ち」では、リコの持っていた不思議なペンダントはテラパゴスの仮の姿でした。
今後のアニポケの展開で、スカーレット・バイオレットの物語では語られなかった テラパゴスの更なる謎が明かされるのではないかとも考えられます。
テラパゴスの元ネタ
テラパゴスの元ネタとなっていそうなものを考察して紹介しています。
名前・図鑑説明から考察
名前の由来は、今作の要素「テラスタル」+スペイン語でカメを指す「Galapago」を合わせたものだと考えられます。
海外名も同様に「Terapagos」で、こちらも同様に テラスタルの「tera」+ガラパゴスゾウガメの英名”Galapagos giant tortoises”→「pagos」でしょうか。
バイオレット版の図鑑説明で語られている“絶滅したと考えられていた”という部分も、絶滅危惧種であるガラパゴスゾウガメとの共通点です。
また、「ガラパゴス」という言葉は「孤立した環境で独自に発達している事象」を示し、これは パルデアの大穴で独自の生態を築き上げたテラパゴスの生態と繋がります。
ストーリーから考察
前述した、『藍の円盤』クリア後に追加される「てらす池イベント」ではタイムマシンの役割を果たしてくれます。
DLC前編『碧の仮面』=オーガポンとそのストーリーは桃太郎が元ネタとなっていました。
後編『藍の円盤』=テラパゴスは、タイムスリップの描写やカメの見た目から、「浦島太郎」がモチーフの一つとなっているのではないでしょうか。
見た目から考察
ステラフォルムのテラパゴスは 地球の上にテラパゴス自身が乗ったような姿をしており、その上にさらにテラパゴスを模した冠のようなものが乗っています。
スカーレット版の図鑑説明では、「古代人が考えた世界に似ている」と書かれており、古代インド神話で語られる「アクパーラ」という存在は 亀が世界を支えている姿をしています。
テラパゴスは 世界と亀の位置関係が逆になっていますが、”古代で考えられていた世界と似ている”との表現がある通り、何らかのモデルにはなっているのではないでしょうか。
お尻
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テラスフォルムはどこかドリームキャッチャー感があるよね。
ステラコイルとフィラデルフィア計画の事故がモデルでは?
ゼロの大空洞内に、子供から白い本を博士が受け取っていた記述があり、時系列的に矛盾はないと思います。